三菱ケミカル 赤色蛍光体特許侵害の中国訴訟、勝訴が確定

, , , ,

2021年1月27日

 三菱ケミカルは26日、物質・材料研究機構(NIMS)と共有する赤色蛍光体に関する中国特許の侵害訴訟の最終審で勝訴が確定したと発表した。

 三菱ケミカルは2015年に、被告である中国Shield社に対し特許侵害を中級人民法院に提訴し、2018年に特許侵害の差し止めと損害賠償金の支払いを命ずる判決を得た。その後、Shield社は判決を不服とし高級人民法院に上訴していたが、同法院はShield社の主張を全面的に退け、昨年12月に第一審の判決を支持する最終判決を下した。なお、これに並行して、Shield社が同特許の無効を訴えた行政訴訟についても、三菱ケミカルが勝訴し同特許の有効性が確定している。

 今回の侵害訴訟の判決をもって、Shield社と争ってきた同特許の中国訴訟はすべて終了した。赤色蛍光体の主用途である白色LEDデバイスの最大生産量を誇る中国で、長年積極的に投資や事業展開を行ってきた三菱ケミカルにとって、今回の勝訴判決は非常に意義深いもの。また、今回の判決は蛍光体産業と白色LED産業にとって大きな意味をもち、今後の両産業の健全な発展と秩序維持につながることが期待される。

 三菱ケミカルは今後も、自社および他社の知的財産権を尊重し、他社が知的財産権を侵害するようなことがあれば、これを看過することなく適正な対応を取る方針だ。

三菱ケミカル PVA製品群の輸出価格値上げ、来月1日から

, ,

2021年1月27日

 三菱ケミカルは26日、ポリビニルアルコール(PVA)製品群の輸出取引価格を2月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品はPVA「ゴーセノール」、PVA特殊銘柄「ゴーセネックス」、アモルファスビニルアルコール系樹脂「ニチゴーGポリマー」、ゴーセネックスZ用架橋剤「セーフリンク」で、改定幅は、北南米向け「200USドル/t」、欧州向け「250ユーロ/t」、西アジア・南アジア・東南アジア・東アジア向け「150USドル/t」、中国向け「150USドル/t」、オセアニア向け「150USドル/t」となっている。

 当該製品については、人手不足やコンテナ不足により海外物流費が高騰しており、自助努力によるコスト吸収の範囲を超えるものとなっている。さらに、これらの傾向は今後も続くことが見込まれる。こうした中、同社は、これまでコスト削減に取り組んできたが、安定供給を維持するために採算是正が必要であると判断し、価格改定の実施を決定した。

三菱ケミカル 子会社2社を統合、コーティング材事業を集約

, ,

2021年1月26日

 三菱ケミカルは25日、全額出資会社であるジャパンコーティングレジン(JCR)と東栄化成について、今年10月1日付でJCRを存続会社とする吸収合併の方法で統合すると発表した。JCRは、水系エマルジョン技術基盤をもとに多様な樹脂の乳化技術に強みをもつ。一方、東栄化成は、アクリル系コーティング材用樹脂やその他各種樹脂の重合・配合・分散製造の少量生産体制を生かした柔軟なオペレーションを強みとしている。

 今回の統合を通じて、両社がそれぞれ培ってきたコーティング材事業に関する知見・製造技術を集約することで、付加価値の高いソリューションを幅広く提供する体制を確立する。三菱ケミカルは今後も、グループの総合力を生かした事業展開を行うことで、コーティング材事業の成長・強化を目指していく。

三菱ケミカル オキソ製品とアクリル酸製品を値上げ

, ,

2021年1月26日

 三菱ケミカルは25日、オキソ製品およびアクリル酸製品を来月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、オキソ製品が「2‐エチルヘキサノール」「ノルマルブタノール」「イソブタノール」「ノルマルブチルアルデヒド」「イソブチルアルデヒド」「イソノニルアルコール」、アクリル酸製品が「アクリル酸」「アクリル酸ブチル」「アクリル酸2エチルヘキシル」「アクリル酸メチル」「アクリル酸イソブチル」で、改定幅は各製品とも「15円/kg以上」となっている。

