クラレ 独創性を掲げた「クラレレポート2020」発行

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2020年6月9日

 クラレはこのほど、統合報告書「クラレレポート2020」を発行した。A4判、カラー50ページ。同レポートは、株主・投資家をはじめとする全てのステークホルダーに、同社グループの中長期的な価値創造について、財務情報に加え、ESG(環境・社会・ガバナンス)などの非財務情報を通じて、より一層理解を深めてもらうことを主眼としたもの。

「クラレレポート2020」(A4判、カラー50ページ)
「クラレレポート2020」(A4判、カラー50ページ)

 伊藤正明社長は同レポートの中で、「独創性とチャレンジ精神、価値提供への思い」を語り、長期ビジョンで掲げる2026年のありたい姿や、2020年の重点施策などに触れながら、中期経営計画「PROUD 2020」の進捗状況を紹介している。

 また、「キーパーソンに聞く」のセクションでは、カルゴン・カーボン社のスティーヴン・R・ショット社長や、クラレ・繊維カンパニー長の佐野義正専務、技術本部などを担当する大村章常務が、各事業の取り組みや製品開発経緯などを解説。

 特集記事「ビニロン事業化70周年を迎えて」では、同社グループの原点となった世界初の合成繊維「ビニロン繊維」(ポリビニールアルコール繊維)の工業化への軌跡を振り返った。クラレグループでは引き続き、同レポートをステークホルダーとの建設的な対話の場と位置づけ、内容の拡充を図っていく考えだ。

中外製薬 心の薬となるボイスドラマ「カタリジェンヌ」を配信

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2020年6月8日

 中外製薬は、元タカラジェンヌ24人が出演するボイスドラマ「カタリジェンヌ」(計10作品)を、今月1日から中外製薬YouTubeチャンネルで配信している。

 「カタリジェンヌ」は、新型コロナウイルス感染拡大による様々な制約が続く中で、心身ともに疲れを感じている人びとへ元気と癒しを届ける「心の薬」を目的に、元タカラジェンヌの妃乃あんじさんが代表理事を務める一般社団法人「Huuug(ハーグ)」と共同で企画。緊急事態宣言で外出が制限される中、宝塚歌劇団のトップスター瀬奈じゅんさんをはじめとする元タカラジェンヌ24人のほか、「宝塚歌劇の殿堂」にも名を連ねる演出家の三木章雄氏などの著名な制作者が力を合わせ、在宅で作品を制作した。

 宮沢賢治やオスカー・ワイルド、シェイクスピアなどの誰もが知っている物語を、聞きやすくアレンジした作品からオリジナル作品まで、宝塚歌劇団に馴染みのない人にも幅広く楽しめる内容として制作していく予定。また、「カタリジェンヌ」は、音声によるボイスドラマに様々なアーティストによる背景画が入った作品。第1作目、第2作目には一筆書きアーティストである大森慶宣氏に背景画の協力を得ており、以降の作品も多才なアーティストによるアートの世界が展開される予定だ。

 なお、同企画ではハーグが視聴者から任意の寄付金を募り、全額を全国のこども食堂支援を行っているNPO「全国こども食堂支援センター・むすびえ」に寄付する。

中外製薬 カタリジェンヌ

 

三井化学 海洋ごみ削減を目標に国内外で清掃活動一元化

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2020年6月8日

 三井化学は、これまで事業所ごとに行ってきた清掃活動を発展させ、昨年度からはグループ全体の取り組みとして新たな展開を始めた。

清掃活動写真1 本社での活動(神奈川県・鵠沼海岸)
本社での活動(神奈川県・鵠沼海岸)

  「三井化学グループクリーンアップキャラバン」と銘打ち、海洋ごみの削減につながる清掃活動を実施。本社を含む全国各地の工場や関連会社、また米国・中国・シンガポールの海外拠点関連会社からも多くの従業員らが参加した。2019年度は、延べ3682人が参加し、累計で6万391㎏のごみを回収した。

 従来から実施してきた事業所周辺の清掃活動にとどまらず、「NPOや行政が企画するクリーンアップへの参加」「会社のイベントとしてクリーンアップを企画・実施」「地域のイベントへの参加後にクリーンアップを実施」など、活動の幅を広げ参加者が自発的に取り組める工夫を凝らした。

