NEDOと住友電気工業 RF電池で電力安定供給の実証実験

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2021年2月16日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と住友電気工業はこのほど、大型定置用蓄電池「レドックスフロー(RF)電池」(容量8㎿h)で平常時・災害時の併用運転(デュアルユース)を実現する世界初の実証事業を行うと発表した。米国カリフォルニア州で取り組んできた、送配電網での電力品質向上を目的とする実証事業を延長し、実配電網の一部でマイクログリッドを構築し、平常時は電力取引で収益を得ながら災害時には自立電源として電力を供給する手法などを検証する。

カリフォルニア州に設置したRF電池設備
カリフォルニア州に設置したRF電池設備

 NEDOは同州との協定の下、2015年に住友電工と現地の大手電力会社SDG&Eとともに同州サンディエゴに設置したRF電池設備による送配電網の電力品質向上の実証事業を進め、2018年より系統運用者CAISOとの電力取引運用を始めた。

 RF電池はバナジウムなどのイオン(活物質)の酸化還元反応により充放電を行い、充放電のパターンやサイクル数によらず長寿命で大型化に適している。充電残量をリアルタイムで計測できるため、自由度の高い入札パターンで、エネルギー市場(電力量の取引市場)とアンシラリーサービス市場(需給バランスの監視、系統運用、電圧・周波数の調整など)の両市場で収益を上げる入札戦略の開発、実証を行ってきた。

 今回、既設のRF電池を自立電源としたマイクログリッドを形成し約70軒の実需要家に電力供給し、技術的課題を検証する。平常時はCAISOとの電力取引で収益を得て、災害時にはマイクログリッドに電力供給を行い、蓄電池の価値を高める狙いだ。この技術は無電化地域の太陽光や風力発電施設を併設したマイクログリッド、離島での再生可能エネルギーによる電力供給にも適用できる。

 森林火災の多発が予測される秋までにシステムを構築し、12月まで実証を行う。その後実証成果を生かし、RF電池の普及を通じた電力システムのレジリエンス向上、再生可能エネルギー導入拡大、温室効果ガス排出削減に貢献するとしている。

ハイケム 中国社と生分解性材料で提携、マルチなど展開

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2021年2月16日

 ハイケムは15日、 中国の素材メーカー・華盛グループの傘下企業と総代理販売契約を締結し、ポリブチレンアジペート・テレフタレート(PBAT)を使用した生分解性コンパウンド樹脂「PCO2」および同材料を加工したフィルム成形品の日本での販売を開始すると発表した。生分解性材料の特長を生かし、農業用マルチフィルムをはじめ、レジ袋やごみ袋での展開を予定している。

生分解性をもつ「PCO2」を利用した農業用マルチフィルム
生分解性をもつ「PCO2」を利用した農業用マルチフィルム

 「PCO2」は優れた生分解性をもち、農業用マルチフィルムの実験では、土壌環境にもよるが、約6カ月で土壌への堆肥化が見られた。また、通常は生分解性をもつフィルム成形品はポリエチレン(PE)製に比べると水蒸気バリア性が低いのが一般的だが、「PCO2」はPEに近い高水蒸気バリア性を実現。農業用マルチフィルムなどに使うことで、土壌水分の蒸発を抑える効果も期待でき、土壌温度が緩やかになることで農作物に良好な環境を作り出すことが可能だ。さらに、強度面でもPE製と同様に軽量で薄いフィルムの製造ができることから、高齢化が進む農業従事者にとっては、農業用マルチフィルム廃棄時などの作業負担軽減も期待されている。

 中国では昨年1月にプラスチック製品による環境汚染防止策の通達が発令され、昨年末までに飲食店での非分解性プラスチック製のストローなどの使用を中止する指示が出されるなど、生分解性材料のニーズが急速に高まっている。今回取り扱いを開始した「PCO2」もその優れた特性から、環境放出型の成形品への採用例が多い。また、米国でもBPIなどの国際認可マークを取得しており、より環境規制が厳しい欧米企業での複数の採用実績がある。ハイケムは、「PCO2」の日本でのグリーンプラマーク(日本バイオプラスチック協会認証)の取得に向け、申請手続きを開始する予定だ。

 同社では、生分解性材料こそマイクロプラスチック問題解決の糸口となると考え、ポリ乳酸(PLA)やPBATなどの生分解性材料の取り扱いを強化している。中国で台頭する生分解性材料サプライヤーと緊密な関係を構築し、日本の材料メーカーとの架け橋となり、生分解性プラの世界的な普及に貢献していく考えだ。こうした総合的な取り組みにより「生分解性材料のトータル・ソリューション・カンパニー」となり、世界の海洋プラ問題の解決に取り組んでいく。

三井化学 停電でエチレン設備停止、再稼働に2週間程度

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2021年2月16日

 三井化学は15日、13日深夜に発生した福島県沖を震源とする最大震度6強の地震による千葉県下の停電により、市原工場(同県市原市)のエチレンプラントをはじめ、用役設備以外のすべての設備を停止していると発表した。東京電力からの電力供給停止に伴う措置。

