塩ビ樹脂 11月の総出荷は好調を継続し国内外で前年比増

,

2018年12月20日

 塩ビ工業・環境協会(VEC)が19日に発表した需給実績によると、11月の塩ビ樹脂(PVC)の総出荷量は前年同月比2%増の15万300tと引き続き好調だった。

 国内出荷は1%増の9万6400tと、2014年3月(9万8917t)以降では前月に続く2番目に高い水準で推移。輸出も5%増の5万3800tと2カ月連続で前年を上回り、総出荷量は、国内外の好調を受け2カ月連続で前年の水準を上回った。

 国内出荷を用途別で見ると、硬質用は

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

米国のポリエチレン輸出 10月は対前年比78%増

2018年12月20日

 貿易統計によると、米国の10月のポリエチレン(PE)輸出は前年同月比77.7%増の65万2000tと大幅に伸長した。米国でシェール由来のエタンクラッカーが稼働を開始し、誘導品であるPE設備も立ち上がってきたことで、需要地に向けて輸出量が増加している。

 1―10月期で見ても

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

ADEKA 次世代二次電池用活物質のサンプル提供を開始

, ,

2018年12月19日

 ADEKAはこのほど、次世代二次電池用活物質「硫黄変性ポリアクリロニトリル」(SPAN=エスパン)のサンプル提供を開始した。2020年度の製品化を目指す。

外観
外観

 SPANは、ポリアクリロニトリル(PAN)と硫黄を反応させたもの。電極材料に用いた試作電池では、長期にわたり安定した電池性能を保持することが確認されており、硫黄を超える活物質として期待されている。

 これまでは、製造時に発生する多量の硫化水素により量産化は困難とされていたが、同社は硫化水素処理技術やノウハウを駆使し、産業技術総合研究所と豊田自動織機が開発した製造方法をもとに、量産化検討を推進してきた。

 二次電池は、スマートデバイスや電気自動車など、現代の豊かなくらしに欠かせないものであり、小型化やエネルギー密度の増大、長寿命化といった、よりいっそうの高性能化ニーズが高まっている。

SEM 図
SEM 図

 また、リチウムイオン二次電池に用いられているレアメタル(希少金属)は、その需要増加に伴い、資源枯渇とコスト増化が懸念されている。性能面やレアメタル問題を解決する次世代電池向け活物質として、以前から硫黄が注目されていたが、充放電時に生成する反応中間体が電解液へ溶出し、寿命を悪化させることから、二次電池向け活物質としては広く実用化には至っていなかった。

 ADEKAは、次世代二次電池のレアメタルフリー化と軽量化、充放電サイクル長寿命化を可能にする活物質として、SPANを有望視。サンプル提供を通じて次世代二次電池向け活物質の標準となるよう、市場開発を加速していく考えだ。

 また同社では、次世代二次電池向け材料として、グラフェン(導電助剤)や電解液添加剤の開発も進めている。特に、電池業界のトレンドである全固体電池への材料開発を拡大するなど、環境・エネルギー材料分野での研究開発を推進し、持続可能な社会の実現に寄与する製品の創出を目指していく。

東洋紡 高耐熱性ポリイミドフィルムの子会社工場が完成

, ,

2018年12月19日

 東洋紡はこのほど、子会社ゼノマックスジャパンの本社工場(福井県敦賀市)が10月に完成、操業を開始し、今月17日に竣工式を開催したと発表した。

ゼノマックスジャパンの本社工場
ゼノマックスジャパンの本社工場

 同日は、福井県の西川一誠知事、敦賀市の渕上隆信市長をはじめ、ゼノマックスジャパンの中村英弘社長、長瀬産業の朝倉研二社長、東洋紡の楢原誠慈社長ほか、多数の関係者が出席した。

竣工式の模様
竣工式の模様

 ゼノマックスジャパンは、今年4月に長瀬産業との合弁により東洋紡の敦賀事業所内に設立。出資比率は、東洋紡が66.6%、長瀬産業が33.4%。高耐熱性ポリイミドフィルム「ゼノマックス」を生産・販売する。本社工場の延べ床面積は、約4300平方メートル、鉄骨2階建て(1部5階建て)。投資額は約30億円となっている。

 同製品はこれまで、東洋紡のコーポレート研究所(滋賀県大津市)内の設備で少量生産を行ってきたが、ゼノマックスジャパン本社工場の完成に伴い、今年10月から同工場に生産拠点を移した。売上目標は、2020年度に100億円を目指す。

 「ゼノマックス」は、室温から500℃まで熱膨張係数が約3ppm/℃と一定で、ポリマーフィルムとしては世界最高レベルの寸法安定性をもつ高耐熱性ポリイミドフィルム。同社がもつ高耐熱ポリマーの合成技術やフィルム製膜技術などを駆使し、従来のポリイミドフィルムでは不可能だった、ガラス基板と同等の高い寸法安定性を実現した。

高耐熱性ポリイミドフィルム 「ゼノマックス」(左)
高耐熱性ポリイミドフィルム 「ゼノマックス」(左)

 電子ペーパーディスプレー向けTFT基板材の需要増に対応するとともに、「薄い」「軽い」「割れない」「曲がる」というフィルムの特性を生かし、フレキシブルな有機ELディスプレーや各種センサー、マイクロLEDといった次世代ディスプレー用途での展開を図る。

東洋紡 中空糸型FO膜がデンマークの発電プラントに採用

,

2018年12月18日

 東洋紡は17日、中空糸型の正浸透膜(FO膜)が、デンマークの浸透圧発電パイロットプラントに採用されたと発表した。今年9月から実証実験を開始しており、早期の実用化を目指している。

