三井化学 医療従事者支援でガウン向け不織布を緊急供給

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2020年5月15日

 三井化学は、医療用ガウン(アイソレーションガウン)の原料であるスパンボンド不織布「PS‐105‐GW」の供給を開始した。

医療用ガウンの一例
医療用ガウンの一例

 新型コロナウイルス感染防止に向け、最先端の医療現場で活動する医療従事者支援のため。感染者数が増加する中、多くが海外からの輸入であった医療用ガウンは、世界的な感染拡大に伴い入手が困難な状況が続く。

 同社は、不織布生産の主要工場で100%子会社のサンレックス工業(三重県四日市市)にて、医療用ガウン対応の不織布生産を開始。このほど、月産1000万枚分以上の生産体制を確立した。

サンレックス工業の外観
サンレックス工業の外観

 紙おむつなどの衛生材用不織布の製造ラインを活用することで、医療現場へ最速最短で供給できるよう縫製メーカーと連携を図り、国産化医療用ガウンの早期確立に原料面から貢献していく。また、すでに供給を始めているマスク用不織布についても、メルトブローン法不織布とノーズクランプの供給をさらに強化し、増産計画を進めていく考え。

 三井化学は新型コロナウイルスの感染拡大防止に対し、不足するマスク・医療用ガウン用の不織布の生産と供給を通じ、社会貢献を継続していく。

三井化学の3月期 減販・交易条件悪化で減収減益

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2020年5月15日

今期コロナ下、コア営業益350億円を見込む

 三井化学は14日、2019年度(2020年3月期)の連結業績を発表した。売上高は前年度比10%減の1兆3390億円、営業利益23%減の716億円、経常利益36%減の655億円、純利益50%減の379億円。

 中島一常務執行役員CFOはオンライン説明会で、218億円のマイナスとなった営業利益に触れ、「当期は米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより厳しい環境ではあったが、当社が強化する成長3領域については、おおむね前年並みの利益を確保できた」とし、

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三井化学 〝心悸〟3Dマスク目指し名大などと共同開発

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2020年5月13日

 三井化学はこのほど、「再使用が可能でありながら、ウイルス除去機能を持つ」特長を備えた新規立体型マスクの共同開発を開始した。

新規3D マスク 現行試作品
新規3D マスク 現行試作品

 名古屋大学大学院工学研究科の堀克敏教授、同大学発ベンチャーのフレンドマイクローブとの3者連携により、製品開発を行っていく。 

 新規マスクは、再使用する「マスク本体」と使い捨ての「フィルター」からなり、三井化学は、ウイルス除去効果のある不織布製使い捨てフィルターの素材を提供する。

 マスク本体は、堀教授が3Dプリンターで作成。今後は抗ウイルス効果を示す酵素製剤をはじめとする各種薬剤の探索も進め、マスク本体に適用することで、ウイルス除去効果に優れ、快適性とデザイン性を併せ持つ製品を想定している。三井化学によれば、上市時期は今秋以降とのこと。堀教授主導の下、まずは2、3カ月以内にモニター販売を開始する予定だ。

 同社は今回の取り組みを通じ、大学・大学発ベンチャー・材料メーカーが協力することで社会貢献となるソリューションを提案し、「次代を創る〝心悸〟製品開発」を目指していく。「心悸=心臓の鼓動」に〝心がはずむ新規製品〟の思いを込めた。

三井化学 橋本社長「One Teamで乗り越えよう」

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2020年5月11日

 三井化学の橋本修社長は8日、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策で長引くテレワークなどを受け、同社グループ従業員に向けたメッセージを発信した。

 日々の業務で対面コミュニケーションが図れない苦労や、感染への不安を抱えながらも安全・安定操業を第一に製造に携わる従業員の労をねぎらい、困難な状況にもかかわらず、全従業員がOne Teamとなり事業活動を維持・継続できていることへの感謝の意を伝えた。

 三井化学グループではコロナ感染拡大の防止に向けて、マスクや医療用ガウン向け不織布の増産、消毒用IPA(イソプロピルアルコール)の安定供給など幅広い分野で社会貢献を継続。化学産業の果たすべき役割と重要性を再確認した。

 橋本社長は、「感染対策の長期化に備えた『新しい生活様式』と併せ、コロナ終息後には需要構造やサプライチェーンなど、世の中のあり方が変わっていることも考えられる」と指摘。このような時こそ、既成概念にとらわれない、前向きな思考と実行力の重要性を改めて強調した。