 原料のプロピレンは、修繕費増加や市況高騰によりコストが上昇している。これに加え、当該製品に関わる修繕費などの固定費・物流費が上昇している。同社はこれまでコスト削減に努めてきたが、これらのコストアップ分を自助努力のみで吸収することは困難であると判断し、価格改定の実施を決定した。

三菱ケミカル 人事(2月1日)

2021年1月22日

[三菱ケミカル・人事](2月1日)▽内部統制推進部長、コンプライアンス推進統括執行役員同部所管三菱ケミカルホールディングス執行役員ヘルスケア法務室長矢野功▽同部長付奥園雄司。

三菱ケミカル マルカサイド加工剤、コロナ不活化効果を確認

, , , , ,

2021年1月22日

 三菱ケミカルとグループ会社の大阪化成、および北里研究所はこのほど、新型コロナウイルスの不活化評価に関する共同研究について、大阪化成が製造・販売する「マルカサイドAV」で加工した生地が新型コロナウイルスに対し、短時間(1分間または10分間)で不活化効果があることを確認したと発表した。

 新型コロナウイルスは、ここにきて国内外で感染が拡大。国内の感染者数は32万人(1月17日現在)を超え、世界的な規模で第3波の流行に襲われている。このような状況下、医療関係者などの感染防御対策は、医療崩壊を防ぐ上でも極めて重要であり、社会的にも喫緊の課題となっている。

 「マルカサイドAV」は、有機系第4アンモニウム塩を主成分とする水性剤であり、主に繊維加工剤として使用される。急性経口毒性・変異原性・皮膚刺激性・皮膚感作性の安全性が確認されているほか、各種ウイルスに対する抗ウイルス効果やグラム陽性菌群、グラム陰性菌群および真菌(カビ)などの幅広い菌種に効果を発揮する。

 今回の評価結果では、「マルカサイドAV」を加工した対象布は、不織布の場合、10分間で1万分の1以下に、1分間で100分の1以下にコロナウイルスが不活化された。また、ポリエステル(65%)と綿(35%)の混紡生地では10分間、1分間とも約1万分の1以下に不活化が確認され、さらに10回の洗濯後でも100分の1以下まで不活化が可能であった。

 3者は、引き続き共同研究を進め、医療機関で使用される防護服や白衣、カーテンなどへの用途展開を図り、研究の意義である医療関係者などの感染防御対策など、医療現場へ貢献、医療崩壊予防などに役立つよう研究を進めていく考えだ。

マルカサイド加工生地 抗ウイルス試験
マルカサイド加工生地 抗ウイルス試験

三菱ケミカル 来月から「ソアノール」関連製品を値上げ

, ,

2021年1月19日

 三菱ケミカルは18日、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)「ソアノール」および関連製品について、来月1日出荷分からの値上を決定し、取引先との交渉を開始したと発表した。対象製品は「ソアノール」「ソアレジン」「ソアライト」で、改定幅は国内「20円/kg」、アジアパシフィック「0.2USドル/kg」。

 同社は、当該製品に関して徹底したコスト削減に取り組んできたが、自助努力のみでは収益性悪化を吸収することは困難な状況にある。旺盛な需要に対応した安定的な製品供給を継続するには採算是正が必要と判断し、価格改定を実施することとした。

 

三菱ケミカル 3Dプリンティング用樹脂を本格始動

,

2021年1月15日

コロナ禍で3Dプリンター活躍、一気に市場拡大

 三菱ケミカルは、長年培ってきた樹脂に関するノウハウをベースに、2018年に3Dプリンティング用樹脂事業に参入。翌年には、米国に工場を新設し、製品の量産を開始した。今後、3Dプリンティング用樹脂の需要はグローバルで年率10%程度伸びていくと見られており、同社は市場の伸び以上の事業成長を実現していく考えだ。

3Dプリンティング
3Dプリンティング

 3Dプリンターの原理は1980年代に考案され、製造業を中心に部品の試作に採用されてきた。2000年代に入ると、特許切れにより3Dプリンティング事業に参入する企業が増加。これが低価格化につながり、その後、欧米を中心に安定的に市場が広まった。

