マレーシア1月の主要化学品の輸出は、ポリプロピレン(PP)が前年同月比333.0%増の22万6429t、酢酸が同17.1%増の3万7491t、パラキシレンが
マレーシアの1月の主要化学品輸出入実績
2020年8月28日
2020年8月28日
2020年8月28日
日本スチレン工業会がこのほど発表した需給実績によると、7月のポリスチレン(PS)の国内出荷は、前年同月比1%増の5万5600tと、4月以来3カ月ぶりに5万t台を回復した。その要因として、7月にPS価格が値下げされたことや、コロナ禍の影響が弱まり需要が増加したことが挙げられる。
PSは原料価格や為替などを考慮し、四半期ごとに価格改定を行っている。4-6月期に原料ベンゼン価格が大きく下落したことから、7月からの大幅値下げが想定されていた。買い控えていたユーザーが調達に動いたと見られ、前月比では26%増と大幅プラスとなっている。また、行動制限が解除されたことで、食品包材や雑貨をはじめ、全ての用途で需要が回復傾向となっている。
用途別で見ると、包装用が
2020年8月28日
インビスタジャパンはこのほど、インビスタグループの1つであるインビスタ・ナイロン・ケミカルズ(チャイナ)が、6月に上海で起工式を開催し、上海化学工業団地(SCIP)で年間40万t規模のアジポニトリル(ADN)工場の建設を開始することを正式に発表した。

この70億人民元(約1080億円)を超える出資は、中国およびアジア太平洋地域での、化学中間体ナイロン6,6の高まる需要を満たすことを目的としたもので、2022年の稼働を予定している。
同工場は、インビスタの最も高度でエネルギー効率のよいADN技術を中国にもたらす。完成すれば、インビスタの既存のヘキサメチレンジアミン(HMD)およびポリマー施設と統合される。中国・アジア太平洋地域全体でナイロン6,6やその他の高価値製品を製造するために重要な材料を、地域内の顧客に直接供給することが可能になる。これらの製品は、自動車工業、電気電子工業をはじめ、その他多くの消費者と産業界の要請に応え、軽量、耐熱、耐久設計を可能にし、総合的な生活の質の向上に貢献していくことが期待される。
同社は「このADNプロジェクトは地域の人材を育て、より多くの雇用機会をもたらし、協力関係にある関連産業を促進する助けともなり、地域社会の経済力をさらに強化することを目指す」とコメントしている。
2020年8月28日
出光興産はこのほど、NEDOが実施する「太陽光発電主力電源化推進技術開発/太陽光発電の長期安定電源化技術開発」事業について、100%子会社のソーラーフロンティアが提案する「結晶シリコン及びCIS太陽電池モジュールの低環境負荷マテリアルリサイクル技術実証」が共同研究事業として採択されたと発表した。

使用済み太陽電池(PV)モジュールは、2030年代から急激に増加することが予想されている。こうした背景から、ソーラーフロンティアでは、低コストかつ環境負荷の低いリサイクル技術の確立が重要であると捉え、継続的にCIS薄膜太陽電池モジュールのリサイクル技術開発を進めてきた。
昨年度に取り組んだ、NEDOとの共同研究事業では、これまでの研究開発や技術実証で確立した低コスト分解処理技術をベースとして、CIS薄膜太陽電池モジュールの全ての部材に関するリサイクル用途を明確にし、マテリアルリサイクル(MR)率を約90%まで向上させるめどをつけた。
今回、採択されたNEDOとの共同研究事業では、昨年度の研究開発で確立した技術を、より低コストで環境負荷の低いリサイクル技術へと進化させていく。
具体的には、4年間(2020~2023年度)で、CIS薄膜太陽電池に加えて、結晶シリコン系太陽電池のリサイクル技術開発にも取り組み、分離処理コストをCIS薄膜太陽電池、結晶シリコン系太陽電池を問わず3円/W以下、MR率を90%以上とすることを目指す。
同社の生産拠点である国富工場(宮崎県)に、市販サイズのモジュールを処理する実証プラントを構築し、最終年度までには目標としたリサイクル技術を連続運転により実証する予定。同研究開発では宮崎県工業技術センターや宮崎大学とも協働することで、リサイクル技術の開発をさらに加速させる。
出光興産は中期経営計画の中で、重点課題の1つである「次世代事業の創出」の主な取り組みにサーキュラービジネスを掲げ、その一環としてPVモジュールのリサイクル技術開発を推進している。この計画の下、ソーラーフロンティアはリサイクル市場の拡大に備え、より低コストかつ環境負荷の低いリサイクル技術開発を行い、主力電源としての太陽光発電のさらなる普及拡大と持続可能な社会の実現に向けて貢献していく考えだ。

2020年8月28日
ENEOSは27日、「東京高輪ゲートウェイ水素ステーション」(東京都港区)を開所したと発表した。同ステーションは、燃料電池自動車(FCV)に水素を供給する、同社43カ所目の商用水素ステーション。

