ランクセス 小澤国際室内楽アカデミーの支援を継続

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2019年6月20日

 ドイツの特殊化学品メーカー・ランクセスの日本法人ランクセスは、今年度も「小澤国際室内楽アカデミー奥志賀(OICMA)への支援を継続する。

 OICMAは世界的な指揮者である小澤征爾氏が立ち上げたNPOで、アジア圏の才能ある若手音楽家に弦楽四重奏を学ぶ機会を提供することを目的に、2011年に設立された。ランクセスとOICMAは、今年1月から12月までの1年間を期間とする支援契約を締結し、1月から支援を開始している。

 OICMAは今年の主な活動として、アジアから25人の若手弦楽器奏者をオーディションで選抜し、7月20日から26日まで長野県奥志賀で講習会を行う。また、演奏会を3公演予定しており、千秋楽のコンサートは、31日に東京・千代田区の紀尾井ホールで開催する。

 ランクセスは社会的責任(CSR)活動の一環として、同アカデミーを設立時から8年間継続して支援し、活動をサポートしてきた。OICMAは過去8年間に、日本や中国、韓国など、アジアの若手音楽家延べ194人の育成に取り組んでいる。

 今回の支援継続により、OICMAはより安定した運営基盤の下に活動を行うことが可能となる。支援継続について、アカデミーの理事長である小澤氏は「このような教育プログラムを支援してくれるところは少なく、弦楽四重奏となるとなおさらだ。ランクセスの支援はとてもありがたい」と述べている。

 講習会は奥志賀高原・スポーツハイム奥志賀で行われ、小澤征爾、原田禎夫(チェロ)、川本嘉子(ヴィオラ)、ジュリアン・ズルマン(ヴァイオリン)の各氏が指導する。

 演奏会は講習会で課題曲として出された弦楽室内楽曲と弦楽合奏曲を、オーディションで選ばれたアカデミー受講生24人が演奏する。会場は7月27日が奥志賀高原・森の音楽堂、29日は志賀高原総合会館98(長野県山ノ内中学校との交流演奏会)、31日は紀尾井ホール。東京公演の一般チケットは、6月15日10時から販売する。

 

ランクセス イオン交換樹脂の新製品をインドの化学工場が採用

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2019年6月20日

 ドイツの大手特殊化学品メーカーのランクセスはこのほど、インド有数のクロルアルカリ製品メーカーが、ランクセスのイオン交換樹脂の一種である、キレート樹脂の新製品「レバチットMDS TP 208」を導入し、クロルアルカリ電解の生産効率向上を実現したと発表した。

 新製品は、均一で粒径が細かいポリマービーズで、電解に使用するイオン交換膜へのダメージを防ぐことで、必要なエネルギー量を効果的に低減し、電解膜寿命を延長する。同社の既存製品の「レバチットモノプラス」とともに導入され、成果を収めている。

 南インドの化学工場では、年間約19万tのカセイソーダの生産能力があり、製造には1時間に約400㎥の塩化ナトリウム塩水を使う。電解に使用する塩水処理では、電解膜を高濃度の不純物から保護するために前処理が必要となるが、この前処理がなければ、蓄積物が電解膜を傷め、生産効率の低下につながる。

 「レバチットMDS TP 208」は、塩水精製ラインの3つの樹脂塔の1つに採用され、塩水の硬度を処理前の2mg/ℓから10㎍/ℓ(カルシウム、マグネシウム)以下に低減した。

 また、「レバチットMDS TP 208」を使用することで、エネルギーコストの大幅な低減、電解膜・樹脂の寿命延長、再生剤の使用量と廃水量の低減による運転コストの改善、サイクル時間を延長することによる処理量増大などの経済的メリットがある。

 これらのことから、印メーカーは残り2つの樹脂塔についても「レバチットMDS TP 208」に交換することを決定した。

 同社は2016年にランクセスの樹脂を導入して以来、塩水精製ラインの処理能力を2年間で53%も向上することができたという。

ランクセスの1-3月期 製品価格是正などで増益に

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2019年6月5日

 ドイツの特殊化学品メーカー・ランクセスの2019年度第1四半期の連結売上高は、前年同期並みの18億2200万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは、好調だった前年同期に比べ2%増の2億7500万ユーロとなった。好業績の主な要因は、製品価格の引き上げと、為替の好影響(特に米ドル)によるもの。

