GLM スポーツEVのフロント窓に帝人のPC樹脂を採用

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2018年9月14日

 EV(電気自動車)メーカーのGLM(京都市左京区)は13日、帝人と共同開発している樹脂製のフロント窓(フロントウインドー)を搭載したスポーツタイプのEV(スポーツEV)で、「道路運送車両の保安基準(第29条)」を満たす国内認証を取得し、7月に自動車登録番号標(ナンバープレート)を取得したと発表した。

樹脂ウィンドーでナンバーを取得したスポーツEV
樹脂ウィンドーでナンバーを取得したスポーツEV

 GLMが販売するスポーツEV「トミーカイラZZ」への採用を念頭に共同開発しており、約2年をかけ公道での走行が可能になった。認証を取得した車体をベースに、年内には受注生産体制を整え、同車の特別仕様車として来春、販売する。樹脂製のフロントウインドーを搭載した市販車はこれまでなく、世界初を目指す。

 樹脂は軽量でガラスの200倍の耐衝撃性を持つ、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)を採用。その表面に帝人が開発したコーティング剤による特殊加工を施すことで、傷つきやすいPC樹脂の耐摩耗性を、強化ガラス並みに高めることに成功し、車に適用できるようにした。

 このPC樹脂を自動車のフロントウインドー用に縦約700mm、横約1300mmの曲面を持つ一枚板として射出プレス成形。全体の厚みを6mmと均一に保ちながら、窓枠にあたる外側部分を10mmの厚みにするなど両社で改良を重ね、窓枠(Aピラー)をなくすことに成功した。

 Aピラーなどをなくしたことで、搭載した窓の重量は11.8kgと、従来のガラス窓とAピラーの組み合わせに比べ6.6kg(約36%減)も軽くなり、電費の向上も見込める。また、ピラーレスになったことで、オープンカー特有の開放的な視界がより楽しめるメリットも生み出す。

 PC樹脂はガラスに比べて半分ほどの重さで、車体の軽量化に寄与する素材として期待されてきた。しかし、ガラスに比べて耐摩耗性が低く、窓の開閉やワイパーなどにより表面が傷つきやすいことが大きな課題で、これまでのハードコート技術(ウエット法)だけでは、保安基準に対応する耐久性を満たすことができなかった。

 今回、トミーカイラZZに搭載した帝人の樹脂製窓は、透明性が高いPC樹脂に、さらに保護層を作る技術(プラズマCVD法で無機材料をコーティング)を加え、耐摩耗性を0.5~1.5%の耐摩耗性を実現した。これは強化ガラス(耐摩耗性0.5~1.0%)並みに傷つきにくい高い性能となっている。

クラレ イソプレン事業で売上1000億円超を目指す

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2018年9月12日

 クラレはイソプレンカンパニー事業で、タイ新工場がフル操業になる2026年に、1000億円超の売上を目指す。11日に開催した定例会見で、同工場の概要と、同カンパニーの注力製品である耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」の事業展開を説明した。

タイ新工場への期待を述べる伊藤社長
タイ新工場への期待を述べる伊藤社長

 同工場では、タイの石油化学メーカーであるPTTGC社・住友商事との合弁により、ジェネスタを年産1万3000t、「セプトン」を同1万6000t、クラレ単独でイソプレン誘導品のMPDを同5000t生産する。

 イソプレンカンパニー長兼エラストマー事業部長の阿部憲一取締役常務執行役員は、同工場建設の背景として、各製品の市場が拡大し販売量も伸長していることから、2020年近傍には現有の生産設備がほぼフル稼働になる見込みであることを挙げた。

 また、国内ナフサクラッカーの減少により、国内で原料のブタジエンとイソブチレン調達を増やすことが困難なこと、ジェネスタを生産しているのは世界で1社だけなので、顧客から2拠点での生産を求められていたことも、海外で生産を決めた理由として挙げた。

 タイを選んだことについては

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プラ工連 7月のプラスチック原材料・製品の輸出入

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2018年9月12日

 日本プラスチック工業連盟はこのほど定例会見を開き、原材料、製品の輸出入状況などの報告を行った。

 確報となる7月のプラスチック原材料輸出は、5カ月連続でプラスとなった。熱硬化性樹脂の数量は

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日化協など5団体 「海洋プラスチック問題対応協議会」設立

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2018年9月10日

 化学関連5団体(日本化学工業協会、日本プラスチック工業連盟、プラスチック循環利用協会、石油化学工業協会、塩ビ工業・環境協会)は7日、海洋プラスチック問題に対応することを目的に「Japan Initiative For Marine Environment」(JaIME:海洋プラスチック問題対応協議会)を設立した。

