東洋紡 高機能ファイバー製品を値上げ、電力費など高騰

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2023年2月28日

 東洋紡はこのほど、高機能ファイバー製品の一部銘柄について、4月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と値上げ幅は、超高強力ポリエチレン繊維「イザナス」が現行価格から「15~20%」、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維「ザイロン」が「20%」となっている。

 対象製品の製造に使用する一部原料と副原料価格のさらなる高騰が懸念される中、燃料費や電力費、物流経費といった諸経費も上昇し、製造コストを押し上げている。こうした状況下、同社は徹底したコスト削減に努めているが、現在の価格体系では顧客への安定的な製品供給が困難と判断し、今回、価格改定の実施を決めた。

日本触媒 アクリル酸特殊エステルを値上げ、来月から

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2023年2月28日

 日本触媒はこのほど、アクリル酸特殊エステルの一部製品について、3月1日出荷分から、国産ナフサ価格の変動分とは別に値上げすると発表した。 対象製品と値上げ幅は、アクリル酸2‐メトキシエチル(AME、メトキシエチルアクリレート)とアクリル酸イソノニル(AIN、イソノニルアクリレート)で、いずれも「60円/kg以上」の値上げとなる。

 対象製品は、ユーティリティコストの高騰や原料価格の上昇などによる大幅なコストアップが続いており、同社の自助努力のみでの吸収は困難と判断した。

クレハ 塩酸を8円/kg以上値上げ、事業収益が大幅悪化

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2023年2月28日

 クレハは27日、塩酸の価格を3月20日出荷分から1㎏当たり8円以上値上げすると発表した。

 原燃料の高騰や製造、物流コストの増加で事業収益が大幅に悪化。今後も設備の維持・更新や物流2024問題への対応など、さらなるコスト上昇が想定され、自助努力のみではこれらのコストを吸収することは困難な状況にある。今後も可能な限りコスト削減に努めるが、安定供給体制を維持するためには事業収益の改善が必須であると判断し、価格改定を行うこととした。

DIC グラビア・フレキソインキなど3月から値上げ

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2023年2月27日

 DICは24日、子会社であるDICグラフィックスが、主にパッケージ印刷向けに使用されるグラビア・フレキソインキや食品用金属容器などに使用される塗料・インキ製品の白インキについて、3月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、グラビアインキ(白色)、フレキソインキ(白色)、ホワイトコーチング(製缶用塗料の白色)、金属インキ(白色)とも「30~50円/kg」。

 印刷用白インキの主要原料である酸化チタンは、原料鉱石の世界的な需給逼迫などの影響で一昨年より大幅に価格が上昇し、今後もさらなる上昇が懸念されている。また、樹脂や顔料などの原料価格も高止まりしていることに加え、エネルギー価格の高騰によるユーティリティ費、物流費、容器費、設備保全などのコストも増加傾向にある。同社は、自助努力によるコスト増加分の吸収を続けてきたが、白インキについては既に限界を超えるレベルに達していることから、価格改定を決定した。

デンカ スチレンモノマー値上げ、各種コストが上昇

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2023年2月21日

 デンカは20日、スチレンモノマー(SM)について4月1日納入分から値上げする、と発表した。改定幅は「10円/kg」。

 昨今の市場環境変動の中で、SMの安定的な操業を継続し、安定供給のために必要な各種コストがさらに増大する状況にある。設備維持、オペレーション、エネルギーおよび物流などに関わるコストの増大が著しく、事業収益の悪化が進んでいる。

 同社は、継続してコスト削減に努めているものの、自助努力で吸収できる範囲を超えていることから、今後も市場への安定供給を継続するためには採算是正が必要と判断し、今回、価格改定の実施を決定した。

東亞合成 塩酸値上げ、来月から「6円/kg以上」で実施

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2023年2月17日

 東亞合成はこのほど、塩酸(塩酸、白塩酸、合成純塩酸)を3月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「6円/kg以上」。

 対象製品は、原燃料価格や物流費に加え、修繕費などの固定費も高騰し収益を圧迫している。同社では、生産効率化などのコスト削減に努めてきたが、自助努力には限界があることから、安定生産・安定供給を継続するため、価格改定が必要と判断した。

日本エイアンドエル ABS系樹脂類値上げ、コストアップに対応

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2023年2月16日

 日本エイアンドエルは15日、ABS系樹脂類(ABS、AES、ASA、AS、ポリマーアロイ)について、3月10日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、各樹脂とも「30円/kg以上」。

 昨今、用役費、副原料費、輸送費などが上昇している。同社は、これらのコストアップ分を自助努力のみで吸収することは困難な状況であることから、安定生産および安定供給の維持のため、価格改定せざるを得ないと判断した。

東レ 全フィルム製品および加工品、3月から値上げ

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2023年2月15日

 東レと東レフィルム加工は14日、販売する全フィルム製品および加工品について、3月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「現行価格の10~20%」。

 昨今、ナフサ価格の高騰に伴う主原料価格の高止まりに加え、足下では、製造時のエネルギーコストや国内外の物流コスト、副資材コストの上昇が続いている。東レグループは、生産合理化など徹底したコスト削減に努めてきたが、これらのコスト上昇は自助努力で吸収できる水準を超えていることから、フィルム製品の安定供給と新製品開発、顧客へのサービスを維持・推進するため、今回の価格改定を決定した。

トクヤマ 塩酸、液体塩素、塩カルを値上げ、採算を是正

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2023年2月8日

 トクヤマは7日、塩酸、液体塩素、塩化カルシウム(液体・粒状)の国内価格について、3月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、塩酸が「6円/kg以上」、液体塩素が「18円/kg以上」、液体塩化カルシウムが「12円/kg以上」(固形換算)、粒状塩化カルシウムが「17円/kg以上」となっている。

 原燃料価格の高騰や物流費の上昇により採算が大幅に悪化し、需要家への安定供給維持のために収益改善が急務となっている。同社はコスト削減に鋭意努力をしているものの、自助努力のみで吸収することは困難であると判断し、価格修正の実施を決定した。

三井・ダウ ポリケミカル EVA樹脂など全製品値上げ

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2023年2月7日

 三井・ダウ ポリケミカルは6日、同社全製品を2月20日納入分から値上げする、と発表した。対象製品は、アイオノマー樹脂「ハイミラン」、エチレン‐メタクリル酸共重合体「ニュクレル」、アニオン性特殊樹脂「エンティラ」、エチレン‐酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)「エバフレックス」、低密度ポリエチレン「ミラソン」、ヒートシール材料「CMPS」。改定幅はいずれも「20円/kg以上」。

 同社は昨年5月にも、電気代や用役費、物流費、副資材、工場メンテナンス用資材、人件費などのコストの大幅上昇を理由に、全製品を対象とした値上げを行った。しかし、コロナ禍からの景気回復、ロシアによるウクライナ侵攻による国際情勢の悪化により原油、天然ガス、鉄鉱石などの資源価格をはじめ様々な原材料の価格は著しく高騰し、特に電気代は想定を超える高騰が継続している。

 こうした中、同社はコスト削減に努めているが、電力コスト上昇分を自助努力のみで吸収することは極めて困難と判断。工場の安全操業確保と製品の安定供給を図るため、価格改定を決めた。