エレファンテック 三井化学の宮尾氏がAMCセンター長

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2022年5月20日

 インクジェット印刷技術をベースに、電子回路基板を低環境負荷で量産製造するエレファンテックは、4月1日付でアディティブマニュファクチャリングセンター(AMC)センター長に、三井化学から宮尾宙(みやお・ひろし)氏が着任したと発表した。

(左から)エレファンテックの清水信哉社長、同社の宮尾宙AMCセンター長、三井化学・研究開発部副本部長の善光洋文 ICTソリューション研究センター長

 AMCは、インクジェット技術を中心としてアディティブマニュファクチャリング(AM:印刷による積層造形技術)を駆使したモノづくりが、より多くの分野でメジャーな製造方法になることを目指し、2020年4月に設置。味見試験から量産まで、顧客と試行錯誤する共創拠点となっている。

 3月末に任期を終えた川本悟志前AMCセンター長(三井化学)の後任に宮尾氏を迎え入れた。三井化学・研究開発部副本部長の善光洋文ICTソリューション研究センター長は、「AM分野で世界最先端の技術をもつエレファンテックとの2年間にわたるAMCでの協業で様々な応用可能性が見えてきた」と振り返る。「今後、インクジェットによるAMの社会実装に向けて、共に素材から革新を起こしていきたい」と展望を語った。

 これに対し、エレファンテックの清水信哉社長は「自社だけでは世界全体の持続可能性に大きなインパクトを与えることはできない。弊社がハブとなり、AMに必要な材料の開発やAMの応用先の拡大など、外部ステークホルダーとの連携推進が必要だ」と強調した。

 AMを活用し持続可能なモノづくり技術を開発するエレファンテックと、従来の素材提案型ビジネスから社会課題視点のビジネスへの転換を図る三井化学、両社は協業を加速させている。さらなる連携強化を図り、インクジェットのAM技術の社会実装を推進していく。

エレファンテックなど ポリエステル抜染法を開発

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2022年4月11日

部外活動で生まれた新技術、衣類サステナに貢献

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックはこのほど、繊維加工用薬剤などに強みをもつ日華化学(福井県福井市)と、ファッション・テキスタイルロスゼロを目指すポリエステル抜染(ばっせん)技術、「ネオクロマト加工」を共同開発した。

抜染写真 「ネオクロマト加工」でTシャツの絵柄を当て紙に移し抜染する、水を一切使わないエコな技術

 同技術は、

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エレファンテック 名古屋拠点が品質・環境でISO取得

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2022年1月27日

 エレファンテックはこのほど、フレキシブル基板「P‐Flex」の大規模量産実証拠点・AMC名古屋(名古屋市南区:三井化学名古屋工場内)が、品質マネジメントシステムの国際認証規格「ISO9001」と、環境マネジメントシステムの国際認証規格「ISO14001」の認証を取得したと発表した。

AMC名古屋がISO9001(品質マネジメントシステム)とISO14001(環境マネジメントシステム)の認証取得

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エレファンテック 丸文とFPCの販売代理店契約を締結

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2022年1月18日

 エレファンテックはこのほど、同社の製造するフレキシブルプリント基板(FPC)「P‐Flex」について、エレクトロニクス商社の丸文(東京都中央区)との間で販売代理店契約を締結したと発表した。

 丸文は

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エレファンテック 気密性検査装置にFPCが量産採用

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2021年12月9日

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックはこのほど、同社が独自開発したピュアアディティブ法で生産するフレキシブルプリント基板(FPC)「P‐Flex」が、フクダの包装容器エアリークテスト装置「MSQ‐2000シリーズ」に量産採用されたと発表した。

「P-Flex」を採用した高精度圧力センサモジュール部

 同装置は、ピンホールや包装不良などによる包装容器からの空気漏れ(エアリーク)を検知する装置で、医薬品や食品などの包装容器の検査に使われる。採用された部位は、エアリーク装置の中心的役割を担う高精度圧力センサモジュール部。装置内部では複数の圧力センサモジュールを高密度に配置する必要があり、そのサイズは限りなく小型なことが求められる。

 通常、FPCの採用は機器の小型化に適しているが、ロットサイズによっては初期コストが課題となり、占有スペースの大きなケーブル配線を採用せざるを得ないケースは少なくない。エレファンテックの「P‐Flex」はその製法上、量産コスト・開発コストの負担が少なく、ロットサイズにかかわらずモジュールの小型化に貢献できるという特長があり、今回の採用の決め手となった。

 フクダの開発者は、「P‐Flexを採用した高精度圧力センサモジュールは、従来品に比べフットプリントを30%以上低減できた。複数のケーブルも1つのP‐Flexにまとまり、総部品点数の低減、組み立て作業工数の短縮も実現できた」と評価。

 エレファンテックは、今回の「P‐Flex」の採用を通じ、医療や食品の安全性に貢献していくことを励みに、さらなる技術開発を進め、品質・コスト・サービスなどの向上を目指していく。

エレファンテック 常勤監査役に元TFLの野田氏が就任

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2021年11月16日

 エレファンテックは15日、常勤監査役(外部)に元トヨタフリートリース(TFL、現トヨタモビリティサービス)取締役・常勤監査役の野田一彦氏が11月4日付で就任したと発表した。

