帝人フロンティアはこのほど、ミドリ安全と共同で、外部接触面に超極細繊維「ナノフロント」を使用した耐切創性手袋「カットガード132NF(エヌエフ)」を開発したと発表した。すべりにくさと異物混入防止性を両立した新タイプの製品で、3日からミドリ安全が販売を開始した。
「ナノフロント」を使用した生地の表面には、ナノサイズの凹凸があり、これにより通常の繊維生地に比べて表面積が大きくなることから、高い摩擦力を発揮。コーティングタイプの手袋と同様のすべり止め効果や作業性が得られ、その効果は水を扱う状況でも持続する。
ノンコーティングタイプのため異物混入防止性が高く、精密機械や食品加工などの生産現場でも、ウレタン樹脂が混入する心配がない。手袋に厚みができないので、使い捨て手袋の下に着用して使用することが可能。また、すべり止め効果に優れることから、重ねて着用する際も手袋内でずれが生じづらい。
自動車や精密機械、食品加工などの工場、設備のメンテナンス、建設などの作業現場では、切創事故の防止を目的として耐切創性手袋が広く使われており、最近は特に作業性の向上や、異物混入リスクの排除などの機能を兼ね備えたものが求められている。
耐切創性手袋には、すべり止め効果を目的に手のひら部分をウレタン樹脂で覆ったコーティングタイプ、使い捨て手袋の下に着用する想定でウレタン樹脂を使用しないノンコーティングタイプがある。しかし、コーティングタイプはすべり止め効果に優れるものの、ウレタン樹脂が剥がれ落ちて異物混入につながったり、手袋の厚みにより作業効率が落ちたりするなどの問題があった。
一方、ノンコーティングタイプには、すべり止め効果がないため作業がしづらい、使い捨て手袋の下に着用する際に手袋内でずれが生じてしまう、などの問題があった。
両社は外部接触面に超極細繊維「ナノフロント」を使用することで、すべり止め効果と異物混入防止性を両立した。標準価格は一双750円(税別)。販売目標は2019年度が3000万円、2020年度が5000万円。