東ソー 液体カセイソーダ値上げ、国内の安定供給を維持

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2021年10月29日

 東ソーは28日、液体カセイソーダを11月21日出荷分から「20円/kg以上」(固形換算ベース)値上げすると発表した。

 カセイソーダは世界的にも堅調な需要が続く中、供給不足が重なり市況価格は大幅に上昇している。また、国内需要は昨年を上回るペースで推移し、国内の需給バランスのタイト感は継続すると想定されている。

 一方では、近年の物流費高騰、設備更新・補修費の増加、エネルギーコストの上昇も重なり、同製品の収益は大きく悪化、同社の自助努力だけでは吸収が困難な状況にある。このような状況下、同社は国内のカセイソーダ需要に対し、今後もコスト削減や省力化、合理化など、あらゆる施策を実施しながら安定供給を最優先に注力していくものの、引き続き国内向けの安定供給を維持するためにも、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

DIC 有機顔料製品を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年10月28日

 DICは27日、有機顔料(アゾ顔料・フタロシアニン顔料)について、11月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「80~400円/kg」。

 昨今、有機顔料の原料において、中国のエネルギー消費に関する規制強化を背景とした化学品の供給量減少、および需要増加などによる需給バランスのひっ迫化を受けた価格高騰が見られている。また、グローバルサプライチェーンの混乱による物流費や生産コストの上昇も継続している。

 こうした中、同社は、これ以上のコスト上昇を自社内で吸収することが極めて困難な状況にあることから、今後の安定供給と事業継続を図るため、値上げせざるを得ないと判断した。

クラレ 液状ゴムとイソブチレン系水溶性樹脂を値上げ

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2021年10月28日

 クラレは27日、液状ゴムおよびイソブチレン系水溶性樹脂「イソバン」について、11月1日出荷分から国内・海外向けの価格を値上げすると発表した。改定幅は、両製品とも国内向け「40円/kg」、海外向け「0.4USドル/kg」となっている。

 昨今の主要原材料価格の高騰や包装資材、ユーティリティを含む各種コストの上昇は、自助努力によるコスト吸収の範囲を超えるものとなっている。こうした状況下、同社は、安定供給の維持と採算改善のため、値上げの実施を決定した。

宇部興産 CPLの10月契約価格、前月比110ドル高

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2021年10月27日

電力制限で中国の稼働が低下、需給タイトが影響

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、10月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比110ドル高の2150ドル/tで決着した。9月は需給バランスが緩和したことで30ドル安となっていたのに対し、10月は一転して大幅な上昇となっている。

 その背景として、中国において電力制限や環境規制の強化により工場の稼働が低下し、国内供給やアジア各国への輸出が難しくなったことが挙げられる。アジア地域では、 “宇部興産 CPLの10月契約価格、前月比110ドル高” の続きを読む

JNC オキソ誘導品を値上げ、安定供給体制を維持

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2021年10月27日

 JNCは26日、オキソ誘導品について11月21日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、ノルマルブチルアルデヒド(NBA)、イソブチルアルデヒド(IBA)、オクタノール(OA)、ノルマルブタノール(NBO)、イソブタノール(IBO)、CS-12、CS-16、オクチル酸で、改定幅は「35円/kg以上」となっている。

 昨年来、アジアの需給がひっ迫し国内製品への回帰もあり、同社の製造設備の稼働は非常に高い状態が続いており、さらに今後もこの状況が継続する見通し。また、稼働後40年近くなるオキソ設備の老朽化は年々進んでいる。今後、大型機器の更新に加えて全面的なリプレースも視野に入れ、中長期の安定供給体制を構築する必要に迫られている。こうした状況を踏まえ、同社は、ナフサ改定分とは別に価格改定の実施を決定した。

三菱ケミカル PVA製品群を再値上げ、コスト上昇に対応

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2021年10月27日

 三菱ケミカルは26日、ポリビニルアルコール(PVA)製品群について、国内と輸出の取引価格を11月1日出荷分から値上げすると発表した。

 対象製品はPVA「ゴーセノール」、PVA特殊銘柄「ゴーセネックス」、アモルファスビニルアルコール系樹脂「ニチゴーGポリマー」、ゴーセネックスZ用架橋剤「セーフリンク」で、改定幅はいずれも国内価格が「40円/kg」、輸出価格が「400USドル/t」または「350ユーロ/t」となっている。なお、PVA製品群の価格改定の実施は、今回が今年5回目となる。

 現在、PVA系樹脂の需給バランスがタイトな状況にあり、対象製品も供給が一層ひっ迫している。さらに、各種コストの上昇も継続しており、同社の事業収益は悪化が進んでいる。こうした中、同社は、安定供給を維持するためには採算是正が必要であると判断し、今回の値上げを決定した。

信越化学工業 塩化ビニル樹脂を値上げ、今年3度目の実施

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2021年10月27日

 信越化学工業は26日、塩化ビニル樹脂(塩ビ)について、11月21日納入分から国内向け販売価格を値上げすると発表した。改定幅は「40円/kg以上」。同社は今年、塩ビの値上げを2度実施したが、その後も原油ならびにナフサ価格が上昇している。また、安全・安定操業と品質の維持を継続するための設備メンテナンス費用の上昇も続いている。

 一方、海外ではアジア、米国を中心として需要が伸長する中、年初から、北米で発生した大寒波、洪水、ハリケーンなどの自然災害や、中国の燃料不足や環境規制に伴う電力制限の影響により、塩ビの需給はひっ迫した状況が続いている。この結果、海外の塩ビ価格はすべての地域において上昇が続き、国内価格の2倍もしくはそれ以上の水準となっている。こうした状況を踏まえ、同社は、今年3度目となる国内向け販売価格の値上げを決定した。