カーボンニュートラルに貢献、中心的役割果たす

出光興産は、新型コロナウイルスの感染が拡大したことにより、ガソリンなど石油製品の需要が減少したことに加え、成長事業も海外市場が想定以上にダメージを受けている。木藤俊一社長は「昨年は、統合会社として中期経営計画2年目という大事な年だったが、新型コロナに振り回された1年だった」と振り返り、「収益計画については、 “出光興産 コロナ禍が中計に影響、収益計画を見直し” の続きを読む
2021年1月25日
カーボンニュートラルに貢献、中心的役割果たす

出光興産は、新型コロナウイルスの感染が拡大したことにより、ガソリンなど石油製品の需要が減少したことに加え、成長事業も海外市場が想定以上にダメージを受けている。木藤俊一社長は「昨年は、統合会社として中期経営計画2年目という大事な年だったが、新型コロナに振り回された1年だった」と振り返り、「収益計画については、 “出光興産 コロナ禍が中計に影響、収益計画を見直し” の続きを読む
2021年1月22日
2021年1月22日
2021年1月22日
石油化学工業協会が21日に発表した主要石化製品18品目生産実績によると、2020年(1-12月期)のエチレン生産は前年比7.7%減の592万3500tとなった。稼働プラントの年間平均稼働率は92.5%となり、フル操業の目安となる95%を下回っている。
昨年は各社の定修が重なったことに加え、コロナ禍の影響で石化製品の需要が落ち込み、春先から夏場にかけて稼働が低下したことが背景にある。他の17品目の生産についても、 “石化協 2020年エチレン生産8%減、平均稼働率93%” の続きを読む
2021年1月22日
PAの特性と疲労耐久性を両立、用途拡大を期待
東レは、ポリアミド6(PA6樹脂)がもつ高い耐熱性や剛性、強度を維持しながら、繰り返し折り曲げ疲労耐久性を従来の15倍まで飛躍的に高めた新規ポリマー材料を創出した。開発品は自動車、家電製品、スポーツ用品といった疲労耐久性が必要な用途に広く展開が期待できる。2021年度から本格的なサンプルワークを開始し、顧客ニーズに合わせた改良などを進め、2023年度からの市場参入を目指していく考えだ。

PA6樹脂は、優れた特性から自動車のエンジンルーム内部品や、家電製品の筐体などに多く使用されている。PA6樹脂に疲労耐久性を付与するには柔軟なエラストマーを配合するが、PA6の特性である耐熱性、剛性、強度が低下するといったトレードオフの関係があった。
こうした中、東レは、外力が加わった際に可動可能な構造をもつポリマーとして、分子結合部がスライドするポリロタキサンに着目。ポリロタキサンをPA6樹脂中に均質に微分散化することで、PA6樹脂の特性と疲労耐久性の両立する新規ポリマーの開発を目指した。
独自のナノテクノロジーである「ナノアロイ」による精密アロイ制御技術を駆使し、PA6樹脂中に、ポリロタキサンを最大限の効果発現が期待できるPA6結晶構造サイズの数十㎚に微分散化することに成功。このしなやかな応力分散機構により、繰り返し折り曲げ疲労試験では、PAは屈曲回数2千回で破断するのに対し、開発材料は15倍の3万回と疲労耐久性が大幅に向上した。開発品は、理化学研究所が所有する高輝度放射光X線(SPring-8)による試験で、外力を受けた際にPA6樹脂の結晶構造変化が抑えられることを確認している。

なお、同技術は内閣府が2014~2018年に進めていたImpact(革新的研究開発推進プログラム)の「しなやかなタフポリマー」プロジェクトで開発。プロジェクト終了後に、東レが実用化に向けた研究開発を進めていた。Impactでの成果では、100㎚の微分散化が可能であったが、同社の極限追求により、10㎚の微分散化を実現している。
東レは今後、樹脂化が難しかった自動車部材をはじめ、家電製品、スポーツ用品など疲労耐久性が必要な用途への展開を進めるとともに、繰り返し折り曲げが要求される部材などの新規用途開拓を推進していく。さらに、今回の技術をPA6樹脂以外の樹脂にも展開し、顧客の要求特性を満たすポリマーの開発に注力していく考えだ。
2021年1月21日
2021年1月21日
2021年1月21日
宇部興産は20日、深海でのセメント系材料の劣化機構について、調査・分析した研究結果の論文が世界で初めて国際学術誌に掲載されたと発表した。今回の研究は、港湾空港技術研究所と共同で行い、深海でセメントモルタル試験体の暴露試験を実施している。この研究結果は深海でのセメント系材料の活用方策や、海洋インフラの建設技術確立に貢献することが期待される。

