日本化学会 「化学の日」を含む化学週間イベントを実施

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2021年10月13日

 日本化学会は、10月23日「化学の日」を含む化学週間(10月18~24日)に、各種イベントを科学館やオンラインで開催する。

2021年 化学の日缶バッジ

2013年に、日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会の4団体は、化学と化学産業の魅力、社会への貢献などを広く知ってもらいたいという想いの下、10月23日を「化学の日」、その日を含む月曜日から日曜日までの1週間を「化学週間」と制定。

 10月23日は、アボガドロ定数(1モルの物質中に存在する粒子の数=6.02×10の23乗)に由来している。海外でも米国をはじめ多くの国が同日を〝モル〟を記念する日として祝い、化学関連のイベントが多数開催されている。

 今年も、コロナ影響で実験教室など各種イベントが中止・オンライン開催へ変更となった。主催・共催イベントとして、10月17日に「はじめての化学実験「不思議なカラーマジック!」」(はまぎんこども宇宙科学館)、10月23日に「2050年カーボンニュートラルの実現」―地球規模の課題に取り組む化学系学協会―(ウェビナー)、10月30日に「君たちの将来と化学の未来―東大で過ごす化学な週末」(オンライン)、11月20日に化学への招待―講演会「COVID-19の化学」(オンライン)などを予定している。

出光興産 新本社オフィスで総合防災訓練、危機対応力を強化

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2021年10月13日

 出光興産はこのほど、首都直下地震を想定した総合防災訓練をリモート参加とオフィス参加の併用となるハイブリッド形式で実施した。なお今回の防災訓練は、本社移転後初となる。

対策本部で指揮を執る木藤社長

 感染防止対策を徹底したうえで、本社に対策本部を設置。在宅勤務を推進する中、リモートによる参加とオフィス参加併用で合計200人が参加した。首都直下地震を想定したシナリオに基づき、関係各署がリモート環境下での的確な情報の収集・対応立案・報告に取り組んだ。

 巨大地震などの自然災害が危惧される中、エネルギーの安定供給を使命とする同社は、災害発生時においても事業の継続を確保し、被災者の救援と被災地の早期復興に貢献できるよう、首都直下地震および南海トラフ巨大地震を想定した事業継続計画(BCP)を策定している。また、2007年からはBCPの実効性を高めることを目的とした「総合防災訓練」を毎年実施しており、今回で15回目の開催となった。

 同社は今後も、訓練を継続的に実施し、実践的な災害対応の強化に努め、エネルギーの安定供給と社会貢献に取り組んでいく。木藤俊一社長は「新しい働き方における災害対応の在り方など、多くのテーマが想定された訓練だった。当社は、災害時こそエネルギーの安定供給という社会的使命を果たさなければならない。これからも社会に価値を提供し続けられるよう、実践的な訓練を怠らないようにしていきたい」とコメントしている。

 

三井化学東セロ 抗菌フィルムの抗ウイルス効果確認

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2021年10月13日

 三井化学東セロはこのほど、衛生・抗菌フィルム「パルフレッシュ」の抗ウイルス効果を確認したと発表した。日本繊維製品品質技術センターの検査により、人の体温に相当する35℃の環境下で、同フィルム表面のウイルスを99.98%以上減少させることが確認された(測定方法:ISO21702を準用)。

使い切り手袋や粘着加工フィルムへの用途を想定
使い切り手袋や粘着加工フィルムへの用途を想定

 今回の検査結果を受け、「抗菌、抗ウイルス」の付加価値を付与できることから、今後は使い切り手袋や、粘着加工フィルムによるドアノブ、エレベーターボタンのカバーなど、生活商材への用途展開を訴求していく考えだ。

 「パルフレッシュ」は、抗菌・抗ウイルス性を発現させる特殊成分を含んだポリオレフィンベースのフィルム。抗菌・抗ウイルス性発現の仕組みは、表面の成分がウイルスのタンパク質膜を破壊すると考えられている。また、包装袋の内面、外面でもヒートシール性能をもち、かつ柔軟性が高く加工しやすいといった特長もある。

