BASF 果樹と畑作物向け新規殺菌剤を年内に発売

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2019年1月31日

 BASFジャパンはこのほど、独BASFが開発した新規有効成分「ゼミウム」(成分名:フルキサピロキサド)を含む「アクサーフロアブル」と 「イントレックスフロアブル」の2つの新規殺菌剤の販売を開始すると発表した。これらの殺菌剤は果樹と畑作物の主要な病害に対し、強力で長期間防除効果を発揮する。

BASFアクサーフロアブルボトル
アクサーフロアブルボトル

 果樹専用殺菌剤のアクサーフロアブルは、ゼミウムとジフェノコナゾールの混合剤。リンゴのモニリア病や黒星病、梨の黒星病や黒斑病、桃の灰星病など、果樹のさまざまな主要病害に効果がある。作用が異なる有効成分の混合剤であるため、耐性菌管理にも有効。3月の販売開始を予定している。

イントレックスフロアブルは小麦など畑作物の主要病害に対応
イントレックスフロアブルは小麦など畑作物の主要病害に対応

 畑作物専用殺菌剤のイントレックスフロアブルはゼミウムの単剤で、小麦・ジャガイモ・テンサイの主要病害に対応する。特に小麦の雪腐病やテンサイの葉枯病など、北海道で問題になっている病害の防除に高い効果を発揮する。今年第4四半期中に販売を開始する予定だ。

 ゼミウムは果樹と畑作物のさまざまな病害を防除する効果に加え、浸達性と移行性に優れているため、成分が葉面の裏側や葉内を含む植物のすべての部分にいきわたる。また、そのユニークな特性により植物表面に吸着することから、長期にわたり病害を防除することが期待できる。

東レ 塗布型半導体CNTが世界最高移動度を達成

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2019年1月30日

 東レは29日、塗布型半導体としては世界最高となる移動度155㎠/Vsを達成したと発表した。

 今回の移動度向上は、塗布型半導体の特徴である高性能と低コストを生かすことで通信距離が長いUHF帯RFIDを用いて、複数のタグを一度に読み取る性能が向上し、より実用化へ一歩近づく技術。

 同日開催された記者会見において、電子情報材料研究所の後藤一起所長は「カーボンナノチューブ(CNT)はこれまで、実用化に様々な課題があった。塗布型半導体CNT技術が確立すれば、

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東ソー 新規プリンテッドエレクトロニクス材料を開発

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2019年1月29日

 東ソーはこのほど、短チャネル有機トランジスタ向けプリンテッドエレクトロニクス材料(有機半導体、絶縁膜材、撥液バンク材、保護膜材)を開発したと発表した。

 有機半導体(開発コード名:TS5)は、溶解性と耐熱性を併せもち、塗布で良好な結晶膜を形成。5㎛の短チャネル有機トランジスタで1㎠/Vs以上の高移動度を発現する。絶縁膜材(DC100)、撥液バンク材(BC400)、保護膜材(DK500)は、いずれも感光性があり、低温・短時間硬化が可能で、光パターニングにより微細な開口部を形成する。

 同社では、これまでに山形大学との共同研究で、有機ELディスプレイやセンサの試作・駆動実証に成功している。なお新規開発の4製品は、東京ビッグサイトで30日~来月1日に開催の「JFlex2019」(コンバーティングテクノロジー総合展内)に出展される。

 ブース番号は2X‐17。また、同会場で併催される「新機能性材料展」では、同社のファインセラミックス「ジルコニア」関連製品を出展する。ブース番号は2P‐20。

旭化成ファーマ レジオネラ症の迅速診断キットを販売開始

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2019年1月29日

 旭化成ファーマは28日、体外診断用医薬品「リボテスト」シリーズの新製品として、レジオネラ・ニューモフィラのすべての血清型(1~15)を検出できるレジオネラキット「リボテスト レジオネラ」の国内販売を2月1日から開始すると発表した。 販売はアリーアメディカルと、極東製薬工業の2社が行う。

「リボテスト レジオネラ」製品写真
「リボテスト レジオネラ」製品写真

 リボテスト レジオネラは旭化成が開発した抗体技術(L7/L12)を用い、旭化成ファーマが製品化したレジオネラ症の診断補助のための迅速診断キット。

 レジオネラ症はレジオネラ・ニューモフィラに代表されるレジオネラ属菌に起因する感染症で、レジオネラ属菌は土壌、河川などの環境中に存在し、アメーバなどに寄生して増殖する。症状によりポンティアック熱型と肺炎型に分類され、肺炎型は進行が速く、2~10日の潜伏期の後に呼吸器症状が現れ、しばしば48時間以内に重症化する。そのため、早期診断と適切な初期治療が求められている。

