プラ工連10月実績 製品は生産回復し、輸出入はプラスに

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2020年12月16日

 日本プラスチック工業連盟がこのほど発表したプラスチック原材料・製品の生産・輸出入状況によると、確報となる9月のプラスチック原材料生産は、前年同月比4%減の81万5000tと7カ月連続で減少した。マイナス基調は続くものの、8月の同10%減からは大幅に改善。10月の速報では同7%減とやや後退しているが、出荷ベースでは前年並みで推移していることから、需要回復の兆しが伺える。

 10月の主要品目の生産を見ると、ポリプロピレンは2カ月ぶりにマイナスに転じ、ポリエチレンと塩化ビニル樹脂はマイナス幅が拡大した。ポリスチレン(AS樹脂、ABS樹脂含む)もマイナスを継続したが、減少幅は大幅に改善した。

 9月のプラスチック製品生産は、同3%減の47万4000tと14カ月連続で減少したが、10月の速報では同2%減となり減少幅は3カ月連続で縮小している。10月は主要品目のフィルム・シートが6カ月連続、建材が13カ月連続で減少し、容器(中空成形)が減少に転じるなどのマイナス要因はあったものの、自動車関連製品の多い機械器具部品は2カ月連続で伸長し、日用品・雑貨は5カ月連続で前年を上回った。

 一方、10月のプラスチック原材料輸出は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が共にプラスで推移し、42万2000t(前年同月比13%増)と3カ月連続で伸長した。金額ベースでも1153億6000万円(同9%増)と9カ月ぶりにプラスを回復した。エチレン重合体、プロピレン重合体、スチレン重合体、塩化ビニル重合体はいずれもプラスを継続。ポリエチレンテレフタレート(ポリ乳酸とその他ポリエステル〈不飽和以外〉を含む)は、7カ月ぶりにプラスを回復した。

 原材料輸入は21万5000t(同15%減)と13ヵ月連続で前年を下回り、輸入金額は411億5000万円(同27%減)だった。ポリエチレンテレフタレート(同)は3カ月連続で減少した。10月の製品輸出は15カ月ぶりに前年を上回り、7万7000t(同12%増)、1470億6000万円(同18%増)。製品輸入も4カ月ぶりにプラスを回復し、17万7000t(同1%増)、891億5000万円(同3%増)だった。