旭化成 UNDP主導BCtAに2製品の承認が継続

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2021年4月27日

 旭化成は26日、今年2月に、再生セルロース繊維(キュプラ繊維)「ベンベルグ」とポリフッ化ビニリデン(PVDF)中空糸膜「マイクローザ」のインドでの事業展開が、国連開発計画(UNDP)が主導するビジネス行動要請「ビジネス・コール・トゥ・アクション(BCtA)」に承認継続されたと発表した。

  同社は2016年よりBCtAに承認されているが、今回、インドでの原料調達から最終製品に関わるステークホルダーへの支援および産学連携の取り組みが、商業活動と持続可能な開発活動を両立するビジネスモデルとして再度高く評価された。

 インドでの繊維産業に対する新たな労働機会の創出、ファッション業界の発展に向けた若者の育成活動を継続するとともに、今回より地球環境に配慮した繊維産業の持続的発展に欠かせない産業用水の排水浄化システムの整備も新たに進めていく計画だ。

 同社はインドで展開する事業を通じ、「ベンベルグ」の原料調達から最終製品までの企業活動に直接・間接に関与し、技術の向上、安定した収入の確保や新たな仕事の創出など技術開発や人財育成に貢献。原料のコットンリンター(綿実の周りの産毛)の多くをインドから購入しており、数社の原料メーカーにコットンリンター採取設備を無償貸与し、同社の技術者が生産向上のための指導や技術サポートを行っている。

 日本へ輸出されたコットンリンターは「ベンベルグ」原糸に加工されたのち、インドに輸出され機織りメーカーへ販売。また、生地生産段階での製織や染色などの技術指導を継続している。加えて将来インドの繊維業界、ファッション業界を担う若者・学生への教育にも注力しており、能力向上を目的に数校の大学に教育サポートを行い人財育成にも貢献している。

インド 「マイクローザ」を適用したプラント
インド 「マイクローザ」を適用したプラント

 一方、新たな取り組みとして、生地染色時に発生する排水処理に「マイクローザ」の適用を顧客へ提案し、染色工場のゼロ排水実現を進めている。これにより、工場周辺の環境保全と、水の再利用による貴重な天然水資源の節約に貢献している。

旭化成 アクリル樹脂を追加値上げ、「30円/kg」で実施

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2021年4月16日

 旭化成は15日、アクリル樹脂「デルペット」「デルパウダ」全品種について、今月26日出荷分から「30円/kg」値上げすると発表した。同製品については、昨年末にも1月からの値上げを発表している。

 ナフサ高による直接的なコスト上昇に加え、北米での大寒波や世界的な物流網混乱による副原料価格上昇、輸送運賃高騰が続く中、各種原料調達から製品出荷に至るサプライチェーン全体を維持するために大幅な追加コストが発生している。一方、アジアのアクリル樹脂需要は旺盛で、同社も高レートで生産を続けているが、低在庫での運営を余儀なくされている状況だ。

 こうした環境下、同社は効率化や合理化に取り組むも、自助努力で吸収できる範囲を大きく超えていることから、今後も国内の顧客への安定供給責務を果たすため、再度の価格改定が不可避と判断した。

旭化成 MMAモノマーとCHMAを値上げ、ナフサ高騰で

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2021年4月16日

 旭化成は15日、MMAモノマーとシクロヘキシル・メタクリレート(CHMA)について、今月26日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、MMAモノマー、CHMAいずれも「25円/kg」。MMAモノマーおよびCHMAの主原料であるナフサ価格は、旺盛な需要や原油価格上昇などを背景に大幅に上昇する見込みとなっている。

 同社は、それらのコスト上昇に対処するために、効率化・合理化に取り組んでいるものの、自助努力の範囲を大きく超える状況にあることから、今後、国内で安定供給を継続するためには価格改定が不可避と判断した。

旭化成ヨーロッパ 移転で営業・マーケティング・R&Dが融合

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2021年4月14日

 旭化成は13日、欧州統括拠点である旭化成ヨーロッパ(ドイツ・デュッセルドルフ市)、旭化成マイクロデバイスヨーロッパ (同)と欧州R&Dセンターの移転が完了したと発表した。

