エレファンテック 常勤監査役に元TFLの野田氏が就任

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2021年11月16日

 エレファンテックは15日、常勤監査役(外部)に元トヨタフリートリース(TFL、現トヨタモビリティサービス)取締役・常勤監査役の野田一彦氏が11月4日付で就任したと発表した。

 野田氏は、独立した客観的な立場から取締役の職務執行を監査することで、不祥事などを防止するとともに、企業の健全で持続的な成長を確保し、社会的信頼に応える良質なガバナンス体制の確立に携わる。また、そのキャリアを生かし、エレファンテックの事業拡大などへの貢献が期待されている。

 野田氏は1980年にトヨタ自動車販売(限トヨタ自動車)に入社。豊田通商などを経て、2011年にTFLに出向。同社の取締役、常勤監査役などを歴任した。

エレファンテック PI基材のFPCが米安全認証取得

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2021年11月1日

「P-Flex PI」が米国安全規格UL認証を取得。安全性の認知向上と製品訴求を図る

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックはこのほど、自社で製造するポリイミド樹脂(PI)を基材とするフレキシブルプリント基板(FPC)の「P-Flex PI」が、米国の国際的な第3者試験・認証機関のULから難燃性規格「V-0」に関する認証を取得したと発表した。今回の認証取得を機に、「P-Flex PI」の信頼性と安全性の高さの認知向上を図り、より多くのユーザーに向けて同製品を訴求していく考えだ。

 「P-Flex」シリーズは、樹脂基材表面にインクジェット印刷した銀などの金属ナノインク上のみに、無電解めっきにより銅などの金属を成長させる「ピュアアディティブ法」で生産。エネルギーや水の使用量、廃棄物量を劇的に削減できることから、環境負荷を低減する。PI基材を採用し耐熱性と難燃性を向上させたことで、使用用途を広げ実装性を大幅に高めた。

エレファンテック 「新木場R&Dセンター」を開設

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2021年10月8日

 

新木場写真 新たなR&Dセンターを拠点に、インク材料からインクジェット装置まで一貫して研究開発を行う
新木場写真 新たなR&Dセンターを拠点に、インク材料からインクジェット装置まで一貫して研究開発を行う

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックは7日、東京・江東区に「新木場R&Dセンター」を新規に開設すると発表した。

 同センターでは、インク材料からインクジェット(IJ)装置まで垣根なく一貫して研究開発を行うことで、効率的なプロセスを開発する環境を整備するとともに、IJによる環境に優しいものづくりの研究開発と社会への普及を加速していく考えだ。

 2階建て、延床面積578㎡。1階にはクリーンルームを設置し、IJを中心とした装置開発を進めていく。2階では主にインクや表面処理の材料評価や開発を行う。稼働開始は来年1月を予定する。

 同社は、IJによる金属印刷技術と無電解銅めっきを使ったフレキシブル基板の量産化に成功。従来に比べ桁違いに環境負荷が低く、低コストである利点が評価され、市場への浸透が進んでいる。ただ一方で、微細化や多層化などの性能面では既存技術に優位性があり、同社技術が市場の大半を置き換えるには至っていない。

 こうした背景の下、同社は、「新木場R&Dセンター」を新たな拠点として研究開発を推進し、性能面の向上を図ることで市場拡大を狙っていく。また、同センターを研究者や開発者がフルに活躍できる場と位置づけ、化学系、機械系、電気系、ソフトウエアなど幅広い分野からの新規採用を進めていく。

エレファンテック 電子部品に向けNiナノインク開発へ

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2021年10月6日

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックは5日、SSテクノ(福岡県小郡市)、大阪産業技術研究所(大阪技術研)と共同で、インクジェット(IJ)用ニッケル(Ni)ナノインク開発とNi電極・配線形成IJプロセス開発に向けた評価を開始したと発表した。エレファンテックはこのプロジェクトにより、電子部品製造プロセスに貢献する金属ナノインクの開発を目指す考えだ。

ニッケル(Ni)インクをバーコート塗布し、無電解銅(Cu)めっきで積層したサンプルの断面
ニッケル(Ni)インクをバーコート塗布し、無電解銅(Cu)めっきで積層したサンプルの断面

 IJ印刷の対象となる基材は、焼成温度が比較的高温になるセラミクスやガラス、シリコンウエハなどを想定する。 

 Niナノインクを利用した電極の形成は、薄膜化のメリットがある。例えば、積層セラミックコンデンサにNi電極を展開した場合、内部電極の薄膜化により、コンデンサのさらなる小型化や大容量化が期待される。

 また、銀(Ag)ナノインクと比べてコスト削減になるほか、セラミクス層内への拡散が抑えられることから、絶縁不良の原因となる金属成分の移動現象(マイグレーション)の防止効果も期待される。共同開発では、IJヘッドと相性のよいNiナノインクの組成検討や、印刷後の導電性確保に向けた焼成条件を検討していく。