 これまでは、主に鮮度保持包材として食品包装に使用され、フードロス削減に貢献。食品衛生法(日本)、FDA(米国)、GB(中国)に適合し、抗菌フィルムとしてもSIAA(抗菌製品技術協議会)に登録されるなど、高い安全性を備えることから、リンゴ輸出用袋や真空加熱野菜、宅配野菜などへの採用実績も多い。

「パルフレッシュ」の抗菌・抗ウイルスメカニズムの概念
「パルフレッシュ」の抗菌・抗ウイルスメカニズムの概念

帝人フロンティア 寝装寝具向けポリエステル原綿を展開

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2021年10月13日

 帝人フロンティアはこのほど、抗ウイルス性能と抗菌・防臭性能を併せもつ寝装寝具向けのポリエステル原綿を開発し、「ウイルサラバ」ブランドとして展開していくと発表した。

「ウイルサラバ」原綿を使用した掛け布団

 同社は昨年7月より、抗ウイルス性能をもつカーテン向けのテキスタイルとして「ウイルサラバ」を販売していたが、コロナ禍において抗ウイルス性能に対するニーズが拡大。ただ、ポリエステル原綿に抗ウイルス剤を均一に付与することは難しく、これまで抗ウイルス性能をもつ寝装寝具向けのポリエステル原綿が上市されたことはなかった。

 こうした中、同社は、抗ウイルス剤を原綿に均一に付与できる生産と加工の技術を開発。原綿に適した抗ウイルス剤を用いることで、安定的に抗ウイルス効果を発揮する寝装寝具向け原綿の量産化を世界で初めて実現した。来年春夏向けに布団や枕、クッション用中綿として販売を開始する。

 特長として、①高い抗ウイルス性能を発揮、②中空でランダムなスパイラル構造で嵩高・軽量性を実現、③リサイクルポリエステル繊維「エコペット」を使用しており環境にやさしい、などがあげられる。

 同社は今後、この素材を使用した布団や枕、クッション、カーテンおよびラグなどの製品も開発し、抗ウイルス性能をもつインテリア・寝装寝具向けの素材から製品に至るまでの総合ブランドとして「ウイルサラバ」を展開していく。「ウイルサラバ」原綿として、2021年度に売上高3700万円、2025年度に売上高1億5000万円を目指す。

花王 「休み休みWork Style」で社員の健康維持

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2021年10月12日

 花王はこのほど、本社勤務の社員を対象に就業時間内に積極的な「休息・休憩」を取り入れた働き方「休み休みWork Style」を開始した。

 在宅勤務やリモートワークなど働き方の多様化が進む中、これまで以上に働きやすい環境づくりを推進し、社員の心身の健康維持と業務の生産性向上に努める。働き方の多様化は柔軟な働き方を創出した一方、本来の通勤時間帯にも間断なく予定を入れたり、時間に制限なく働いたりするなど、様々な課題も見えてきた。

 在宅勤務を基本とする本社社員の問診データや休息・休憩に関する調査で、「1日中パソコンの前に座っている」が約7割、約半数が「定期的な休息時間が組み込める仕組みがあると良い」など、就業時間内の適度な休息・休憩が必要と感じている社員が多くいることがわかった。

 そこで本社社員を対象に、就業時間内でも積極的な「休息・休憩」が取れる社内風土の醸成と環境づくりを目指した取り組みを開始。「リフレッシュタイム」を活用し、1時間あたり5~10分の休憩をとるなど在宅勤務中でもこまめな休憩をとり、より業務に集中できるようにする。

 また休憩時に活用できる、同社「めぐりズム」のアイマスクなどを配布。「思いやりタイム」を推奨し、上手に休憩を組み込めるよう、会議終了時刻を5~10分程度前倒しで設定する。

 「フレックスタイム」の活用を拡大し、プライベートや自己啓発、リフレッシュの時間を取り入れてワークライフバランスを向上させる。さらに、これら取り組みのヒントとなる情報を提供する社内ポータルサイトの設置や、取り組みの成果と課題の見える化を実施する予定だ。