旭化成ヨーロッパ 新拠点
旭化成ヨーロッパ 新拠点

 旭化成ヨーロッパは2016年の設立以来、拡大が期待される自動車分野を中心に、欧州市場での事業拡大を加速させるため、マテリアル領域における事業横断的マーケティング、ならびに自動車関連素材の研究開発・技術サービスや顧客ニーズへの迅速かつ効率的な対応を通じて欧州市場でのプレゼンスの向上、収益最大化を図ってきた。今回、デュッセルドルフ市内の再開発地域のメディア・ハーバー西部に位置する「C‐View Offices」に移転し、欧州でのさらなるビジネス拡大を目指す。

旭化成ヨーロッパ 新拠点(内観)
旭化成ヨーロッパ 新拠点(内観)

 同オフィスエリアには、弁護士やコンサルティング事務所、通信企業、スタートアップ企業や飲食店を中心に約700社の企業が集積していることに加え、企業向けインフラが整っているほか、十分なオフィススペースが確保できる。同社は、今後の拠点拡大を見据え2019年に同地域に移転することを決定した。

旭化成ヨーロッパ R&Dセンダー
欧州 R&Dセンター

 同オフィスには、旭化成ヨーロッパ、旭化成マイクロデバイスヨーロッパのほかに、ドルマーゲン市のケムパークに所在していた欧州R&Dセンターも今年3月に移転しており、同社にとってはマテリアル領域における営業、マーケティングそしてR&D機能が融合された初めての拠点となる。また、展示スペースやディスカッションスペースも拡充され、より活発な社内連携が可能になり、迅速な顧客対応、市場への新ソリューションの提案、現地パートナーとの共同研究開発プロジェクトの積極的な促進など、社内外のコネクト(連携)をよりいっそう深めることが期待できる。

 今後も、旭化成ヨーロッパはさらなる欧州自動車関連産業へのアプローチの強化に取り組み、顧客価値の創造を目指していく。

旭化成 米ゾールが睡眠時無呼吸症のデバイス会社を買収

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2021年4月14日

 旭化成は、米国子会社ゾール・メディカルが中枢性睡眠時無呼吸症(CSA)に対する植え込み型神経刺激デバイス「remedē(レメディー)System」の製造・販売を行う米国レスピカルディア社を買収することを決定し、今月9日(米国東部時間)に手続きを完了したと発表した。

レスピカルディア社の「レメディーSystem」
レスピカルディア社の「レメディーSystem」

 ゾール社は、医療機関向け除細動器と自動体外式除細動器(AED)、着用型自動除細動器「ライフベスト」などの心肺蘇生を中心とした既存事業に加え、心不全や呼吸機能障害といった心肺蘇生の周辺領域を取り込むことにより、クリティカルケア事業のさらなる拡大を目指している。

 一方、レスピカルディア社は、アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患に対して革新的な治療法を提供している医療機器メーカー。今回の買収により、ゾール社のもつ心臓や呼吸器治療に対する専門知識とレスピカルディア社の医療機器を組み合わせることで、より多くの患者の命とQOLの向上に貢献することができる。

「レメディーSystem」のイメージ

 「レメディーSystem」は、成人CSA患者に対する世界で唯一の植え込み型神経刺激デバイスとして米国食品医薬品局(FDA)から2017年に承認を受けた医療機器。睡眠時無呼吸症は主に閉塞性と中枢性(CSA)に分類され、閉塞性は気道の物理的な閉塞が原因となるに対し、中枢性は脳内の呼吸中枢が正常に機能しないことが原因で呼吸が障害される。同機器は、胸部の横隔神経の一つに電気パルスを送ることで呼吸を制御する筋肉(横隔膜)に信号が送られ、睡眠時における呼吸パターンを正常に戻す。

 ゾール社は、レスピカルディア社の買収により、両社の販売網を生かした営業活動や心臓専門医へのアプローチなどのシナジーを最大限に生かし、米国での100万人以上と推定される同機器の対象患者の睡眠改善や症状の緩和に努めていく。今後は、急性心筋梗塞や心不全、呼吸機能障害などの疾患に対する製品・サービスをターゲットとした戦略的投資や買収を通して、これらの疾患に対するポートフォリオの拡大・強化を目指す。

