日本ゼオンは29日、2020年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比11%減の2163億円、営業利益2%減の211億円、経常利益3%減の229億円、純利益5%増の174億円。同日に開催されたオンライン会見の中で、松浦一慶取締役執行役員は「エラストマー素材の需要は全体として回復基調となり、高機能材料は堅調に推移した。10-12月期の営業利益は昨年同期を大きく上回り、高機能材は四半期で最高益となった」と総括した。
セグメント別に見ると、
2021年2月1日
2021年2月1日
2021年1月21日
日本ゼオンは20日、単層カーボンナノチューブ(CNT)を使いシリコンゴムの導電性を大幅に向上させるマスターバッチ(MB)を開発したと発表した。このMBを用いたコンパウンドは、パーキンソン病や本態性振戦の症状を軽減する医療機器への応用を目指しており、米国NovationSi社と共同研究を進めている。
今回、日本ゼオンが開発したシリコンMBは、人体に神経調節療法を実行する医療機器の部材として使用される。シリコンゴムに単層CNT「ZEONANO SG101」を練り込むことで導電性が付与されるが、シリコン分散液メーカーであるNovationSi社はさらにこのMBを用い、「PURmix 高濃度ゴム(HCR)ヘルスケアコンパウンド」を開発。単層CNTをコンパウンドに効果的に分散させることにより、硬化物の導電特性が大幅に向上することが確認されている。
パーキンソン病、本態性振戦はいずれも身体の震えを症状とする疾患で、悪化すると生活にも支障が出るケースがある。特に本態性振戦は症例が多く、40歳以上の4%が発症すると言われている。この疾患の抑制について、このシリコンゴムは米国FDAの認可をすでに取得しており、臨床試験では、多くの患者が震えの軽減を示したことが判明した。
なお、開発されたMBはグループ会社のゼオンナノテクノロジーが販売。HCRヘルスケアコンパウンドはNovationSi社が、「PURmix」ブランドで米国向けに限定販売する予定。この革新的技術が、神経疾患に苦しむ人々のQOL向上に寄与することが期待される。
2021年1月19日
田中社長「新中計でも積極投資により事業を拡大」
日本ゼオンは、現中期経営計画「ZS-20 PhaseⅢ」(2017~2020年度)が最終年度を迎えている。米中対立の長期化により事業環境が変調していることに加え、昨年にはコロナ禍も発生し業績に打撃を与える状況だ。
田中公章社長は「『ZS-20』で目標としていた売上高5000億円の達成は厳しい」としたが、「目標に到達するには不連続な成長が必要だ。従業員の中に『やらされ感』を持たないといった意識改革が見られている」とし、同社が原動力としている風土改革に手応えを示した。
また、コロナ影響による逆風を受けた上期でも、COP樹脂や光学フィルムなどの高機能材料事業は過去最高の収益となり、エラストマー事業でも特徴のある製品は需要が堅調だった。田中社長は
2021年1月14日
2021年1月6日
2020年12月1日
2020年11月27日
日本ゼオンは26日、オープンイノベーションプロジェクトとして展開する「project LNES」の第2弾として、来月4日よりソーラーカード式デザインデバイス「LNES SL-02」を試験発売すると発表した。
同社は、太陽・自然、そして地球と育みあえる豊かなライフスタイルを生活者と共創して実現していくオープン型のイノベーションデザインプロジェクトを2016年より始動。同プロジェクトでは、「FRESH ENERGY」というコンセプトとクリエイティブデバイスを通じて、社会の変化、生活者の行動と心の機微、その接点を重視した素材から体験を探索してきた。
今回発売する「LNES SL-02」は、これまで同社が長年培ってきたプラスチック技術とナノテクノロジーの融合技術を活用し、B to C向けの製品としてプロジェクトの中で開発されたソーラーカードを使用。5種の灯り機能とスポット的充電機能を搭載しており、もしもの時に「心の安心」を得られる。生活者検証で得られたニーズに基づき、〝エコな手間〟をあえて製品に組み込むことで生活者に新たな価値を提供している。
同社は新型コロナウイルスの影響で生活者のSDGsへの関心が高まる中、「project LNES」を通じて今までにないサステナブルな暮らしを提案。今まで屋根への設置などが主流だった太陽光発電の技術を、産官学連携で培った独自技術で向上させ、手のひらサイズを実現。太陽光発電の技術がこれからの新しい生活様式に根付くことを目指している。また、在宅時間の増加を機に広がる、ベランダやリビングでのキャンプスタイルシーンでも、この製品が太陽を通じて自然との共生を感じ、「心の安心」を得られるアイテムとして活躍することを期待している。
なお同製品は「エコプロ Online 2020」(今月28日まで開催)に出展している。
2020年11月18日
日本ゼオンはこのほど、「ゼオングループ コーポレートレポート2020」(冊子版・ウェブ版)を発行した。
同社グループでは毎年、ステークホルダーに同社グループのCSRに対する考え方や環境活動を伝え、事業活動全体を俯瞰してもらうことを目的として「コーポレートレポート」を発行している。
2020年度版では、新型コロナウイルス感染症への対応と影響を「ハイライト1」にまとめた。「ハイライト2」には、高機能材料事業の中でも成長著しいシクロオレフィンポリマーを使用した樹脂事業を紹介。「ZEONの事業戦略」では、エラストマー素材事業と高機能材料事業の最新の取り組みを紹介するとともに、将来を見据えた研究開発の方針を示している。同社のCSR活動を示したCSRマトリクスは、見やすさを重視し抜粋版を掲載。CSRに対する考え方や環境活動について詳細に理解してもらうための「CSRレポート」については、PDFで発行しウェブサイトで公開している。
2020年度版では、CSRの国際規格「ISO26000」の中核主題に基づいて再構成するとともに、国連グローバル・コンパクトへの署名を踏まえて、よりSDGs17目標への貢献を意識したものにした。さらには、ウェブサイトでは「ESGデータ集」に環境・安全・社員に関する取り組みの実績を掲載、「サイトレポート」では事業所や関連会社でのCSR活動などについて詳細に報告している。
2020年11月11日