三井物産など 中国市場向けヘルスケアファンドを設立

, ,

2019年7月1日

 三井物産はこのほど、香港・華潤集団(華潤)、北京・厚樸投資(HOPU)とともに、各子会社を通じて合弁会社CMHヘルスケアホールディング(CMHヘルスケア)を設立。さらにCMHヘルスケアを通じて、ファンドスキームの共同投資会社CMHヘルスケアファンドを設立することで合意し関連契約を締結した。

 CMHヘルスケアファンドは、総額10億米ドル(約1080億円)の規模で、中国ヘルスケア市場が抱えるさまざまな課題に対し産業の視点から解決をもたらし、さらには伸び行く市場の成長を取り込むことを目的として、中国を中心とした病院事業(クリニック・専門病院運営、運営受託など)や中国内外のヘルスケア周辺事業を対象とした投資を行う。三井物産、華潤、HOPUも各子会社を通じ一部出資参画の上、今後参画する投資家を国内外から募る予定。

 中国のヘルスケア市場は、2030年に医療費200兆円とも言われる巨大市場である半面、高齢化や公的保険制度の充実に伴う急速な医療費の増加に伴い、医療の質と量、両面での需給ギャップが生じている。

 三井物産は、今回のファンド設立を、三井物産が目指すアジア最大の民間病院グループであるIHH社を核とした、アジアでのへルスケア・エコシステムの構築に向けた重要な地域戦略の一環として位置づけている。

 既存事業とのシナジー創出を梃子にしながら、今後もさらに伸び行く中国市場での事業基盤拡大を図り、人々が健康で、豊かな生活を営める社会創造の一助として、ヘルスケアのさらなる発展に貢献していく。

三井物産 アルゼンチン南部の風力発電事業に出資参画

,

2018年12月19日

 三井物産はこのほど、仏エネルギー大手トタル社傘下の再生可能エネルギー発電事業会社Total Eren社から、アルゼンチン南部で風力発電事業を推進するVientos Los Hercules社の株式34%を、今月13日に投資子会社を通じて取得したと発表した。

 同事業は、ブエノスアイレス南西約1500kmに位置する、サンタクルス州ピコ・トルンカド市付近の350haの敷地に、総発電容量97.2㎿の風力発電設備(3.6㎿の風車27本で構成)を建設し、20年にわたりアルゼンチン卸電力市場運営会社であるCAMMESAに米ドル建てで売電するもの。総事業費は約2億2000万米ドル(約250億円)で、来年半ばの商業運転開始を予定している。

 三井物産は、これまで国内外で培ってきた発電事業の知見を活用することで、同事業の着実な完工と円滑な事業立ち上げに貢献する。なお、今回の株式取得にあわせ、世界銀行グループの多数国間投資保証機関と政治的リスク、非商業的リスクから生じる損失に対する投資保険契約を締結している。

 アルゼンチン政府は、2015年にエネルギーに関する新たな法律を制定し、国内の再生可能エネルギー供給率を2018年までに8%、2025年までに20%の達成を目指している。この目標達成に向け、世界銀行の支援を受ける国際入札プロセス「RenovArプログラム」では、これまでに太陽光・風力・バイオマス・小規模水力など、本事業を含めた発電プロジェクト59件が落札されており、三井物産にとってアルゼンチンで初の発電事業になる。

 同社の発電事業での持分発電容量9.1GW(2018年9月末現在)のうち、再生可能エネルギーは16%を占めており、2030年までにこの比率を30%に引き上げる目標を掲げている。

 また、中期経営計画では機械・インフラ領域を中核分野と位置づけ、強固な収益基盤づくりを目指し、生活に欠かせない社会インフラの長期安定的な提供を通じ、より良い暮らしや国づくりに貢献していく。