帝人の4-9月期 増収も原燃料高とCSP費用増で減益に

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2018年11月6日

 帝人は5日、2019年3月期第2四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比9%増の4394億円、営業利益4%減の362億円、経常利益5%増の398億円、純利益16%増の339億円。

 決算会見で山本員裕副社長は「マテリアル、ヘルスケアともに販売堅調で増収となった。営業利益は、原燃料価格上昇やCSP社新規受注増加に伴う一時費用などが増加し減益となったが、純利益は特別利益などの増加もあり過去最高だった」と総括した。

 マテリアル領域は増収減益だった。マテリアル事業では、アラミド繊維は自動車関連向けを中心に堅調、ポリカーボネート樹脂は高付加価値品を中心に販売構成が改善、またフィルムの工程用離型用途が好調だった。炭素繊維は北米新工場立ち上げ費用などが利益を押し下げた。

 繊維・製品事業では、衣料繊維分野では高機能製品が好調だった。産業資材分野では土木資材用途の販売が出遅れた。複合成形材料事業は、LIB用セパレータが民生用途の販売が低調だった。

 CSP社について山本副社長は

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帝人 リアルタイム在庫管理システムをローソンと共同開発

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2018年10月12日

 帝人は11日、コンビニエンスストア大手のローソンと、未来型コンビニでの活用を目的に、棚管理システム「Recopick(レコピック)」を使用した、リアルタイム在庫管理システムを開発したと発表した。両社は同システムを、16~19日に幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2018」に出展する。

 レコピックは大量のICタグを一括で読み取る性能を持つUHF帯を使い、管理対象物の入出庫やロケーションを効率的に管理するRFIDシステム。厚さ3mm程度の特殊な2次元通信シートを使用することで、空間に放射拡散する特性をもつUHF帯の電波を、近距離で安定的に読み取り、一度に大量の書類や物品を正確に管理することができる。

 一般的なアンテナは

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帝人 新規メタ系アラミド繊維をアウトドア製品に

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2018年9月25日

 帝人はこのほど、高い難燃性と優れた染色性を持つ新規メタ系アラミド繊維「テイジンコーネックス・ネオ」を活用したアウトドアウェア用の独自素材をスノーピークと共同開発し、スノーピークが展開するアウトドアアパレル「TAKIBIシリーズ」の新たなラインアップに採用されたと発表した。

 今回同シリーズに新たに加わったのは「TAKIBI ダウンジャケット」で、今月21日から全国のスノーピーク直営店、オンラインショップなどにて販売を開始している。

 両社は2016年から連携を開始し、難燃性が高い帝人のメタ系アラミド繊維「テイジンコーネックス」を活用した同シリーズを展開。今回、アウトドアシーンに対応できる高い機能性と、街にフィットする質感や着心地を追求し、着想から二年の歳月をかけて同素材を活用した独自素材を生み出し、新たな同シリーズへの採用に至った。

 「テイジンコーネックス・ネオ」は、優れた染色性と、従来と同等レベルの高い難燃性を持ち、キャンプでの焚火をはじめとする火を扱う場面でも、安全かつ快適に着用することができる。

 スノーピークは「人と自然、人と人をつなぎ、人間性を回復する」ことを社会的使命とし、幅広い事業を展開。主力事業であるキャンプ用品の製造・販売に加え、2014年からは、都市生活でも自然の中でも心地よく過ごすことができるアパレル製品の展開にも力を入れている。

 一方、帝人は独自の高機能素材を活用したソリューションを様々な分野に向けて開発・提供しており、今回の同シリーズをはじめとする新たな用途に広く展開し、色や風合いなど多様な要望に応えるべく技術革新を進めている。

 両社は、今後も日々の生活を豊かにする製品を世の中に発信していく。

帝人 発祥の地の米沢市で創立100周年記念イベント

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2018年9月25日

 帝人はこのほど、同社発祥の地である山形県米沢市で、29日に同市との協業によるイベントを開催すると発表した。6月17日に創立100周年を迎えたのを記念する取り組みの一環。

 午前中に、同社発祥にゆかりの「人繊工業発祥之地」の石碑がある御成山公園内で、米沢市の中川勝市長をはじめとする来賓と同社の経営陣が出席して碑前祭を実施する。午後からは市の文化施設である「伝国の杜」内に場所を移し、中川市長と鈴木純社長によるあいさつに続き、様々なイベントを開催する(入場無料)。

 「米沢協業プロジェクト」として「未来せんいアワード」、山形大学の城戸淳二教授による講演、よねざわ市民ミュージカル「Faith(フェイス)」の上演を実施。「化学を感じる展示」では、現在の最新繊維の機能を体験することを通じ、化学の面白さをわかりやすく伝えるワークショップを開催する。