会長に選任された日化協の淡輪敏会長
会長に選任された日化協の淡輪敏会長

 海洋プラスチック問題は、海洋に流出したプラスチックごみによる環境汚染などが、政治的にもグローバルな環境課題として認識されつつある。こうした中、プラスチック産業を含めた日本の化学産業として取るべき対応などを審議し、企画・立案・実施・推進する協議会を立ち上げた。

 同日、第1回会合(発足式)後に記者会見を開催。初代会長に選任された日化協の淡輪敏会長(三井化学社長)は「化学産業界が注力しているレスポンシブルケア活動に鑑みると、海洋プラスチック問題は

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出光 タイでバイオディーゼル10%混合品の実車テスト

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2018年9月7日

 出光興産は6日、タイ政府が推進する「バイオディーゼル高配合化プロジェクト」への技術支援で改良試作品の連続生産に成功し、パームヤシ由来のバイオディーゼルの燃料混合比率を10%とした実車テストを今月から開始すると発表した。バイオディーゼルの原料には、パームヤシの果肉部分から抽出したパーム粗油(CPO)を使用する。

原料となるパーム椰子の実

 タイ政府は再生可能エネルギー導入の推進とエネルギー自給率向上を目的として、バイオディーゼル配合率を現行の7%から10%に引き上げることを目標としている。

 しかし、バイオディーゼルの使用には金属腐食やオイル劣化、フィルター詰まりなどの酸化安定性に起因する問題があるため、目標達成のためにはバイオディーゼルの品質改良が必要とされる。

 出光興産はこれらの問題を解決するため、産業技術総合研究所が日本で開発した基本技術を活用し、タイでのプロジェクトメンバーと連携。酸化安定性を改善する部分水添技術(H‐FAME)の実証設備の連続運転に成功した。

テスト用の車両

 実車テストではピックアップトラック8台を使用し、エンジンなどへの影響を確認する。同社は実車テストの結果をもとに当該技術の商業化を検討し、東南アジアでの再生可能エネルギーであるバイオ燃料の普及に、積極的に取り組んでいく考え。

 なお、同プロジェクトには、タイ国立金属材料研究所(MTEC)、グローバルグリーンケミカル社(GGC)、出光興産の3者が参加。昨年10月に、バイオディーゼルの高配合化の技術協力に関する契約を締結した。

 出光興産はこの契約に基づき、部分水添技術の実証設備の設計、運転などの技術支援を実施している。

AGC インドネシアでPVCの生産能力を増強

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2018年9月6日

 AGCは5日、インドネシアのグループ会社アサヒマス・ケミカル社(ASC社)での塩化ビニル樹脂(PVC)生産能力を20万t増強し、75万tに拡大すると発表した。操業開始は、2021年の第2四半期を予定しており、東南アジア地域でのPVC年間生産能力は約120万tとなる。

 同社が行う東南アジアのクロール・アルカリ事業は、インドネシア、タイ、ベトナムで展開。同地域では製造業やインフラ事業などが経済成長に伴い継続的に拡大しており、今後もクロール・アルカリ事業で手掛けているカセイソーダやPVCの需要は安定的に伸長することが見込まれている。

 この旺盛な需要に対応するため、ASC社では16年のカセイソーダやPVCなどの大規模増強に続き、今回のPVC生産能力増強を決定した。

 同社グループは経営方針「AGC plus」のもと、東南アジアでのクロール・アルカリ事業拡大に注力。今後もさらなる能力増強を実施し、東南アジア地域ナンバーワンのポジションを確固たるものにするとともに、同地域の経済発展に貢献していく考えだ。

旭化成 MMAモノマーとCHMAを値上げ

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2018年9月6日

 旭化成は5日、MMAモノマーとシクロヘキシル・メタクリレート(CHMA)を、9月10日出荷分から値上げすると発表した。改定幅はMMAモノマーが22円/kg、CHMAが22円/kg以上としている。

 MMAモノマーは世界的に塗料・接着剤、キャストシート、透明樹脂用途の需要が旺盛なことに加え、中国での環境規制の強化から、リサイクルMMA生産が大幅に縮小しMMAモノマーへの切り替え需要も伸長している。

 一方、供給面では世界的に長期の定期修理が続き、設備トラブルも相次いだことから、需給バランスは非常にタイト化しており、海外市況は上昇を続けている。

 こうした中、ナフサなど主原料の価格も上昇しており、同社は今後もユーザーへの安定供給を継続させるため、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。