トクヤマの3月期 コスト削減するも販売軟化で減収減益

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2020年5月18日

 トクヤマは15日、2020年3月期の連結業績を発表した。売上高は前期比3%減の3161億円、営業利益は3%減の343億円、経常利益は2%減の328億円、純利益は42%減の199億円だった。

 世界経済は米中貿易摩擦を背景に減速、その後日本では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による輸出の減少・個人消費の落ち込みと、景気は大きく後退した。このような中、同社は中期経営計画で掲げた重点施策に取り組んできた。徳山製造所のコスト削減に一定の成果はあったものの、主力製品を中心とした販売軟化により減収減益となった。

 セグメント別で見ると、化成品セグメントは、売上高5%減の937億円、営業利益9%減の154億円で減収減益。カセイソーダは、販売は堅調だが原料価格上昇と海外市況の下落で減益、塩ビ樹脂は、原料価格と販売価格のスプレッド維持により増益となった。酸化プロピレンは、主用途のウレタン向けが伸び悩み、塩化カルシウムは、少雪による販売売量減少と物流費増加が響き減益だった。

 特殊品セグメントは、売上高9%減の545億円、営業利益29%減の71億円で減収減益。多結晶シリコンと放熱材は半導体市場に回復の兆しがあるものの、顧客の在庫調整による数量減少で減益。電子工業用高純度薬品は、海外向けを中心に数量が回復し前期並みで推移した。

 セメントセグメントは、売上高6%減の873億円、営業利益20%増の38億円で減収増益。石炭価格の下落により製造コストは低減したが、軟調な販売と修繕費などの増加により減益、資源リサイクルは、廃棄物受入数量増により増益となった。

 ライフアメニティーセグメントは、売上高2%増の563億円、営業利益11%減の29億円で増収減益。プラスチックレンズ関連材料は、メガネレンズ用フォトクロミック材料の増加で増益。歯科器材は、海外を中心に数量増加したが、新製品の広告宣伝費などの増加が利益を下押しした。医療診断システムは、臨床検査機器システム案件獲得が堅調に推移し増益。イオン交換膜は、大型案件の減少により減益となった。

 なお、2021年3月期の通期業績予想については、新型コロナの影響は、第2四半期より徐々に薄れ第3四半期以降回復に向かうものと想定し、売上高2%減の3100億円、営業利益18%減の280億円、経常利益15%減の280億円、純利益10%増の220億円を見込んでいる。

トクヤマ 人事(6月24日)

2020年4月27日

[トクヤマ・人事](6月24日)▽解兼研究開発担当、代表取締役、社長執行役員化成品、セメント、ライフアメニティー、監査室担当横田浩(6月24日開催予定の定時株主総会にて選任予定)▽取締役、研究開発担当、常務執行役員、研究開発部門長兼つくば研究所長岩崎史哲。

【化学企業 入社式訓示④】トクヤマ 横田浩社長

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2020年4月7日

 皆さんはかつて人類が経験のしたことのない、変化が常態化した世の中を生き抜いていかねばならない。例えば地球温暖化問題。これは火力発電を持つ当社にとって大きなリスクとなっている。解決すべき最優先課題として、会社を挙げて取り組んでいるが、私が会社に入った頃にこのような事態は予想すらしなかった。

 当社は4つの価値観を定めているが、それがこの不透明な世の中を生きていく上での道標になる。①「顧客満足が利益の源泉」:独りよがりにならず、世の中が求める価値を創造・提供し続ける②「目線はより広くより高く」:世界を広く俯瞰して高い志を持って目標にチャレンジする③「前任を超える人材たれ」:前例踏襲ではなく変化に応じて新たなソリューションを考え実行する④「誠実、根気、遊び心」:奢ることなく、粘り強く、いいと思ったことはワクワク感を持ってチャレンジする。この4つの価値観を常に心にとめて実践してほしい。

 それからもう1つ大事なことをお伝えする。皆さんは会社にとってかけがえのない原石だ。原石は磨き続けてこそ宝石となる。最初の3年が肝心。とにかく勉強する習慣をつけてほしい。勉強は机に座ってするだけではない。実務を覚える、現場に出て実践する、失敗する、理屈を考える、人との対話を通じて気づきを得る、英会話の勉強をする、新聞を読む、趣味に没頭する、あらゆることが勉強となる。

 これを続けていくことで、ヘンリー・ミンツバーグが提唱したクラフト(経験)、アート(直感)、サイエンス(分析)がバランスよく身に付き、自分なりのもの見方、考え方が養われ本当の意味での個性が磨かれていくものだと思う。

 時間は個々人に与えられた2度と戻らない大事な資源だ。あの時やっておけばよかったと後悔することのないよう日々過ごしてほしい。学歴などは関係ない。今から“ヨーイドン”のスタートだ。

 トクヤマは、人材と特有技術をベースに日本一・世界一の仕事をしていくことを在りたい姿に掲げている。これまで述べたことを実践して世界に羽ばたく国際人になるべく勉強し続けてほしい。