 具体的には、大阪技術研が開発に成功した直径50㎚以下のNiナノ粒子を使って、SSテクノがインク調合開発を行い、エレファンテックがIJプロセスの開発を推進することで、電極層のさらなる薄膜化を目指していく。

 エレファンテックによれば「IJ印刷可能なインクがなかなか見つからないため、今回の開発に踏み切った」とのこと。同社は金属インク種のバリエーション拡充を図り、電子部品製造プロセスをはじめとする新しい分野でのIJ活用事業をより一層推進していく考えだ。

 

 

エレファンテック 新開発、厚膜フレキシブル基板を投入

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2021年9月17日

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックは、高速無電解めっきを活用したフレキシブル基板(FPC)に、基板上の配線となる銅膜の厚さが12㎛の厚膜タイプの「P-Flex PI」をラインアップに加え、15日から受注を開始した。銅膜厚を従来品と比べて4倍に厚くしたことで、高い電流値にも対応可能となることから、顧客ニーズへの適応力を高め、新たな市場開拓を図る考えだ。

新たにラインアップに加わった厚膜の「P-Flex PI」

 同社のFPCは、インクジェット技術をベースにした独自製法「ピュアアディティブ法」で製造する。従来のエッチング法と異なり製造工程を大幅に簡略化できるため、エネルギーや水の使用量や廃棄物量の劇的な削減により、環境負荷が低い、試作や量産への柔軟な対応が可能、高いコスト競争力をもつといった特長を備える。ただその利点の反面で、高耐熱性のポリイミド基材に同製法を施した「P-Flex PI」の銅膜厚は標準仕様で3㎛と一般的なFPCに比べて薄く、用途によっては使用できないという課題があった。ユーザーからは「銅膜がもっと厚ければ、高い電流値に対応でき電圧降下も抑えられるため、適用範囲が広がる」との声も多かった。

厚膜「P-Flex PI」(左)と既存品の走査電子顕微鏡による断面図

 同製法では樹脂製のフィルム基板上に銀をインクジェット印刷したのちに、無電解銅めっきを行う。この無電解銅めっきは、インクジェット印刷した銀が触媒として働くことで銀を印刷した部分にのみ銅が成長する仕組み。銀を印刷した部分に均一に成長する「均一性」、銀を印刷していない部分には成長しない「選択性」、高速に成長するための「高速性」の3つの要素が必要になる。これまで銅膜を厚く成長させること自体は研究レベルではできていたものの、量産レベルでは3要素をうまく調整することができず量産での供給は銅膜厚3㎛が限界だった。そこで印刷プロセスとめっきプロセスを同時に最適化し3要素のバランスを追求することにより、12㎛の銅膜厚を形成させながらも量産化に成功した。

厚膜「P-Flex PI」の層構成

 今回開発した厚膜の「P-Flex PI」は、エレファンテックの大規模量産実証拠点「AMC名古屋」での生産を予定する。同拠点の現在の生産能力は月産2万㎡。厚膜タイプを加えラインアップを強化し、既存品と合わせでフル生産を目指す。なお、開発にあたっては、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の成果の一部を活用した。

 

エレファンテック レーザー併用しFPC微細加工を開発

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2021年5月17日

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックはこのほど、レーザー加工とインクジェット技術を併用した片面フレキシブル基板(FPC)の配線パターンの微細加工技術を開発し、同技術により生産する「P-Flex PI」の受注を開始した。この技術は、NEDO助成事業の成果の一部を活用したもの。

今回受注を開始する100/100μmの「P-Flex PI」

 同製品の大きな特長は3つ。①同社主力製品の片面FPC「P-Flex」と同様にインクジェット技術をベースにした製法のため、環境負荷が低く、柔軟な試作・量産への対応が可能で、高いコスト競争力を維持できる。また、②レーザー技術の活用によって、最小線幅/線間(L/S)が従来の200/200㎛から、100/100㎛まで対応可能になり、さらに今後は、50/50㎛にも対応していく予定だ。加えて、③「インクジェットによるパターンの大枠形成」と「レーザー加工による最終仕上げ」と2つの技術を組み合わせることにより、従来のレーザーの弱点であったスピードを克服し、量産性と微細化の両方を実現した。

『P-Flex PI』のインクジェットとレーザーの併用のイメージ
「P-Flex PI」のインクジェットとレーザーの併用のイメージ

 具体的な工法としては、インクジェットにより銀ナノ粒子を印刷したあと、レーザー加工で一部の銀ナノ粒子を削り飛ばし、銀ナノ粒子をシード層として無電解銅めっきによって配線を形成するというもの。これまでもレーザー加工で配線パターンを形成する方法は考案されていたが、加工時間が問題となり量産には不向きな製法であると考えられていた。今回、同社のもつ高精度なインクジェット印刷技術とレーザー加工組み合わせ、インクジェット印刷技術で精度が足りない部分のみレーザーで追加工する方式によって、量産性を損なうことなく、また、版や型を使わない利点も維持したまま、より高精細なパターン形成が可能になった。

