帝人 熱可塑性炭素繊維中間材をボーイング社へ供給開始

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2019年2月1日

 帝人は31日、熱可塑性樹脂を使用した一方向性プリプレグテープ「テナックス TPUD」が、ボーイング社の認定を受け、航空機の一次構造材向けに供給を開始すると発表した。

テナックス TPUD
テナックス TPUD

 同社は、2016年にボーイング社との間で炭素繊維中間材料の材料認定契約を締結し、供給に向けて共同開発を進めてきた。

 今回、ボーイング社への供給を開始するテナックス TPUDは、熱可塑性樹脂を母材としたテープ状のプリプレグ(炭素繊維シートに樹脂を染み込ませたもの)で、耐熱性や耐衝撃性、耐疲労特性などに優れているほか、成形時間の大幅な短縮が可能で、製造工程におけるコスト効率の向上に大きく寄与する。

 今回の認定取得により、ボーイング社が今後就航を予定している次世代航空機への本格採用を見込み、今後2年以内に、ボーイング社指定の航空機部材メーカー向けに同製品の供給を開始する。

 帝人は炭素繊維事業の拡大に向け、航空機用途を注力分野に設定。高強度高弾性率炭素繊維や熱可塑性樹脂を使用した一方向性プリプレグテープのほか、炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板、熱硬化性プリプレグ、一方向に並べた炭素繊維の束を化学繊維糸で縫いつけたシートであるノンクリンプファブリックなど、グローバル市場で川上から川下までの用途開発を強力に推進している。

 今回の認定を皮切りに、航空機向け炭素繊維製品のマーケットリーダーとしてソリューション提案力を一層強化し、2030年ごろまでに航空機用途で年間900万ドル以上の売上を目指していく。

帝人 航空機向け炭素繊維強化 英社への供給期間を延長

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2019年1月29日

 帝人は28日、英ボンバルディア・エアロストラクチャーズ・アンド・エンジニアリング・サービスのエアバスA220向けの、炭素繊維「テナックス」の供給契約を延長したと発表した。

ボンバルディア社の翼部材製造工程
ボンバルディア社の翼部材製造工程

 両社は2010年に「テナックス」の供給契約を締結し、主翼やセンターウィングボックス(翼胴結合部)、尾翼などの構造材向けの指定原糸として供給してきた。新たな供給契約の締結により、契約期間は2025年まで延長されることになる。

 帝人は炭素繊維事業の拡大に向け、航空機用途を注力分野の一つとしている。高強度高弾性率炭素繊維をはじめ、熱可塑性樹脂を使用した一方向性プリプレグテープ、炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板、熱硬化性プリプレグ、一方向に並べた炭素繊維の束を化学繊維糸で縫い付けたシートのノンクリンプファブリックなど、幅広い製品展開により、強力に用途開発を推進している。

 今回の契約延長を機に、航空機向け炭素繊維製品のマーケットリーダーとしてソリューション提案力を一層強化し、2030年ごろまでに、航空機用途で年間9億米ドル以上の売上を目指す。

帝人 複合成形材料事業の中国展開を強化、新工場建設へ

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2019年1月15日

 帝人は11日、帝人グループの米コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)の中国合弁であるCSPヴィクトール社(中国・唐山市)が、同市に続き、常州市の武進国際ハイテク工業区内に、第2の工場を新設すると発表した。

 CSPは軽量複合材料製品の開発・生産・販売を手掛けている。常州市は長江デルタ地帯にあり、GMやフォルクスワーゲン、ランドローバーといった欧米の自動車メーカーだけでなく、CATL、江鈴汽車、上海汽車集団、吉利汽車、奇瑞汽車、北京汽車(常州)といった中国の有力自動車メーカーが集積した上海近郊に位置する。

 CSPヴィクトール社は、中国の鉄道向け部品とモジュールメーカーであるヴィクトール社とCSPの合弁で2014年に設立され、15年から唐山市で自動車向けコンポジット製品と、その中間材料であるGF‐SMCを製造している。GF‐SMCとは、熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させ、シート状にした成形材料のこと。

 第2工場の新設により、中国国内で急速な伸びが期待されている電気自動車向けのバッテリーボックスや、自動車業界で「クラスA」と称される美麗な外観を特徴とした外板部品と、ピックアップトラック向け部品などを含む多様な製品を中国市場へ積極的に投入していく。

 帝人グループは中期経営計画で「自動車向け複合材料事業の展開」を発展戦略の1つとして掲げており、今後も複合化を強みとした技術開発にいっそう注力し、車体軽量化のソリューションプロバイダーとしてグローバルに事業を展開していく方針だ。

 

《化学企業トップ年頭所感》 帝人 鈴木純社長

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2019年1月9日

 私たち企業には、テクノロジーを活用し、これまでの常識を打ち破る新たな価値を創造していくことが求められている。その鍵となるのは「人間らしさ(Humanness)」の追求だ。未来の社会の変化を先取りし、事業機会を取り込むためにも、「人間らしさ」を中心に据えたものの見方、考え方を意識してほしい。