同社は、JR東日本から高輪ゲートウェイ駅に隣接する敷地の提供を受け、同ステーションの建設を進めてきた。水素は、貯蔵が容易で災害時に強く、利用時にCO2を排出しない究極のクリーンエネルギーであることから、同ステーションは、同エリアの開発方針の1つある「地域の防災力強化と先導的な環境都市づくり」に貢献する拠点になることが期待されている。
東京2020オリンピック・パラリンピックゴールドパートナー(石油・ガス・水素・電気供給)であるENEOSは、同ステーションを東京2020オフィシャル水素「ENEOS水素」を供給する拠点の1つとして大会の運営を支えるとともに、大会を契機として幅広い産業分野に水素が普及するよう、引き続き水素サプライチェーンの構築に積極的に取り組んでいく考えだ。
2020年8月28日
ESG経営を推進、〝未来につづく安心〟を創造
積水化学工業は、環境長期ビジョン「SEKISUI環境サステナブルビジョン2050」、および新環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプラン AccelerateⅡ」(2020~2022年度)を策定し、取り組みを開始した。
環境長期ビジョンは、環境に関する多くの問題の顕在化、科学的根拠に基づいた環境課題予測の精度向上などを受け、2050年を見据えた環境課題への取り組みの方向性を再設定。2050年に、〝生物多様性が保全された地球〟を実現することを目指し、製品や事業といった企業活動を通して様々な自然環境および社会環境課題の解決を目指す。
企業活動では地球上の自然資本、社会資本を利用して活動していることを認識し、地球上の課題解決をすることで、自然資本、社会資本のリターンに貢献していく。そのための活動として、「サステナビリティ貢献製品の市場拡大と創出」「環境負荷の低減」「環境の保全」の3つを重視する。従業員1人ひとりが環境課題を認識し課題解決力の高い人材集団となること、そしてあらゆるステークホルダーと連携することにより、これらの活動を加速させていく考えだ。
一方、新環境中計は、長期ビジョンが目指す2050年の姿からバックキャストした中期のマイルストーンを設定し、重要実施項目と目標値を設定した。
①統合指標「SEKISUI環境サステナブルインデックス」による進捗把握は、自然資本に加えて社会資本に対してもその負荷を削減し、貢献が拡大できるようにリタ―ンに努め、業容倍増を目指す2030年には、リターン率100%以上を維持していく。
②「環境貢献製品」制度では、今年度からは「サステナビリティ貢献製品」制度へと進化させ、課題解決の持続可能性を向上させていく。さらに、環境課題解決への高い貢献度と企業および製品の高いサステナビリティをもつ製品を「プレミアムサステナビリティ貢献製品」として選定、戦略的に伸長を後押しする施策を展開していく。
③気候変動課題に対する取り組みでは、脱炭素社会の実現を目指し、2050年に企業活動による温室効果ガス排出量をゼロにする長期目標を設定。2030年には購入電力を100%再生可能エネルギーに転換することを目指す。新中計では「エネルギー調達革新」の段階に移行し、「スマートハイムでんき」や、ESG投資枠400億円の活用などにより、再エネの調達を積極的に推進する。
④資源枯渇課題に対する取り組みでは、2050年のサーキュラーエコノミー実現を目指し、マテリアルへの再資源化をさらに推進。また、廃棄物から微生物の力でエタノールを生産するBR技術の実証事業を行い、ケミカルリサイクル技術の社会実装を図り資源循環を推進していく。さらに、様々な企業、業界団体とのイニシアチブ(CLOMA、JaIMEなど)にも積極的に参加し、企業間の連携した取り組みによって、関連する海洋プラスチック問題などの社会課題解決への貢献を拡大させていく。
⑤水リスク課題に対する取り組みでは、水リスクはローカルな課題であることを認識し、各事業所で取り組みを変えて実施。水資源の維持に対しては、水使用量の多い生産事業所は取水量を10%削減し(2016年度比)、COD(化学的酸素要求量)排出量の多い生産事業所は河川放流水のCOD総量を10%削減する(同)ことを目指す。そして、生産事業所での流域特有の水リスクの把握を行い、課題解決となる取り組みを実行し、水リスクの低減に努めていく考えだ。
同社グループでは、社会の持続可能性向上と同社グループの利益ある成長の両立を目指す〝ESG経営〟を基本戦略とした長期ビジョン「Vision2030」を掲げる。今回、環境長期ビジョンと新環境中計を策定し、ESG経営の中核の1つである環境面から中長期の取り組みの方向性を定めた。これを今後着実に推進することにより、サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え、〝未来につづく安心〟を創造していく方針だ。