 IoTやAIのニーズが高まる中、より一層微細化に対応したフレキシブル基板が求められている。こうしたニーズに応えるため、同社ではインクジェット技術を軸に「P-Flex」の改良を重ね、その微細化対応を加速させるためにレーザー技術を活用した製品を新たにラインアップに加えた。

エレファンテック 名古屋でFPC大規模量産拠点が稼働

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2021年2月18日

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックは17日、片面フレキシブル基板(FPC)「P-Flex」の大規模量産実証拠点「AMC名古屋」が稼働を開始したと発表した。

AMC名古屋の外観
AMC名古屋の外観

 一昨年の10月に総額18億円の資金調達を実施し、昨年7月より賃借している三井化学名古屋工場内に同拠点を立ち上げていたが、先月から試作品の製造・出荷を開始、順次設備の調整を進めて4月から量産製品の製造・出荷を始める。生産能力は月産5000㎡、その後設備を増設し2024年には月産2万㎡へと拡張する計画だ。

清水信哉社長。オンライン記者会見で
清水信哉社長。オンライン記者会見で

 同日にオンラインによる記者会見を開催し、清水信哉社長は「AMC名古屋」の大きな役割として、①世界の標準となるマザー工場②インクジェットイノベーションの拠点③スタートアップと大企業の新しい形での共創実証拠点、の3つを挙げた。その背景には、30億円規模の製造能力をもつ「AMC名古屋」をマザー工場として、量産・製造技術を実証していき、そこで積み上げた実績を土台に同社の装置を世界に向けて販売・ライセンスしていくというチャレンジがある。清水社長は、「2030年までに

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エレファンテック EIZOの曲面モニターにFPCが採用

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2020年12月9日

 プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックはこのほど、同社の片面フレキシブル基板(FPC)「P-Flex」が、EIZOのウルトラワイド曲面モニター「FlexScan EV3895」の操作スイッチ部に量産採用されたと発表した。同モニターは先進的な湾曲形状のモニターで、静電操作スイッチ部も特徴的な湾曲形状仕様になっている。エレファンテックの「P-Flex」がもつ曲面にフィットするフレキシブル性と、その製法上の量産コストや開発コストの負担の少なさが採用の決め手となった。

EIZOの『FlexScan EV3895』。静電操作スイッチ部にエレファンテックの『P-Flex』を採用した
EIZOの「FlexScan EV3895」。静電操作スイッチ部にエレファンテックの「P-Flex」を採用した

 「P-Flex」は、エレファンテックが独自開発した「ピュアアディティブ法」により、必要な部分にインクジェットプリンターでシード層(銀ナノ粒子)を形成し、さらに高速無電解銅メッキで配線を形成する。従来のプリント基板の製法と比較した場合、必要な部分のみに回路形成するため金属の無駄がないことはもとより、化学薬品を使うエッチング処理を行わないため、環境負荷低減に大幅に貢献できる製造工法でもある。

 EIZOの開発者は、「当社初のウルトラワイド曲面モニターを開発するにあたり、機能美を徹底的に追求した他社にはない製品を目標とした。エレファンテックの「P-Flex」の採用により、様々な角度や高さの設置環境でも、ストレスなく機能を選択できるスイッチ構造を実現することが可能となり、さらに洗練されたデザインを維持することができた」と評価。一方、エレファンテックは「高品質・高機能なモニターメーカーであるEIZOのフラッグシップモデルに採用されたことは、とても励みになる」とコメント。今後は、さらなる技術開発を進めるとともに、品質やコスト、デリバリー、サービスの向上に努めていく考えだ。

エレファンテック 日清紡メカトロニクスと自動車材で合意

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2020年10月14日

技術融合しADAS車向けに23年の量産目指す

 プリンテッド・エレクトロニクス分野のスタートアップ企業であるエレファンテックはこのほど、日清紡メカトロニクスとの間で、ADAS(先進運転支援システム)搭載車に向けた「配線一体型成形部品」の開発について基本合意を締結した。日清紡メカトロニクスグループがもつ樹脂の射出成形技術と、エレファンテック独自のインクジェット印刷による樹脂への立体配線技術「IMPC技術」の融合により、2023年の量産開始を目指していく。

IMPC技術の導入例。曲面状の樹脂にインクジェット印刷で配線したオーバーヘッドコンソール(車内灯)。タッチセンサーに触れるとライトが点灯する
IMPC技術の導入例。曲面状の樹脂にインクジェット印刷で配線したオーバーヘッドコンソール(車内灯)。タッチセンサーに触れるとライトが点灯する

 7日にリモートで行った記者説明会で、エレファンテックの清水信哉社長は、「今回の合意の最大のポイントは

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