宇部興産 日立子会社から化学機器事業の承継が完了

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2020年7月3日

 宇部興産はこのほど、同社グループ機械事業の中核会社・宇部興産機械が、日立プラントメカニクスから産業プラント用機器事業のうち、化学機器の製品・アフターサービス事業の承継を完了したと発表した。

反応器(化学反応を行わせるための装置
反応器(化学反応を行わせるための装置

 以前より製作協力関係があった日立プラントメカニクスが、産業プラント用機器事業の中核であるクレーン事業の拡大に経営資源を集中したことにより、宇部興産機械は、その反応器、熱交換器、薄膜蒸発器などの化学機器製品・アフターサービス事業を承継した。

熱交換器(温度の高い流体から低い流体へ熱を移動させる機器)
熱交換器(温度の高い流体から低い流体へ熱を移動させる機器)

宇部興産機械は、化学プラント向けの圧力容器をはじめ、自動車業界向けのダイカストマシン・射出成形機、電力会社向けの大型搬送設備など、様々な産業機械の開発・製造・アフターサービスを手掛けている。今回、日立プラントメカニクスの一部事業を承継し、その技術・設備・人員を引き継ぐことで、より一層進化した製品・サービスを国内外の顧客に提供していく。

薄膜蒸発器(処理液から水や溶媒を蒸発させ、留分を濃縮する装置)
薄膜蒸発器(処理液から水や溶媒を蒸発させ、留分を濃縮する装置)

 

米国ポリエチレン輸出 4月は対前年比11%増

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2020年7月3日

アジア向けは各国で濃淡、中国・インドは減少に

 貿易統計によると、米国の4月のポリエチレン(PE)輸出は、前年同月比11.3%増の83万7000tとなった。今年1Q(1-3月期)は前年同期比31.5%増と高い伸びを示していたが、4月は勢いがやや鈍化している。新型コロナウイルスの感染拡大により需要が弱まったことや、原油に連動しナフサ価格が下落したことが影響したと見られる。とはいえ、

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ジェトロ コロナ禍からの中国経済、実態を推察

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2020年7月2日

先行き不透明な状況、月次統計は改善傾向を示す

 日本貿易振興機構(ジェトロ)はこのほど、「コロナ禍からの中国経済の立ち上がりをみる」と題し、ジェトロ・アジア経済研究所・新領域研究センター主任調査研究員の箱崎大氏によるオンライン講座を開催した。

箱﨑大主任調査研究員 
箱﨑大主任調査研究員

 箱崎氏は「コロナショックと言えば、流行や終息の時期も中国が先行している。中国経済はどれほど落ち込み、また本当に景気回復が始まっているのかを知りたいと考えた」と、レポートを書いた理由を述べた。

 中国のGDP(消費、投資、純輸出で構成)の推移を見ると、コロナショックが起きる前の2017~18年は、消費と投資によって6%台を達成。しかし2019年は様相が変わり始め、純輸出が成長に寄与し始めた。箱崎氏は、「輸入が減ったことで成長が押し上げられており内容が良くない」と、すでに景気が

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NEDO セメント工場のCO2再資源化技術開発に着手

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2020年7月2日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、セメント製造プロセスで排出されるCO2を再資源化し、セメント原料や土木資材として再利用する技術開発と実用化に向けた実証試験の助成先として太平洋セメントを採択したと発表した。実施期間は2020~21年度、予算は16億5000万円。セメント工場での1日10t規模のCO2分離・回収の実証試験は国内初の試み。

 セメント産業のCO2排出量は、国内では電力、鉄鋼に次いで多く総排出量の約4%であり、排出削減対策は重要な課題だ。このうちの約6割は、セメントの中間原料であるクリンカの製造過程で、原料の石灰石が分解して発生する。今年1月策定の「革新的環境イノベーション戦略」の中で、削減効果が大きく、日本の技術が貢献できるテーマの1つとして、「CO2を原料とするセメント製造プロセスの確立」が設定された。そうした中、セメント製造工程中のCO2を再資源化し、セメント原料や土木資材として再利用する技術の開発と実用化に向けた実証試験事業「炭素循環型セメント製造プロセス技術開発」に着手した。

