【国際化特集】三井化学代表取締役社長 橋本 修氏

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2022年3月29日

製品・技術の幅を広げ、地域性に合ったビジネス展開を重視

 ━4月から新事業ポートフォリオに移行されますが、なかでもライフ&ヘルスケア・ソリューション(L&H)への期待値の高さが伺えます。

  同事業領域では、大型投資を行った歯科材料の戦力化に時間を要したため、新規の成長に向けた投資が十分にできずにいたが、ようやく回収のめどが立ち軌道に乗ってきた。今後は、「ライフケア」「ウェルネス」「メディカル」の3領域で本格的に投資を加速させ、第一の収益の柱にしていく。

 メガネレンズモノマーなどビジョンケア材料や不織布などを扱うライフケアは、一番の成長や安定性が見込める。世界トップシェアのレンズ材料を武器に

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【国際化特集】昭和電工代表取締役社長 髙橋秀仁氏

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2022年3月29日

セグメントを再編、ポートフォリオ改革はROICを重視

 ━「共創型化学会社」の方向性を示しました。

  昭和電工と昭和電工マテリアルズ(SDMC)が統合した新会社は、我々にとって完全に生まれ変わることになる。昨年の1月から両社役員へのインタビューや社員へのワークショップなどを行う中、どういった会社にしていきたいかについてキーワードや意見を出してもらい、改めて新会社の方向性を打ち出した。

 その中で議論したことは、化学には光と影があり、

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【新年特集】三菱ケミカル代表取締役社長 和賀昌之氏

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2022年1月5日

ビヨンド・ゼロへ、50年に向けプロセス・原料転換を模索

 ━2021年の振り返りと2022年の事業環境の見通しについて。

 2021年を振り返ると前年 と同様に、新型コロナウイルス感染症に翻弄された1年間だった。操業面では幸いなことに大きな事故はなく、感染拡大防止に努めながらも安定操業に努めた従業員の皆さんには大変感謝をしている。景気面では、年初からある程度モノの動きは活発化し始めた。2021年のエチレン生産量は630万t程度と予想しているが、2020年が600万t弱だったことから考えても、前年と比較すれば、化学品全般が回復傾向にあったのではないかと見ている。

 2022年については、現時点ではオミクロン株の不透明感もあり、予断を許さない状況だとは感じている。日本の感染者数は比較的低位だが、海外に目を転じると感染者がかなり増えている国もあるため、世界全体が沈静化したとは思えない。ただ日本で言えば、2回目のワクチン接種率は80%に迫り、年明けには3回目のブースター接種も本格化してくるため、2022年の景気が2021年よりさらに悪くなるという要素はほとんどないのではないか。

 ━ホールディングスの新経営方針では、石化事業と炭素事業の切り離しを打ち出されました。

 ナフサをクラッキングして基礎素材を作る石油化学が

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【新年特集】旭化成代表取締役社長 小堀秀毅氏

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2022年1月5日

次の100年も持続的な成長・拡大、今年は変革への分岐点

  ━2021年を総括すると。

 2021年は、ウイズコロナへ移行する局面の年であった。コロナ対処法やワクチン接種が進み、危機的状況から脱しつつある。また、人々の価値観が変化し、カーボンニュートラル(CN)な社会の実現に向けた方向性が明確になった年でもあった。数十年後に振り返ってみても、大きな分岐点に位置づけられるであろう。当社も未来を見据え、変革していかなければならない。

 今年度の業績については、2018年度の最高益(営業利益2096億円)を更新する見込みだ。コロナ禍の影響で打たれた事業もあったが、多くの事業がしっかり収益をあげていることと、収益の事業構成を変化させてきたことが背景にある。2018年度の最高益に貢献した石化事業は、今年度も市況が高騰し好環境となった。しかし当社は、