 従来の迅速診断キットはレジオネラ・ニューモフィラ血清型1のみを検出する目的で使用されていることから、レジオネラ・ニューモフィラの血清型(1~15)が検出可能なキットの開発が望まれていた。

 旭化成ファーマは同製品の販売を通じ、レジオネラ症の迅速診断に大きく貢献していく考え。

GSユアサ リチウムイオン電池がイプシロンロケットに搭載

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2019年1月24日

 GSユアサはこのほど、グループのジーエス・ユアサ テクノロジー(GYT)製のリチウムイオン電池が、今月18日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が内之浦宇宙空間観測所で打ち上げたイプシロンロケット4号機に採用されたと発表した。

 GYT製の「ロケット共通リチウムイオン電池」はイプシロンロケット4号機の1~3段目に搭載されており、ロケットの制御系機器などに電力を供給する。また同ロケットには、飛翔中のロケットの姿勢制御系機器に必要な電力供給の働きをするGYT製の駆動用熱電池も採用されている。

 ロケット共通リチウムイオン電池はJAXAからの開発要求を受け、IHIエアロスペースとの契約によりGYTが開発したもので、イプシロンロケット初号機から継続して採用されている。

 GYTは特殊用途の電池や電源を開発・製造販売しており、水深6500mの深海から上空3万6000kmの宇宙空間まで、海・陸・空の特殊環境フィールドで、高性能かつ高品質な電池を提供している。

 今後も高性能リチウムイオン電池の開発・製造を通じて、宇宙開発事業へ貢献していく。

 

東洋紡 アルミニウム系触媒を使用した包装用PETフィルムを開発

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2019年1月23日

 東洋紡は22日、環境負荷に配慮した包装用PETフィルム「東洋紡エステルGS」を開発し、製品化すると発表した。重金属フリーで環境にやさしいアルミニウム系触媒を使い、製造したPET樹脂を主原料にする。ラインアップは12μmと16μmの 2種類。主な用途は食品をはじめ、薬剤、サニタリー、産業資材といった非食品の包装材を想定。今月中旬からサンプル出荷を始め、今秋から本格的に量産を開始する。

東洋紡エステルGS
東洋紡エステルGS

 東洋紡エステルGSの主原料となるPET樹脂の製造には、同社が2002年に独自開発したアルミニウム系触媒「TOYOBO GS Catalyst」を使用している。同触媒は、一般的なPET樹脂の重合反応に用いられるアンチモンなどの重金属を含んでいないため、製造したPET樹脂は、廃棄の際などの環境への負荷低減につながる。

 また、優れた熱安定性により、樹脂を溶融した際の物性劣化が起こりにくく、リサイクル・再利用に適するという特長を持つ。

 同触媒を使用して製造したPET樹脂は、これまでにも飲料用ペットボトルや太陽電池用バックシートフィルム「シャインビーム」などに使用されているが、包装用PETフィルム製品として使用されるのは業界初となる。

TOYOBO GS Catalyst®」を使用して
「TOYOBO GS Catalyst」で
製造したPET樹脂(左前)

 環境意識がますます高まる中、同社は今後も、同触媒を使用したフィルム製品の販売比率を上げ、PETフィルム製品の環境への負荷低減やリサイクルの促進に貢献していく。

 なお、同アルミニウム系触媒は、同社がデュポン社から製造受託している生分解性樹脂「APEXA」の製造にも使用されている。また2017年には、PET樹脂製造最大手のインドラマベンチャーズと、同触媒を使用した重合技術や特許に関するライセンス契約を締結している。

ポリプラスチックス 医療用途向けにPOM「PMシリーズ」を開発

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2019年1月23日

 ポリプラスチックスは22日、ポリアセタール(POM)「ジュラコン」で、医療・ヘルスケア市場向けに「PMシリーズ」を新たに開発したと発表した。

 PMシリーズの初となるグレード「PM09S01N」は、FDAマスターファイル登録、USPクラスⅥ、高い品質管理など医療機器メーカーの代表的な要求事項に対応している。

 同社グループでは、2月にフランス(Pharmapack:6~7日)と米国(MD&D West:5~7日)で開催される医療業界の展示会にPOM「PMシリーズ」やCOCを出展し、訴求を図っていく。

