積水化学 レジリエンス強化で在宅避難型住宅を販売開始

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2019年7月23日

 積水化学工業の住宅カンパニーは22日、同社が展開する自給自足型注文住宅「スマートハイム」のレジリエンス機能を強化し、移動手段・電力・飲料水を確保することで、在宅避難が可能な住まいの提供を始めると発表した。

床下への飲料水貯留タンクの設置イメージ
床下への飲料水貯留タンクの設置イメージ

 「スマートハイム」は太陽光発電システム(PV)や蓄電池、コンサルティング型ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)を搭載し、発電した電気を賢く貯めて使う、エネルギー自家消費型住宅。電気自動車(EV)と連携するVtoH(Vehicle to Home)スタンドを設置することで、さらに自給率を高めることができる。

 昨年の大型台風や北海道胆振東部地震による停電時には、同ハイムの1391戸で蓄電池が稼働し、電力供給が止まる災害時でも調理器具や照明、冷蔵庫などの使用ができたという。今回は、停電や水害といった災害に対するレジリエンス強化のため、災害時の要望として最も多かった移動手段と飲料水の確保に焦点を当てた。

 セキスイハイムに居住する地震被災を経験した世帯にアンケート(2018年2月発表)を実施したところ、「1位はガソリン・灯油の入手困難といった『移動手段』の問題、2位が自宅の水道が使えない・水の入手困難という『飲料水』の問題」(川瀬昭則商品開発部長)だった。

 同調査の結果などを踏まえ、断水時でも飲料水を確保できるシステムとして、「飲料水貯留システム」を導入する新プランを追加した。新築時に容量24リットルのタンクを床下に設置し、非常時は足踏みポンプを使って普段使っている蛇口から取水する。1日に一人当たり必要な飲料・調理水を二リットルと想定し、4人家族で3日分の水を確保できる。

 一方、移動手段の確保では、これまでVtoHと接続できるEVは、日産車と三菱車に限られていたが、新たにトヨタ車への適応を広げ、対応車種の拡大を図った。また、浸水をともなう水害により、一階に設置した設備が機能しなくなる課題もあり、蓄電システムなどの2階バルコニーへの設置を可能にした。

 新システムについては、今月26日から全国(北海道と沖縄、一部離島地域を除く)の新築戸建て全商品に採用し、販売を開始する。「飲料水貯留システム」は年間500棟の販売を見込む。

アジア石化市況 エチレンは下落基調を継続

2019年7月23日

ナフサは500ドルを回復、スプレッドが悪化

 アジア地域の石化市況では、エチレンの6月第4週は下値が前週比10ドル安となり、750~790ドル/tでの取引となった。誘導品の需要が低迷する中、生エチレンで販売する動きが出ているため、需給バランスが緩和している。

 ナフサが原油に連動し500ドル/t超となったことで、スプレッドは39ドル縮小の236ドル/tと前週からさらに悪化している状況だ。プロピレンは、880~915ドル/tと前週から若干の下落。需給バランスに大きな変動がなく、900ドル/t前後の動きとなっている。

 ブタジエンは下値が

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帝人 豪スタートアップと低速EV開発を推進

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2019年7月22日

 帝人はこのほど、省エネや超高齢化社会に対応するLSEV(低速電気自動車)に特化したオーストラリアのスタートアップ企業・AEVロボティクス社(ビクトリア州)と、LSEVの軽量化に向けた共同開発を実施することで合意したと発表した。

ガラス部分にグレージング技術を適用したAEV社コンセプトカー
ガラス部分にグレージング技術を適用したAEV社コンセプトカー

 両社は、今後約2年間をめどに、要素技術の開発・確立を進めていく。AEV社は、エネルギー効率の高いEVを実現する基盤技術やノウハウと、シンプルかつ軽量なシャーシ、サスペンション、ステアリングなどを開発するエンジニアリング力があり、大手自動車メーカーにはない、自由な発想と工法でLSEVに特化した開発を進めている。

 帝人は、これらを自社の軽量化ソリューションと組み合わせることで、LSEVの開発スピードを加速させ、将来のEVに求められる技術基盤を獲得・整備するため、共同開発の実施を決めた。

 具体的には、ポリカーボネート樹脂・炭素繊維・アラミド繊維といった高機能素材や、グループ会社の米CSP社をはじめとする複合化技術を駆使し、軽量化と強度の最適化に向け、素材から設計に至るまでの技術開発を進めていく。また、軽量化と断熱性の最適化を図る熱マネジメントのノウハウや、EVの仕様に合わせた吸音性の快適性などについても、実車ベースで技術開発を行う。

 加えて、工学院大学のソーラーカープロジェクトへの素材提供や車体設計・製作支援といったサポートを通じて得たノウハウや、AEV社のコンセプトカーと、そこに生かされた技術・ノウハウなどを活用することで、将来の環境対応車に求められるデファクトスタンダードデザインの確立を目指す。