市原工場のプラント全景。再稼働には10日~2週間程度かかる見通し
市原工場のプラント全景。再稼働には10日~2週間程度かかる見通し

 地震・停電に伴う人的被害はなく、また、同工場を除く同社関係事業所や工場、研究所などへの影響はなかった。現在、生産技術などの側面から対応を協議しており、停止した設備の再稼働には、10日~2週間程度かかる見通し。なお、製品出荷については、在庫で対応し、顧客への影響を最小限にとどめるとしている。

 

アジア石化市況 エチレンは上値も1000ドル割れ

2021年2月16日

クラッカー稼働再開で先安観、ベンゼンは再反発

 アジア地域の1月第3週の石化市況では、エチレンは下値80ドル安、上値115ドル安の900~980ドル/tでの取引となった。上値が1000ドルを下回ったのは11月第4週以来となる。前週までは、韓国のクラッカーが再稼働に入る中、別のクラッカーの定修再開が遅延したこともあり値動きが少なかったが、一気に買い気配が弱まった。スプレッドについては、

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伊藤忠商事 ナイロンリサイクル、イタリア社と業務提携

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2021年2月15日

 伊藤忠商事は12日、世界最大のリサイクルナイロンブランド「エコニール」を展開するAquafil社(イタリア)とナイロン循環リサイクルに関するビジネスの推進、拡大に向けて業務提携を締結したと発表した。今回の提携を契機にナイロン廃棄物の回収からリサイクルナイロンを原料とした最終製品の開発、販売まで本格的に取り組んでいく。

 昨今、カーボンニュートラルの対応が世界中で急務とされる中で、石油化学製品のリサイクル比率の向上は最重要課題の一つと位置付けられている。ナイロンは石油由来の化学繊維およびプラ原料として幅広い分野で使用される一方で、他原料との複合素材として使用されている製品も多く、リサイクルが難しい素材の一つだった。

 Aquafil社は、独自の技術でナイロン廃棄物をケミカルリサイクルによって粗原料であるカプロラクタム(CPL)まで戻し、不純物等を完全に除去しバージン材と同等品質で再利用できる循環リサイクルシステムを構築。2011年よりスロベニアにて漁網やカーペットなどの廃棄物を原料としてリサイクルナイロン「エコニール」の生産を開始した。「エコニール」は100%廃棄物からのリサイクルのため、石油由来の通常のナイロンに比べてCO2排出量を最大90%削減が可能。環境配慮型素材としてファッション業界やカーペット業界などを中心に、全世界2000社以上の著名なブランドで採用されてきた。特にファッション業界ではグッチやバーバリー、プラダといった大手ファッションブランドから大きな支持を受け注目を集めている。

 伊藤忠商事はナイロン原料であるCPLおよびナイロンチップについて、数量ベースで世界最大規模の取り扱いをしており、伊藤忠商事のもつナイロンバリューチェーンの活用とAquafil社のエコニール事業の方向性が合致し本提携を締結するに至った。今後は伊藤忠グループのもつ多様なネットワークを活かして、グローバルにファッションやカーペット、自動車用部材、包材等の用途向けに拡販していく。さらに既存の販売チェーンからの廃棄用ナイロンの回収スキームを構築する予定で、Aquafil社への原料安定供給の観点からも協業をすすめていく。廃棄物の回収から最終製品の販売までを共同で取り組むことにより、付加価値の高いナイロン循環リサイクルの拡大を目指す。

Aquafil エコニール循環リサイクルイメージ
Aquafil エコニール循環リサイクルイメージ

 

合成ゴム 11月の出荷量は2カ月連続でプラス

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2021年2月15日

品目別ではまだら模様も、全体的には改善傾向に

 合成ゴム工業会がこのほど発表した生産・出荷・在庫実績によると、11月の合成ゴムの出荷量は前年同月比1.8%増の11万2900tだった。前月比では6カ月ぶりにマイナスとなったが、3カ月連続で11万t台を維持しており、全体的には改善傾向を継続している。

 11月を品目別に見ると、

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クラレ 前中計は火災事故やコロナ影響で目標未達

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2021年2月12日

今年度に新中計策定、エバールなど新工場を検討

川原仁社長

 クラレは10日、オンラインによる決算説明会を開催した。2020年度通期(1-12月期)連結業績は、売上高が前年比6%減の5418億円、営業利益18%減の443億円、経常利益18%減の397億円、純利益26億円(同45億円増)となった。川原仁社長は、「新型コロナ感染拡大による世界的な景気減速の影響を受け、多くの事業で需要が落ち販売が減少するとともに、

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プラ工連11月実績 原材料・製品生産の回復足踏み続く

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2021年2月12日

 日本プラスチック工業連盟がこのほど発表したプラスチック原材料・製品の生産・輸出入状況によると、確報となる10月のプラスチック原材料生産は、前年同月比6%減の83万1000tと8カ月連続で減少した。6月を底に回復基調にあり、9月からは減少幅は1桁台にまで改善しているものの、11月の速報値でも同6%減と、回復の足踏み状態が続く。

 11月の主要品目の生産を見ると、

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