 未来せんいアワードは、繊維産業が盛んな米沢市の地域特性を生かし、「人間にとっての未来の繊維」をテーマとして広く公募を行い、優秀作品の展示や発表を行う。

 繊維や服、生地などの作品を募る「テキスタイル部門」「製品部門」と、未来のファッションに関する絵画を募る「絵画部門」を設定し、子供を含む多くの人々の作品を、伝国の杜エントランスホールで、午前10時から午後4時まで展示。授賞式は午後3時20分から50分まで、置賜文化ホールで行う。

 1993年に世界で初めて白色有機ELの開発に成功した城戸教授の講演は、「挑戦と創造の町 米沢」と題して午後1時40分から2時35分まで、置賜文化ホールで開催する。

 よねざわ市民ミュージカルについては、帝人の創業者の1人である秦逸三氏が、人造絹糸(レーヨン)の発明に命をかけた挑戦ストーリーのミュージカルを、午後2時50分から3時20分まで、置賜文化ホールで上演する。

 一方、化学を感じる展示は、午前10時から午後4時まで伝国の杜のピロティで行う。撥水素材を使用した水が転がる仕掛けの装置で遊んだり、軽量素材を使ったランドセルと従来のランドセルの重さを比較したりするなど、各種体験を楽しむことができる。また、ワークショップ参加者には、もれなく帝人の100周年記念ロゴがプリントされた、オリジナルトートバッグをプレゼントする。

帝人 17業務を対象にRPAの導入を完了し稼働開始

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2018年9月18日

 帝人は、経理・財務領域、人事・総務領域の17業務を対象に、RPA(Robotic Process Automation)の導入を完了し稼働を開始した。今後、順次適用業務を拡大する予定。

 生産年齢人口の減少、働き方改革への対応の必要性を背景に、ホワイトカラーの業務効率化や、作業負荷軽減に向けてテクノロジーを活用する動きが活発化する中、これまで人が対応していた定型業務などを自動化する技術としてRPAが注目されている。

 同社グループは、新たなテクノロジーを積極的に取り込むことにより、業務改革、生産性向上を推進。その取り組みの一環として、全社的にRPAを導入・展開することとしており、今年4月にその推進組織として「RPA推進班」を設置し、取り組みを強化している。

 RPA導入の概要として①社内で代替可能な業務の洗い出しを推進②その結果、経理・財務領域、人事・総務領域の17業務を対象に導入し、今月から運用を開始③これにより業務の平準化や高度化を実現し、年間約3000時間を創出するとともに、人為的ミスを排除するなどの効果も期待④RPAの開発・導入に当たっては、パーソルプロセス&テクノロジー社をパートナーとして、RPAツールとして集中管理機能に優れ、汎用性の高いUiPath社の製品を採用した。

今後は、マテリアル事業やヘルスケア事業へとRPA導入対象業務を全社規模に拡大することにより、早期に10万時間の創出実現を目指し、「働き方改革」の推進、および新たな価値創出や成長分野への業務シフトを加速。また、海外のグループ会社などにおいてもRPAの導入を検討・推進していく。

 同社は、今年度「攻めのIT経営銘柄2018」に選定されたが、今後もチャットボット(自動対話システム)などに代表されるロボット、AI、IoTなどを積極的に活用し、新規ビジネスの創出とビジネススタイルの変革を推進していく考えだ。

GLM スポーツEVのフロント窓に帝人のPC樹脂を採用

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2018年9月14日

 EV(電気自動車)メーカーのGLM(京都市左京区)は13日、帝人と共同開発している樹脂製のフロント窓(フロントウインドー)を搭載したスポーツタイプのEV(スポーツEV)で、「道路運送車両の保安基準(第29条)」を満たす国内認証を取得し、7月に自動車登録番号標(ナンバープレート)を取得したと発表した。

樹脂ウィンドーでナンバーを取得したスポーツEV
樹脂ウィンドーでナンバーを取得したスポーツEV

 GLMが販売するスポーツEV「トミーカイラZZ」への採用を念頭に共同開発しており、約2年をかけ公道での走行が可能になった。認証を取得した車体をベースに、年内には受注生産体制を整え、同車の特別仕様車として来春、販売する。樹脂製のフロントウインドーを搭載した市販車はこれまでなく、世界初を目指す。

 樹脂は軽量でガラスの200倍の耐衝撃性を持つ、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)を採用。その表面に帝人が開発したコーティング剤による特殊加工を施すことで、傷つきやすいPC樹脂の耐摩耗性を、強化ガラス並みに高めることに成功し、車に適用できるようにした。