中空糸型正浸透膜
中空糸型正浸透膜

 この事業は同社がデンマークにある浸透圧発電のベンチャー企業ソルトパワー社、産業機械メーカーのダンフォス社、エンジニアリング会社セムコ・マーチン社と4社共同で運営するもの。

 今回採用されたのは、中空糸を円筒形の圧力容器に高密度に充填したFO膜で、水分子を通し一定の大きさ以上の分子やイオンを通さない半透膜の一種である。

 東洋紡は1970年代に、繊維事業で培った紡糸技術を応用し、中空糸型半透膜を開発した。海水を淡水に変える逆浸透膜(RO膜)として、性能や耐久性などが高く評価され、1980年代初めから主に中東湾岸地域の海水淡水化施設で採用実績を重ねてきた。

 デンマークで運転を開始した浸透圧発電プラントは、地下から汲み上げた地熱水と呼ばれる塩水と、淡水の塩分濃度の差を利用して発電するシステム。塩分を通さずに水を通す性質をもつFO膜を隔てて塩水と淡水を接触させると、浸透圧差により塩水側に水流が発生。この水流を利用してタービンを回すことで発電する。

 地熱水を活用した浸透圧発電は、太陽光や風力に比べ、天候や昼夜に左右されない新しい再生可能エネルギーとして注目を集めている。

正浸透膜が採用された浸透圧発電プラント 2
正浸透膜が採用された浸透圧発電プラント

 同社のFO膜は、高密度に充填された中空糸によって水が効率的に流れる内部構造を持ち、発電用タービンを回すための水流を安定かつ低ロスで発生させる。また、効率的な浸透圧発電に必要な高い水圧に対して、RO膜用途で実証してきた優れた耐圧性能を備えていることなどが高く評価され、今回の採用となった。

 同プラントは、同型の浸透圧発電方式としては業界最大で、一般的な家庭約50世帯分の電力に相当する20kWを発電。これまで実験的な浸透圧発電設備はあったが、実用規模の浸透圧発電プラントが運転を開始するのは世界で初めて。

 来年9月ごろまで実証実験を行い、2021年までに東洋紡製の浸透膜を採用した、1㎿規模の浸透圧発電プラントをデンマーク国内で建設するとともに、他の欧州地域にも同規模のプラントを導入していく予定だ。

アジア石化市況 エチレンは再び1000ドル割れ

,

2018年12月18日

 アジア地域の石化市況では、3週連続上昇傾向にあったエチレンが一転急落し、11月第5週は900~1000ドル/tでの取引となった。前週から下値で120ドル安、上値で54ドル安と、下値は2週ぶりに1000ドルを割り込んでいる。

 ナフサが一段安になったことに加え、米中貿易摩擦の深刻化が意識され需要家が様子見となった模様だ。ナフサとのスプレッドも、

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

ブラジルの8月の主要化学品輸出入実績

2018年12月17日

 ブラジルの8月の主要化学品の輸出は、低密度ポリエチレン(LDPE)が4万7646t(前年同月比3.3%減)で最も多く、次いでポリプロピレン(PP)の3万8204t(同12.4%減)、高密度ポリエチレンの

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

JSR 半導体材料と3D技術を「SEMICON」に出展 

, , ,

2018年12月14日

 JSRは12~14日に東京ビッグサイトで開催した「SEMICON Japan 2018」に、2つのブースを出展した。

JSRの半導体ブース
JSRの半導体ブース

 部品・材料ゾーンのブースでは、リソグラフィーや先端実装、CMPなど半導体製造の先端材料を紹介。リソグラフィー材料ではKrF、ArF、液浸露光用の高解像度フォトレジスト、高感度から超高解像度まで幅広い用途のg線、i線フォトレジストなどのパネル展示をした。

 近年、IoT化が進んだことで最先端のプロセス技術を必要としない半導体の需要が増加傾向にある。同社は微細化のドライバーとなるフロントエンドで高いシェアを保持しているが、リソグラフィー材料の豊富なラインアップを強みとして幅広いニーズに対応していく。

 洗浄剤など周辺材料についても、顧客ニーズへのきめ細かい対応が評価され採用が拡大。また、微細化の次世代技術として注目を集めるEUVリソグラフィーでは、EUVレジストにも注力。同社は量産体制を整備しており、2020年頃までの本格的な立ち上がりが期待されている。来場者はこれらの製品・技術について、担当者からの説明を熱心に聞き入っていた。

 SMART APPLICATIONS ZONEのブースでは、3D技術に関連する同社の材料や取り組みを紹介。グループ会社ディーメックが光造形3Dプリンタや材料(光

JSRの3Dブース
JSRの3Dブース

硬化性樹脂)などを手掛けてきたが、近年では高速3Dプリンタ技術を持つ米「カーボン社」への出資、医療3Dソフトウエア会社「レキシー」買収、バイオプリンティング技術を持つ加「アスペクト・バイオシステムズ」との提携をはじめ、3Dに関連する技術・材料が拡大している。

 分野としてはメディカルやナーシングに加え、パラアスリートのパフォーマンス向上などスポーツでの研究も推進。ブースではこれらの取り組みについて、パネルや3Dプリンタの制作物などを展示。来場者に情報を提供することで、外部との連携強化を図る。

 

 

プラ工連 10月の輸入は原材料と製品がともに大幅伸長

,

2018年12月14日

 日本プラスチック工業連盟はこのほど、定例会見を開き、原材料、製品の輸出入状況などの報告を行った。確報となる10月のプラスチック原材料輸出は、3カ月ぶりにプラスに転じた。熱硬化性樹脂の数量は

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について