 最後に、創業者・岩井勝次郎が残した言葉「常に事業は艱難になり安逸に破る」をお伝えし、皆さんのこれからのご健勝と輝かしい未来を祈念する。

 

トクヤマ 役員人事(4月1日)

2020年3月10日

[トクヤマ・役員人事](4月1日)▽購買・物流部門長、取締役、経営企画、CSR、総務人事、購買・物流、秘書室担当常務執行役員、経営企画本部長杉村英男▽常務執行役員、研究開発部門長兼つくば研究所長岩崎史哲▽執行役員、ライフアメニティー部門副部門長田村直樹▽退任(常務執行役員、購買・物流部門長)、顧問安中利彦▽フェロー、MAグループ関雅彦▽同、TSグループリーダー百田潤二※高度専門領域で、卓越した知識や専門能力を有する人材の処遇を明確にするため、フェローを新設する。処遇は、執行役員担当とするが、役割は担当分野における成果創出とする。

トクヤマの4-12月期 主力製品の販売軟調で減収減益

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2020年2月3日

 トクヤマは31日、2019年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比1%減の2365億円、営業利益3%減の248億円、経常利益0.4%増の238億円、純利益8%減の180億円だった。多結晶シリコンやセメントなど、主力製品の販売が軟調で減収減益となった。

 セグメント別に見ると、化成品セグメントは売上高4%減の712億円、営業利益7%減の118億円。カセイソーダは、販売数量は堅調に推移したが、原料価格の上昇や海外市況下落により減益となった。塩ビ樹脂はスプレッドを維持し増益となった。酸化プロピレンはウレタン向けの販売数量が減少し減益。塩化カルシウムは少雪影響で販売数量が減少し、また物流費の増加により減益となった。

 特殊品セグメントは売上高9%減の385億円、営業利益35%減の45億円。半導体向け多結晶シリコンと放熱材は、半導体市場に回復の兆しがあるものの、顧客の在庫調整により販売量が減少し減益。電子工業用高純度薬品は、海外向けを中心に販売数量が回復し前期並みとなった。

 セメントセグメントは売上高4%減の664億円、営業利益18%増の26億円。セメントは石炭価格下落により製造コストは低減したものの販売数量が軟調に推移し、また修繕費など固定費が増加し減益となった。一方、資源リサイクルは廃棄物受入数量が増加し増益だった。

 ライフアメニティーセグメントは売上高6%増の423億円、営業利益3%減の23億円。メガネレンズ用フォトクロミック材料は販売数量増、臨床検査機器システム案件では受注増によりそれぞれ増益となった。歯科材料は海外を中心に販売数量が伸びたが、新製品上市に伴う広告宣言費などが増加し減益となった。イオン交換膜は大型案件が減少し減益だった。

 通期業績予想については「半導体を中心とする国内需要や原燃料価格の先行きに不透明感があるものの、通期計画達成に向け注力していく」(同社)とし、前回予想を据え置いている。

《化学企業トップ年頭所感》トクヤマ 横田浩社長

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2020年1月9日

 2019年は世界の至る所でリベラル・自由貿易といった価値観に対する揺り戻しや覇権主義、保守主義の台頭など世界の政治・経済が混迷を深めた1年だった。

 そうした情勢下、当社も米中貿易摩擦に端を発した5Gの立ち上がりの遅れにより、エレクトロニクス関連製品を主力とする特殊品は大きく減収減益となったほか、中国・インドの景気減速により化成品も計画を大きく下回る結果となった。

 このように、中期経営計画に掲げる4つの重点課題のうち、財務体質改善を除いては、まだ十分な成果を上げていない。トクヤマビジョンに掲げる2025年のあるべき姿の実現に向けて、残りの3つの重点課題(組織風土の変革、事業戦略の再構築、グループ経営の強化)に対する取り組みを強化する。

 トクヤマの強みを徹底的に追及する一方、将来のトクヤマの事業ポートフォリオを睨んでの事業の見極め、再編などに道をつけていく。

 これに加え、大きな課題としてCO2排出量削減、中長期の研究開発戦略が挙げられる。特にCO2対策に関しては、バイオマス燃料の利用、省エネに加え、新技術導入やIoT活用を含めたプロセス革新やCO2の利活用を強力に推し進めていくべく、1月1日にCO2プロジェクトグループを発足した。大学、官庁などとも連携を加速していく。

 また中長期開発についてはMI活用や先端分野での人的ネットワーク構築が最大のカギとなるため、そうした取り組みを積極的に進める。

 一方、本年は現中計の最終年であり、各部門においてはその達成に向けて取り組んでいくことは勿論だが、既に次期中計に向けての議論をスタートしている。次期中計における最重点目標は「トップ戦略の実現」だ。

 2020年はそれに向けて、各事業におけるトップ戦略の定義、実現するための戦略・実行計画策定の年となる。今年は2025年に向けて大きく飛躍するための足場をしっかりと固めるという意味においても極めて重要な年に位置付けられる。