 昨年、100周年記念プロジェクトの一環として「THINK HUMAN PROJECT」がスタートし、9つのテーマで、未来の社会、未来の技術、未来の人々にとってのソリューションについて考察した。私たちに何ができるか、さらに深く考え、一つでも多くのアイデアが新たな事業機会の創出につながっていくことを期待している。

 中期経営計画の基本となるのは、「成長戦略」による基礎収益力の強化と「発展戦略」による新規コアビジネスの確立である。2025年近傍を見据えると、新たにコアとなる事業を確立し、利益貢献できるよう育成できなければ、次の100年の飛躍という目標から遠ざかってしまう。事業ポートフォリオの変革は平時から常に行っていくものであり、次の100年への礎をしっかり築いていきたい。

 次の100年への飛躍に向けて新たな一歩を踏み出すにあたり、企業理念に立ち返り、思いを語りたい。①「Quality of Life」。帝人グループは、社会や人々に新たな価値を提供し、人々が豊かな生活を享受できるよう貢献を続けてきた。ヒトを中心に考え抜いた考察を元に社会や人々を幸せにする未来を想像しながら、大きな夢を描いていこう。

 ②「社会と共に成長します」。企業の存在意義は、社会の持続的成長に貢献することにある。自分たちに何ができるかを考え、社会貢献につながるポジティブな面を伸ばしながら、事業活動を通じて生じるネガティブな面を極小化することに取り組み、社会と共に生き、共に成長していきたい。

 ③「社員と共に成長します」。会社も社員も、日々進化し、少しでも昨日より成長することが重要である。一人ひとりが好奇心や外に開かれた心を持ち、会社という「場」を使って、活き活きと自分の能力を存分に発揮できる自己実現につながる挑戦をしてほしい。最後に、次の百年への飛躍に向けて、大きな夢と誇りを持ち、次の世代、未来の帝人グループ社員のために、共に挑戦を続けていこう。

帝人 アラミド繊維をシャープ製スマホ背面パネルが採用

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2018年12月27日

 帝人はこのほど、パラ系アラミド繊維「テクノーラブラック」が、シャープのスマートフォン「AQUOS zero」の背面パネルに採用されたと発表した。

 「テクノーラ」は、同一重量の鉄の8倍の強度をもち、耐衝撃性、耐熱性にも優れる、帝人が開発した共重合タイプのパラ系アラミド繊維。ロープ、エンジンのタイミングベルト、競技用車両のシートやボンネット、航空宇宙用途などに幅広く採用されている。

 テクノーラブラックはテクノーラの紡糸段階で顔料を混練させたもので、耐候性の高さから、消防服やヨットセールなど屋外で使用される製品への採用が進んでいる。

 アラミド繊維を複合した強化プラスチックは、軽量で絶縁性があり誘電率が低いため電波障害が起こりにくい。この特長から、高速通信化が進むモバイルデバイスへの貢献が期待されている。特に、テクノーラブラックはアラミド繊維の特性に加え、対候性と意匠性にも優れている点が評価され今回の採用となった。

 同社は今後も、「未来の社会を支える会社」になるという長期ビジョンの実現のため、多彩な高機能素材を活用し、さまざまな分野に向けてソリューションを提供していく考え。

 なお、AQUOS zeroは今月21日に発売されたフラッグシップモデル。背面パネルにテクノーラブラック、ディスプレイに有機EL、筐体フレームにマグネシウム合金を採用している。素材にこだわり、軽量化(約146グラム)と高強度を実現した。

帝人 ヘルスケアやモビリティで独自の方向性打ち出す

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2018年12月13日

 帝人は、ヘルスケアやモビリティなどで独自の方向性を打ち出す。ヘルスケアについては「ニュートラシューティカル」という造語により、新しいカテゴリーを設定。モビリティではヘルスケアや環境などの観点から「人が活きるモビリティ」とは何かを探り、その具体的な在り方として「ロースピードビークル」の取り組みを開始した。

 12、13日に東京・渋谷のヒカリエで開催の「THE NEXT 100 THINK HUMAN EXHIBITION」で紹介している。

プレゼンテーションを行う鈴木社長
プレゼンテーションを行う鈴木社長

 ニュートラシューティカルは明確な科学的根拠に基づき、健康の維持・増進や疾患予防に貢献するもののこと。展示会ではその例として、老化と寿命の制御に重要な役割をもつサーチュインというタンパク質を活性化させる、NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)の研究を紹介した。

 サーチュインを脳内だけで増えるように遺伝子操作したマウスを作って調べたところ、メスで16%、オスで9%、集団として寿命が延びることが確認された。人間もNMNを効率よく摂取すれば、寿命が延ばせる可能性がある。NMNは