 純利益は同4%増の8400万ユーロ。低迷する農業市場にもかかわらず、アドバンスト中間体部門は、売上高と特別項目を除いたEBITDAが、過去最高の四半期業績を達成した。売上高は同4%増の5億8600万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同12%増の1億1400万ユーロ。

 スペシャリティアディブス部門は、低マージンの受託製造契約の終了、拠点の閉鎖、低迷する自動車産業により、販売量が減少した。売上高は同3%減の4億8500万ユーロ、特別項目を除いた EBITDAは製品価格の引き上げ、為替の好影響、コストシナジーにより、同3%増の8300万ユーロ。

 パフォーマンスケミカルズ部門は、水処理製品と物質保護剤製品関連事業の好調、為替の好影響により、売上高が同3%増の3億4700万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは、同4%増の5400万ユーロ。

 エンジアリングマテリアルズ部門は、自動車産業の需要低迷の影響を受け、売上高が同3%減の3億8200万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同11%減の6500万ユーロだった。

 通期の業績予測は、特別項目を除いたEBITDAで、10億~10億5000万ユーロ(前年度は10億1600万ユーロ)を見込んでいる。

 

ランクセス 潤滑油添加剤で新製品、エンジンオイル向け

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2019年5月9日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスはこのほど、乗用車用高性能エンジンオイル向け有機潤滑油添加剤の新製品の販売を開始すると発表した。

 新製品「アディティンRC3502」は、特に摩擦を低減すると同時に、性能の持続性と耐摩耗性を発揮するように開発された。非腐食性で、全ての合成系・鉱油系ミネラルエンジンオイルと親和性があり、加えて「SAPS(硫酸灰分・リン・硫黄)フリー」の特性を持つ。

 さらに、表面活性タイプの耐摩耗性添加剤、清浄剤、モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)が効果を発揮する摩擦面で、添加剤間の反応を促進するというメリットもある。

 このような優れた摩擦低減性と耐久性は、さらなる省燃費性能が求められる新規格「ILSAC GF‐5+」や「同GF‐6」で要求されるエンジンダイナモテストの省燃費性能に寄与する。

 同社のアディティブス(ADD)ビジネスユニットは、さまざまな用途や要求性能に対応する幅広い潤滑油製品のポートフォリオを提供している。潤滑油基油・潤滑油添加剤・添加剤パッケージ・潤滑油最終製品などの製品群は、厳格化する排ガス規制や省燃費の法定基準に対応できるように顧客をサポートする。近年、特に燃費改善に重点的に取り組んでいる自動車業界で、効果的なエンジン潤滑油は省燃費に重要な役割を果たす。

 同社の新しい摩擦調整剤は、このトレンドに応えることができる。

ランクセス 引き続き自動車など3事業に注力

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2019年5月8日

 ドイツの特殊化学品メーカー・ランクセスの日本法人は、今年度の事業活動として、3つの事業領域への注力を継続し、持続可能な発展に取り組むほか、デジタル化を積極的に推進する。

 このほど記者説明会を行った辻英男社長は「特にSDGsへの取り組みとしては、環境・教育・地域への貢献などともに、当社の環境に優しい製品ソリューションを通した目標達成という両輪で取り組んでいきたい」と述べた。

 注力分野は「自動車産業」「建設産業」「難燃剤市場」。

 このうち、自動車産業では、

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ランクセス コーティング向け製品群を拡充

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2019年4月17日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは、コーティング業界向けの製品ポートフォリオを拡充している。

 水系システムの配合用原料では、ガラス繊維のサイジング、プラスチックコーティングから、繊維の表面仕上げや自動車塗装まで、幅広い用途向けの製品をラインアップした。

 その中で注力製品として挙げられるのが、特殊水性ブロックドイソシアネート分散剤「トリクシーンアクア」シリーズと、水系ポリウレタン分散剤「ウィトコボンド」ブランドだ。

 「トリクシーンアクア」シリーズは、水系コーティングシステム用の架橋剤・接着促進剤。コーティングとサイジング製剤の化学的・機械的耐性を高め、最終製品に優れた性能と耐久性を付与する。