 同社は今年度、新たなステージを目指し、長期経営計画「VISION2025」の見直しを進める。橋本社長は、メッセージの終わりに、「怯むことなく、私と共にOne Teamでこの逆境を乗り越えて、三井化学グループのさらなる飛躍と成長に繋げていこう」と呼びかけた。

 

三井化学 仏社サステナビリティ評価でゴールド格付け

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2020年4月23日

 三井化学はこのほど、仏エコバディス社(EcoVadis)のサステナビリティ評価で「ゴールド」に格付けされたと発表した。「ゴールド」に格付けされるのは、全評価対象の上位5%の企業。「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の4つのテーマで包括的に評価が行われ、同社は今回、「環境」と「労働と人権」の両分野で特に高い評価を受けた。3年連続の認定。

 三井化学は、SDGsをはじめとする社会課題の解決に向けて企業への要請が高まる中、化学産業が社会の基盤と革新を担う存在であり続けるためには、持続可能な社会に向けて大きな責任あると捉えている。

 同社グループは「環境と調和した共生社会」「健康安心な長寿社会」を実現するため、独自の評価指標で環境・社会への貢献度の見える化を推進。具体的には、環境貢献価値「Blue Value」とQOL向上価値「Rose Value」を定義し、それらに沿った製品やサービスの提供をはじめとする社会価値創造の取り組みを深化させている。

 今後も、グローバルに存在感のあるサステナブルな企業グループを目指していく考えだ。なお、エコバディス社は、国際的なサステナビリティ規格に基づいた独自基準により団体・企業を評価する、信頼性の高い共同プラットフォームを提供している。これまでに世界160カ国、200業種、6万5000社以上の評価を行っており、約300のグローバル企業がサプライチェーン管理のためにこのプラットフォームを使用している。

 

三井化学 スマホ多眼化需要に対応、COCを1.5倍に増強

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2020年4月23日

 三井化学は22日、スマートフォンのカメラレンズなどを主用途とする、環状オレフィンコポリマー(COC)「アペル」について、大阪工場内に新プラントを建設すると発表した。スマホカメラレンズの多眼化などにより急拡大する需要に対応するため。

環状オレフィンコポリマー「アペル」
環状オレフィンコポリマー「アペル」

 同製品は屈折率が高く複屈折が小さいという特徴から、スマホのカメラレンズを中心に情報電子関連分野の光学材料として採用が多い。既存設備は、岩国大竹工場と大阪工場にそれぞれ1系列の合計2系列。今回の新設により3系列の供給体制を構築することで、生産能力を約1.5倍に増強する。新プラントは今月に着工し、2022年3月の完工を予定。

主用途 スマートフォンカメラ 
主用途 スマートフォンカメラ

同社は、「アペル」を含むICT(情報通信技術)向け機能性ポリマー事業を成長分野と位置づけている。今回の能力増強で当面の需要拡大への対応が可能となる見通しだが、さらなる需要拡大に適切に対応するため、次期能力増強の検討にも着手する方針だ。今後は車載用カメラやヘッドマウントディスプレイ、医療用途などの新規需要獲得により事業拡大を図っていく。

三井化学 世界遺産応援PJで知床にデッキ、動画を公開

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2020年4月14日

 三井化学と三井化学産資はこのほど、知床財団(北海道斜里町)が主催する知床自然教室の40周年を記念してツリーデッキを3基寄贈し、その組み立て作業の様子など活動内容を収録した4分18秒の動画を公開した(https://youtu.be/pH4oRBiTO24)。同取り組みは昨年の夏、同社グループが世界自然遺産応援プロジェクト第3弾の一環として行ったもの。

子どもたちやボランティアが協力しツリーデッキを組み上げた
子どもたちやボランティアが協力しツリーデッキを組み上げた

 知床財団は、日本初のナショナルトラスト運動「しれとこ100平方メートル運動」発祥の地である世界遺産・知床の地で、環境教育や普及啓発、野生生物の保護管理・調査研究、森づくりなど、知床の大自然を「知り・守り・伝える」活動を行っている。

 活動の1つとして、知床の大自然を次世代へ伝えるため、全国から集まった子どもたちを対象に、知床国立公園内の100平方メートル運動地で過ごす1週間の野外キャンプ「知床自然教室」を1980年から実施。第1回以来、のべ1900人以上の子どもたちが夏の知床の1週間を過ごしている。

