三井化学 アセトンなど4製品を値上げ、原料・包材費高で

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2021年11月4日

 三井化学は2日、アセトン(AC)、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、MIBK類を、今月11日出荷分から値上げすると発表した。値上げ幅はナフサ上昇分に対し、ACが「16円/kg」、IPAが「13円/kg」、MIBKとMIBK類が「21円/kg」。ドラム缶入りはそれぞれさらに「10円/kg」プラス。

 対象製品は8月にも値上げを実施しているが、その後も主原料のナフサ価格は高騰を続け、今年7-9月期は5万3700円/kl近辺にまで上昇、足元では6万5000円/klを超える状況にあり、10-12月期には6万2000円/kl程度と大幅な上昇が見込まれている。加えて、鋼材の上昇とドラム缶の需給ひっ迫のため、世界的にドラム缶の価格が大幅に上昇しており、同社が調達するドラム缶についても大幅な値上げを受けている。

 こうした中、コスト低減に取り組んでいるが、ナフサ価格とドラム容器の高騰は自助努力の範囲を超えていることから、安定供給体制の維持を図るためには、価格改定せざるを得ないと判断した。なお、想定したナフサ水準が変動する場合は、改定幅の修正もあるとしている。

シージーエスター フタル酸系可塑剤など10日から値上げ

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2021年11月2日

 シージーエスターはこのほど、フタル酸系可塑剤(DOP、DINP、DBP、PL-200)とイソフタル酸系可塑剤(DOIP)について、11月10日納入分からの値上げを決定し、ユーザーとの交渉を開始すると発表した。改定幅はDOP、DBP、DOIPが「46円/kg以上」。DINPが「20円/kg以上」、PL-200が「10円/kg以上」。

 高騰するナフサ価格の影響により、可塑剤の原料アルコールと酸の価格が上昇、また、前回の価格改定で大幅な値上げを実施したDINPについても、原料のイソノニルアルコールが依然として高止まりしている。

 同社は継続的なコスト削減に注力しているが、原料コストの上昇に諸経費増の負担も加わり、自助努力の範囲を超えるものとなっている。今後の安定供給を維持するためにも、価格改定による採算是正が必要だと判断した。

サン・トックス ポリオレフィンフィルムを再値上げ

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2021年11月2日

 サン・トックスは1日、OPPフィルムとCPPフィルムの全製品について、11月22日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「500㎡当たり250円(厚み20㎛相当品)」。

 同社は、これまで3回の値上げを行ったが、購入しているポリオレフィン樹脂の価格はさらに上昇を継続。また、副資材価格、物流費なども上昇し、加えてエネルギーコストも大幅に上昇している。同社は、こうしたコストの上昇が自助努力の範囲をはるかに超えていることから、フィルム製品の採算是正を図るために追加の値上げを決定した。

三井化学 アンモニア系製品を値上げ、原燃料高騰に対応

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2021年11月2日

 三井化学は1日、アンモニア系製品を11月22日納期分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、液体アンモニア(ローリー)が「34円/kg以上」、液体アンモニア(ボンベ)が「53円/kg以上」、アンモニア水(ローリー)が「9円/kg以上」、尿素が「23円/kg以上」、「アドブルー」が「9円/ℓ以上」、メラミンが「69円/kg以上」。

 同製品は今年5月以来の値上げとなるが、その後も原燃料価格の上昇などによるコスト増加が同社の事業運営に大きな負担となっている。こうした厳しい事業環境の中、あらゆるコスト削減に取り組んできたが、自助努力により吸収できる限界を超えていることから、今後の事業継続と安全・安定的な供給を維持するために今回、価格改定に踏み切った。

デンカ ABS樹脂など9製品を再値上げ、採算是正図る

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2021年11月2日

 デンカは1日、「ABS樹脂」「デンカIP」「透明樹脂」「クリアレン」について、11月15日納入分から値上げすると発表した。対象商品は、「デンカAS」、「デンカABS」、「デンカ耐薬ABS(SRシリーズ)」、「デンカABSコンパウンド(ガラス繊維強化、摺動、PCアロイなど)」、「デンカ耐熱ABS(マレッカ)」、「デンカIP」、「デンカ透明ABS(TE、CL)」、「デンカ透明樹脂(TP、TH、TX各シリーズ)」、「クリアレン」で、改定幅はいずれも「30円/kg以上」となっている。

