【カーボンリサイクル特集】

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2020年11月21日

化学産業、カーボンニュートラルへの対策が加速
CO2を有効利用、技術力でフロントランナーに
    

 気候変動による異常気象の顕在化、海洋プラスチックごみ問題に端を発した世界的な環境保全への意識の高まりなど、現在、人間社会と地球(資源・環境)との関わり方を改めて見直す局面にある。

 2015年に採択されたSDGsやパリ協定では、解決すべき社会課題や環境問題の長期的なビジョンが示された。わが国でも地球温暖化や廃プラスチックに対して意識が高まっており、サーキュラーエコノミー(循環型社会)の実現に向けた技術開発やソリューション提供が大きなテーマとなっている。

 世界的に環境貢献が問われる中、経済産業省が今年5月「循環経済ビジョン2020」を策定。さらに菅義偉首相は所信表明演説で、2050年にGHG排出を実質ゼロにすると表明した。化学業界でもCO2の原料化やケミカルリサイクル、またグリーン水素といった実証事業が加速しているが、今後はそれを社会実装するために、業界の垣根を越えた連携が重要となりそうだ。

 今回の異業種企画特集では「カーボンリサイクル」をテーマに、行政の方針や業界団体の取り組み、また企業各社のこれまでの成果と課題、事業化に向けた戦略などについて取材した。

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◇インタビュー◇

経済産業省製造産業局素材産業課長 吉村一元氏
 ▽非連続のイノベーションを創出、脱CO2社会を実現

プラスチック循環利用協会広報学習支援部長 冨田 斉氏
 ▽プラスチックリサイクルを支援、循環型社会の実現に貢献

三菱ケミカルサーキュラーエコノミー推進部長 金沢大輔氏
 ▽サステナビリティ事業をサポート、会社全体でCEを加速

旭化成研究・開発本部化学・プロセス研究所長 鈴木 賢氏
 ▽炭素・水素循環技術を開発、環境分野でトップランナーに

積水化学工業ESG経営推進部長 西山宏喜氏/担当部長 三浦仁美氏
 ▽新環境長期ビジョンを策定、環境をESG経営のエンジンに

ハイケム代表取締役社長 高 潮氏
 ▽C1ケミカルが基軸、炭素利用効率を上げ空気と海をきれいに

ちとせグループ最高経営責任者 藤田朋宏氏
 ▽光合成でCO2を固定、バイマス基点で目指す循環型社会

◇ケミカルリサイクル◇

積水化学工業広報部広報担当課長 中村慎一郎氏
 ▽BRエタノール技術を社会実装へ、資源循環をシステムで実現

昭和電工プラスチックケミカルリサイクル推進室長 栗山常吉氏
 ▽使用済プラスチックから水素、液化炭酸ガス、アンモニア製造

 

【カーボンリサイクル特集】昭和電工 KPR事業

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2020年11月21日

川崎事業所企画統括プラスチックケミカルリサイクル推進室長  栗山常吉氏

使用済みプラスチックから水素、液化炭酸ガス、アンモニアを製造

 ━川崎市で展開する使用済みプラスチックの原料化事業である、KPRを始めた経緯をお聞かせください。

プラスチックケミカルリサイクル推進室 栗山室長

 昭和電工がアンモニアの生産を開始したのが昭和6年。原料の水素は、最初は水の電気分解によって製造した。次にナフサや原油などの液体燃料に、その後オフガスへと切り替わり、今は都市ガスを利用している。80年来、原料探索を続け、時代に即したよりよい原料を利用してきた。容器包装リサイクル法(容リ法)の制定を機に廃棄物使用の調査・検討を始める中、宇部興産と荏原製作所が開発した使用済みプラスチック(使用済みプラ)から合成ガスを製造するEUP(荏原宇部プロセス)に出会った。ライセンスを受けて、川崎市が推進する「川崎エコタウン事業」の一環としてKPR(川崎プラスチックリサイクル)をスタートした。

 ━EUP技術について。

 使用済みプラに少量の酸素と蒸気を加え、高温高圧状態でガス化し水素と一酸化炭素の合成ガスを製造する技術だ。荏原製作所の低温ガス化技術と宇部興産の高温ガス化技術を統合し、宇部興産が完成させた。

 ━KPRプラントについて。

 当社は、川崎事業所に処理能力年6.4万tのプラントを建設し、2003年から本格稼働させた。後に年7.5万t(1日あたり約200tに増強している。工程では、

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