日鉄ケミカル&マテリアル、BPAを値上げ、コストアップを転嫁

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2021年8月19日

 日鉄ケミカル&マテリアルは16日、ビスフェノールA(BPA)について、9月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「25円/kg以上」。

 BPAの需要は、一時の異常な高騰からは一段落した。しかし、ポリカーボネート樹脂の一部には需要に陰りが見える反面、依然としてエポキシ樹脂向け需要が、中国を中心に風力発電用途などで堅調に推移。それに加え、国内外で設備トラブルが相次ぎ供給面の不安も抱えていることを背景に、需給バランスがタイト化し、BPA市況も高水準を継続している。

 また、足元では、原料となるベンゼン市況が1050ドル、国産ナフサ価格も5万5000円を超えるレベルまで上昇。さらに、原油価格の上昇に伴い燃料となるC重油も上昇が予想されている。同社は、原料費高騰や用役費の上昇、設備老朽化によるメンテナンス費用増大など、これらのコストアップを価格転嫁せざるを得ないと判断した。

 

東ソー クロロプレンゴムを値上げ、採算是正を図る

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2021年8月19日

 東ソーは17日、クロロプレンゴム「スカイプレン」全品種について、9月16日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「キロ40円以上」。

 クロロプレンゴムの世界需要はラテックス用途を中心に伸長しており、供給不足は今後も継続が見込まれる。また、ユーティリティコストや物流費、設備維持・補修費用の上昇は、自助努力の限界を超えていることから、適正な採算確保が困難な状況となっている。こうした中、同社は製品の安定供給を維持するためにも、値上げせざるを得ないと判断した。

DIC 不飽和ポリエステル樹脂など値上げ、来月から

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2021年8月19日

 DICは18日、100%子会社であるDICマテリアルが、不飽和ポリエステル樹脂とビニルエステル樹脂について、9月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、不飽和ポリエステル樹脂が「35円/kg以上」、ビニルエステル樹脂が「45円/kg以上」。

 同社は、今年4月に値上を実施したが、原油・国産ナフサ価格のさらなる高騰と原料メーカーからの採算是正に伴い、製品の原材料価格は大幅に上昇している。加えて、物流費、容器費、設備保全などのコスト上昇や一部の原料では供給問題も継続して発生している。

 同社は、各種合理化の推進や、製造コストの低減など自助努力を続けてきたが、原材料価格の上昇を吸収することは極めて困難な状況にあり、今後の安定供給と事業継続を図るためには、価格改定が避けられないと判断した。

クラレ PVA樹脂など4製品を値上げ、安定供給維持で

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2021年8月19日

 クラレは18日、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂「クラレポバール」「エルバノール」、PVA系樹脂「エクセバール」「モビフレックス」の4製品について、今月23日出荷分から値上げすると発表した。4製品とも2月、4月、5月に続く今年4度目の価格改定となる。改定幅は、いずれも国内が「30円/kg以上」、アジアパシフィック、北米・南米、中東・アフリカが「0.30USドル/kg以上」、欧州が「0.25ユーロ/kg以上」。

 現在、PVA樹脂の需給バランスは急速にタイト化が進む一方で、対象製品の各種コストの上昇は同社の自助努力によるコスト吸収の範囲を超えるものとなっている。このような状況下、採算改善により安定供給を維持するために今回、再度の価格改定実施を決めた。

トクヤマ イソプロピルアルコール値上げ、採算是正図る

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2021年8月11日

 トクヤマは6日、イソプロピルアルコール(IPA)について、9月1日出荷分から値上げすることを決定し、商社および需要家などとの交渉に入ると発表した。改定幅は「18円/kg以上」。

 IPAの主原料となるナフサ価格が高騰しており、また製造設備の維持・更新のコストに加え、物流費も上昇している、同社は、非常に厳しい収益状況が想定されることから、自社の合理化努力のみで吸収することは困難と判断し、値上げの実施を決定した。

東ソー ポリウレタン原料MDI値上げ、コスト高に対応

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2021年8月11日

 東ソーは6日、ポリウレタン原料のMDIについて、今月16日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「30円/kg」。

 同社は日頃より、輸入品をはじめとした競合各社との競争が激しくなる中、国内の取引先に対して安定供給に努めてきた。しかし、最近では、依然としてMDIの主要原料価格の高騰が継続しており、さらにユーティリティコストや物流コストも上昇している。同社は、今後も安定生産・安定供給を図っていくために、国内の取引先に対して、値上げの実施を決定した。

旭化成 BRとSBR値上げ、安定供給の維持図る

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2021年8月11日

 旭化成は10日、合成ゴムBRとSBR(油展、非油展)について、今月16日出荷分から「25円/kg以上」値上げすると発表した。対象製品は「ジエン」「タフデン」「アサプレン」。

 原料価格に直結するナフサやブタジエン、スチレンモノマーなどの市況上昇に加えて、用役費や物流費、設備の維持・増強などに要する費用が上昇している。同社は、製品の安定供給維持のため、値上げを実施せざるを得ないと判断した。

 

日鉄ケミカル&マテリアル エポキシ製品を値上げ、原料高に対応

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2021年8月6日

 日鉄ケミカル&マテリアルは4日、塗料、電気・電子向け絶縁材料、接着剤などに用いられる各種エポキシ樹脂製品について、8月20日出荷分から値上げすると発表した。対象製品および改定幅は、BPA・BPF系液状/固形エポキシ樹脂が「45円/kg」、BPA・BPF系液状/固形エポキシ樹脂蒸留品が「65円/kg」、フェノキシ樹脂が「45円/kg」、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が「45円/kg」となっている。

 昨年末より上昇を続けていた国産ナフサ価格は、今年4月以降も上昇を続けており、ベンゼンやフェノールをはじめとする基礎素材が高騰している。そのため、エポキシ樹脂の原料価格上昇に歯止めがかからない状況にある。また、生産に必要な燃料費(用役費)や海外から調達する原材料輸送費も高騰しており、採算悪化に拍車をかけている。

 こうした中、同社は、原料供給はタイトな状況が続いており、安定調達のためには上昇する原料価格を受けざるを得ない環境にあることから、今回の値上げを決定した。なお、今後の原料動向次第では、さらなる価格転嫁の可能性もあり得るとしている。