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【新年特集】三井化学代表取締役社長 橋本 修氏

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2022年1月5日

新事業ポートフォリオで成長加速、グリーン化は全社の基盤

 ━2021年の振り返りと2022年の業況見通しについて。

 2021年は、前年のコロナ禍からの景気持ち直しの動きを受け、回復基調が続いた。自動車については、半導体不足や感染拡大でアジアのサプライチェーンが分断されるなどの問題があり、非常に低調ではあったが、ここにきて需要が戻ってきている。その意味では我々がターゲットとしている成長3領域(モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージング)についてはおおむね順調だった。

 一方、基盤素材は、上期に北米の寒波影響などを受け一部製品の需給がひっ迫したため、海外市況の高騰により収益が大きく改善した。下期に入ってからはマーケットが通常状態に戻ってきている。2022年については、

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【新年特集】昭和電工代表取締役社長 髙橋秀仁氏

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2022年1月5日

完全統合に向け新体制、価値観共有による人材育成を図る

 ━2023年の完全統合(法人格統合)を前に両社の社長に就任されました。

  昭和電工と昭和電工マテリアルズ(SDMC)の統合作業は順調に進捗しており、1月からは経営判断の一本化、CXO(最高責任者)をチームとする経営組織体制への移行が滞りなく進捗した。これに伴い、社長も一本化したほうが良いと森川現会長、丸山現会長が判断され、私が社長に推薦されたと推察している。

 統合新会社の社長に求められる役割は経営の質の向上だ。ただ経営は1人で行うものではなく、経営チームとしての体制づくりが重要になる。新たな12人の執行役員は、昭和電工から7人、SDMCから5人の構成だが、昭和電工の7人のうち、私を含め5人が2015年以降の入社だ。現在はこれだけの規模の2社が1つになる、いわば有事だという認識のもと、内部昇格者と外部採用者の非常にバランスが取れたキャビネットができた。それぞれの分野の専門家が集まり、チームで経営する体制が整ったといえる。

 ━入社以降の変革の成果について。

 私が昭和電工に入社してから一貫して取り組んできたことは3つある。1つ目は “【新年特集】昭和電工代表取締役社長 髙橋秀仁氏” の続きを読む

【新年特集】積水化学工業代表取締役社長 加藤敬太氏

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2022年1月5日

構造改革と技術革新で収益力向上、目標達成に向け成長加速

 ━2021年の振り返りと、2022年の見通しについて。

  2021年は、コロナ禍から世界経済が立ち直りはじめ、対面業界の需要が回復傾向となった。当社の上期業績も想定より上振れ、通期予想についても上方修正を行った。しかし夏場以降に原燃料価格が高騰したことに加え、半導体不足により自動車生産が減少しており、事業活動に水を差される格好になっている。ただ、このコロナ禍の2年間では、コスト削減や構造改革など、やるべきことを前倒しで進めてきた。その結果、当社の収益力は大きく向上したと手応えを感じており、何としてでも今年度の利益目標を達成させる考えだ。

 2022年についてもまだコロナ禍の収束が見えず、先行き不透明な状況は変わらないだろう。こうした中でも、中期経営計画(中期)の施策をしっかり進め、これまでの仕込みを刈り取ることで成長ドライブを加速する1年にしていく。来年度の収益目標については、現状を踏まえてこれから策定するが、現時点では

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【新年特集】東ソー代表取締役社長 山本寿宣氏

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2022年1月5日

収益改善で中計目標をクリア、次期中計ではCNにコミット

 ━2021年の総括と2022年の見通しについて。

  2021年は、コロナワクチンの浸透に伴い全般的に需要が回復傾向となり、化学業界全体で事業環境が改善する年となった。当社の事業でいえば、米国の悪天候やプラントのトラブルにより需給がひっ迫したことから、PVCやウレタン原料のMDI、エチレンアミンなどの市況が高騰し、業績に大きく寄与している。

 ただ、コロナ禍の影響を受け、以前の状況にまで戻っていない事業もある。半導体や部品不足で生産減少を余儀なくされた自動車関連では、排ガス触媒向けに使用されるハイシリカゼオライトの需要が落ち込んだ。また外出規制により、歯科材料向けのジルコニアやバイオサイエンスの診断事業などが影響を受けている。 