 国産ナフサ価格および各種原材料価格が上昇を続けており、ユーティリティコストと物流費についてもコストアップとなっている。こうした中、同社は、継続してコスト削減に取り組んでいるものの、製品の安定供給と事業の維持継続のため、値上げせざるを得ないと判断した。

東ソー エチレンアミンを値上げ、原燃料高などに対応

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2021年10月29日

 東ソーは28日、エチレンアミン全品種について、12月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「現行価格から15%以上」。

 エチレンアミンの世界需要は、アジアを中心に堅調に増加し、一部では供給不足も懸念されている。また原燃料価格、物流費、設備維持・補修費などの上昇は、同社の自助努力の限界を超えており、適正な採算確保が極めて困難な状況となっている。こうした中、今後も安定供給を継続するために価格改定に踏み切った。

信越化学工業 クロロメタン製品を値上げ、採算改善を図る

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2021年10月29日

 信越化学工業は28日、クロロメタン製品の国内向け販売価格について11月15日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、メチルクロライドが「20円/kg以上」、メチレンクロライドおよびクロロホルムが「30円/kg以上」となっている。

 同社のクロロメタン事業は、主原料となる天然ガス、メタノール価格の高騰や昨今の燃料価格の急騰による電力価格の上昇、物流費の上昇に加え、製造設備の更新費用の増加により、事業採算が急激に悪化している。同社は、あらゆるコスト低減に努めているが、自社の企業努力だけでは現状の価格水準で採算を確保することは困難なことから、価格改定の実施を決定した。

東ソー 液体カセイソーダ値上げ、国内の安定供給を維持

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2021年10月29日

 東ソーは28日、液体カセイソーダを11月21日出荷分から「20円/kg以上」(固形換算ベース)値上げすると発表した。

 カセイソーダは世界的にも堅調な需要が続く中、供給不足が重なり市況価格は大幅に上昇している。また、国内需要は昨年を上回るペースで推移し、国内の需給バランスのタイト感は継続すると想定されている。

 一方では、近年の物流費高騰、設備更新・補修費の増加、エネルギーコストの上昇も重なり、同製品の収益は大きく悪化、同社の自助努力だけでは吸収が困難な状況にある。このような状況下、同社は国内のカセイソーダ需要に対し、今後もコスト削減や省力化、合理化など、あらゆる施策を実施しながら安定供給を最優先に注力していくものの、引き続き国内向けの安定供給を維持するためにも、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

DIC 有機顔料製品を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年10月28日

 DICは27日、有機顔料(アゾ顔料・フタロシアニン顔料)について、11月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「80~400円/kg」。

 昨今、有機顔料の原料において、中国のエネルギー消費に関する規制強化を背景とした化学品の供給量減少、および需要増加などによる需給バランスのひっ迫化を受けた価格高騰が見られている。また、グローバルサプライチェーンの混乱による物流費や生産コストの上昇も継続している。

 こうした中、同社は、これ以上のコスト上昇を自社内で吸収することが極めて困難な状況にあることから、今後の安定供給と事業継続を図るため、値上げせざるを得ないと判断した。

クラレ 液状ゴムとイソブチレン系水溶性樹脂を値上げ

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2021年10月28日

 クラレは27日、液状ゴムおよびイソブチレン系水溶性樹脂「イソバン」について、11月1日出荷分から国内・海外向けの価格を値上げすると発表した。改定幅は、両製品とも国内向け「40円/kg」、海外向け「0.4USドル/kg」となっている。

 昨今の主要原材料価格の高騰や包装資材、ユーティリティを含む各種コストの上昇は、自助努力によるコスト吸収の範囲を超えるものとなっている。こうした状況下、同社は、安定供給の維持と採算改善のため、値上げの実施を決定した。