トクヤマ 先進技術事業化センターを開設、30億円投資

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2020年6月4日

 トクヤマは3日、窒化ケイ素をはじめとする先端材料の事業化を目的として、新明和工業の遊休地(山口県柳井市)に「先進技術事業化センター」を開設すると発表した。製造設備を中心に2年間で約30億円を投資する計画で、来年4月ごろから順次試運転を開始し、同年夏に実証試験に入る予定。

窒化ケイ素(Si3N4)。セラミックス材料の一種
窒化ケイ素(Si3N4)。セラミックス材料の一種

 同センターは、地球環境保護やICT普及に役立つ製品の開発から事業化を手掛ける拠点として位置づける。当面は、環境対応自動車や再生可能エネルギーの発電設備などに搭載されるパワー半導体モジュール向け窒化ケイ素の事業化に取り組む。

 同社は、独自の合成技術で高純度窒化ケイ素粉末の工業化に成功し、その原料を使った板状セラミックスについても、独自技術で省エネ・安全・低コストの環境対応型製造プロセスを開発。同センターでは、これら技術の量産化に向けた実証試験を来年度から開始する。

 同社は、主要放熱材料である窒化アルミニウムのリーディングカンパニー。これまでに培った技術と豊富な経験を生かし、品質とコストを両立した窒化ケイ素材料の普及に取り組むことで、環境に優しく、持続可能な社会の構築に貢献する。

トクヤマの放熱材事業戦略
トクヤマの放熱材事業戦略

旭化成 ゾール社が米国で新機能を搭載したAED販売を開始

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2020年6月4日

 旭化成は3日、米子会社のゾール社が、一般市場向け自動体外式除細動器(AED)「ZOLL AED 3」の米国内販売を開始したと発表した。

ZOLL AED 3
米国での販売が始まった『ZOLL AED 3』

 同製品は、進化した胸骨圧迫ヘルプ機能と、ボタンひとつで切り替え可能な小児モードを搭載し、成人・小児に兼用できる除細動電極パッドを備えるのが特長。すでに米国以外ではグローバルに販売されているが、このたびの米国食品医薬品局(FDA)の承認を受け、同国販売の開始となった。38言語対応製品。

 ゾール社は、米国市場に「ZOLL AED 3」を投入し、一般市場向けAEDのラインアップを拡充させることで、既存製品「ZOLL AED Plus」「Powerheart G5」と併せ、幅広い救命救急医療ニーズにきめ細やかな対応を図る考え。また、同社は現在、新型コロナウイルス感染症が世界でまん延する中、必要とされる製品やサービスの提供を通じて医療従事者のサポートを行っている。

 今後は公共の場での健康・安全がさらに重要視されると考えており、幅広いAED製品群などを提供することで、医療従事者と世界の人びとの〝いのちとくらし〟に貢献していく。

三井化学 経営概況、事業環境悪化で厳しい状況に

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2020年6月3日

橋本社長「長計を実現するため計画を立て直す」

 三井化学は2日、オンラインによる経営概況説明会を開催した。同社は今年度、長期経営計画「VISION 2025」(2016~25年度)の折り返し地点を迎える。これまでポートフォリオ変革に取り組み収益体質が強化されてきたが、米中対立の激化やコロナ禍などにより事業環境が大きく変化し、対応を迫られている。

経営概況を説明する橋本修社長
経営概況を説明する橋本修社長

 橋本修社長は「長計策定時には想定していなかった事業環境にあり、当社が目指す理想像と長計ターゲットに相違が生じていることに加え、ポートフォリオ変革も遅れている。これまでのレビューを行い、目指すべき方向性を出し、長計を実現するため計画を立て直す」とし、

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東洋紡 飲料用ペットボトルから高機能樹脂フィルムを再生

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2020年6月3日

 東洋紡はこのほど、飲料用ペットボトルからリサイクルされた原料を使用したフィルム製品群について、「Bevarage Bottles to Film‐BB2F」の商標の下、環境に配慮した高機能製品のラインアップを拡充し、グローバル市場への展開に注力すると発表した。

サイクルクリーン
サイクルクリーン

 世界的に環境意識が高まる中、消費者によって使用されたプラスチックをリサイクルした(PCR)原料を使ったフィルム製品の需要が増している。

 同社は2012年、業界最高レベルのリサイクル原料使用率80%と、業界最薄の12㎚を実現した包装用フィルム「サイクルクリーン」を業界に先駆けて上市した。プラ製造時の端材や不良品は一切使わず、飲料用として使用されたペットボトル由来のリサイクル原料のみを使用するため、使用済み廃プラの削減にも貢献。環境に配慮した製品として、ペットボトル用ラベルなどに広く採用されてきた。

 今後、「サイクルクリーン」に加えて、薄肉タイプのシュリンク(収縮)フィルム「スペースクリーン」や、高バリア性能フィルム「エコシアール」についても、リサイクル原料に飲料用ペットボトル由来のPCR原料だけを使用した新製品の開発を加速し、ラインアップを拡充していく。