 

シンガポール6社合同の活動(パーシル・リス公園)
シンガポール6社合同の活動(パーシル・リス公園)

  三井化学グループは、リサイクルやバイオマス製品の拡充といったプラスチック戦略の下、循環経済への転換を目指している。今後もプラスチック戦略を推し進め、ごみを流出させない、流出したごみは回収し適切に処理する、そして河川や海に流出したごみを回収する活動を継続していく。

 専用ウェブサイト(https://jp.mitsuichemicals.com/special/clean-up_caravan/index.htm)では、活動内由生や動画、海洋ごみ問題のパイオニア・JEANの小島あずさ理事からのメッセージなどを公開中だ。

ダウ シュリンクフィルム向け 新処方の再生プラを開発

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2020年6月8日

 ダウはこのほど、アジア太平洋の集積シュリンクフィルム用途向けに設計した、新処方の再生(PCR:Post‐Consumer Recycled)プラスチック樹脂を開発、商品化したと発表した。

ダウ 新処方の再生樹脂
新処方の再生プラスチック樹脂

 この新たな樹脂「XUS 60921・01」は、PCR材料を40%含み、バージン樹脂製品に匹敵する性能のフィルムを製造できるように設計。また、同社の戦略的リサイクリングパートナーを通じて中国国内で回収された再生プラスチックを原料としており、南京にあるダウの委託生産企業で製造されている。

 近年、eコマース需要が伸びることで、サプライチェーンの始まりから終わりまで製品を保護できると同時に、消費者のために廃棄物を最小限に抑えた、耐久性かつ効率性を備えた包装が求められている。

 新処方PCR樹脂は、バージン樹脂由来の集積シュリンクフィルムに匹敵する性能をブランドおよび消費者に提供。製品の安全供給に貢献するとともに、環境に放出されるプラスチック廃棄物の量も削減する。集積シュリンク用途のコア層は、この樹脂を100%使用するように設計されており、リサイクル材料含有率13~24%のフィルムの開発を可能とする。

 新処方のPCR樹脂は、CO2とエネルギーフットプリントを削減し、コンバーター企業やブランドオーナー、小売業者がそれぞれのサステナビリティ目標を達成することに貢献するだけでなく、廃棄物となるかもしれないプラスチックに、新たな最終用途を見出だすものとなる。

 今回の新製品は、リサイクル材料を製品に取り込むことに注力し、プラスチックの循環型経済を発展させる、という同社の包括的戦略の一環となる。

 

住友化学 サステナビリティ調査でゴールド評価を獲得

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2020年6月5日

 住友化学はこのほど、仏エコバディス社のサステナビリティ調査で、対象企業全体の上位5%の水準に相当する企業が認定される「ゴールド」評価を獲得したと発表した。

 エコバディス社は、グローバルサプライチェーンを通じた企業の環境・社会的慣行の改善を目指して2007年に設立された、企業のESG関連取り組みの評価機関。これまでに世界160カ国、200業種におよぶ企業、約6万5000社を対象に、「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の4分野での企業の方針・施策・実績について評価を行っている。

 昨今、世界でも多くの企業が、サプライチェーン全体にわたるサステナビリティの実現に注力している。サプライヤー選定についても、ESGの観点から、エコバディス社のサステナビリティ調査による評価結果を選定基準の1つとして参照する動きが広がっており、住友化学グループでも取引先からの要請に応えて同評価結果の開示を行う例が増えている。

 住友化学グループは、今回の評価結果を励みとして、社会から信頼される企業集団であり続けるためにグループ一体となってサステナビリティ推進の取り組みを一層強化していく。そして、これからも事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献することで持続的な成長を実現し、ステークホルダーの期待に応えていく方針だ。

住友化学 サステナビリティマーク

旭化成アドバンス リサイクル糸100%使用の水着を発売

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2020年6月5日

 旭化成アドバンスは、リサイクル糸を100%使用した水着ブランド「Re:FIRESH。(リフィレッシュ)」の販売を開始した。「着ることで環境問題を考える」水着を提案する。

