東洋紡 コロナ対策でエアバッグ基布製防護服を犬山市へ

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2020年7月6日

 東洋紡の犬山工場(愛知県犬山市)はこのほど、同市への感謝の意を込め、エアバッグの基布を活用した防護服50着を寄贈した。6月23日に犬山市役所で開催された贈呈式では、山田拓郎犬山市長をはじめとする関係者が出席し、同社の神田弘治犬山工場長より防護服が手渡された。

エアバッグ用基布を活用した防護服
エアバッグ用基布を活用した防護服

 寄贈した防護服は、新型コロナウイルスにより深刻化する医療資材の不足の解決に向け、豊田合成(愛知県清須市)などと共同で開発した。生地には、東洋紡が生産するエアバッグ用基布を使用。シリコーンコーティングを施し空気を通さないため防護服機能を備え、洗濯して繰り返し使うことも可能なもの。

山田拓郎犬山市長(左)と、東洋紡の神田弘治犬山工場長。贈呈式にて
山田拓郎犬山市長(左)と、東洋紡の神田弘治犬山工場長。贈呈式にて

 東洋紡は今後も、新型コロナウイルスの感染拡大防止に日夜尽力する医療従事者を支援していく考えだ。なお、犬山工場はフィルム事業の基幹工場で、主にポリプロピレンやポリエステル、ナイロンを原料にフィルム生産を担う。液晶パネルなどの光学部材から、衛生性が重要な食品包装資材まで、多岐にわたる用途に対応するカスタマイズ能力があり、工場全体の生産品目は数百種にも及ぶ。また、研究・開発・生産という一連の機能すべてを工場内に備える。

石化協 新体制スタート、3つの重点項目に注力

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2020年7月6日

コロナ禍での安定供給、新常態への対応も課題に

 石油化学工業協会は、定時総会において選任された和賀昌之新会長(三菱ケミカル社長)を中心とする新体制がスタート。コロナ禍で先行き不透明感が強まる中、3つの重点項目である①保安・安全の確保、②事業環境の基盤整備、③グローバル化対応の強化に引き続き取り組み、石化産業と社会の持続的成長を目指していく方針だ。なお、副会長には、住友化学の岩田圭一社長、出光興産の松下敬副社長、東ソーの山本寿宣社長の3名が選任されている。

和賀昌之会長
和賀昌之会長

 2日に開催されたオンラインによる就任会見の中で和賀新会長は、「足元の世界経済は、新型コロナの感染拡大により深刻な影響を受け急速に悪化している。各国で段階的に経済活動の再開が進められているが、

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三井化学 炭鉱電車プロジェクト、「音の資産」を公開

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2020年7月3日

 三井化学は、福岡県大牟田市の大牟田工場で原材料の搬入などに使用してきた、三井化学専用線(旧三池炭鉱専用鉄道)を今年5月7日をもって廃止とし、運用を取りやめた。 

炭鉱電車にまつわる様々な音をASMR音源で収録
炭鉱電車にまつわる様々な音をASMR音源で収録

 三池炭鉱の時代から100年以上の長きにわたり活躍した炭鉱電車の歴史に幕が下ろされた。同社では、炭鉱電車への感謝と未来に向けたレガシーとしての活用を検討する「ありがとう炭鉱電車プロジェクト」を進めており、このほど同プロジェクトの1つである「音の資産」の記録化が完成し、ウェブサイトを通じ公開を始めた。

 記録化にあたっては、ブランデッドオーディオレーベル「SOUNDS GOOD」とコラボし、炭鉱電車にまつわる様々な音を、ヒトの感覚が刺激され心地よさを感じるというASMR音源として収録。「車掌室3.6」「大解剖、炭鉱電車100年の音」「珍しい踏切と手動の線路切替レバー」「宮浦駅のレトロなものたち」の4つの音源を公開した(https://soundsgoodlabel.com/mitsuichemicals/asmr/vb59/)。

 「車掌室3.6」には、炭鉱電車に録音機材を持ち込み、車掌室内で聞こえる、操作音や汽笛の音、トランシーバーでのやり取り、ブレーキ音、踏切の警報器音などを収録。宮浦駅から仮屋川操車場まで片道1.8㎞の運転区間を、一往復する沿線3.6㎞の音とともに収めた。貨車の連結音や鉄橋の通過音、耳を澄ませば乗務員の息遣いまで聞こえてくるほどに臨場感があふれる。他の音源では、炭鉱電車の点検音、作業員の声、どこか懐かしさのあるレトロな警報器音、ポイント切替レバーの操作音、100年を超す木造駅舎の階段の軋み音などがある。

 録音に携わったアーティストでプロデューサーのSeiho(セイホー)氏は、「電車はダイナミック音だけでなく、意外に繊細な音が周りにあって新しい発見だった」と、音源の中の解説で感想を語る。今回、同氏が炭鉱電車のASMR音源を散りばめた楽曲「Sampling―〝MITSUI CHEMICALS on SOUNDS GOOD〟」の公開も行う。誰もが身近な電車の音は、聞く人の脳裏に思い思いのイメージを描き出すことから、同氏が制作するインストゥルメンタルで情景を想像させる音楽と相性がいいという。記者は昼下がり、文庫本を手に木の床のチンチン電車に揺られ、過去から未来へと時空を旅しているような心地よさを感じた。同氏の楽曲は、専用サイト(https://www.youtube.com/playlist?list=PLu8hS8yDJGDoOrkfNSyB5x7sghJJX7gWg)などで公開している。

