クラレの1-3月期 コロナウイルスの影響で減収減益

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2020年5月15日

 クラレは14日、2020年度第1四半期(1―3月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比3%減の1369億円、営業利益は18%減の120億円、経常利益は12%減の113億円、純利益は10%増の67億円となった。

 セグメント別に見ると、ビニルアセテートセグメントは減収減益。ポバール樹脂は、世界的な需要低迷により数量減。光学用PVAフィルムは、液晶パネルの在庫調整の影響で前年並み。PVBフィルムは自動車向けが低調に推移した。一方、水溶性PVAフィルムは個包装洗剤用途で販売が拡大した。エバールは、食品包材用途の販売量は増加したが、ガソリンタンク用途は自動車生産減少の影響で低調に推移した。

 イソプレンセグメントは減収減益。イソプレン関連は、ファインケミカルで中国向けを中心に出荷が減少。熱可塑性エラストマー「セプトン」は、米国需要は堅調であったが、アジアの販売は苦戦した。耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は、電気・電子デバイス用途の中国での先取り需要で販売量が増加。車載用コネクタ向けの新規採用も順調に進んだ。

 機能材料セグメントは増収増益。メタクリルは、樹脂・シートの販売量は増加したが、市況悪化の影響を受けた。メディカルは、歯科材料の輸出を中心に先取り需要があり堅調に推移したが、欧米を中心に歯科医の休業のため需要減速が懸念される。カルゴン・カーボンは、北米では飲料水用途を中心に堅調であったが、欧州は低調。炭素材料は高付加価値品が伸長した。

 繊維セグメントは減収減益。人工皮革「クラリーノ」は、アジアと欧州での需要低迷で販売が減少。繊維資材は、セメント補強用のビニロンが低調、ゴム資材向けも自動車減産が影響した。一方、「ベクトラン」は堅調。生活資材は、「クラフレックス」がマスク用途で増販したが、コスメティック用途と自動車用途で需要が減少した。

 トレーディングセグメントは減収増益。繊維関連事業は、スポーツ衣料用途が順調だったものの、樹脂・化成品関連事業は、国内と中国向け販売が苦戦。その他事業は、国内関連会社の販売が低調で減収減益だった。

 なお同日、業績予想の修正を発表。上期(1―6月)の連結業績予想を売上高2600億円(前回予想比300億円減)、営業利益150億円(同130億円減)に下方修正している。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による経済活動の制限により、第2四半期以降さらなる需要減退が避けられず、それに伴う生産調整などを見込んだ。通期連結業績ついては、合理的な算定が困難なため未定としている。

 

クラレ 新型コロナに対応 伊藤社長がメッセージを発信

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2020年5月11日

伊藤 正明社長

 クラレは8日、伊藤正明社長がクラレグループの新型コロナウイルスに関する取り組みについてメッセージを発表した。

 同社グループは「社員やその家族などすべてのステークホルダーの安全と健康を最優先する」という基本方針の下、海外出張の禁止、国内出張の制限、原則在宅勤務(工場は事業継続を前提とした人員体制で運営)などの対応を進めてきた。

 伊藤社長は「社会に必要とされる製品を供給し、サプライチェーンを支えていくことは、グループ全体に課せられた重要な役割であり、BCPに基づき感染防止策を徹底した上で生産活動を継続している。今後も、社員やその家族などすべてのステークホルダーの安全、および健康に最大の配慮をしつつ、『社会に有用な価値を提供する』という私たちの理念をいま一度心に刻み、お客様や取引先様の事業への影響を最小限にする努力をしていく」との考えを示している。

クラレ 新小学1年生の「将来就きたい職業」調査を実施

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2020年4月14日

 クラレはこのほど、この春に小学校に入学する子どもとその親を対象に「将来就きたい職業」「就かせたい職業」のアンケート調査を実施した。

 子どもが将来就きたい職業の1位は男の子「スポーツ選手」、女の子「ケーキ屋・パン屋」で、ともに調査開始以来22年連続トップ。

 男の子の「スポーツ選手」の内訳は、サッカー、野球に続き、ラグビーが人気を集めたものの、その比率は2007年をピークに減少傾向にある。一方、2012年から9年連続2位となった「警察官」は15%とポイントを上げ、1位との差を詰めた。「ユーチューバー」は初のトップテン入り。「宇宙関係」(宇宙飛行士など)も過去最高の11位となった。

 女の子については「ケーキ屋・パン屋」が26%で、2位以下を大きく引き離してトップ。内訳は、ケーキ屋とパティシエが約8割を占めた。2位にはアイドル人気を背景に「芸能人・歌手・モデル」が入り、「看護師」「保育士」など、子どもたちにとって身近な職業が比率を伸ばした。

 調査は「クラリーノ」製ランドセルの購入者を対象に実施。昨年7月から12月のインターネット回答分から有効回答を抽出した。有効回答は子ども4000人(男女各2千人)とその親4000人。調査回数は、子どもが1999年から通算22回、親は1992年から通算29回目となる。

 

【化学企業 入社式訓示④】クラレ 伊藤正明社長

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2020年4月7日

 入社おめでとう。希望に燃えて入社した皆さんを、クラレグループに迎えることができて、本当に嬉しく思う。皆さんには、それぞれが置かれた立場、配属された部署で自分自身の成長を目指してほしい。それぞれに与えられる職務、仕事内容は違うことから、同期同士で同じレベルや低い目線のところで競争するのではなく、互いの異なる部署での経験を生かし、協力し合って高いレベルの成長を目指してもらいたい。