 研究開発項目は、①セメントキルン排ガス中のCO2の分離・回収、②廃コンクリートや生コンクリートスラッジなどの廃棄物の再資源化によるCO2の排出削減、③セメント製品へのCO2の固定化である。具体的には、セメント工場内のセメントキルン排ガスから10t/日のCO2を分離・回収する実証試験と、CO2を廃コンクリートや生コンクリートスラッジにより炭酸塩として固定化し、原料石灰石の代替や道路舗装用の路盤材などの土木資材として再資源化する要素技術開発になる。

セメント工場(太平洋セメント熊谷工場)
セメント工場(太平洋セメント熊谷工場)

 同事業により、最適なCO2分離・回収システムとCO2再利用の「カーボンリサイクル」技術を確立し、2030年度までに国内セメント工場への導入を目指す考えだ。なお、この分野での2050年の世界全体のCO2削減量は約43億tと期待されている。

積水化学 「プラチナキャリア・アワード」最優秀賞を受賞

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2020年7月2日

 積水化学工業はこのほど、第2回「プラチナキャリア・アワード」の最優秀賞を受賞した。プラチナキャリアとは、人生100年時代、働く期間が長くなる中、長期的な視点で、自己の成長や所属する企業の発展、ひいては社会への貢献を目指し、年齢によらず自律的な学び・経験を通じてスキルを磨きながら、得られたスキルを存分に生かして積み上げていくキャリアのこと。同アワードでは、プラチナキャリア形成を支援する企業を選定・表彰している。

 プラチナキャリア・アワード積水化学は、「従業員は社会からお預かりした貴重な財産」との考え方に基づき、従業員が活き活きと働くことができる環境づくりにグループ全体で取り組んでいる。人生100年時代といわれる中、同社では、人材育成の主体は従業員本人自身であり、「自分のキャリアは自分でつくる」ことが重要であると考えている。

 そのために自分自身の志向や持ち味と向き合い、今後のキャリアを自分で考える機会を提供するため、2001年度から年代別キャリアプラン研修を実施。この研修は30、40、50、57歳のキャリアの節目の年の従業員を対象とし、それぞれ年代ごとに合わせたテーマを設定して行っており、これまでに延べ9750名が受講した。また、従業員の活躍を支援するために上司層を対象としたマネジメント研修にも取り組み、毎年約1800名の上司層が受講している。

 同社は、今後も従業員一人ひとりが活き活きと活躍できる風土の醸成に推進していく考えだ。

リモート表彰式の模様.表彰状を授与される取締役常務執行役員人事部長竹友博幸氏。
リモート表彰式の模様。表彰状を授与される取締役常務執行役員人事部長竹友博幸氏。

カネカ ロート製薬と涙道カテーテル事業で提携合意

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2020年7月2日

 カネカはこのほど、ロート製薬と、涙道カテーテル事業に関する事業提携で合意したと発表した。カネカの技術力・製品開発力と、ロートの眼科領域での高いブランド力・販売力のシナジーによる、涙道カテーテル事業のさらなる拡大を目指す。まず販売分野からスタートし、涙道カテーテルの製造販売認証のロートへの承継などを進め、提携強化を図る。

涙道カテーテル
涙道カテーテル

 カネカは、1994年に流涙症治療に使用する涙道カテーテルを上市した。流涙症は、涙道の閉塞により涙が鼻腔に排出されずあふれ出る疾患で、高齢化が進む日本、米国そしてアジアでも症例数の増加が見通されている。

 主な治療法は、専用チューブを一定期間涙道に挿入し涙道を再建する、涙道カテーテル挿入術。同社のイソブチレン系熱可塑性エラストマー(SIBS:スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体)などを活用した柔軟性と強度を併せ持つ製品は国内トップシェア、米国でも5年以上の販売実績がある。

 一方、ロートは国内トップシェアの一般用目薬をはじめ、胃腸薬、スキンケア製品などの事業を展開。今年3月には医療用眼科点眼薬を主力とする日本点眼薬研究所をグループ会社化している。

 カネカは、今後も患者や医療関係者が求める製品とサービスを提供し、眼科領域での当該治療に貢献していく考えだ。

 