 このPC樹脂を自動車のフロントウインドー用に縦約700mm、横約1300mmの曲面を持つ一枚板として射出プレス成形。全体の厚みを6mmと均一に保ちながら、窓枠にあたる外側部分を10mmの厚みにするなど両社で改良を重ね、窓枠(Aピラー)をなくすことに成功した。

 Aピラーなどをなくしたことで、搭載した窓の重量は11.8kgと、従来のガラス窓とAピラーの組み合わせに比べ6.6kg(約36%減)も軽くなり、電費の向上も見込める。また、ピラーレスになったことで、オープンカー特有の開放的な視界がより楽しめるメリットも生み出す。

 PC樹脂はガラスに比べて半分ほどの重さで、車体の軽量化に寄与する素材として期待されてきた。しかし、ガラスに比べて耐摩耗性が低く、窓の開閉やワイパーなどにより表面が傷つきやすいことが大きな課題で、これまでのハードコート技術(ウエット法)だけでは、保安基準に対応する耐久性を満たすことができなかった。

 今回、トミーカイラZZに搭載した帝人の樹脂製窓は、透明性が高いPC樹脂に、さらに保護層を作る技術(プラズマCVD法で無機材料をコーティング)を加え、耐摩耗性を0.5~1.5%の耐摩耗性を実現した。これは強化ガラス(耐摩耗性0.5~1.0%)並みに傷つきにくい高い性能となっている。

帝人 ポルトガルの自動車向け複合材料成形メーカーを買収

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2018年8月23日

 帝人は22日、欧州での複合成形材料事業の拡大の一環として、ポルトガルの自動車向け複合材料成形メーカーである、イナパル・プラスティコ社(イナパル社)の全株式を取得し、完全子会社化すると発表した。

 帝人は昨年1月に北米最大の自動車向け複合材料メーカーの、コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP社)を買収した。CSP社にはフランスに研究開発機能を持つCSPヨーロッパ社があるが、欧州でGF‐SMC(熱硬化性樹脂をガラス繊維に含侵させシート状にした成形材料)の研究開発から製造までの一貫体制を確立するため、CSPヨーロッパ社に製造ラインを建設することを決定した。

 ただ、「GF‐SMCは中間材料であり、成形しないと具体的な部品にはならないことから、サプライチェーンを完結するため、イナパル社を買収することにした」と、同日記者会見を行った中石昭夫複合成形材料事業本部長は説明した。

中石本部長

 イナパル社は1980年代から自動車メーカーやトラックメーカーに、GF‐SMC製部品を提供しているティア1メーカー。自動車業界で

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帝人 スーパー大麦活用した「腸内会プロジェクト」立ち上げ

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2018年8月20日

 帝人はこのほど、自社展開する機能性食品素材のスーパー大麦「バーリーマックス」を活用し、全国の自治体との連携によって、市民の健康増進や健康寿命の延伸に貢献することを目指す「腸内会プロジェクト」を立ち上げると発表した。

 老若男女を問わず、「バーリーマックス」の摂取や腸内フローラについて学習する機会を提供する。その第一弾として山口県岩国市と同プロジェクトを開始する。まず、今夏から市役所の食堂メニューや学校給食への提供を予定。その後、同市で食育を推進するための取り組みとして、生活習慣病予防と

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【ポリカーボネート特集3】 帝人

2018年1月16日

 世界初のEV向けピラーレスフロントウィンドウを開発

 スポーツ電気自動車(EV)向けに、世界初のポリカーボネート(PC)樹脂製ピラーレスフロントウィンドウを開発した帝人は、自動車以外の多様な分野への用途展開にも注力している。

小川部門長
小川部門長

 同ウィンドウは、京都大学発のEVメーカーであるGLM社のスポーツEV「トミーカイラZZ」の特別仕様車に採用され、今年7月には「道路運送車両の保安基準」を満たしたことから、ナンバープレートを取得して公道を走行することが可能になった。

 これは、PC樹脂のグレージング(ガラス・金属代替パーツ)用途としての画期的な出来事と言える。今後は特別仕様車の本格的な受注生産開始に向け、同ウィンドウの供給体制の整備を進めていく。

 また、新幹線の側窓にPC樹脂が採用されたのも帝人が初めて。最初は冬季のガラス破損防止のため、ガラスに貼り合わせる補強用として採用された。2007年からは、PC樹脂製ウィンドウとして、N700系のほぼ全ての車窓に採用され、車両の軽量化に貢献している。

 樹脂事業本部樹脂ソリューション営業部門の小川和宏部門長によると「2017年に欧州の最新自動車保安基準が日本に導入されたことを背景に、

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