 ブロックドイソシアネート基のため、他の遊離製品に比べ安定しており、ヒドロキシル官能性アクリルやポリエステル、ウレタンなどの多様な相補的水性樹脂を、1K・2Kシステムに配合することができる。

 繊維加工でも効果を発揮し、「トリクシーンアクアBI220」を、スポーツ・ファッション衣類の撥水仕上げ剤用の接着促進剤として使用することで、優れた耐久性を実現する。

 また、「トリクシーンアクアBI201」は、自動車用クリアコート向けの架橋剤として使用でき、耐チッピング性と外観の向上をもたらす。

 一方、「ウィトコボンド」は水系コーティングや、硬質あるいは柔軟な基板の仕上げなど、 さまざまな用途に使用することができる。

 製品群には最大60%の固形分を含む高固形分製品、低・無共溶媒分散液、アルキルフェノールエトキシレートやノニルフェノールエトキシレートなどの非イオン性界面活性剤を含まないグレードなどがある。

 中でも高固形グレードは、ガラス繊維のサイジングで、複合素材加工での繊維とフィラメントの優れた結合と、最終製品に卓越した物理的特性を提供する。

 例えば、ポリエステルベースの「ウィトコボンド374‐13」は、チョップドストランド製造のための完全性と、多くの熱可塑性・熱硬化性母材への良好な接着性をもたらす。

 さらに、「トリクシーンアクア」シリーズの新製品「トリクシーンアクアBI202」と組み合わせることで、高度な複合素材に使用されるガラスストランドと、種々の樹脂母材との接着を強化する。

 同社では「ランクセスの水系システムにより、塗料業界の顧客は、例えば揮発性有機化合物(VOC)の厳格化する規制に対応できるだけでなく、最新の用途ニーズを満たす高性能製品を開発することができる」としている。

 

ランクセス 展示会でタイヤ向けソリューションを紹介

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2019年4月16日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは、このほどドイツ・ハノーバーで開催された「タイヤ・テクノロジー・エキスポ 2019」に出展した。

 同展示会では、ラインケミービジネスユニットとアドバンスト工業化学品ビジネスユニットの環境に優しい離型剤「レノディブ」、タイヤ加硫用ブラダー「レノシェイプ」、アラミド繊維マスターバッチ「レノグラン」、添加剤、促進剤、分解防止剤など、タイヤメーカー向けの幅広い製品群と多様なソリューションを紹介した。

 このうち、「レノディブ」については、加硫後、レーザー技術で除去できるシリコン系離型剤製品に加えて、完全にシリコンフリーの製品を開発した。同製品は特殊な離型剤によって、容易に洗い流すことができる。

 また、永久的にコーティングされたタイヤ加硫用ブラダー「レノシェイプ」を使用すると、追加の離型剤を用いずにタイヤの加硫が可能となる。これにより、加硫されたタイヤから離型剤を除去する必要がなくなり、グリーンタイヤ(加硫前の生タイヤ)への噴霧工程が不要となるため、重要なタイヤ部分の離型剤残渣と作業場所での汚染がなくなる。

 一方、ジチオリン酸塩は、従来から使用されている促進剤(スルフェンアミド、チウラム、カルバミン酸塩)の代わりとなるニトロソミアンフリー加硫促進剤で、モノ架橋とジスルフィド架橋を形成する。そのメリットは、熱安定性を高め、リバージョン (加硫戻り)を起こしにくいこと。さらに、優れた溶解度で、すべての一般的なゴムタイプに使用することができる。

 ラインケミーは、ジチオリン酸塩を、マスターバッチの「レノグラン」ブランドとしてだけでなく、液体またはドライリキッドで「レノキュア」ブランドとしても提供している。

 

ランクセス 腐食防止添加剤を能増、世界で15%増加

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2019年4月10日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスはこのほど、腐食防止添加剤「アディティンRC4000」シリーズのグローバル製造能力を15%増強した。ボトルネック解消プロジェクトとして実施した。

 この能増は、一昨年のケムチュラ社の買収後、プロセスにおける相乗効果の創出に取り組んだ成果であり、潤滑油添加剤のポートフォリオとグローバル製造ネットワークを拡大することができた、とランクセスは評価している。