 花王は2019年策定のESG戦略の重点取り組みの1つに「社員の健康維持増進と安全」を定め、今年スタートした中期経営計画の方針の1つに「社員活力の最大化」を掲げており、これらの実現に貢献するものとしている。

デンカ 5G通信向け機能性セラミックスを本格投入

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2021年10月12日

 デンカはこのほど、5G通信向けに伝送損失を低減し、高速・大容量通信の実現に欠かせない最先端機能性セラミックス「デンカ溶融シリカ(DF)低誘電正接タイプ」を本格的に市場投入したと発表した。

「デンカ溶融シリカ(DF)低誘電正接タイプ」

 同製品は東京ビッグサイトで開催される「電子機器トータルソリューション展2021(JPCA Show)」(10月27~29日)に展示する。

 5G移動通信ならびにミリ波帯電磁波の利用は、スマホのみならず、高速・大容量である特色を生かした遠隔医療や防災、農業・製造現場の効率化など幅広い分野に導入が進み、持続可能な社会の実現に重要な役割を担っている。

 これに伴い、飛躍的に増加する通信の量・質の低下を最小限に留め伝送するための低伝送損失・低誘電正接の配線材料の開発が強く求められてきた。

 こうした中、同社は、樹脂や銅箔・ガラスクロスのみならず、フィラーにおいて低伝送損失を達成するために同製品を開発。半導体封止材向け絶縁フィラーとして国内外のユーザーから高い評価を得ている「デンカ球状溶融シリカ(FB・SFPグレード)」をベースに、均一な球状と粒度分布はそのままに独自の表面処理改質を施したことで、同社比で約40~50%の誘電正接低減を実現した。5G通信実現に寄与する材料として、主に通信用樹脂材料(樹脂基板・封止材など)向けに展開し、SDGsに掲げる産業と技術革新の基盤をつくることに貢献していく。

 同社は創業以来培ってきた無機材料の高温焼成・窒化反応・粒径制御等の基盤技術を元に、球状溶融シリカをはじめ、窒化ケイ素、窒化ホウ素(BN)、球状アルミナ、蛍光体などの様々な機能性セラミックスを製造し、これらの製品は半導体・電子機器、風力発電、通信基地局、自動車等に幅広く使用されている。

 昨年には高熱伝導材料「デンカ球状マグネシア」を投入。さらに今後は球状チタン酸バリウムなどの新規機能性セラミックスや低誘電有機絶縁材料(LDM)、LCPフィルムなどの開発も進めていく。

三井化学 自己密着性をもつ新規コート剤、市場開発着手

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2021年10月12日

 

新開発の「特殊ポリオレフィンコート剤」
新開発の「特殊ポリオレフィンコート剤」

 三井化学は11日、自己密着性とガス透過性を発現できる新素材「溶剤系特殊ポリオレフィンコート剤」(開発品)の市場開発を開始したと発表した。

新開発のコート剤を塗布したPMPフィルム
新開発のコート剤を塗布したPMPフィルム

 同コート剤の特長の1つは「自己密着性」。基材に塗布して乾燥成膜後、コート面同士を重ねて人の力で数秒押すだけでコート剤同士がくっつく。また温度をかけるほど、より密着する特性がある。この特性を生かし、衣料への用途展開の可能性を検討しており、従来の面ファスナーでは困難であった歪曲面への適用や、縫製の手間・脱着時の異音の解消に加えて、素材の質感を発揮できるデザイン設計に貢献していく考えだ。

引張せん断強度(試験方法:JIS L 3416)
引張せん断強度(試験方法:JIS L 3416)

 一方、もう1つの特長の「ガス透過性」では、ポリメチルペンテン(PMP)のガス透過性を維持しつつ、ヒートシール性を付加する。PMPフィルムと同コート剤の組み合せは、一般フィルムと同様に液体や菌などは通さず気体のみを透過する。その上で特定のガスを選択的に高く透過するため、ヒートシールパッケージにも適した素材となる。細胞培養キットの保護用途、医療用器具のパッケージ、特定ガスの分離膜といった産業分野などの用途を想定している。