丸紅 米プロピレンの長期引取契約、23年1Qに開始

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2020年7月2日

 丸紅はこのほど、米国最大のエネルギー関連ミッドストリーム企業であるエンタープライズ社と、米国産プロピレンの長期引取契約を締結した。

 エンタープライズ社は、テキサス州ヒューストンの西部に位置するモントベルビュー地区で、新しい製造プラントの建設を進めており、プロパン脱水素(PDH)法によってプロピレンを生産する計画。丸紅は、2023年第1四半期から引き取りを開始する予定。なお、今回の契約は、今年1月にエンタープライズ社が保有するモーガンズポイントターミナルから初出荷を行った米国産エチレンの輸出サービス契約と同様に、エンタープライズ社との長期にわたる協業の1つとして位置づけられる。

 プロピレンは、日用雑貨品や産業部材に幅広く使用される合成樹脂ポリプロピレン、ABS樹脂やアクリル繊維などの原料であるアクリロニトリルの主原料でもあり、必要不可欠な原料として需要の拡大が見込まれている。

 丸紅は、世界中の顧客に対し、プロピレンの輸送に必要な物流や需給調整機能を提供している。今後、エンタープライズ社から米国産プロピレンを長期にわたり調達することで、顧客へ適時・適量を安定的に供給することが可能となり、顧客製品の安定生産にも一層寄与していく。

製造プラント完成予想図
製造プラント完成予想図

フタル酸系可塑剤 5月の国内出荷は8カ月連続で減少

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2020年7月1日

 可塑剤工業会がこのほど発表した需給実績によると、5月のフタル酸系可塑剤の国内出荷は、前年同月比36.0%減の1万700tとなり、8カ月連続でマイナスとなった。

 品目別では、DOPは

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帝人F 植物由来・リサイクル原料使用の複合繊維を開発

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2020年7月1日

 帝人フロンティアは30日、植物由来成分を使用した原料と、使用済みポリエステル繊維などをケミカルリサイクル(CR)により再生した原料を基に、「SOLOTEX ECO‐Hybrid(ソロテックス エコ ハイブリッド)」を開発したと発表した。

『ソロテックス エコ ハイブリッド』の断面。中央の繊維の左半分がケミカルリサイクルPET、右半分が植物由来PTT
「ソロテックス エコ ハイブリッド」の断面。中央の繊維の左半分がケミカルリサイクルPET、右半分が植物由来PTT

 環境に優しいだけでなく、ストレッチ性を持つのが特長。サイド・バイ・サイド型複合繊維と呼ばれる、熱収縮性の違う2種類のポリマーを貼り合わせて糸にし、コイル状のクリンプ構造を発現させることでストレッチ性を付与した繊維。2020年秋冬シーズンから、原糸・テキスタイルをファッション衣料やスポーツ衣料、学生服・ユニフォームなど幅広い用途へ展開し、今年度に5億円、2022年度に15億円の販売を目指す。

 近年、衣料用素材に対し、ストレッチやソフトな風合いなどの快適性とともに、環境配慮型素材へのニーズが高まっている。こうした中、原料の約40%が植物由来で、ストレッチ性などを持つポリトリメチレンテレフタレート(PTT)と、通常のポリエチレンテレフタレート(PET)を貼り合わせたサイド・バイ・サイド型複合繊維「ソロテックス」の需要は拡大。同社では、PETの部分をリサイクル原料に置き換えることにより、全ての原料を環境配慮型とした新しい「ソロテックス」の開発を進めてきた。しかし、その課題は、PTTとリサイクルPETのサイド・バイ・サイド型複合繊維には、クリンプ構造にばらつきがあることだった。

 『ソロテックス エコ ハイブリッド』のクリンプ構造
「ソロテックス エコ ハイブリッド」のクリンプ構造

 そこで、同社がこれまで培ってきたポリマーを適正に貼り合わせる技術の向上を図り、植物由来原料を使用したPTTと、CR原料を使用したPETを貼り合わせた「ソロテックス エコ ハイブリッド」の開発に成功した。他の特長として、33~330デシテックスという幅広い繊度や、様々に加工された原糸に対応できるほか、ソフトな風合いを持ち、石油由来の原料と同等のストレッチ性や染色加工性といった素材特性を備える。