【ポリアセタール特集4】旭化成

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2021年4月14日

足元はフル稼働継続、ロボット分野への展開検討

 ポリアセタール(POM)を「テナック」「テナック-C」の製品名で展開している旭化成は、ホモポリマーとコポリマーを世界で唯一生産・販売するメーカー。ホモポリマーを製造しているのは旭化成とデュポン(年産15.2万t)の2社のみであり、機械特性に優れていることから、自動車のギア関連市場では独壇場となっている。

 同社の生産能力は、国内の水島製造所が年4.4万t(ホモポリマー2万t、コポリマー2.4万t)、中国(張家港)が2万t(コポリマー)の合計6.4万t。大手メーカーに比べ規模は大きくないものの、技術力を生かして差別化と高付加価値化に注力しており、POM市場で存在感を高めているようだ。

 同社の事業環境を見ると、昨年前半はコロナ禍の影響で販売量が前年比60~70%程度に落ちこんだ。しかし自動車産業の回復と共に需要が急回復し、

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旭化成 人事②(1日)

2021年4月9日

[旭化成・人事②](1日)【旭化成シンセティックラバーシンガポール】▽取締役会長桑葉幸文▽退任(同)工藤幸四郎【旭化成プラスチックスシンガポール】▽社長濱忠宏▽退任(同)内田浩司【ポリキシレノールシンガポール】▽社長濱忠宏▽退任(同)内田浩司【旭化成プラスチックスアメリカ】▽取締役会長兼社長河島浩▽退任(同)山口伸浩【旭化成プラスチックスノースアメリカ】▽取締役会長河島浩▽退任(同)山口伸浩【旭化成電子】▽社長横山泰一▽退任(同)大草善裕【旭化成住宅建設】▽退任(取締役会長)丹羽裕【旭化成ホームズ少額短期保険】▽社長青木伸介▽退任(同)佐藤統政【台湾旭化成都市開発】▽董事長兒玉芳樹▽董事小原俊彦【旭化成リフォーム】▽取締役会長真柄琢哉▽社長中園明弘▽退任(同)鶴川和豊。

旭化成 人事①(1日)

2021年4月8日

[旭化成・人事①](1日)【旭化成ホームズ】▽海外事業本部久保秀樹▽人事部次長原田光浩▽同部竹村和也▽埼玉・北関東営業本部群馬支店長宮澤修一▽業務監査部長石井辰也▽同部森口博文▽住宅総合技術研究所長飯星力▽同研究所横山伸一▽業務改革・IT戦略本部IT開発部長山田尚睦▽関西・西日本営業本部福岡支店長廣兼加明▽同本部京滋支店長粕谷英博▽業務改革・IT戦略本部IT企画部長村松星豪▽解兼同本部同部長、同本部長兼同本部デジタルマーケティング推進プロジェクト長岡前浩二▽技術本部商品企画部長八巻勝則▽マーケティング本部集合住宅事業推進部長福田浩司▽技術本部iDX商品開発部長太田美代子▽設計本部営業設計部川合淳也▽同本部設計センター長山野内淳▽東京営業本部東京オーナーサービス部長榎本知宏▽オーナーサービス推進本部ヘーベリアンセンター長高山敏之▽中部営業本部技術部長新留昭仁▽施工本部物流部橋徹▽シニア・中高層事業推進本部中高層事業推進部長水野誠▽集合住宅営業本部長柳澤潔▽東京営業本部東京東支店長石塚賢司▽同本部東京北支店長中村豊▽神奈川営業本部町田支店長山本寿彦▽千葉・茨城営業本部千葉支店長米森建▽東京営業本部東京中央支店長川波謙三▽神奈川営業本部川崎支店長草間基晴▽東京営業本部東京南支店長西村英介▽関西・西日本営業本部関西・西日本オーナーサービス部長斉藤広文▽東京営業本部マーケティング室長村上篤史▽中部営業本部マーケティング室長辻博之▽千葉・茨城営業本部千葉メゾン支店長中島健裕▽埼玉・北関東営業本部埼玉支店長伊藤正記▽同本部栃木支店長松本寛之▽同本部埼玉西支店付鈴木英一▽同本部埼玉南支店長山本唯大▽同本部埼玉メゾン支店長土屋行輝▽神奈川営業本部神奈川総合支店長鈴木健太郎▽同本部町田支店付坪居良一▽同本部厚木支店長藤原純一▽同本部マーケティング室長高羅真人▽中部営業本部静岡支店長矢山進▽旭化成リフォーム松永陽一▽中部営業本部浜松支店長森脇秀樹▽同本部名古屋南支店長森山正麿▽同本部豊橋支店長新堂浩一郎▽旭化成リフォーム林和宏▽中部営業本部三重支店長杉浦誠治▽旭化成ホームズ少額短期保険青木伸介▽中部営業本部中部メゾン支店長坂本英太▽関西・西日本営業本部大阪北支店長栗山直人▽同本部大阪南支店長加地正明▽同本部同支店付出口達也▽同本部兵庫支店長島林孝行▽同本部岡山支店長森本沢人▽旭化成住工吉武信幸▽関西・西日本営業本部関西メゾン支店長玉置東生▽集合住宅営業本部集合東京北支店長川本修治▽同本部集合第二支店長中嶋陽介▽同本部集合西東京支店長櫻井益人▽同本部集合日本橋支店長今来昌二▽同本部集合神奈川支店長佐藤友亮▽旭化成不動産レジデンス社長付阿久津富和。