2020年8月27日
三井化学と名古屋大学大学院工学研究科の堀克敏教授、同大学発ベンチャー・フレンドマイクローブの3者で共同開発した新規3Dマスク「θ(シータ)」50個を、このほど愛知県みよし市に寄贈した。
販売元であるフレンドマイクローブ社は、以前から同市よりマスクの相談を受けていた。今月7日、みよし市役所にて、同市の小野田賢治市長、フレンドマイクローブの西田克彦社長、名古屋大学の堀教授ら関係者が出席し、寄贈式が行われた。
今後は、同市の養護教諭が使用し、現場での実際の使用感をフィードバックしてもらうことで、「シータ」のさらなる品質改善を図る。
同マスクは堀教授が3Dプリンタで開発。生分解性樹脂のポリ乳酸(PLA)を使用した本体と交換フィルター用の不織布からなり、不織布の使用量を従来品の10分の1に抑えた。
三井化学は、同マスクのウイルス捕集機能を担う、交換フィルター用の不織布を提供している。

2020年8月27日
塩ビ工業・環境協会(VEC)がこのほど発表した需給実績によると、7月の塩ビ樹脂(PVC)の総出荷量は前年同月比6.2%減の14万600tとなりマイナスに転じた。輸出は同17.0%増の6万5100tと、今年の最高値を2カ月連続で更新。主要輸出先であるインドでの段階的なロックダウン解除に伴い、経済活動が活発化する同国向けを中心に輸出が伸長したようだ。
一方、国内出荷は同20.0%減の7万5500tと10カ月連続で前年実績を割り込んだ。依然コロナ禍の影響が大きく、5月以降は3カ月連続で前年水準の80%台で推移する。
用途別では、硬質用
2020年8月27日
ダイセルはこのほど、三和商会(福井県坂井市)と共同で生分解性バイオマスプラスチック「酢酸セルロース」をベースとした成型材料「NEQAS OCEAN」を開発した。従来の生分解性材料よりも優れた物性、成型性をもっており、食品容器や包装資材向けを中心に用途の開発を進めていく。

「NEQAS OCEAN」は、耐熱性、耐溶出性、耐臭性などの特性を保有。射出、押出、シートの各成型に対応できるよう開発を進めており、食品容器や成型材料への使用を目指している。
ダイセルの酢酸セルロースをベースに、三和商会のコンパウンド技術「SANTECH‐BIO」を採用して加工。樹脂中に様々なバイオマス素材を均一に分散させる同技術を利用することで、「NEQAS OCEAN」は酢酸セルロース100%のグレードのほか、酢酸セルロースにバイオマス由来の添加剤を組み合わせた複合材料の製造が可能になった。すでに販売を開始しているグレードに加え、今後は物性や成型性をさらに向上させ、「NEQAS OCEAN」の製品ラインアップを充実させる。
近年、世界的に環境配慮意識が高まり、脱プラスチックや食品容器の再利用などの傾向が強まっている。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行を機に、衛生面に配慮し感染防止に努めるなどの理由から、使い捨て容器使用の見直しや、容器そのものへの衛生向上などが求められてきている。
ただ、環境対応型プラスチックは、日本国外からの供給依存に加え、材料物性や成型加工性の不足などが課題。「NEQAS OCEAN」には、酢酸セルロースの特性と生分解性を生かして、これらの課題を解決することが期待される。
両社は今後、アフターコロナ・ウィズコロナの時代に対応する環境対応型材料として市場への浸透を図るとともに、顧客の要望に応じて物性や成型性の開発をさらに進めていく考えだ。
2020年8月27日
三菱ケミカルは26日、同社の生分解性樹脂「BioPBS」を活用してタキロンシーアイが開発したジッパーが、欧州の生分解性製品の認証機関「TÜV AUSTRIA」の〝OK Compost〟認証を取得したと発表した。

三菱ケミカルが開発し基本特許をもつ「BioPBS」は、タイのPTT MCC Biochem(三菱ケミカルとPTTグローバルケミカルの折半出資)が製造する植物由来の生分解性樹脂。自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、自然環境への負荷が少ない。また、他の生分解性樹脂に比べ、低温ヒートシール性・耐熱性・柔軟性などの優れた性能がある。

今回、タキロンシーアイが長年培ってきたジッパーの製造技術により、「BioPBS」を用いた生分解性ジッパーの開発に成功し、また、ジッパーのような厚みのある製品では取得が難しいとされている「TÜV AUSTRIA」の〝OK Compost〟の認証を取得した。
プラスチックごみ問題への対策が求められていることを背景に、食品のパッケージなどに使用される包装材料は、従来の非生分解性の樹脂から生分解性のある素材への代替需要が高まっている。
今回開発したジッパーは、「BioPBS」の柔軟性とタキロンシーアイの成型加工技術により、生分解性をもちながら多様な再開閉ニーズに応えることが可能。今後は菓子やコーヒー豆、ドライフルーツといった食品用パッケージや衣料用パッケージなど、幅広い用途に展開していく。
三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI」の実現に向け、今後も「BioPBS」をはじめとする生分解性樹脂や植物由来樹脂の研究開発・用途展開を加速させ、サーキュラーエコノミー(循環型社会)構築やSDGs達成に貢献していく。