中越パルプ工業 ACC法CNF、エレクトロ分野で採用

, , , ,

2020年12月8日

 中越パルプ工業はこのほど、水中対向衝突法(ACC法)で製造したセルロースナノファイバー(CNF)「nanoforest(ナノフォレスト)」が、松尾ハンダ(神奈川県大和市)製造のソルダペーストの添加剤として採用されたと発表した。

CNF「nonaforest」添加剤としたソルダーペースト
CNF「nonaforest」添加剤としたソルダーペースト

 エレクトロニクス製品は、多くの電子部品によって構成され、電子部品と電子回路をつなぎ合わせる部品接合部材では、はんだが広く採用されている。近年、電子機器の開発は、高性能化、小型化、高出力化の方向へ移行しつつあり、それに伴い、はんだ接合部における品質向上が求められている。

 はんだ接合部の代表的な品質特性として、接合部の外観形状不良(ダレ等)、接合強度特性、内部欠陥(ボイド)、腐食などが挙げられる。さらに電子製品の長期連続使用において、ヒートサイクルによる疲労破壊が顕在化しており、耐温度サイクル特性の要求も高まっている。

ソルダーペースト使用例
ソルダーペースト使用例

 こうした中、松尾ハンダは、「nanoforest」を添加したはんだ付け材料の開発を推進。今回、ソルダペーストの添加剤として採用された。CNFを添加したソルダペーストは、金属粉の流動性及び揮発ガス吸着性能等が改善し、ダレ低減による外観形状不良の改善、はんだ内部の金属結晶組織の微細化による接合強度向上、流動性改善による内部欠陥(ボイド)低減、といった効果が期待できる。

 今後、様々な分野でますます電子制御化の加速が予想されており、高い品質を要求される電気自動車や各種精密機器などにおいて、「nanoforest」のさらなる応用・実用化が期待される。

カネカ 5Gミリ波に対応、超耐熱PIフィルムを開発

, ,

2020年12月8日

 カネカはこのほど、5G高速高周波対応の超耐熱ポリイミド(PI)フィルム「ピクシオ IB」を開発したと発表した。10月からサンプル提供を開始しており、2021年からの本格販売を予定している。

超耐熱ポリイミドフィルム「ピクシオ IB」
超耐熱ポリイミドフィルム「ピクシオ IB」

 「ピクシオ IB」は、同社が長年蓄積した高度なPI開発技術で高周波帯における誘電正接をPIフィルムで世界最高レベルの0.0025まで低減させた。これにより高速通信を実現できる5Gのミリ波帯への対応が可能となった。4Gの約100倍の通信速度と言われる5G対応スマートフォンが登場し、世界のスマートフォン市場における5G対応機種は今後急速に拡大する見通し。

 同社は5G対応製品として、Sub6帯に対応可能な「ピクシオ SR」に、ミリ波帯対応の「ピクシオ IB」を加え、ラインナップを拡充しデジタルデバイスの高機能化を支える素材として拡販していく。

 同社は、高速情報通信を支える素材として超耐熱PIフィルム「ピクシオ」で高いマーケットシェアを持っているが、今後もガラス代替フレキシブルディスプレイ用透明PIフィルム、有機ELディスプレイTFT基板向けPIワニス、超高熱伝導グラファイトシートなど各種PI製品で様々なソリューションを提供していく考えだ。

三井化学 インドで太陽光パネルBIS認証試験事業を開始

, , , , ,

2020年12月8日

 三井化学は7日、インドでの太陽光パネルの性能・信頼性を評価するBIS認証試験所の登録を受け、今月から日本企業では同国初となるBIS認証事業を開始したと発表した。同社は次世代事業として太陽光発電診断事業を目指しているが、インドで行うBIS認証事業の実績を積み重ねることで、エネルギー需要が拡大する同国での発電診断事業につなげていく考えだ。

インドにあるBIS認証試験所の外観
インドにあるBIS認証試験所の外観

 BIS認証は日本のJIS認証に相当し、インド国内の認定機関のみで認証の実施が可能なもの。粗悪な太陽光パネルの流入防止のため、2017年からすべての太陽光パネルの設置プロジェクトごとに使用パネルのBIS認証取得が義務付けられている。