旭化成 BASCに加入、電池チェーンの国際競争力強化

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2021年4月5日

 旭化成はこのほど、電池サプライチェーン(電池の材料、部品およびその原料に関わる産業)の国際競争力強化を推進する新団体「電池サプライチェーン協議会(BASC)」に加入すると発表した。一般社団法人として今月1日に設立されたBASCは、脱炭素社会実現に向けて電池サプライチェーンの国際標準化や電池エコシステム構築などの活動を行う。設立時点での参加企業は同社を含め約50社。

 旭化成はLIBの安全性に寄与する部材として、LIB用セパレータ「ハイポア」「セルガード」を手掛けており、湿式膜と乾式膜の双方をもつメーカーとしてグローバルリーディングポジションを確立している。他の電池関連材料も合わせ、電池サプライチェーンの発展を通じて脱炭素社会実現に貢献するため、BASCの各参加会社・団体とともに積極的に取り組んでいく。

【化学企業 入社式訓示①】旭化成 小堀秀毅社長

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2021年4月2日

 入社にあたり、皆さんに3つの話をしたい。1つ目は、旭化成の歴史についてだ。旭化成は1922年に創業し、来年には100周年という大きな節目を迎える。創業以来、時代の変化や要請に柔軟に対応し、事業ポートフォリオを変革することで成長してきた。現在では、当社の特徴である「多様性」「変革力」を生かしながら、「持続可能な社会」の実現に貢献することで「持続的な企業価値の向上」を目指している。昨年は世界が未曽有の危機にさらされたが、当社はコロナ対応の製品を増産するなど、この危機に対し懸命に取り組んできた。研修期間中、旭化成の歴史や事業について学び、当社の製品の強みと競争力とは何かをぜひ考えてもらいたい。

 2つ目はグループ理念、ビジョン、バリューについてだ。当社では「世界の人びとの〝いのち〟と〝くらし〟に貢献します。」というグループ理念を掲げ、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通じて社会に新しい価値を提供することをビジョンと定めている。ノーベル化学賞を受賞した名誉フェローの吉野彰さんが、リチウムイオン電池の開発によりモバイル社会の発展をもたらし、地球環境問題の解決に貢献されているように、世界には新しいアイデアや技術で解決できる課題が多くある。当社グループの価値観であるバリューを理解し、誰に対しても「誠実」に向き合い、好奇心をもって果敢に「挑戦」し、新たな価値を「創造」することを強く意識してほしい。

 3つ目は、皆さんへのお願いだ。近年、企業を取り巻く環境は大きくかつ激しく変化している。変化は危機でもあるが、同時にビジネスのチャンス、変革のチャンスでもある。皆さんには仕事を通じた多くの経験から感性を磨き、高い倫理観、世の中のトレンドや変化を見極める洞察力、とりわけ探求心を磨いてほしい。そして仕事に対して主体的に取り組み、専門分野のプロフェッショナルとなり、変革を起こせる人財として当社グループの発展に大きく貢献してくることを期待する。また、DXの活用を推進していく中で、皆さんの新鮮な視点やアイデアにも期待したい。一人ひとりが、高い志と情熱をもって、旭化成という場を通じて成長し世界を舞台に活躍することを楽しみにしている。

 旭化成グループが社会から信頼され、より素晴らしい会社となることを共に目指そう。