 同社は、これらの「BB2F」ブランドを通じて、環境に配慮した高機能フィルムとしてグローバル市場へ積極的に展開し、軟包装分野での循環型経済の実現に貢献していく考えだ。

 

ポリスチレン 4月の国内出荷は15%減、再び前年割れに

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2020年6月2日

 日本スチレン工業会がこのほど発表した需給実績によると、4月のポリスチレン(PS)の国内出荷は、前年同月比15%減の5万1200tとなった。昨年4月は大幅な値下げにより国内出荷が6万t超に増加していたが、今年4月は値上げをしたことが響き再び前年割れとなっている。ただ、前月比でも11%減少しており、コロナによる緊急事態宣言の影響も伺える。

 用途別で見ると、包装用が

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アジア石化市況 エチレンは前週比80ドル高に

2020年6月2日

芳香族も回復基調が継続、SMは3週連続で上昇

 アジア地域の5月第2週の石化市況では、エチレンは、下値80ドル高、上値110ドル高の530~600ドル/tでの取引となった。4月第4週の底値から、わずか3週の間に210~220ドル/tも急騰している。中国の経済が再開される中、原油に連動しナフサが上昇してきたこと

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プラ工連の3月実績 原材料生産は大幅減、製品も低調継続

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2020年6月1日

 日本プラスチック工業連盟がこのほど発表したプラスチック原材料・製品の生産・輸出入状況によると、確報となる2月のプラスチック原材料生産は、前年同月比3%増の86万6000tと8カ月ぶりに前年水準を上回った。しかし、3月の速報では同12%減で推移。主要品目のポリエチレンやポリプロピレン、塩化ビニル樹脂がマイナスに転じ、ポリスチレンは4カ月連続のマイナスとなったことから、生産が大幅に減少した。

 2月のプラスチック製品生産は、

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出光興産 再エネ100%の電気を上智学院に供給

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2020年6月1日

 出光興産はこのほど、100%子会社である出光グリーンパワーが、上智学院・四谷キャンパス(ソフィアタワーを含む)に、再生可能エネルギー100%の電力プラン「プレミアムゼロプラン」の供給を6月1日から開始すると発表した。

 今回、同学院が導入する「プレミアムゼロプラン」は、再生可能エネルギー(FIT電気含む)100%の電源構成に、トラッキング付非化石証書を組み合わせることで、供給する電力のCO2排出量が実質ゼロとなるプラン。これにより、同学院四谷キャンパスで使用する年間約2000万kWhの電気が再生可能エネルギー由来となり、約9300tのCO2削減に貢献する。

 なお、同プランは再生可能エネルギー100%の電力使用を目標とする「RE100」加盟企業も利用できる。

 出光グリーンパワーは、出光グループで風力・地熱・バイオマス・太陽光・水力といった多種多様な再生可能エネルギー電源を保有する強みを生かし、再生可能エネルギー由来の電力を、環境に積極的に取り組む企業や団体へ供給している。また、東京都がCO2排出量削減を目標に実施している「東京都キャップ&トレード制度」の低炭素電力の供給事業者に6年連続で認定されている。

 同社グループは、今後も、再生可能エネルギーのさらなる普及・拡大に取り組む考えだ。

電力供給のイメージ図
電力供給のイメージ図

リケンテクノス 中計進捗、生産性向上など進展

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2020年6月1日

サステナブル貢献と、グルーバル経営の深化図る

 リケンテクノスはこのほど、動画配信による2020年3月期の決算説明に併せ、3カ年中期経営計画「More Value to All 2021」(2019~21年度)の進捗を報告した。

中計進捗を説明する常盤和明社長
中計進捗を説明する常盤和明社長

 同社は昨年、新たな組織と事業セグメントの下で新中計をスタートさせた。製品別の「コンパウンド」「フイルム」「食品包材」から、市場別の「トランスポーテーション」「デイリーライフ&ヘルスケア」「エレクトロニクス」「ビルディング&コンストラクション」に変更。激変する市場ニーズを的確に捉え、グローバルマーケットに対応していくのが狙いだ。

 昨年度の連結業績は増収減益。売上高は、国内の生活資材・食品包材市場での拡販や、建築資材市場を担うデザイン企画子会社アイエムアイ(IMI)の売上増が寄与し、前年に続き過去最高を更新した。一方、営業利益面では、生産性向上などによる増益要因はあったものの、設備投資の負担増、アジア自動車市場やインドネシア電力ケーブルの需要低迷などが響いた。海外売上高比率は、国内販売の伸長とアジアの伸び悩みにより、42.9%と2.1ポイント減少した。

 これらを背景に、常盤和明社長は中計の5つの主要課題の進捗を説明。①「グローバル経営の深化とシナジー」について、

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