 昨年8月、インド関係会社であるMCINDがドイツの認定試験所フォトヴォルタイク・インスティテュート・ベルリンの支援の下、インドのグジャラート州アーメダバードに太陽光パネル認証のための試験所を建設し、同年12月より太陽光パネルの評価・測定・試験事業を開始。今回のBIS認証試験所の登録により、各プロジェクトで使われる出荷前の太陽光パネルのBIS認証を行っていく。今後の展開としては、各プロジェクトについて、建設前に行うパネル分解や部材品質のチェック、寿命推定などによるパネル診断に加え、建設後や運転時の設計・計画・設備の不具合チェックや期待発電量算出などの発電所診断を想定している。

太陽光パネルBIS認証試験風景
太陽光パネルBIS認証試験風景

 三井化学グループはこれまで、三井化学東セロで30年以上にわたり製造・販売する太陽光パネル用封止材の劣化予測技術、2014年から愛知県田原市で実施してきた「田原ソーラー・ウインド発電所」を通じた事業者としての開発・運営経験、市原工場茂原分工場や袖ケ浦センターの試験用発電所でのデータ蓄積など、太陽光発電に関する様々な知見を蓄積してきた。今回、これらの知見による信頼に基づき、インドでのBIS認証事業を開始した。

 三井化学は、太陽光発電診断事業を「発電所での建設前のパネル診断により、パネル発電能力の低下を防止する」など、太陽光発電によるGHG(温室効果ガス)削減に貢献するとして、環境貢献価値の高い製品・サービスである「Blue Value」に認定している。同社グループは、太陽光発電診断事業を通じて、今後もSDGsに掲げられている社会課題の解決に貢献していく考えだ。

 

旭化成 水素バリューチェーン推進協議会に参画

,

2020年12月8日

 旭化成は7日、水素分野におけるグローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進する新たな団体「水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)」に参画したと発表した。同協議会は、同日付で発足し、参加企業は88社に上る。

 同社は、「サプライチェーン全体を俯瞰しつつ、業界横断的かつオープンな組織として、社会実装プロジェクトの実現を通じて、早期に水素社会を構築する」という協議会の目的に賛同し参画を決定。具体的には、①社会実装プロジェクトの提案・調整、②ファンドの創設、基本的な管理・運営の検討、③需要創出、規制緩和等の政策提言、④国際的な活動、⑤国内外の情報収集・分析・発信をテーマに据え、水素社会構築を加速させるための課題達成を目指していく。

 同社は、水素を利活用する化学メーカーとして、水素の需要創出および拡大のために取り組むべき課題について、協議会のワーキンググループ活動で積極的な提言を行っていく。さらに、同社が福島県浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」において実証しているアルカリ水電解システムなどの脱炭素に役立つ技術についても、協議会での横断的な活動を通して社会実装を加速していく考えだ。

水素バリューチェーンっ協議会 ロゴ
水素バリューチェーンっ協議会 ロゴ

 

アジア石化市況 エチレンは急騰し910ドル/tに

2020年12月8日

 ブタジエンも一段高、SMは7週ぶりにマイナス

 アジア地域の11月第3週の石化市況では、エチレンは下値110ドル高、上値135ドル高の910~985ドル/tでの取引となった。下値、高値とも900ドル台となったのは昨年8月以来1年3カ月ぶりとなる。前週に引き続き、原油・ナフサ価格が上昇傾向となったことに加え、韓国で発生したクラッカーの火災事故により、需要家の間で玉を確保する動きが強まったことが背景にある。

 ナフサとのスプレッドも

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

積水化学工業 ESG投資の指標「DJSI」に9年連続で選定

, ,

2020年12月7日

 積水化学工業は、ESG投資の世界的な株式指標である「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)」の「World Index」に9年連続で選定された。

 DJSIは、金融インデックス開発大手のS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が構成銘柄を選定する指標で、企業の事業活動の持続可能性を評価し、業種ごとに上位の企業を選定する。今回、世界の調査対象企業3400社以上の中から、323社(日本企業39社)が「World Index」に選定された。