 また、会社は人材力がすべてと考えており、経営陣を含めた役職員1人ひとりの意識と行動の変革が欠かせない。変革は「好奇心」からであり、好奇心は普段からの勉強によって生まれる。これはいいと思ったら、遊び心を持ってトライすること。スピード感を持って何をしたかが大事なのだ。そうした行動スタイルが普通になることが組織風土改革と言える。

 新年度より新人事制度がスタートするが、その最大の目的は人材開発だ。目指すべき人材像を明確にし、それに向かって1人ひとりがストレッチのきいた目標を設定し実行する。OJTに加え、Off‐JTも充実させ、さらに意欲のある人には国内外問わず様々な成長機会を提供する。変革意識の強い、他社に負けない人材集団を作りたいと思う。

 2020年は好奇心とスピード感に満ちた活力ある若々しい組織風土の実現、飛躍への足場固めの1年とするべく頑張ろう。

トクヤマの4-9月期 主力製品の販売軟調で減益に

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2019年11月1日

 トクヤマは31日、2019年度上期(4-9月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期並みの1527億円、営業利益は同14%減の146億円、経常利益同12%減の136億円、純利益同19%減の104億円となった。

 同日開催された決算会見で横田浩社長は「半導体産業や自動車産業が米中貿易摩擦の影響を受け厳しい状況にある。カセイソーダや半導体品材料など

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トクヤマの4‐6月期 増収も販売が軟調で減益に

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2019年7月30日

 トクヤマの2020年3月期第1四半期(4-6月期)連結決算は、売上高が前年同期比1%増の765億円、営業利益は同21%減の70億円、経常利益は同27%減の63億円、純利益は同27%減の49億円となった。

 売上高については、半導体関連製品などの主力製品を中心に販売は軟調に推移したが、昨年7月の新規連結子会社の発生により、前年同期より増収となった。営業利益は各事業の販売が軟調に推移したことで減益。営業外損益が前年同期に比べ5億円悪化したことで、経常利益も減益となった。

 化成品セグメントは売上高が同3%減の243億円、営業利益は同21%減の39億円。カセイソーダは販売数量が堅調だったが、原燃料価格の上昇と海外市況の下落により減益。塩化ビニル樹脂は販売価格の維持に努め増益となった。酸化プロピレンは自動車部材向けの販売数量が減少したことで減益。塩化カルシウムは販売数量が軟調に推移したことと、物流費の増加などで減益となった。

 特殊品セグメントは売上高が同7%減の百21億円、営業利益は同17%減の16億円。半導体向けの多結晶シリコンと放熱材は、販売が堅調に推移し前年同期並み。電子工業用高純度薬品は半導体業界向けの販売数量が減少し減益だった。

 セメントセグメントは売上高が同3%減の215億円、営業利益は同23%減の7億円。セメントは一部価格是正の効果があったが、国内の出荷が軟調に推移したことなどで減益。資源リサイクルはほぼ前年同期並み。連結子会社はセメント関連製品の出荷が軟調に推移し減収となった。

 ライフアメニティーセグメントは売上高が同7%増の135億円、営業利益は同21%減の7億円。プラスチックレンズ関連材料は、メガネレンズ用フォトクロミック材料の出荷が好調に推移し増益。歯科器材は海外を中心に販売数量が増加したが、新製品の上市に伴う広告宣伝費などの増加で減益。医療診断システムは、検体検査自動化システムで国内の大型案件を獲得し増収となった。

 通期業績予想の変更はなく、売上高は前期比6%増の3430億円、営業利益は同11%増の390億円、経常利益は同17%増の390億円、純利益は同11%減の3055億円を見込んでいる。

トクヤマ 北海道・南幌に太陽電池リサイクル実験施設を建設

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2019年6月25日

 トクヤマは24日、北海道空知郡南幌町の南幌工業団地に「太陽電池モジュールの触媒使用によるリサイクル技術開発」を行う実験施設の建設を決定したと発表した。実験施設(敷地面積:約3300平方メートル)の整備は、来月に着工し、今年中の完成と実験開始を予定している。

 同プロジェクトは、太陽光発電システム長期安定電源化基盤技術開発として「太陽電池マテリアルリサイクル要素技術開発」に関する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業で採択されたもの。

 このリサイクル技術開発により、太陽電池モジュールのリサイクルの事業化を目指す。

トクヤマ 役員人事(6月21日)

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2019年5月22日

[トクヤマ・役員人事](6月21日)▽代表取締役安達秀樹▽退任(代表取締役)相談役楠正夫▽取締役常務執行役員野村博▽取締役監査等委員長宮本陽司▽退任(取締役)顧問中原毅▽同(同)同浜田昭博▽同(同監査等委員長)同芥川正樹▽社外取締役監査等委員河盛裕三▽同松本直樹▽退任(社外取締役監査等委員)水野 秀俊▽同(同)津田与員。