 野田氏は、独立した客観的な立場から取締役の職務執行を監査することで、不祥事などを防止するとともに、企業の健全で持続的な成長を確保し、社会的信頼に応える良質なガバナンス体制の確立に携わる。また、そのキャリアを生かし、エレファンテックの事業拡大などへの貢献が期待されている。

 野田氏は1980年にトヨタ自動車販売(限トヨタ自動車)に入社。豊田通商などを経て、2011年にTFLに出向。同社の取締役、常勤監査役などを歴任した。

エレファンテック PI基材のFPCが米安全認証取得

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2021年11月1日

「P-Flex PI」が米国安全規格UL認証を取得。安全性の認知向上と製品訴求を図る

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックはこのほど、自社で製造するポリイミド樹脂(PI)を基材とするフレキシブルプリント基板(FPC)の「P-Flex PI」が、米国の国際的な第3者試験・認証機関のULから難燃性規格「V-0」に関する認証を取得したと発表した。今回の認証取得を機に、「P-Flex PI」の信頼性と安全性の高さの認知向上を図り、より多くのユーザーに向けて同製品を訴求していく考えだ。

 「P-Flex」シリーズは、樹脂基材表面にインクジェット印刷した銀などの金属ナノインク上のみに、無電解めっきにより銅などの金属を成長させる「ピュアアディティブ法」で生産。エネルギーや水の使用量、廃棄物量を劇的に削減できることから、環境負荷を低減する。PI基材を採用し耐熱性と難燃性を向上させたことで、使用用途を広げ実装性を大幅に高めた。

エレファンテック 「新木場R&Dセンター」を開設

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2021年10月8日

 

新木場写真 新たなR&Dセンターを拠点に、インク材料からインクジェット装置まで一貫して研究開発を行う
新木場写真 新たなR&Dセンターを拠点に、インク材料からインクジェット装置まで一貫して研究開発を行う

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックは7日、東京・江東区に「新木場R&Dセンター」を新規に開設すると発表した。

 同センターでは、インク材料からインクジェット(IJ)装置まで垣根なく一貫して研究開発を行うことで、効率的なプロセスを開発する環境を整備するとともに、IJによる環境に優しいものづくりの研究開発と社会への普及を加速していく考えだ。

 2階建て、延床面積578㎡。1階にはクリーンルームを設置し、IJを中心とした装置開発を進めていく。2階では主にインクや表面処理の材料評価や開発を行う。稼働開始は来年1月を予定する。

 同社は、IJによる金属印刷技術と無電解銅めっきを使ったフレキシブル基板の量産化に成功。従来に比べ桁違いに環境負荷が低く、低コストである利点が評価され、市場への浸透が進んでいる。ただ一方で、微細化や多層化などの性能面では既存技術に優位性があり、同社技術が市場の大半を置き換えるには至っていない。

 こうした背景の下、同社は、「新木場R&Dセンター」を新たな拠点として研究開発を推進し、性能面の向上を図ることで市場拡大を狙っていく。また、同センターを研究者や開発者がフルに活躍できる場と位置づけ、化学系、機械系、電気系、ソフトウエアなど幅広い分野からの新規採用を進めていく。

エレファンテック 電子部品に向けNiナノインク開発へ

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2021年10月6日

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックは5日、SSテクノ(福岡県小郡市)、大阪産業技術研究所(大阪技術研)と共同で、インクジェット(IJ)用ニッケル(Ni)ナノインク開発とNi電極・配線形成IJプロセス開発に向けた評価を開始したと発表した。エレファンテックはこのプロジェクトにより、電子部品製造プロセスに貢献する金属ナノインクの開発を目指す考えだ。

ニッケル(Ni)インクをバーコート塗布し、無電解銅(Cu)めっきで積層したサンプルの断面
ニッケル(Ni)インクをバーコート塗布し、無電解銅(Cu)めっきで積層したサンプルの断面

 IJ印刷の対象となる基材は、焼成温度が比較的高温になるセラミクスやガラス、シリコンウエハなどを想定する。 

 Niナノインクを利用した電極の形成は、薄膜化のメリットがある。例えば、積層セラミックコンデンサにNi電極を展開した場合、内部電極の薄膜化により、コンデンサのさらなる小型化や大容量化が期待される。

 また、銀(Ag)ナノインクと比べてコスト削減になるほか、セラミクス層内への拡散が抑えられることから、絶縁不良の原因となる金属成分の移動現象(マイグレーション)の防止効果も期待される。共同開発では、IJヘッドと相性のよいNiナノインクの組成検討や、印刷後の導電性確保に向けた焼成条件を検討していく。

 具体的には、大阪技術研が開発に成功した直径50㎚以下のNiナノ粒子を使って、SSテクノがインク調合開発を行い、エレファンテックがIJプロセスの開発を推進することで、電極層のさらなる薄膜化を目指していく。

 エレファンテックによれば「IJ印刷可能なインクがなかなか見つからないため、今回の開発に踏み切った」とのこと。同社は金属インク種のバリエーション拡充を図り、電子部品製造プロセスをはじめとする新しい分野でのIJ活用事業をより一層推進していく考えだ。