 なお、映画監督の瀬木直貴氏とのコラボによる、炭鉱電車の「風景の資産」記録化プロジェクトも進行中だ。大牟田市民などから募った炭鉱電車の古い映像や写真、思い出・エピソードをベースに、メモリアル映像の制作が行われている。また、新型コロナウイルス感染拡大により延期されている、炭鉱電車のラストランイベントについても、今秋をめどに準備を進めているとのこと。日程や詳細などは決定次第、三井化学の特設サイト(https://jp.mitsuichemicals.com/jp/coalmine_train/)で発表される予定。

東ソーなど 東大に次世代ジルコニア関連の講座を開設

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2020年7月3日

 東ソー、東京大学大学院工学系研究科、ファインセラミックスセンター(JFCC)、ワールドラボの4者はこのほど、東京大学に「次世代ジルコニア創出社会連携講座」を設置したと発表した。なお、設置期間は5年間(2020年7月1日~2025年6月末)で、費用は7億1800万円を見込んでいる。

 最先端ナノ構造解析と新規焼結体開発を担う東京大学と、粉末開発製造を行う東ソーに加え、卓越したセラミックス計算材料科学技術を持つJFCC、高度なセラミックス組織制御技術を有するワールドラボとの協業により、従来のセラミックス素材の概念を覆す、ジルコニアセラミックスの飛躍的な特性向上実現と、その技術分野を支える人材育成を目指す。

 ジルコニアは様々な分野で実用化されているが、その機能発現のメカニズムには未解明点が多く残されており、材料特性を決める因子を解明し、原子レベルから組織を制御することで飛躍的に機能が向上する可能性がある。この社会連携講座では、最先端の電子顕微鏡・計算材料科学・焼結技術を駆使してジルコニアの本質を理解し、その知識を応用して機能を極限にまで高める研究を行う。

 具体的にはジルコニアの持つ強くてしなやかな力学特性、柔軟な加工性、固体でありながら酸素イオンを通すイオン伝導性、高い屈折率から生まれる高透光性の4つの特性を追求。これにより金属並みの力学特性と加工性、新たなクリーンエネルギーのための超高速イオン伝導性、新たな光学材料開発のための高透光性を実現させ、加えてそれらの機能を融合させることでジルコニアの新展開を狙う。同時に、高度な材料開発研究が推進できる有能な人材の育成・輩出により、社会の諸課題の解決に向けた技術開発を加速し、持続可能型未来社会の実現に貢献していく考えだ。

 東ソーは、世界で初めて高純度ジルコニア粉末を工業化し、各種構造部材、審美性に優れる歯科材料など様々な用途への利用を進めることで、ジルコニア市場形成進展に寄与してきた。また、東京大学と東ソーは、過去20年にも及ぶ共同研究を実施し、ジルコニアの本質である結晶相変態機構の解明、画期的な超高耐久性ジルコニア焼結体の開発など世界に先駆けて多くの成果を挙げている。

東ソー 次世代ジルコニア

 

 

宇部興産 日立子会社から化学機器事業の承継が完了

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2020年7月3日

 宇部興産はこのほど、同社グループ機械事業の中核会社・宇部興産機械が、日立プラントメカニクスから産業プラント用機器事業のうち、化学機器の製品・アフターサービス事業の承継を完了したと発表した。

反応器(化学反応を行わせるための装置
反応器(化学反応を行わせるための装置

 以前より製作協力関係があった日立プラントメカニクスが、産業プラント用機器事業の中核であるクレーン事業の拡大に経営資源を集中したことにより、宇部興産機械は、その反応器、熱交換器、薄膜蒸発器などの化学機器製品・アフターサービス事業を承継した。

熱交換器(温度の高い流体から低い流体へ熱を移動させる機器)
熱交換器(温度の高い流体から低い流体へ熱を移動させる機器)

宇部興産機械は、化学プラント向けの圧力容器をはじめ、自動車業界向けのダイカストマシン・射出成形機、電力会社向けの大型搬送設備など、様々な産業機械の開発・製造・アフターサービスを手掛けている。今回、日立プラントメカニクスの一部事業を承継し、その技術・設備・人員を引き継ぐことで、より一層進化した製品・サービスを国内外の顧客に提供していく。

薄膜蒸発器(処理液から水や溶媒を蒸発させ、留分を濃縮する装置)
薄膜蒸発器(処理液から水や溶媒を蒸発させ、留分を濃縮する装置)

 