深海は人類最後のフロンティアと呼ばれ、近年、海洋資源の開発や海洋エネルギー(洋上風力・潮力など)の利用開始など、世界的に海洋開発の気運が高まっている。将来的に深海域では海洋構造物の建設が予想され、汎用性が高く耐久性に優れるセメント系材料の利用が見込まれる。
今回の研究では、深海域でのセメント硬化体の力学特性や水和物の変化を把握することを目的に、沖縄県多良間島沖約60㎞の海底約1680mで、同試験体の暴露試験を実施。水圧約17M㎩、水温約4℃と、浅海域と比べて非常に過酷な設置環境であり、608日後に回収した試験体の表層は、手で触ると一部がはがれ落ちるほどに柔らかい組織に変化していた。
また、圧縮強さ試験の結果、暴露前と比較して著しい強度の低下を確認。分析した結果、試験体を構成する主要な成分であるカルシウムが浅海域では予想できないほど著しく溶脱していることが明らかとなった。さらに、海水中の炭酸イオンや硫酸イオン、マグネシウムイオンが浸入し、新たに脆弱な水和物を生成したことで表層の形状が変化し、強度の低下など物理的特性の変化をもたらしたと結論づけた。
今回の研究では、主に化学的な劣化に着目したが、深海域で高水圧が試験体に与える影響とそれに伴う化学的な劣化との関係については、さらに詳しく検証していく予定だ。
今後、深海でセメント系材料を利用するために、材料設計や施工方法、構造物の設計手法など、多岐にわたる研究開発および技術の確立が必要になると想定される。両者は、国内外の大学や研究機関との連携を拡充しつつ、さらなる研究開発と技術の確立を進めていく考えだ。
2021年1月20日
三菱マテリアルの連結子会社ニューエナジーふじみ野(NEFC、埼玉県ふじみ野市)が地球クラブと再生可能エネルギー電気特定卸供給に関する契約を締結し、先月から特定卸供給を開始した。
NEFCは食品工場や小売店などの食品関連事業者から排出される食品廃棄物を処理し、得られたバイオガスで発電し、その電力をFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)で売電している。地球クラブは再生可能エネルギーの発電と利用を一体的に推進するため、2014年に日本生活協同組合連合会が設立した子会社で、生活協同組合コープみらいをはじめとする各生活協同組合の事業所と組合員を対象に電気小売業を行っている。
NEFCで原料となる食品廃棄物には、コープデリ生活協同組合連合会の物流センターや生活協同組合コープみらいの店舗などの関連施設から発生するものも含まれ、発電した電力は地球クラブを通じて関連施設に供給される。
同契約締結により、食品廃棄物から作った再生可能エネルギーを食品廃棄物の排出元に供給するという循環型リサイクルシステムを構築した。食品廃棄物の計画処理量は40t/日で、発電出力は550kWだ。
三菱マテリアルグループは「人と社会と地球のために」という企業理念の下、「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、持続可能な社会に貢献するリーディングカンパニー」となることをビジョンとし、同事業を通じて循環型社会の構築に貢献していく考えだ。

2021年1月20日
住友ベークライトはこのほど、リサイクルに適し熱成形(深絞り包装)が可能なポリエチレン(PE)モノマテリアル構成の包装用フィルムの開発に成功した。資源利用の効率化や環境配慮型技術の拡大、廃棄物の大幅削減に貢献できる。
近年、プラスチック全般に環境負荷低減が求められ、環境省の「プラスチック資源循環戦略」の1つに「2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクルすること」が掲げられている。包装用フィルムには様々な用途・要求があり、PEフィルムにナイロンなどの異種材料を積層して機能を高め、対応してきた。しかし、各種材料の分離は困難で、リサイクルできないことが課題であった。
今回、密度、分子量、構造などが異なるPEを積層することで、耐熱性、耐ピンホール性に優れたPEモノマテリアルフィルムを開発した。深絞り包装、イージーピール機能、ボイル殺菌、製袋加工が可能。使用後は破砕・溶融することで再度PEとして利用できる。冷凍・チルド食品の個包装用フィルム、医療機器・衛生用品の包装用フィルムとして、「容器包装のリサイクルしやすさ」を向上させる。
今後、同社の多層フィルム・シート「スミライト」CELのラインアップに加え、さらに酸素バリア性を向上したモノマテリアル材料の開発を進める。2025年度に年間10億円の売上を目指す。