出光興産 水添石油樹脂を値上げ、各種コストが増加

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2021年11月17日

 出光興産は16日、ホットメルト接着剤の粘着付与材やポリオレフィン用樹脂改質剤などに使用される水添石油樹脂「アイマーブ」の全グレードについて、12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「40円/kg以上」。

 主要産油国による協調減産継続とコロナ禍からの世界経済の回復基調を背景とした原油価格の上昇や、需要が増える冬場を控えた需給ひっ迫懸念に伴うエネルギー価格全般の上昇に伴い、当該製品の原料コストや用役費、また設備維持を目的とした修繕費や物流費といった各種コストが増加している。

 同社は、厳しい経済環境下、コスト低減に継続して取り組んでいるものの、このようなコストの高騰は自助努力により吸収できる水準を超えるものとなっているため、値上げせざるを得ないと判断した。なお、想定した原料など各種コスト状況が大きく変動する場合は、価格改定幅を修正することもあるとしている。

JNC シリコーン製品を値上げ、原料高騰に対応

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2021年11月17日

 JNCは16日、シリコーン「サイラプレーン」全製品について、12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「現行価格から20~40%以上」。

 昨年来、シリコーン製品の主原料である金属ケイ素の価格は上昇が続き、特に、この半年間の上昇は、過去に類を見ない高騰となっている。加えて、シリコーン製品の製造に必要なエネルギーや、輸送、副資材などのコスト上昇にも歯止めが掛からず、事業収益の急激な悪化を招いている。

 こうした中、同社はこれまで、あらゆる面からのコスト削減に努め、コスト上昇を自助努力で吸収してきたが、その努力はすでに限界に達していることから、需要家への安定供給責任を果たすことを最優先と考え、価格改定の実施を決定した。

日本ポリプロ ポリプロピレンを再値上げ、ナフサ高に対応

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2021年11月17日

 日本ポリプロは16日、ポリプロピレン全製品について12月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「15円/kg以上」。同社は、10月21日納入分から価格改定を行っており、短期間での再値上げとなっている。

 新型コロナウイルス感染拡大による世界経済の停滞から回復しつつある中、原油の需要は拡大観測が高まる一方、OPECプラスの追加増産見送りや米国のハリケーン被害の長期化もあり原油価格は高騰を継続している。国産ナフサ価格も原油価格の上昇に加え、タイトな需給を背景に6万5000円/klを伺う水準まで上昇することが見込まれ、また諸費用や副資材コストも増加している。

 こうした厳しい経済環境の下、同社は、徹底したコスト削減に努めているものの、今回の原料コストの上昇を自助努力のみで吸収することは困難であることから、値上げせざるを得ないと判断した。なお、前提とした国産ナフサ価格が想定を超えて上昇する場合には、改定幅を変更する可能性もあるとしている。

アジア石化市況 エチレンは国慶節休暇明けも上昇

2021年11月16日

ブタジエンは100ドル安、芳香族は3製品とも反発

 アジア地域の10月第2週の石化市況では、エチレンは前週比5ドル高の1150ドル/tでの取引となった。中国・国慶節休暇明けも上昇基調を継続し、7週連続での上昇となっている。誘導品メーカーが電力不足の影響を受けているものの、原油・ナフサ価格が高騰していることや休暇明けで需要が戻ってきたこともあり、市況が押し上げられている。

 スプレッドについては、ナフサ上昇分をカバーできずに

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DIC 可塑剤の各製品を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年11月16日

 DICは15日、可塑剤について11月25日納入分から値上げすると発表した。対象製品と値上げ幅は、ポリエステル系可塑剤が「61円/kg以上」、アジピン酸系可塑剤(DOA、DINA)が「54円/kg」、トリメリット酸系可塑剤が「69円/kg以上」、特殊可塑剤が「64円/kg以上」となっている。

 可塑剤の主原料である各種酸・グリコール・アルコール類は、原油・ナフサ価格の上昇および国際市況高騰による内外価格差是正を背景とした価格改定が発表されている。またそれに伴い、ユーティリティ・物流費用も上昇し続けている。

 同社では、引き続き自助努力による吸収を続けているが、昨今のコスト上昇を吸収することは極めて困難な状況にあることから、今後の事業継続を図るために値上げが避けられないと判断した。

東ソー 炭化水素系高機能洗浄剤を値上げ、安定供給図る

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2021年11月16日

 東ソーは15日、炭化水素系高機能洗浄剤「HCシリーズ」全グレードを、12月15日出荷分から「30円/L以上」値上げすると発表した。

 同社は、安定品質と安定供給のために生産体制の維持・向上に努めているが、昨今の原油価格の高騰による原材料費の上昇や、製造設備維持コスト、物流コスト、包装材料費の上昇を受け、現行価格での販売が困難な状況となっている。こうした状況下、安定供給を維持するためにも価格改定が必要だと判断した。

 

東洋紡 エアバッグ用原糸・基布値上げ、来月から実施

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2021年11月15日

 東洋紡は、自動車エアバッグ用の原糸と基布を12月1日出荷分から値上げする、と発表した。改定幅は、「現行価格から15~20%」の値上げ。中国市場向けは「現行価格から15~30%」の上げ幅となる。

 対象製品の主原料のナイロン66は、産業用繊維や自動車部品用途で需要が伸長する一方、ナイロン66樹脂や原料は2月の北米寒波影響などによる供給不足から、原料価格が高騰。また、エアバッグ用基布のコート剤として使用するシリコーン樹脂は、原料の金属シリコンの生産が主要生産地の中国で電力不足により大幅に落ち込んでいることなどを背景に、シリコーン樹脂の需給はひっ迫し価格も大幅に上昇している。加えて、原油・天然ガス価格急騰による製造コスト、米中を中心とする景気回復に伴う人件費、コンテナ輸送などの物流費も上昇を続ける。

 こうしたコスト上昇は、自助努力の範囲を大きく超えていることから、同社は今後も安定した生産、販売、開発体制を維持するために値上げを決めた。

東洋紡 OPP、CPPなど包装用フィルム追加値上げ

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2021年11月15日

 東洋紡はこのほど、包装用フィルム製品の一部を11月21日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、直鎖状低密度ポリエチレン(L‐LDPE)フィルムの3製品。改定幅は、いずれも「連250円(20㎛換算)」(連:500㎡)。

 同3製品については、8月に続く今年4度目の値上げの発表。上昇が続く原油・ナフサ価格などを背景に、包装用フィルム製品の原料価格が一段と高騰。燃料費や電力費、物流経費、設備維持費用なども上昇しており製造コストを押し上げている。

 同社では徹底したコスト削減を行っているが、前回の価格改定発表以降も原料価格の高騰が続いていることなどから、現在の価格体系では安定的製品供給が困難と判断。追加の価格改定実施を決めた。