東レ 三島工場のフィルム開発専用機が本格稼働を開始

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2021年6月16日

 東レはこのほど、高度化・多様化するフィルム市場のニーズに対応した高機能フィルムの開発力を強化するため、三島工場に独自のフィルム開発専用機を導入し、本格稼働を開始したと発表した。

 開発専用機は、東レの強みである高精度ナノ積層、「ナノアロイ」、高機能ナノコーティングなどの要素技術や多様なフィルム設計技術を適用することで、幅広いフィルム開発への対応を実現。また、実生産機に近いマシンサイズとクリーンルーム環境を兼ね備えた設計としている。

 これまでの量産機による開発では、設備の稼働状況や仕様によって試作タイミングや適用可能な技術に制約があり、開発サンプルの提供に時間を要することがあったが、開発専用機を活用することにより、研究レベルの小型パイロット機での、新技術・新製品コンセプトの創出から量産レベルの生産技術確立までの開発期間を大幅に短縮することが可能となる。

 同社は、今回の開発専用機導入により、電子デバイスやディスプレイ向けの高品位・高精細化を追求した新フィルムの開発に加え、今後の成長が期待される自動車、エネルギー、環境・ライフイノベーション分野に向けて革新的な新技術・新製品の開発を加速する。そして市場ニーズを先取りした提案を積極的に進めることで、高付加価値市場でのさらなる事業拡大を目指す。

 

中外製薬 クライオ電子顕微鏡装置を導入、国内製薬企業で初

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2021年6月11日

 中外製薬はこのほど、創薬研究のさらなる加速に向け、国内製薬企業で初めてクライオ電子顕微鏡装置を導入したと発表した。

 クライオ電子顕微鏡装置は、2017年にその基幹技術にノーベル化学賞が授与され、革新的な技術として注目を集めている。今回の同装置の導入は、創薬研究の必須プロセスである、標的タンパク質と結合した新薬候補化合物分子の立体構造解析を目的としている。

 同社は、創薬研究の際の立体構造に基づく化合物デザイン(SBDD:ストラクチャー・ベースド・ドラッグ・デザイン)を重視し、精緻なデザインの追求による質の高い新薬候補化合物の創製を目指している。これまで立体構造の取得に同社が主に行ってきたX線結晶構造解析は、標的分子となる細胞内タンパク質を結晶化するプロセスを必要とする。中分子医薬品の標的タンパク質は、結晶化が難しいものが多く、化合物デザインの精緻化の課題となっていた。

 クライオ電子顕微鏡装置による解析は、結晶化のプロセスを必要とせず、解析の大幅な効率化とともに、結晶化の難しい細胞内タンパク質を含む、より広い対象への立体構造解析が実現。これにより、SBDDが強化され、化合物デザインの成功確率の向上が期待される。

 同装置は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社より導入され、中外製薬の鎌倉研究所で、中分子医薬品を含む様々な新薬候補化合物の立体構造解析に使用される。