 同社の「アディティン」腐食防止(CI)製品群には、カルシウムスルホネートやカルボン酸塩、コハク酸、リン酸系特殊製品などがある。これらの製品は極性金属面に吸着されることで撥水膜と保護膜を形成し、腐食を防止する。主な用途は駆動系潤滑油や工業用潤滑油、金属加工油、防蝕油、グリースなど。

 同社によると、世界の腐食防止用添加剤市場は拡大しているという。このため、同社では特殊添加剤製品を顧客に安定供給する一方、新たに要求される性能と、厳格化される規制に対応する製品の開発に取り組んでいる。

ランクセス 赤リン含むポリアミド66の代替品を提供

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2019年3月27日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは、価格が高騰する赤リンを使わずに難燃性を達成したポリアミド66のコンパウンドを提供している。

 赤リンはポリアミド66に使用される難燃性添加剤として定着している。その特長は、機械的性能にほとんど影響を与えず、少量でも熱可塑性樹脂に優れた耐火性を与えること。しかし、最近、ポリアミドベースの樹脂と赤リンの価格が上昇していることから、同社は赤リンを使わないポリアミドのコンパウンドの提供を始めた。

 赤リンベースの難燃機構をもつポリアミド66コンパウンドが含有可能なガラス繊維は、通常20~40%。この代替となる素材として、同社はガラス繊維を25%含有するポリアミド66コンパウンド「デュレタンAKV25FN04」と、ポリアミド6コンパウンド「デュレタンBKV25FN04」を用意した。どちらも同様の引張弾性率、破断強度と破断点伸び率、シャルピー衝撃強度、密度をもち、600Vで高いトラッキング抵抗を示す。

 「デュレタンAKV25FN04」は、高い熱変形温度が要求される部品、あるいは0.4㎜以下のプラスチック試験片に対し、米国認証企業による難燃性規格「UL94」で V-0が要求される部品に、特に適している。

 一方「デュレタンBKV25FN04」は、0.75㎜のプラスチック試験片に対してV-0の評価を得ている。いずれもULでf1認証を受けており、これらの素材は、太陽光発電システム用のコネクターといった、屋外で水や紫外線の影響を受けやすい部品にも適している。

 同社では顧客が素材を切り替える場合、例えば要求仕様書や納入仕様書で定義された基準を満たすようサポートしていく。

ランクセス 1-12月期の純利益が大幅に増加

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2019年3月20日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスの2018年度連結決算は、売上高が前年比10%増の72億ユーロ、特別項目を除いた EBITDも同10%増の10億ユーロ、純利益は4億ユーロ(前年度は8700万ユーロ)となった。アドバンスト中間体部門、スペシャリティアディティブス部門、エンジニアリングマテリアルズ部門の経営基盤強化に加え、ケムチュラ社とソルベイ社から買収したリン添加剤事業の統合も貢献した。

 純利益の大幅増については合成ゴム事業の合弁会社アランセオの全保有株式50%を、元合弁会社のパートナーであるサウジアラムコ社に売却したことや、前年度に一時的な費用の計上があったことが影響した。

 部門別では、アドバンスト中体部門は厳しい農業市場にもかかわらず堅調に推移。売上高は前年比12%増の22億ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは、同7%増の4億ユーロとなった。

 スペシャリティアディティブス部門の売上高と営業利益は、ケムチュラ社とソルベイ社から買収した事業の統合により大幅に増加。売上高は同23%増の20億ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同29%増の3億ユーロだった。

 パフォーマンスケミカルズ部門の売上高と営業利益は、好調だった前年度から減少。特に皮革と建設業界の低迷が影響した。売上高は同6%減の13億ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同26%減の2億ユーロ。

 エンジニアリングマテリアルズ部門の売上高と営業利益は大幅に増加した。軽量化構造向けプラスチックの利益性の高い事業が好調で、ケムチュラ社買収の一環として獲得したウレタン事業も貢献した。売上高は同15%増の16億ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは、同22%増の3億ユーロとなった。なお、2019年度の特別項目を除いたEBITDAについては、前年度と同水準と予測している。