統合プロセスは順調、化学の力で世界を変える会社を目指す
━昨年の総括について。
2020年はやはり新型コロナウイルス感染症が最大のリスク要因となり、社会や経営、事業など様々な場面に大きな変革をもたらすトリガーになった。当初の想定をはるかに超え、世界中で工場の操業停止や飲食店の営業停止をもたらし、市民生活や企業に極めて大きな影響を与えている。
またコロナ禍によって、人々の生活様式も一変した。
2021年1月6日
2021年1月6日
2021年1月6日
社内外での交流を促進、新組織とビジョンも計画
旭化成は5日、デジタルトランスフォーメーション(DX)のさらなる加速を目指し、デジタル共創ラボ「CoCo-CAFE」(東京都港区芝浦)を同日付でオープンしたと発表した。

同社グループは、DX推進をさらに加速するために、社内外の知恵を〝Connect〟し、価値を共創していくことが極めて重要であると捉えている。同拠点では、マーケティング、R&D、生産技術各部門のデジタル人財を集結させ、社内外の交流を促進し、DX基盤の強化とビジネスの創出を目指す。
具体的には、①「挑戦・共創の場」として、同社グループのデジタルプロフェッショナル人財とビジネスリーダーが集いビジネスの創出に挑戦し、また産学官の様々な社外のパートナーとの共創の場として活用する。
②「デジタル技術の高度な活用・検証・体験の場」としては、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたデジタルツイン環境を整備し、海外の工場を日本から遠隔で運転支援するなど、デジタルを活用した新しいビジネススタイルを開発・検証していく。また、デジタル技術を駆使した様々なデモ装置を設置しそれを体験することで、新たな価値につながるアイデアを創出する。
③「DX人財育成の場」としては、DX推進には、デジタルプロフェッショナル人財の育成だけでなく、全従業員へのDX教育が重要であることから、同社グループ内の人財を「旭化成DXインターンシップ」として同拠点に受け入れ、教育を実施することにより、DX人財を計画的に育成・拡充していく考えだ。
同社グループは、マテリアル、住宅、ヘルスケアの3領域で事業を展開。多様な事業・技術・人財から生じるデータを基に、バリューチェーンの様々なステージを通じデジタルを活用することで新しい価値提供の機会が広がっていくと考えている。

また、同社グループがDXを活用できるシーンは、研究開発、生産、品質管理、設備保全、マーケティング、事業戦略、新事業の創出など幅広く存在する。デジタル人財の育成やDXを推進する場・空間の提供に加え、従業員の意識も変革しながら、DXの取り組みを「基盤強化(DXリーダー・デジタル人財の育成、働きがい向上)」と「事業高度化・変革(生産、R&D、事業戦略、新規事業創出)」の両輪でステージアップしていく。
なお、2021年は、DXのさらなる加速に向けて、同拠点のオープンに加え、グループ横断のDX新組織設置の構想や、DXビジョン策定を計画している。同社はDX推進を加速し、新しいビジネスの創出にグループ一丸となって挑戦していく。

2020年12月28日
東ソーはこのほど、山口県周南市の永源山(えいげんざん)公園のネーミングライツ(命名権)取得について、周南市と契約を締結した。これにより当公園の愛称は、2021年4月1日から社名を冠した「TOSOH PARK 永源山」となる。

東ソーは、創業以来85年の長きにわたり、同市に所在する南陽事業所を主力生産拠点として企業活動を行ってきた。
永源山公園は、南陽事業所から徒歩圏内に位置し、四季折々に数多くのイベントが開催されるとともに、市民の憩いの場として親しまれている周南市を代表する都市公園。
地域に根差して事業活動を行ってきた同社としては、多くの市民に利用されている地域社会の交流拠点である公園へのネーミングライツによる支援を通じて、地域社会に一層貢献するとともに、同社グループのCSR活動の充実にもつなげていく考えだ。
2020年12月28日
東レはこのほど、電子部品用途での使用済みポリエステル(PET)フィルムを回収・再利用するリサイクルシステムを構築し、サステナブルな社会の実現に貢献する環境配慮型PETフィルム「Ecouse(エコユース)」シリーズを開発したと発表した。年産2500t規模の生産体制を整え、本格販売を開始する。