 同社グループは高純度の環状オレフィン・コポリマー(COC)「トパス」材料を長年、医療・ヘルスケア市場に提供してきた。トパスは各国の医療・食品接触の規制に適合しており、薬剤や液薬と直接接触する医療用容器や投薬デバイスなど幅広い用途で使われている。

 こうした中、医療・ヘルスケア市場では常に、より信頼できる高品質の材料が求められている。POM材料のトップサプライヤーである同社は、そうした市場の要望に応えPMシリーズを新たな医療用途向け製品として開発した。

 

 

昭和電工 3.5インチハードディスクを業界最大記録容量HDDに採用

2019年1月22日

 昭和電工は21日、3.5インチハードディスク(HD)が、業界最大の記録容量である16TBハードディスクドライブ(HDD)に採用されたと発表した。

 同製品は、東芝デバイス&ストレージのCMR方式(従来型磁気記録方式)で業界最大記録容量である16TBを実現したニアライン向けHDDMG08」に採用されたもので、同社が世界に先駆けて2005年に生産・販売を開始した垂直磁気記録方式の3.5インチHDは第9世代となる製品。

 クラウドサービスの普及や動画コンテンツの増加などにより、データを保管するデータセンターではより大容量のHDDが求められている。同社は、HDDの記録容量を左右するキーパーツであるメディアで、これまで世界最高クラスの製品をいち早く市場に投入してきた。

 同社は世界最大のメディア専業メーカーとして、今後も〝ベスト・イン・クラス〟をモットーに、HDDの高容量化に貢献していく。

 

アキレス ロールアップ対応のアーク光対策のフィルムを開発

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2019年1月18日

 アキレスはこのほど、ベタつきを抑制することでロールアップを可能にしたアーク光対策フィルム「アキレス ウェルディングカーテンロールスクリーンタイプ」を開発した。色は透明のイエローとダークグリーンの2色。今月21日から全国で発売する。新製品の特長であるフィルム表面への滑り性の付与には、同社がビニールハウス向け農業用フィルムで培った独自塗工技術を活用した。

ウェルディングカーテンロールスクリーンタイプ
アキレス ウェルディングカーテンロールスクリーンタイプ

 溶接や熱切断などの作業時に発生する強烈なアーク光には、目に有害な紫外線が大量に含まれている。この有害な紫外線や強い可視光線から、周辺作業者や通行者の目を保護するための防炎軟質塩化ビニールフィルム「アキレス ウェルディングカーテン」をベースに、農業用フィルム「プラチナコート」で培った独自塗工技術を採用した。ベタつきを抑えたことで、フィルムの巻き上げができ、ロールスクリーンタイプとして製品化が可能となった。

 これまで作業スペースの確保や作業後の収納が難しかった現場で、作業時以外はスペースが確保でき、利便性や安全性が向上する。新製品は、フィルム両端に未塗工部を残しているため、高周波ウェルダーによる幅継ぎが可能であり、広幅のロールスクリーンにも対応できる。

 また、従来製品「アキレス ウェルディングカーテン」と変わらない分光光線透過率も保持している。さらに、REACH規則とRoHSⅡ指令にも対応。フタル酸ジ‐2エチルヘキシルをはじめとした高懸念物質は閾値内の使用となっている(2018年6月27日現在、高懸念物質:第1~19次限定)。RoHSⅡ指令10物質についても使用を閾値内に抑えた。

カネカ 菓子のひび割れを防止する生地改良剤を開発

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2019年1月18日

 カネカは、ビスケット類のひび割れ防止機能を持った菓子向け生地改良剤「カネカガトーアップCP1」の販売を昨年12月より開始した。

 サブレ、クッキー、ラングドシャなどのビスケット類は製造翌日から1週間程度で一部、自然にひび割れすることがある。ビスケットの焼成直後は生地内部の水分分布に偏りがあり、時間とともに均一化する過程で生地に収縮する力が働き、ひび割れにつながることが知られている。同製品は、酵素の力を活用することで、乾燥により生地が収縮する際に発生する力を細かく分散させ、ひび割れの発生を防止。

 従来の技術は、焼成時間を低温で長くし水分分布の偏りを少なくする、あるいは、生地自体を割れにくいよう硬くすることが一般的だった。しかし、焼成時間を長くすることは生産性低下、また、生地自体を固くすることは品質低下となる。同製品を使用することで、生産性や品質を低下させることなくビスケット類のひび割れの発生を防止する。

 同社は2020年の東京オリンピック開催に向け、インバウンド需要の増加が見込まれる土産菓子市場を中心としたソリューションの提供と、新たな価値の創造を目指していく。