 同社は中期経営計画「Drive 2022」の中で、社会の持続可能性と同社グループの持続可能性の向上を共に追求するESG経営を実践し、企業価値を持続的に向上させる企業体制を構築することを、基本戦略として掲げる。同社は今後も、持続可能な社会の実現に向け一層貢献し、ステークホルダーに信頼され、100年経っても存在感のある企業グループであり続けるための挑戦を続けていく考えだ。

ESG投資指標「DJSI」に選定
ESG投資指標「DJSI」に選定

 

帝人 高機能繊維と木材とのハイブリッド素材を展開開始

, ,

2020年12月7日

 帝人はこのほど、2015年からAFRWとして展開してきた高機能繊維を用いた複合材料集成材を、新たに「LIVELY WOOD」ブランドとして展開していくと発表した。ブランド名には、「空間に美しさを、人に活力を」という意味を込め、ロゴには日本伝統の建築技術である組み木と、活力の象徴である太陽を織り交ぜて表現している。

 「LIVELY WOOD」は剛性が木材の2倍以上で、建築材の梁に使用すると設計の自由度が向上する。幅広い用途への活用が期待されることから、これまで木材を採用できなかった建築物への使用を推進。梁や柱のない広いオープンスペースの実現により、人々の生活により快適性の高い空間を提供していく。

 そして今回、第1弾の展開として、JR名古屋駅南側で、新幹線の高架下を利用して建設される地上2階建ての「笹島高架下オフィス」へ、社外の建築施設として初採用が決定。同オフィスの建築には、炭素繊維と木材のハイブリッドである「LIVELY WOOD」の特徴を生かし、6m超の柱間隔、3mを超えるオーバーハング設計によるダイナミックな空間と、従来の木造建築物と同等の軽量性による簡易的な基礎の両立を実現した。

 また、建築に使用する「LIVELY WOOD」の木材には、愛知県産のスギを使用する予定。スギを建築物の構造材に使用する場合、断面を大きくする必要や、長いスパンが取れないなどの制約がある。さらに今回は、鉄道高架下での建築であるため高さや施工条件にも制限がある。しかし、スギを補強して剛性を高めた「LIVELY WOOD」は、それらを解消することができ、地産地消にもつながる。

 帝人は、グランピング施設や、世間で注目を集めているワーケーション施設、中低層のオフィスビルなど、多岐にわたる建築物に向けて

「LIVELY WOOD」の採用を推進。今回の採用を契機にさらなる普及を図り、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指していく考えだ。

LIVELY WOOD ロゴ
LIVELY WOOD ロゴ

サンエー化研 シノムラ化学子会社化で産業資材を強化

, , ,

2020年12月7日

 サンエー化研は3日に都内で開催した2020年度上期(4-9月期)の決算報告に併せ、先ごろ子会社化したシノムラ化学工業(サンエー化研:51%、東ソー:40%、王子機能材事業推進センター:9%)とのシナジー創出や、新規開発の抗菌・抗ウイルステープ「バイプロテープ」の採用事例などの説明を行った。

産業資材セグメントの製品群
産業資材セグメントの製品群

 同社は、「軽包装材料」「産業資材」「機能性材料」の3つの主要セグメントを中心に事業を展開するが、粘着テープ用基材やラベル用剥離紙を主要製品として製造・販売する産業資材セグメントは、国内需要の鈍化に加え海外品の流入もあり、営業赤字が続くなど収益面での状況は厳しい。

 山本明広社長は今回のシノムラ化学の子会社化について、「シノムラ化学は当社の産業資材と同じようなビジネスを展開している。双方のシナジー創出により、早期黒字化を果たしていきたい」との展望を述べ、「事業規模の拡大により、 “サンエー化研 シノムラ化学子会社化で産業資材を強化” の続きを読む

中国汎用樹脂輸入 10月は5品目が前年比プラス

,

2020年12月7日

前月比では全品目がマイナス、夏場の勢いが減速

 中国の10月の汎用樹脂輸入は、前年同月比ではEPSを除く5品目でプラスとなったが、前月比で見るとすべての品目がマイナスとなり、夏場の勢いが減速する結果となった。とはいえ、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ABS樹脂などは高いレベルを保っており、中国では依然として経済活動が好調となっているようだ。

 10月の輸入を品目別で見ると、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について