ツリーデッキに塗装した三井化学産資の『ノンロット』
ツリーデッキに塗装した三井化学産資の『ノンロット』

 今回、知床自然教室40周年を記念して、三井化学グループは自然教室の舞台である「ポンホロの森」にツリーデッキを3基寄贈した。自然教室に参加した子どもたちや自然教室卒業生、斜里町役場、知床財団などからの多くのボランティアとともに、昨年7~10月に製作し、仕上げには三井化学産資が提供する、木材保護塗料「ノンロット」の塗装を施した。

 動画の中で、知床財団自然復元係の松林良太さんは「子どもたちに自分の目線だけではなく、高い所から見渡して海を見たり、木の葉を見たり、いろいろな風景を見てもらいたい」と思いを語り、大人の背丈の倍ほどの高さがあるツリーデッキの製作にあたった。アイデアスケッチを基に、子どもたちが自ら材料の木材を運び、釘を打ち、大人たちの手を借りながらツリーデッキをこしらえた。

 なお、三井化学産資が提供した「ノンロット」は、木材本来の通気性(=調湿性)を最大限に生かしながら、風雨をしのぐ超撥水性や耐UV性、防腐・防カビ・防虫性を持つ安全性の高い塗料。木の呼吸を妨げず、心地よい木の香りが感じられることから、多くの建築家・設計士、施主から選ばれている。今回のプロジェクトでは、木材保護のためツリーデッキに塗装された。

三井化学 次亜塩素酸Na圧縮タオル、九州から販売開始

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2020年4月14日

 三井化学は13日、100%子会社で無機系化学品の製造・販売などを手掛ける三井化学ファインが、次亜塩素酸ナトリウムと圧縮タオルを同梱した「FASTAIDウイルス・スウィーパータオル200」を4月から販売開始すると発表した。まずは、九州地区の衛生資材が不足している介護施設や公共施設などに業務用として提供を始める。

「FASTAID ウイルス・スウィーパータオル200」
「FASTAID ウイルス・スウィーパータオル200」

 同製品は、通常1~2週間で分解して機能が失活する次亜塩素酸ナトリウムを安定した状態でパッケージしたもの。次亜塩素酸ナトリウムはあらかじめ200ppmに希釈されており、現場での調合は不要。使用したいときにパッケージを押すと、次亜塩素酸ナトリウムが圧縮タオルに浸透し、除菌タオルが完成する。

 必要な時にその場で瞬時に次亜塩素酸ナトリウムを使用できることから、災害時のみに留まらず病院や介護施設、ホテル、乗り物内など様々な使用場面が想定されている。

 同製品は、三井化学ファインがNPO法人のジャパン・プラットフォームやCWS Japan、また、三井化学などと共に進めている災害支援イノベーション共創イニシアチブ「More Impact(モア・インパクト)」から生まれたコンセプトで、三井・ダウ ポリケミカルのロック&ピール技術を活用して同梱した災害支援イノベーション製品。

 ロック&ピール樹脂は、パッケージを製造する際のヒートシール温度を変えるだけで、完全シールとイージーピールの異なる機能を使い分けることが可能な新素材。食品や化粧品の2室分離袋のパッケージとして採用が広がっている。

 なお、同製品の売上の一部は、ジャパン・プラットフォームの基金に寄付され、災害被害を減らすモア・インパクトの活動に活用されるエシカル・プログラム製品になっている。三井化学グループは今後も、健康安心な長寿社会の実現に向けた技術開発、製品開発を進めていく考えだ。

三井化学 新型コロナ対応で工場・研究所などのテレワークを徹底

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2020年4月10日

 三井化学は、7日付で日本政府より発出された新型コロナウイルス感染拡大に対する緊急事態宣言を受け、テレワークの適用範囲を大幅に広げる社内対応の徹底を発表した。

 感染リスク低減と、感染拡大・集団感染の防止を図る。対象期間は4月8日から5月6日までの緊急事態宣言発令中の期間。国内全ての事業所(本社、支店、工場、研究所)の在勤者は、交替勤務職場を除き原則テレワークとする。

 特に、緊急事態宣言の対象の7都府県に所在する在勤者が出社する場合は、上司が自職場の機能維持に必須と判断した場合のみに限定する。国内関係会社についても、同様な措置を実施するとしている。

 なお、すでに実施中の国内出張の原則禁止、海外出張の禁止、業務関連の懇親会・会食の禁止などの対策は継続していく。