 一方、AEV社は、交通手段としてのみならず、医療・運送・工業など幅広い分野での高効率EVプラットフォームや自動運転技術の開発を進めており、これらも生かして高効率LSEVの開発を推進していく。

 帝人は今回の共同開発により、将来のEVに求められる設計・素材選定を含むデザイン力を獲得し、長期ビジョン「未来の社会を支える会社」の達成に向け、モビリティ分野でのソリューション提案力を強化していく。

東亞合成 高岡工場にラボ新設、接着剤の開発を強化

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2019年7月22日

 東亞合成はこのほど、高岡工場に「高岡創造ラボ」の建設を決定したと発表した。床面積は約4220㎡。9月に着工し、来年秋に竣工する予定。

7.22付 東亞合成・高岡創造ラボの外観イメージ 本文中用
高岡創造ラボの外観イメージ

 同社グループは「素材と機能の可能性を追求し、化学の力で新しい幸せをあなたへ届けます。」との企業理念の下、技術と高付加価値製品で存在感のある化学企業を目指している。

 今回、高岡工場に高岡創造ラボを設置することで、より顧客に近い形で、多岐にわたる接着剤製品の開発機能の強化とスピードアップを図る。

 施設内には、製品の展示コーナーや見学ホールを設け、製品利用者や地域社会の人たちに、より開かれた、親しまれるラボにしていく。

 高岡工場は1918年に設立された北海曹達の伏木工場で、カセイソーダをはじめとした電解製品の生産を開始し、44年に東亞合成化学工業・高岡工場(現東亞合成・高岡工場)に改称した。

 その後、産業構造の変化に伴い、2003年に電解製品の生産を終了したが、12年には関東地区にあった工業用途の接着剤工場を移設。1963年から開始した瞬間接着剤「アロンアルフア」の生産と合わせ、瞬間接着剤から工業用の機能性接着剤にまでわたる、接着剤製品の製造機能を集約した。

 加えて、新たな事業分野である植物工場への取り組みを行うなど、高付加価値製品の製造や新事業創造を担う重要な拠点となっている。

米国のポリエチレン輸出 5月は前年比55%増加

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2019年7月22日

ベトナム・マレーシア向けが大幅伸長、中国も増加に

 貿易統計によると、米国の5月のポリエチレン(PE)輸出は、前年同月比55.4%増の76万5000tと大幅な伸びとなった。

 2017~18年5月までは月間30万~40万t台の輸出量で推移していたが、18年6月以降は50万t台となり、10月以降は60万t台と出荷ペースが加速。今年に入ってからも勢いは衰えず、3月以降は70万t台となりさらに増加傾向を強めている状況だ。

 シェール由来の大型エタンクラッカーやPE設備が相次いで立ち上がり、世界各地に向けて輸出が本格化していることが背景にある。

 5月の主な輸出先は、1位が

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石化協 MMAモノマーの1-6月国内出荷は前年並み

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2019年7月19日

 石油化学工業会が19日に発表したMMA(メタクリル酸メチル)の需給実績によると、今年上期(1-6月期)のモノマーの国内出荷は、前年並みの6万3471tとなった。

 ポリマーの上期国内出荷は、押出板・注型板向けが前年同期比8%減の1万2638t、成形材料向けが

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汎用4樹脂 1-6月の国内出荷はPP除き前年実績下回る

2019年7月19日

 業界筋によると、今年上期(1-6月期)の汎用4樹脂の国内出荷は、ポリプロピレン(PP)を除き、前年同期を下回った。

 上期の国内出荷を品目別で見ると、低密度ポリエチレン(LDPE)は前年同期比3%減の63万8400t、高密度ポリエチレン(HDPE)は同1%減の35万4200t、PPは同8%増の120万8800t、ポリスチレン(PS)は同1%減32万6500t。

 上期の生産量については、LDPEが同2%増の

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石化協 1-6月のエチレン生産は5%増、平均稼働率96.0%

2019年7月19日

 石油化学工業協会が18日に発表した主要石化製品18品目生産実績によると、今年上期(1-6月期)のエチレン生産は、前年同期比5%増の313万9700tとなった。稼働プラントの上期平均稼働率は96.0%となり、ほぼ

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5G/IoT通信展 化学メーカーもノイズ抑制素材など紹介

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2019年7月19日

 5GやIoTなど次世代のモバイル通信に必要な技術を集めた「第2回5G/IoT通信展」が、19日まで東京都江東区の青海展示場で開催され、化学メーカーでは旭化成、ポリプラスチックス/ダイセルポリマー、三菱ガス化学、JSRが出展している。

旭化成

旭化成
旭化成

 旭化成は薄型・軽量でありながら、高周波数帯域のノイズを吸収するノイズ抑制シート「パルシャット」を紹介している。

 1GHz以下の低周波数帯域では、磁界を抑制すればトータルでノイズを抑制することができる。しかし、5Gで使われる数十GHzの高周波数帯域では、電界の方が支配的なため、従来の磁性体を使用した抑制素材でノイズを抑制するのは難しい。

 パルシャットはポリエステル不織布を使い、表面に

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