WTI原油価格は2日、
9月2日のWTI、ブレント、ドバイ原油価格
2020年9月4日
2020年9月4日
2020年9月3日
2020年9月3日
2020年9月2日
2020年9月2日
2020年9月2日
需給バランス改善期待も、コロナ影響が懸念材料
世界の原油相場では、OPECプラスによる減産継続が承認された後も、小幅な値動きが続いている。WTI価格は8月下旬に、世界経済が持ち直してきたことで43ドル台を回復し、コロナ禍の発生や協調減産の混乱で急落して以降の最高値を更新した。しかし、WTI価格を押し上げる要因の1つであったメキシコ湾のハリケーンが通過したことで頭打ちとなり、その後は43ドルを挟む動きで推移している状況だ。
OPECプラスの減産計画については、先月、協調減産の取り組み状況を点検する監視委員会が開かれ、減産の維持が確認された。5~7月までは日量980万バレルの減産を目指していたが、7月の順守率は95~97%以上と高水準になったもよう。8月~12月は日量770万バレルと減産幅の縮小を予定しているが、10月以降は冬場の暖房需要により需給が悪化しないと見られている。
とはいえ、原油需要の下振れ懸念は払拭できない。8月に発表されたOPEC月報によれば、2020年の世界石油需要見通しは日量9063万バレルと、前月予想から同9万バレルの下方修正となり、またIEA(国際エネルギー機関)の月報でも2020年の見通しを同9790万バレルとし14万バレル引下げられた。コロナの第2波が世界各地で拡大していることや、航空機などのジェット燃料の需要低迷が続いていることが背景にある。
一方、2021年の需要についてOPECは、日量9763万バレルと前年比同700万バレルの大幅な回復を想定した。ただコロナの収束を前提としているため、感染次第によっては予測が大きく下振れする可能性もある。さらに、米中対立が先鋭化していることも不安材料。仮に大統領選後も対立が収まらなければ、世界経済を冷え込ませ、原油需要が落ち込むとの指摘も出ている。
いずれにせよ、様々な要因が絡み合い、原油市場はこの先も予断の許さない状況が続きそうだ。
2020年9月1日
2020年9月1日
2020年8月31日
経済活動再開で需要がおう盛、3カ月連続で上昇
塩ビ樹脂(PVC)の9月分のアジア輸出価格は、インド向けが前月比40ドル高のCFR950ドル/t、中国その他向けも同30ドル高の840ドル/tで決着した。台湾大手メーカーも、インド向け同30ドル高の890ドル/t(ボリュームディスカウントなし)、中国向け同30ドル高の840ドル/t(同なし)で決着しており、両地域ともオファー価格が7月以降3カ月連続で上昇している。
コロナ禍による行動制限が解除され、各国の経済活動が強まっている。PVCの需要が活発化する中、域外品の流入が弱まり需給が締まったことが、輸出価格を押し上げる結果となった。
地域別に見ると、インドは、国内でコロナ禍の影響がまだら模様で拡大していることに加え、不需要期となるモンスーン期(6~9月)に入ったことから、調整局面になると見られていた。しかし、政府が経済再開を推進したため、パイプなど農業関連資材向けにおう盛な需要が継続している。その背景として、4~5月のロックダウンによる輸入制限で在庫が大幅に減少していたことが挙げられる。今後についても、モンスーン期明けの需要期に入ってくることから、輸出価格が一段と上昇するとの見方が強い。
一方、いち早く経済活動が再開された中国では、政府の景気刺激策の効果もありPVCの事業環境が改善されている。国内カーバイド法PVCも、インフラ整備などの需要が強いことから、価格が高止まりの状態が続いており、再輸出品向けに使用される輸入PVCの価格を下支えしている。さらに、域外品の流入が弱まったことから伺えるように、欧州や南米などの各国でもPVC需要が回復傾向となってきた。そのため、中国からの再輸出品に対して外需が戻りつつあり、今後、中国向け輸出価格も上昇基調が続きそうだ。
こうした中、今月半ばに米国のプラントでトラブルが発生し、フォースマジュール(不可抗力)が宣言された。さらに需給バランスがタイト化する可能性が高く、この先のPVC市場の動向が注目される。なお、日本の7月のPVC輸出は、国内の各プラントが順調に稼働していることから、前年同月比17.0%増の6万5100tとなった(VEC発表)。前月に引き続き6万t台の高水準を継続しており、1-7月期で見るとほぼ前年のレベルまで戻っている。
2020年8月31日