塩ビ樹脂(PVC)の1月分のアジア輸出価格は、インド向けがCFR940~950ドル/t、中国・その他向けは880~890ドル/tとそれぞれ前月から20ドル高となり、2カ月連続の上昇で決着した。台湾大手メーカーも、インド向け30ドル高の940ドル/t(ボリュームディスカウント10ドル)、中国向け30ドル高の890ドル/t(ボリュームディスカウントなし)で決着している。
新興国における通貨安の影響などが残るものの、インドをはじめとしたアジア地域の需要が堅調に推移していることもあり、輸出価格は
2019年1月9日
塩ビ樹脂(PVC)の1月分のアジア輸出価格は、インド向けがCFR940~950ドル/t、中国・その他向けは880~890ドル/tとそれぞれ前月から20ドル高となり、2カ月連続の上昇で決着した。台湾大手メーカーも、インド向け30ドル高の940ドル/t(ボリュームディスカウント10ドル)、中国向け30ドル高の890ドル/t(ボリュームディスカウントなし)で決着している。
新興国における通貨安の影響などが残るものの、インドをはじめとしたアジア地域の需要が堅調に推移していることもあり、輸出価格は
2018年12月28日
2018年12月27日
2018年12月26日
2018年12月25日
2018年12月19日
2018年12月18日
2018年12月17日
ポリスチレン(PS)は、原料ベンゼン価格が軟化傾向にあること、またPSPなど食品包装向けが堅調なことから好環境となっており、良好なスプレッドを確保できる状況だ。PS価格は原料ベンゼンのアジア契約価格(ACP)やナフサ、また為替などを前提に四半期ごとの価格改定を行っている。
昨年末から今年2月にかけて原油価格に連動してACPが上昇したため、PS価格は1Q(1―3月期)と2Q(4―6月期)は値上げとなった。その後ACPは高値安定となり、3Q(7―9月期)と4Q(10―12月期)のPS価格はステイで推移した。
ただ、10月以降は原油価格が急落したことに加え、誘導品の定修など需要が減少したことからACPは下落基調となり、11月は785ドル、12月は660ドルで決着。4Q(10―12月期)の平均価格で見ても、3Q(7―9月期)から91.7ドルの下落となった。そのためPS価格は、来年1月の改定では値下げとなる見込みだが、改定幅については慎重に判断しているようだ。一方、需要についてはほぼ前年並みで推移している。
スチレン工業会の発表によると1―10月では、フォームスチレン4%増、雑貨・産業用途は5%増と堅調に推移し、食品包装は2%減、電気・工業用は4%減とマイナスとなった。特に電気・工業用は米中貿易摩擦の影響などにより家電生産が減少したことを受け10月は10%減少している。
食品包装用途はOPS(二軸延伸ポリスチレン)が、一部PETなどへの代替が進んだこともありマイナスだが、調理済み食品などをテイクアウトし家で食べる「中食(なかしょく)」ブームに加え、「個食化」も進んでおり、レンジアップ用容器向けにPSの使用量が増加傾向にある。冬の需要期を迎え12月に入っても出荷は堅調に推移しているもようで、今年(暦年)の内需(国内出荷+輸入品)は昨年並みの70万t弱となる見込みだ。
一方、来年以降については、原油価格の乱高下による原料価格の変動や、経済減速による消費の落ち込みが懸念材料。中国旧正月休暇前後でベンゼン市況が動く可能性もあり、今後の市場動向が注目される。
2018年12月11日
2018年12月6日
塩ビ樹脂(PVC)の12月分のアジア輸出価格は、インド向けがCFR920~930ドル/t、中国・その他向けは860~870ドル/t、とそれぞれ前月から20ドル高となり、4カ月ぶりの上昇で決着した。
台湾大手メーカーも、インド向け同20ドル高の910ドル/t(ボリュームディスカウント十ドル)、中国向け同20ドル高の860ドル/t(同)で決着している。輸出価格は、新興国における通貨安の影響などを背景に、インドをはじめとしたアジア地域に域外玉が流入したため、前月まで3カ月連続で下落傾向にあった。ただ、需要期に入ったことで、底値感から需要家の買いが強まっているようだ。
インドは、農業用パイプの需要が伸長していることに加え、インフラ用途も堅調に推移している。インド・ルピーの通貨安の影響が懸念されていたが、足元では反転傾向にあることも、輸入環境が改善する要因となった。中国では、カーバイド法が高値を維持し、設備は高稼働となるなど、PVC需要は堅調だ。
米中貿易摩擦によりPVC製品の輸出減少が心配されているが、まだ目に見える影響は出ていないもよう。米国品についても、価格を押し下げるほどの量までは増加していないが、12月に年度末の在庫調整が始まれば、玉の流入が増える可能性がある。
今後の輸出価格については、11月で底を打ったと見られることから、年明け1月以降も上昇基調となる見込み。ただ、世界情勢の不安定化が実体経済を冷やすとの指摘も出ているため、市場動向を注視する必要がある。
一方、日本のPVC輸出については、10月は前年比23%増の6万1000t(VEC発表)と今年初めて6万tの大台となった。荷動きの調整により9月が4万5000tと少なかった反動で10月の輸出量が増加した。とはいえ1―10月期で見ると、前年同期比10%減で推移しているため、2018年(暦年)の輸出量は、56万~58万t程度(2017年は60万8000t)となりそうだ。