米国ポリエチレン輸出 4月は対前年比11%増

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2020年7月3日

アジア向けは各国で濃淡、中国・インドは減少に

 貿易統計によると、米国の4月のポリエチレン(PE)輸出は、前年同月比11.3%増の83万7000tとなった。今年1Q(1-3月期)は前年同期比31.5%増と高い伸びを示していたが、4月は勢いがやや鈍化している。新型コロナウイルスの感染拡大により需要が弱まったことや、原油に連動しナフサ価格が下落したことが影響したと見られる。とはいえ、

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ジェトロ コロナ禍からの中国経済、実態を推察

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2020年7月2日

先行き不透明な状況、月次統計は改善傾向を示す

 日本貿易振興機構(ジェトロ)はこのほど、「コロナ禍からの中国経済の立ち上がりをみる」と題し、ジェトロ・アジア経済研究所・新領域研究センター主任調査研究員の箱崎大氏によるオンライン講座を開催した。

箱﨑大主任調査研究員 
箱﨑大主任調査研究員

 箱崎氏は「コロナショックと言えば、流行や終息の時期も中国が先行している。中国経済はどれほど落ち込み、また本当に景気回復が始まっているのかを知りたいと考えた」と、レポートを書いた理由を述べた。

 中国のGDP(消費、投資、純輸出で構成)の推移を見ると、コロナショックが起きる前の2017~18年は、消費と投資によって6%台を達成。しかし2019年は様相が変わり始め、純輸出が成長に寄与し始めた。箱崎氏は、「輸入が減ったことで成長が押し上げられており内容が良くない」と、すでに景気が

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NEDO セメント工場のCO2再資源化技術開発に着手

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2020年7月2日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、セメント製造プロセスで排出されるCO2を再資源化し、セメント原料や土木資材として再利用する技術開発と実用化に向けた実証試験の助成先として太平洋セメントを採択したと発表した。実施期間は2020~21年度、予算は16億5000万円。セメント工場での1日10t規模のCO2分離・回収の実証試験は国内初の試み。

 セメント産業のCO2排出量は、国内では電力、鉄鋼に次いで多く総排出量の約4%であり、排出削減対策は重要な課題だ。このうちの約6割は、セメントの中間原料であるクリンカの製造過程で、原料の石灰石が分解して発生する。今年1月策定の「革新的環境イノベーション戦略」の中で、削減効果が大きく、日本の技術が貢献できるテーマの1つとして、「CO2を原料とするセメント製造プロセスの確立」が設定された。そうした中、セメント製造工程中のCO2を再資源化し、セメント原料や土木資材として再利用する技術の開発と実用化に向けた実証試験事業「炭素循環型セメント製造プロセス技術開発」に着手した。

 研究開発項目は、①セメントキルン排ガス中のCO2の分離・回収、②廃コンクリートや生コンクリートスラッジなどの廃棄物の再資源化によるCO2の排出削減、③セメント製品へのCO2の固定化である。具体的には、セメント工場内のセメントキルン排ガスから10t/日のCO2を分離・回収する実証試験と、CO2を廃コンクリートや生コンクリートスラッジにより炭酸塩として固定化し、原料石灰石の代替や道路舗装用の路盤材などの土木資材として再資源化する要素技術開発になる。

セメント工場(太平洋セメント熊谷工場)
セメント工場(太平洋セメント熊谷工場)

 同事業により、最適なCO2分離・回収システムとCO2再利用の「カーボンリサイクル」技術を確立し、2030年度までに国内セメント工場への導入を目指す考えだ。なお、この分野での2050年の世界全体のCO2削減量は約43億tと期待されている。

積水化学 「プラチナキャリア・アワード」最優秀賞を受賞

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2020年7月2日

 積水化学工業はこのほど、第2回「プラチナキャリア・アワード」の最優秀賞を受賞した。プラチナキャリアとは、人生100年時代、働く期間が長くなる中、長期的な視点で、自己の成長や所属する企業の発展、ひいては社会への貢献を目指し、年齢によらず自律的な学び・経験を通じてスキルを磨きながら、得られたスキルを存分に生かして積み上げていくキャリアのこと。同アワードでは、プラチナキャリア形成を支援する企業を選定・表彰している。

 プラチナキャリア・アワード積水化学は、「従業員は社会からお預かりした貴重な財産」との考え方に基づき、従業員が活き活きと働くことができる環境づくりにグループ全体で取り組んでいる。人生100年時代といわれる中、同社では、人材育成の主体は従業員本人自身であり、「自分のキャリアは自分でつくる」ことが重要であると考えている。

 そのために自分自身の志向や持ち味と向き合い、今後のキャリアを自分で考える機会を提供するため、2001年度から年代別キャリアプラン研修を実施。この研修は30、40、50、57歳のキャリアの節目の年の従業員を対象とし、それぞれ年代ごとに合わせたテーマを設定して行っており、これまでに延べ9750名が受講した。また、従業員の活躍を支援するために上司層を対象としたマネジメント研修にも取り組み、毎年約1800名の上司層が受講している。

 同社は、今後も従業員一人ひとりが活き活きと活躍できる風土の醸成に推進していく考えだ。

リモート表彰式の模様.表彰状を授与される取締役常務執行役員人事部長竹友博幸氏。
リモート表彰式の模様。表彰状を授与される取締役常務執行役員人事部長竹友博幸氏。