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帝人 機能性食品素材の第2弾、発酵性食物繊維を発売

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2018年12月11日

 帝人は10日、発酵性食物繊維「イヌリア」の販売を開始すると発表した。同社ではスーパー大麦「バーリーマックス」に続く機能性食品素材の第2弾となる。製品仕様は、1箱30包入り(3g/包)、価格は1280円(税別)、製造元はファイン。アマゾンや楽天市場などで通信販売を行う。

 帝人は、水溶性食物繊維の代表的な素材であるイヌリンで、世界第2位のシェアを誇るオランダの食品素材メーカー・センサス社と、日本でのイヌリンの独占販売契約を締結しており、国内で「イヌリア」ブランドでの展開を図っている。そのマーケティング活動の加速のため今回、同素材を使用した自社製品の販売を始める。

 同社が国内で展開する「イヌリア」は、オランダ産チコリの根を抽出して製造するもので、高い腸内発酵力を特長としており、鎖長の異なる複数のラインアップにより、幅広い用途に使用できる。また、自然の甘みを生かして砂糖代替として、あるいは脂肪代替として用いることができ、カロリーを抑え、かつ食物繊維が摂取可能な飲料や食品の設計を可能にする。

 厚生労働省が実施した国民健康・栄養調査によると、日本人の食物繊維の平均摂取量は減少傾向にあり、2011年には1952年に比べて30%以上減少。2016年の1日当たりの平均摂取量は13.6グラム程度とされており、健康増進法で設定されている男性20g、女性18gという目標量に対して大きく不足している。

 こうした中、主にキク科の植物であるチコリなどから作られる、水溶性食物繊維の一種イヌリンは、水に溶けやすく、飲料や食品に容易に使用できることから、現代の日本人に不足している食物繊維を手軽に摂取できる食品素材として期待されている。

 帝人は「イヌリア」製品の販売開始を契機に、センサス社との連携を強化し、さらに製品開発や顧客開拓などのマーケティング活動を展開していく考え。機能性食品素材事業では、生まれた日から最後の日まで、人々の健康を支えることを目指して、今後も研究開発に取り組み、機能性食品素材のラインアップの拡充を図っていく。

帝人 アラミド繊維事業で米社とパートナー契約を締結

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2018年11月29日

 帝人は28日、米国の防護衣料メーカーのウェステックス・バイ・ミリケンと、帝人グループのテイジン・アラミドB.V.がアジア太平洋地域での事業展開について、パートナー契約を締結したと発表した。

 共同展開の第1弾として、快適性と防炎性能の両立を実現した防護衣料向け織物「ウェステックス・シナジー・プロ」を共同開発した。これは両社が培ってきたアラミド繊維織物に関する知見を駆使し、帝人が展開する防炎性能に優れたメタ系アラミド繊維「コーネックス」を使用して開発したもの。27日からアジア太平洋地域限定で販売を開始した。

 ウェステックス・シナジー・プロは従来のアラミド繊維織物に比べ、優れた柔軟性と6倍の吸湿性能をもち、色や単位当たりの重量のバリエーションも豊富。また、石油・ガス産業での突発火災に対する品質マネジメントシステムの規格「NFPA2112」「NFPA70E」「EN ISO11611」「EN ISO11612」の認証を取得している。

 同製品は、27~29日にシンガポールの「マリーナベイ・サンズ」で開催されているアジア最大のガス・石油に関する国際見本市「OSEA2018」で、初めて紹介展示された。

 ウェステックスは、150年以上の歴史を持つ化学品メーカーのミリケン&カンパニーのグループ会社として、防護衣料事業を展開している。一方、テイジン・アラミドは、今年創立百周年を迎えた帝人グループのアラミド事業の中核会社であり、40年以上にわたり市場を牽引している。

 ウェステックスとテイジン・アラミドは一丸となり、アラミド繊維製防護衣料のさらなる高機能化に向けて技術開発を加速し、アジア太平洋地域でのブランド価値の向上を目指す。

 

 

帝人の4-9月期 増収も原燃料高とCSP費用増で減益に

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2018年11月6日

 帝人は5日、2019年3月期第2四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比9%増の4394億円、営業利益4%減の362億円、経常利益5%増の398億円、純利益16%増の339億円。

 決算会見で山本員裕副社長は「マテリアル、ヘルスケアともに販売堅調で増収となった。営業利益は、原燃料価格上昇やCSP社新規受注増加に伴う一時費用などが増加し減益となったが、純利益は特別利益などの増加もあり過去最高だった」と総括した。

 マテリアル領域は増収減益だった。マテリアル事業では、アラミド繊維は自動車関連向けを中心に堅調、ポリカーボネート樹脂は高付加価値品を中心に販売構成が改善、またフィルムの工程用離型用途が好調だった。炭素繊維は北米新工場立ち上げ費用などが利益を押し下げた。

 繊維・製品事業では、衣料繊維分野では高機能製品が好調だった。産業資材分野では土木資材用途の販売が出遅れた。複合成形材料事業は、LIB用セパレータが民生用途の販売が低調だった。

 CSP社について山本副社長は

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