PETフィルムの用途は、電子部品や包装材料、ディスプレイ関連向けなど幅広い。中でも電子部品用フィルムは、フィルム製造から廃棄までのサプライチェーンが比較的短く、使用済みフィルムのリサイクルシステムの検討が進められてきた。しかし、サプライチェーンの各工程で使用される多種多様な塗材、樹脂などを除去できる方法がこれまでなく、廃棄物処理やサーマルリサイクルでの活用が中心だった。
こうした中、東レは、サプライチェーン各社と協力して、電子部品の使用済みPETフィルムを回収・再利用するリサイクルシステムを構築。そして、フィルム表面の塗材、樹脂を除去するメカニカルリサイクル処理技術と、各製造工程における異物除去を組み合わせることで機械特性、信頼性を損ねることなくフィルムに再利用することを可能にした。
今回開発した環境配慮型PETフィルムは、化石由来原料と廃プラの削減に加え、CO2排出量を従来品比30~50%削減可能だ。「Ecouse」は、同社が2015年からグローバル展開しているリサイクル素材と製品の統合ブランド。フィルム分野では従来、製造工程で発生した端材を原料としてフィルムに再利用してきたが、顧客から回収し再利用処理した原料を用いた環境配慮型PETフィルムを開発したことで、リサイクルフィルムの展開を加速する。
同社は今後、さらなるリサイクルシステムと生産体制の構築を進め、電子部品用途だけでなく、各用途でリサイクルフィルムの拡大を目指し、また、PET以外のフィルムやフィルム加工品にも「Ecouse」の展開を拡充する考えだ。
2020年12月28日
2020年12月28日
昭電川崎事業所から水素供給、植物育成装置設置
昭和電工と川崎キングスカイフロント東急REIホテルは24日、昭和電工が廃プラスチックから製造する水素を活用して栽培したレタスの「収穫祭」を開催。「水素×ホテル×農業」による新たな資源循環が誕生した。

同ホテルは、川崎市と昭和電工が連携して進める環境省「低炭素水素のサプライチェーンモデル構築」に協力し、昭和電工から供給された水素を純水素型燃料電池で電気と熱エネルギー(温水)に変換し、「世界初の水素ホテル」として電力の約30%と温水供給を賄っている。
使用済みプラを原料に昭和電工川崎事業所で製造された低炭素水素がパイプライン供給され、純水素型燃料電池でホテルの電気や熱(温水)に変換されている。同ホテルでは、年間30万N㎥の水素から45万kWhを発電。CO2削減効果は200tに上り、杉の木1万4300本分に相当する。なお、同ホテルは残りの電力も、ホテルの食品廃棄物をバイオマスエネルギーに還元して得られた電力と、再生可能エネルギー購入で賄っており、再エネ100%を実現している。
こうした中、同ホテルは、燃料電池の負荷を追加するとともに、将来の水素社会に向け水素の用途展開を図った。新たな実証事業として11月に「完全人工光型植物工場」を開設。植物育成装置を設置し、リーフレタス栽培を開始した。LED照明(青、赤)による最先端の高速栽培法により、通常の栽培法より成長スピードが速く、播種後35日で80~100gに育つ。1株の収穫に必要な電力は1kWhで、作付面積3㎡で1日に8~12株の収穫が可能。また栽培されたレタスは、豊富なビタミンとほのかな甘みといった特徴もある。
マスコミを招いた「初収穫祭」では、採れたてのリーフレタスを使った料理を提供。参加者は、家庭から排出された使用済みプラが水素にリサイクルされ野菜に還元される「資源環境の仕組み」を体験した。同ホテルは、年明けにホテル内のレストランでレタスを使った料理を提供する予定で、今後はハーブや食用花の栽培にも挑戦していく考えだ。
同ホテルは、「リサイクルした水素をエネルギーとして活用し、さらに野菜として還元する資源循環型モデルを実証している。宿泊するだけでこうした仕組みが体感でき、エコにも貢献できる『泊まるだけでエコ』を目指し、新たな価値を提供するとともに、持続可能な社会の実現に貢献していく」とコメントしている。
2020年12月25日
2020年12月25日
2020年12月25日
住友化学はこのほど、気候変動および水セキュリティ対応で、目標設定、行動、透明性の点で特に優れた活動を行っている企業として、CDPにより「気候変動Aリスト2020」と「水セキュリティAリスト2020」に選定された。最高評価であるAリストへの選定は、気候変動は3年連続、水セキュリティは初となる。
2000年に設立されたCDPは、企業や政府などによる温室効果ガス排出削減や水資源管理、森林保全を促進している国際NGO。現在、世界の機関投資家を代表して、主要企業の環境分野に関する取り組みの情報を収集し、評価している。今回、CDPに環境情報を開示した約9600社のうち、気候変動および水セキュリティの両方で最高評価を獲得したのは世界で64社(日本企業は17社)。
住友化学は、環境負荷低減への貢献を重要課題(マテリアリティ)の1つと位置付けている。気候変動対応では、2018年に総合化学企業として世界で初めてSBTイニシアチブによる認定を取得したほか、「Sumika Sustainable Solutions(SSS)」などを通じて、製品ライフサイクル全体での温室効果ガス排出削減に取り組む。水セキュリティ対応では、各生産拠点において水リスク評価を実施の上、水使用量削減の取り組み強化や、工業排水浄化の高度化を図るとともに、気象災害の激甚化に対応するための防災対策を強化し、安定供給に努めている。