PMPフィルム(50㎛)のガス透過性(コート剤膜厚:3㎛)
PMPフィルム(50㎛)のガス透過性(コート剤膜厚:3㎛)

 三井化学は同コート剤の訴求と用途開拓を図るため、「ものづくりパートナーフォーラム大阪2021」(梅田ハービスホール:10月28日)をはじめ、「高機能プラスチック展」(幕張メッセ:12月8~10日)、「コンバーティングテクノロジー総合展2022」(東京ビッグサイト:2022年1月26~28日)などへの出展を予定する。

アジア石化市況 エチレン約4カ月ぶり1000ドル台

2021年10月12日

定修などで先高観、芳香族3製品は小幅な値動き

 アジア地域の9月第1週の石化市況では、エチレンは前週比45ドル高の1020ドル/tでの取引となった。2週連続での上昇となり、5月以来約4カ月ぶりに1000ドルを回復した。アジア地域において定修やトラブル、また物流の混乱などが重なり、需要家の間で玉を確保する動きが強まっている。スプレッドも

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ブラスケム バイオエチレン生産でタイ社と共同投資検討

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2021年10月11日

ブラスケムのバイオエチレンプラント=トリウンフォ石油化学コンプレックス内(ブラジル)
ブラスケムのバイオエチレンプラント=トリウンフォ石油化学コンプレックス内(ブラジル)

 バイオポリマーメーカーの世界最大手・ブラスケムはこのほど、タイ最大の総合石油化学会社でアジアの業界リーダーであるSCGケミカルズとの間で、バイオエタノール脱水プラントの新設について共同投資の検討を行う覚書を締結した。

 同設備は、ブラスケムが「I‘m green(アイム・グリーン)」のブランドで展開するバイオポリエチレン(PE)の原料となるバイオエチレンを生産するもの。今回の協力関係が実現すれば、ブラスケムのバイオPEの生産能力は現在の2倍に拡大する。

 ブラスケム・アジア担当ディレクターのロジャー・マルキオーニ氏は、「このプロジェクトは、2050年までのカーボンニュートラル実現に貢献するだけでなく、当社のアジアでの足跡となる画期的な第一歩だ」とコメントし、SCGケミカルズとの、大きな可能性を秘めたパートナーシップ構築を強調した。

 同プロジェクトでは、ブラスケムの技術やバイオプラスチックのノウハウと、SCGケミカルズのアジア市場での知見やPE生産技術を組み合わせ、シナジーを最大化する。今後、フィージビリティスタディ(事業化調査)が両社間の合意により承認されれば、生産設備はタイ・ラヨーン県のマプタプットに新設される。

中外製薬 がん患者・医療関係者へ応援ムービーを公開

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2021年10月11日

がん患者・医療関係者 応援ムービー「温かい手」

 中外製薬はこのほど、がん患者や家族、医療関係者を応援することを目的としたムービー「温かい手」を同社公式YouTubeチャンネルと、特設Webサイト(https://chugai-atatakaite.jp)にて公開した。音楽にシンガーソングライターの山崎まさよしさん、こま撮りアニメーション制作にドワーフを迎えている。

 現在、日本人の2人に1人ががんになる可能性が示唆されている。また長引くコロナ禍により、がん検診の受診率低下が新たな課題となっている。

 患者や医療を取り巻く環境がより一層厳しさを増す中でも、がんに立ち向かう患者とその家族、医療関係者を応援し、患者が希望をもって、前向きに立ち向かえるがん医療の実現を目指していきたい、そんな同社の想いから応援ムービーの公開に至った。

 同社は2030年に到達したい「ヘルスケア産業のトップイノベーター像」の1つに、社会課題解決をリードする企業として「世界のロールモデル」となることを掲げる。

 今後も革新的な医薬品の創製とともに、社員一人ひとりが患者のためになにができるかを考え、継続的に疾患啓発活動などに取り組むことで、社会課題の解決への寄与を目指していく。