 表生地全面に採用した「ECOSENSOR(エコセンサー)」は、リサイクル糸100%からなるサステナブル素材。染色加工は、繊維製品の安全性や、環境・働く人にも配慮した生産体制を認証する、世界的基準の「OEKO‐TEX(エコテックス)」「bluesign(ブルーサイン)」を取得している加工場で行う。

 旭化成アドバンスが製造・販売を手掛けるブランド名「Re:FIRESH。」は〝Refresh〟と〝Fish〟を掛け合わせたもの。気分をスッキリさせる・再生するという意味と、海洋生物が暮らす美しい海や環境の保護に想いを込めた。

 同社は「水着を手に取ったとき、少しでも環境について考えてもらえたら、未来は少しずつ変えられる」との考えの下、同ブランド水着の販売を通じ、持続可能な社会への貢献を目指す。

旭化成アドバンス リサイクル糸水着
「着ることで環境問題を考える」エコ水着

サンエー化研 独自技術で新製品に注力、収益改善を目指す

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2020年6月5日

 サンエー化研は4日、2020年3月期の決算概要と今後の取り組みなどについて都内で説明会を開催した。昨年度の連結業績は減収減益。

今後の施策を説明する、山本明広社長
今後の施策を説明する、山本明広社長

 主要製品を見ると、電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」は前年並み、医薬・医療用包材の高防湿PTP包装用フィルム「テクニフィルム」や剥離紙分野のFPC(フレキシブルプリント基板)用工程紙などは売上を伸ばした。

 その一方で、エアー緩衝材「エアロテクト」、表面保護フィルム「サニテクト」「PAC」「SAT」などは振るわず、全体的に原材料費上昇分の価格転嫁の遅れや対面業界の不振、主力ユーザーからの受注減少が響く形となった。

 2021年3月期の業績は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、取り巻く事業環境の不透明感から予想を見送った。先行きの見通しづらさはあるものの、同社は独自の加工技術を最大限に生かし、新製品開発や品質向上を行い、収益改善を目指していく方針だ。

 その一例として、山本明広社長は

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ランクセス 黒色顔料が蒸留所に採用、木材の風合いを再現

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2020年6月4日

 ランクセス(ドイツ)はこのほど、カイロ・ディスティラリー社が所有する世界最北のジン・ウイスキー蒸留所に新設した樽貯蔵施設のファサード(正面部分)に、無機顔料「バイフェロックス」が採用されたと発表した。 

世界最北にあるジン・ウイスキー蒸留所の施設内。(写真提供:ランクセスAG)
世界最北にあるジン・ウイスキー蒸留所の施設内。(写真提供:ランクセスAG)

 表面加工したコンクリートを漆黒の顔料で着色し、古い木の焼き板で覆われているような風合いを実現している。この洗練された外観はアバント・アーキテクト社(フィンランド)によって設計され、フィンランドコンクリート建築賞を受賞した。

 アバント社は、森林の中というロケーションに合わせ、伝統的な木造倉庫に着想を得た漆黒の樽貯蔵施設をデザイン。樽貯蔵施設は単なる倉庫ではなく、生産工程の重要な一部分で、「ウイスキー」と銘打つためには、少なくとも3年間オーク樽で熟成させるため、膨大な貯蔵スペースが必要となる。また、ウイスキーは可燃性液体であり、樽貯蔵施設には厳しい防火安全規制もある。

 通常は、着色コンクリートで作った部材を現場で塗装仕上げするが、濃黒色のランクセス顔料「バイフェロックス360」をセメントに対して5%添加することで、現場での仕上げ塗装が不要となった。

 コンクリートに合成酸化鉄顔料を使用し、硬化後のコンクリートを目標の色調にするためには、基礎技術と応用技術の広範な専門性が必要とされる。また、顔料の品質と混合具合だけでなくセメントの種類、コンクリート骨材も影響を及ぼすことから、コンクリートと顔料の相互作用に関する詳しい知識が求められる。

 今回の樽貯蔵施設の建設で、顔料メーカーが設計者をサポートしたのはまさにこの理由によるもの。厳しい予算状況のため、このプロジェクトでは標準のコンクリート骨材が、フィンセメンティ社の白色セメントと共に使用された。その結果、色と風合いが再現されたコンクリートで、風化した木材と見間違える外観を再現することができた。