 こうした中、昨年は世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大。グローバル企業のサプライチェーンが深刻な影響を受けたが、図面さえあれば必要な場所で、必要なときに、必要な量を製造できる3Dプリンターがこの窮地を救った。また、病院でも3Dプリンティングが活躍。世界中の企業やエンジニアが医療物資に関連する設計図を無償でウェブ上に公開したことにより、欧州では病院が3Dプリンターを購入して、現場でフェイスシールドや人工呼吸器の部品を製造するケースが増加。日本でも、既存設備の3Dプリンターを活用して医療部品を作り、病院に寄贈する企業が相次いだ。世界規模の外出制限が一段落した今も、「部品調達手段の多様化」「生産コストの効率化・省力化」「DX化推進の一環」などをキーワードに市場の拡大が続いている状況だ。

 3Dプリンティング市場の拡大で重要となるのが造形物に使用する素材。特に、産業分野の部品生産に利用するためには、強度や造形時間、加工のしやすさなど、素材にも高い品質が求められる。同社は、2018年にグループ内に分散していた3Dプリンティングに関する研究機関や事業を高機能ポリマー部門に集約。本格的な3Dプリンティング用樹脂事業参入に向けて、積極的な事業展開を推進している。

3Dプリンター用フィラメント
3Dプリンター用フィラメント

 2018年には熱溶解積層(FDM)方式のフィラメントのトップメーカーである蘭ダッチ・フィラメンツ社を買収し、3Dプリンティング用樹脂事業の足掛かりを構築。2019年には独自の基盤技術「フリーフォーム射出成型(FIM)」をもつデンマークのアディファブ社へ出資し、両社の技術の融合により、多種多様な特性・形状の部品が製造可能となった。

 また蘭アトム3D社とは、紫外線硬化樹脂「ダイヤビーム」技術を共同で開発。耐熱性と耐衝撃性の両立を実現した。さらに昨年には独AMポリマーズ社と業務提携し、粉末床溶融結合(PBF)方式3Dプリンターに使用するPBT(ポリブチレンテレフタレート)を用いたパウダーを開発し供給を開始。三菱ケミカル初の3Dプリンティング用樹脂の製造・販売となった。同社の3Dプリンティング用樹脂は、自動車の内装材、航空機部品、医療分野といった幅広い試作用途に使用できるため、各分野への展開が期待される。

 一方、3Dプリンティングは、デザイン性の向上に寄与するだけでなく、使用材料の削減、製作・物流リードタイム短縮によるCO2削減など、今の時代に不可欠な環境にやさしい工法でもある。三菱ケミカルは3Dプリンティングへの樹脂ソリューションをグローバルに提供し続けることで、社会・環境課題の解決の一助を担うとともに、三菱ケミカルホールディングスが掲げる「KAITEKI」の実現に向け取り組んでいく考えだ。

3Dプリンター印刷様式
3Dプリンター印刷様式

 

三菱ケミカル 新人事制度、適正評価とキャリア形成を主眼

,

2021年1月14日

 三菱ケミカルは13日、新たな人事制度を4月1日から導入すると発表した。同社は、2017年4月に三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンの統合により発足して以降、時代や環境の変化に柔軟に対応しながら、従業員の活躍を最大化するための人事施策に取り組んできた。今回、人材の多様化・流動化やグローバル競争の激化などの環境変化が加速していることを踏まえ、より従業員一人ひとりの職責と成果の適正な評価や、主体的なキャリア形成を主眼とした人事制度に刷新する。

 新人事制度では、「透明性のある処遇・報酬」「主体的なキャリア形成」「多様性の促進と支援」の3点を軸として、会社と従業員が互いに選び、生かしあう関係を構築し、共に成長していく文化を形成することで企業価値の向上を目指す。

三菱ケミカル 人事(2月1日)

2021年1月8日

[三菱ケミカル・人事](2月1日)▽MMA部門グローバルSCM本部長、取締役常務執行役員同部門長同部門MMA・Asia本部長佐々木等▽ルーサイトインターナショナルシンガポール社西村誠司。