 2022年には、これらの需要が戻ってくることを期待しているが、

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【新年特集】JSR代表取締役社長兼COO 川橋信夫氏

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2022年1月5日

DSとLSに傾注、事業基盤を固めて成長加速

 ━2021年を振り返って。

  昨年はコロナ禍が収まらない状況だったが、世界経済全体が回復傾向となり、当社の各事業も収益が改善した。事業別に見ると、石油化学系のエラストマー事業は、対面業界である自動車業界の生産が戻ってきたことで販売量が増加し、コロナ禍前の2019年度と比較して上期の売上は90~95%の水準まで回復した。しかし、半導体不足や東南アジアからの部品の供給が滞った影響で自動車生産が減少し、9~10月をピークに下降傾向となっている。4Q(1―3月期)の状況を注視しているところだ。

 また同事業は、4月1日にENEOSへの譲渡を決定しており、それに向けた準備を進めている。ABSを中心とした合成樹脂事業も同様に、需要が戻ってきた。特に、車室空間の静音性に貢献する、きしみ音がしない「ハッシュロイ」は景気の動向に左右されず伸長している。

 一方、デジタルソリューション(DS)では、半導体材料が極めて好調となった。ウエハー市場は年成長率が8~10%と言われているが、当社の材料事業は

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【カーボンニュートラル特集】化学産業 カーボンニュートラル実現を成長の機会に

2021年11月12日

次世代エネとリサイクルがテーマ、社会実装が課題

 世界的に脱炭素化の流れが加速している。英国で開催中のCOP26では各国がGHG排出目標を引き上げるとともに、石炭火力の段階的な廃止も明記された。石炭火力に頼る日本は賛同しなかったが、今後、国内外から批判が高まる可能性があり、対応を図る必要があるだろう。

 わが国化学産業は、昨年10月の「2050年カーボンニュートラル(CN)宣言」を機に、各社がCNに真剣に取り組み始めた。いかにこの変革期を新たな成長の機会として捉え、CNに貢献する技術や事業を展開できるかが問われている。

 一方、CN実現にはイノベーションの創出が必要不可欠となる。化石燃料から水素やアンモニアといった次世代エネルギーへの転換や、廃プラスチックを原料に戻すケミカルリサイクルも循環型経済の構築への新たな技術として注目されている。

 各社は、個社単独だけでなく業界の垣根を超えたアライアンスを進め、様々な可能性を追求している。ただ、社会実装にはコストの低下が求められる。量産化によるコストダウンに加え、コスト負担の在り方も考えていかなければならない。

 今回の異業種特集では、CN実現に向けた、政府の方針、注目される大手企業の動向や技術開発などについて取材した。

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◇インタビュー◇

経済産業省製造産業局素材産業課長 吉村一元氏
▽重要分野の実行計画を策定、基金造成し革新技術の開発支援

三菱ケミカルサーキュラーエコノミー推進本部長 馬渡謙一郎氏
▽GHG削減目標は実効性重視、社内横断的取り組みを推進

三井化学理事・ESG推進室長 右田 健氏
▽サーキュラー型ビジネスモデルを確立、チェーン全体で進める

BASFジャパン経営推進本部 入江 剛氏
▽省エネ・再エネ・リサイクルで、資源消費型成長から脱却

出光興産技術・CNX戦略部 大沼安志氏/片桐絢也氏
▽炭素循環社会に向けて、事業ポートフォリオを大幅転換

マイクロ波化学代表取締役社長 吉野 巌氏
▽マイクロ波により、化学産業の製造プロセスに革新を起こす

リファインバース常務取締役 加志村竜彦氏
▽廃棄処理困難物を技術力で再生、廃プラ回収でCRにも貢献

アールプラスジャパン 代表取締役社長 横井恒彦氏
▽バリューチェーン一体で廃プラCR支援、27年商業化目指す