 話は変わるが、皆さんは何のために働こうと考えているか? 我々は幸せになるために、幸せな生活、幸せな人生を送るために、クラレグループで働いているのだと私は考えている。間違っても会社のために働いている、などとは思わないでほしい。時間は、すべての人に等しく与えられた大事な資源だ。一人ひとりが、限られた時間を大事に使って、価値の創造と自己の成長を目指しながら、「働き甲斐」「生き甲斐」を実感できるように頑張ってほしい。

 また、これから仕事に取り組む際の心構えだが、「よく聞く」「小さな仕事を大切に」「仕事に取り掛かる前から、できないと言わない」「失敗を隠すな。失敗から逃げるな」、この4点を肝に銘じて実践してもらいたい。

 もう1つ話をしておく。健康管理をしっかりやりながら事業所での実習の間、大きく眼を見開いて色々なことを見てほしい。クラレグループは、「安全はすべての礎」という言葉を行動原則として掲げ、従業員の皆さんが安心して操作できる設備や機械を設置し、さらに安全に作業ができるよう改善活動や投資を行っている。そして、クラレグループの全社員が安心して働ける明るい職場環境の整備と制度の充実に取り組んでいる。

 またクラレグループは、その生産活動によって近隣住民の皆様の生活環境に影響を及ぼすことが無いよう、安全で安定した生産活動を追求し、排出物や騒音の低減などの環境保全活動を推進している。これらの活動も含めて、メーカーの根本である生産活動を担っている事業所で、先輩社員の苦労を身近に感じて実習することは大変有意義だ。

 この実習を通して、自分の眼で見ることと自分の頭でよく考えること、そして行き詰まったら素直に教えを乞う姿勢を身につけて、1日も早く立派なクラレパーソンとして自立できるよう頑張ってほしい。

クラレ 米国火災事故を教訓、安全対策を強化

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2020年3月25日

伊藤社長「安全のための設備投資は着実に実施」

 クラレは、先日開催された決算説明会において、米国エバール工場火災に伴う訴訟や今後の安全対策について説明を行った。

 事故は、2018年5月に安全弁から漏れたエチレンガスが引火し発生。その後、当局の調査が行われ、安全設備の改造を実施した。同年9月には主要生産ラインが稼働を開始し、11月末に事故発生ラインが復旧したことで生産体制は正常化している。

 設備復旧と安全対策費用としては、補修や安全対策、また他のプラントへの横展開も含め約4億円程度だった一方、訴訟については、当時現場で働いていた外部委託業者160名が原告として提訴。2019年10月には一部原告と和解し、和解費用100億円を含む特別損失140億円を計上、さらに11月には140名超に対し訴訟引当金340億円の特別損失を追加計上した。今年1月には一部原告と和解(約289億円)が成立したが、残りの原告とは和解交渉が継続している。

 再発防止に向けた取り組みについて伊藤正明社長は、「特に海外プラントにおいて、

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クラレ 人事(16日)

2020年2月17日

[クラレ・人事](16日)▽ビニルアセテート樹脂カンパニーポバール樹脂事業部グローバルオペレーショングループ主管谷本智史▽イソプレンカンパニーイソプレンケミカル事業部化学品販売部長松田英樹▽同事業部品質・開発統括部長清水和哉。

クラレの1-12月期 米社の火災事故訴訟費用で純損失

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2020年2月14日

 クラレは13日、2019年12月期の連結業績を発表した。売上高は前年比5%減の5758億円、営業利益18%減の542億円、経常利益21%減の483億円、純損失20億円(前期比355億円悪化)となった。

 伊藤正明社長は「世界的な景気減速の影響を受け、多くの事業で

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クラレ 欧州で水溶性ポバールフィルムの生産設備を新設

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2020年2月14日

 クラレは13日、水溶性ポバールフィルムの生産設備を、ポーランドのジムナ・ブトカに新設することを決定したと発表した。投資金額は約50億円で、2022年半ばの稼働を予定している。

 水溶性ポバールフィルムは、洗剤・化粧品・食品・農薬・薬剤などの個包装用フィルムとして世界的に需要が伸長しており、今後も市場の拡大が見込まれている。米国では同社の子会社モノソルが、米国中西部を中心に生産拠点を持っており、水溶性ポバールフィルムの製造・販売を行っている。

 今回ポーランドに生産拠点を新設し、グローバルサプライチェーンの最適化と欧州の販売拡大を図っていく。クラレは、今後も水溶性ポバールフィルムの世界№1サプライヤーとして、顧客の多様化するニーズに対応するため、供給体制を拡充するとともに新製品の開発や一層の品質向上に注力していく方針だ。

クラレ 新型ウイルスで対策チーム設置、感染拡大へ対応

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2020年2月12日

 クラレグループでは、グループ従業員の安全確保の観点から、世界保健機構(WHO)や外務省などの発表をもとに、同社の危機管理基準に則り、地域ごとに警戒レベルの発信と出張可否に関する決定を行っている。今回の新型コロナウイルスの感染拡大に関しては、先月24日にクラレグループ対策チームを設置した。

 具体的には、グループ従業員に対し(2月6日時点)、①中国本土(香港・マカオ・台湾は含まない。以下同様)への出張の原則禁止②中国本土からの海外出張の原則禁止③中国本土から一時帰国している駐在員の出社や取引先への訪問の一時制限―の対応を行う。③の一時帰国者には、帰国後10日間、出社や取引先への訪問を原則禁止とし、電話会議・ウェブ会議などを活用した在宅勤務を義務づける。

 一方、中国グループ会社の稼働と従業員への対応については、同社グループは、中国本土に上海を中心として13のグループ会社があるが、湖北省武漢市には拠点がないことから、現地グループ会社に関しては、中央政府や地方政府の方針に従った稼働開始を予定し、従業員の安全確保に配慮し対応していくとしている。

 同社では、今後も各方面からの情報収集を行い、状況に合わせて必要な対応を速やかに実施していく考えだ。