東ソーが11日に発表した2021年3月期の連結業績によると、売上高は前年比7%減の7329億円、営業利益8%増の878億円、経常利益11%増の951億円、純利益14%増の633億円の減収増益だった。同日に電話会議による決算説明会を開催。経営管理室長の米澤啓上席執行役員は、主な減収要因に「キュメンやポリエチレン製品、ウレタン原料の販売数量の減少」「カセイソーダやウレタン原料の海外市況の下落」を挙げ、また増益の主因は、
東ソーの3月期 ウレタン原料など交易条件改善で増益
2021年5月12日
2021年5月12日
2021年4月28日
東ソーは27日、同社の全自動化学発光酵素免疫測定装置 「AIA-CL2400」および同等機種向けの専用試薬として、新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質(SP)に対する抗体を検出できる研究用試薬2種の販売を開始したと発表した。
同社は昨年12月から新型コロナのヌクレオカプシドたんぱく質(NP)に対する2種の抗体検出試薬を販売しており、今回の追加により四種類の抗体検出試薬を揃えた。さらに同社装置と組み合わせることにより1時間で最大240テストの測定ができることから、ウイルス感染後やワクチン接種後の免疫獲得状態の把握など、新型コロナ感染症の基礎的、臨床的研究に貢献できる。
同研究用試薬の開発は、日本医療研究開発機構(AMED)の令和2年度ウイルス等感染症対策技術開発事業(実証・改良研究支援)の補助を受け、横浜市立大学のグループと共同で実施。研究成果は「Frontiers in Microbiology」誌に掲載されている。同社は、横浜市大をはじめ外部機関の協力を得て、「AIA-CL」装置向けの新型コロナ抗原検査試薬についても開発中であり、今後研究現場および医療現場へのさらなる貢献を目指していく。
2021年4月27日
東ソーは26日、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)製品について、5月10日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、エーテル系製品が「130円/kg以上」、エステル系製品が「60円/kg以上」となっている。
年初より、TPUの原料となる各種ポリオールやイソシアネート価格は、米国寒波の影響や原料メーカーの生産停止、物流の停滞といった供給面の問題が頻発する中、中国市場を中心とした旺盛な需要を背景に高騰している。同社は安定的な供給を最優先に生産を行ってきたが、昨今の原料コスト上昇は自助努力の限界を大きく超えており、今後の安定供給継続のためにも価格改定を実施せざるを得ないと判断した。
2021年4月27日
東ソーは26日、臭素および臭素誘導品について、6月1日納入分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、臭素・臭化水素酸が「現行価格から15%/kg」、臭素系難燃剤(テトラブロモビスフェノールA「フレームカット120G」)が「25%/kg」のそれぞれの引き上げとなる。
同社は国内最大の臭素メーカーとして、安定生産と安定供給に努めてきたが、臭素と臭素誘導品は、アジア地域で需要が伸長し、中国市場では供給が不足する状況にある。このような環境下、需給バランスはひっ迫しており、海外市況は大幅に上昇。同社はコスト削減をはじめ、省力化や物流の効率化などあらゆる施策を実施してきたが、今後とも日本国内での安定供給を継続するために、今回の価格改定の実施を決めた。
2021年4月15日
東ソーはこのほど、「触媒の高性能化と寿命予測技術による塩化ビニルモノマー製造プロセスの効率化」で、触媒学会より、「2019年度 触媒学会 学会賞(技術部門)」を受賞した。
同社は1960年代に独自技術によってオキシクロリネーション法塩化ビニルモノマー(VCM)プラントを操業して以来、触媒の改良を進め、触媒性能の向上に努めてきた。
今回の受賞は、エチレン、塩化水素、酸素から二塩化エチレン(EDC)を合成するオキシクロリネーション反応に用いる固定床の独自触媒を新たに開発し、実用化に至ったことが評価された。銅系のシンプルな触媒組成にもかかわらず、円筒形状、さらに担体に特異な細孔構造をもたせることで、触媒性能(活性、選択性、耐久性)が飛躍的に向上。さらに、触媒劣化メカニズムの解析により触媒寿命を高精度に予測するシミュレーション技術も確立し、触媒使用期間の延長などのコスト低減に寄与した。
学会賞(技術部門)は、触媒に関連する工業技術(触媒分析や評価技術、触媒技術の異分野への応用なども含む)に関して著しい研究業績・開発業績を挙げたものに対して贈られる。
同社は、今回の受賞を励みとし、今後も革新的な研究開発に取り組んでいくとともに、エネルギー消費や環境負荷が少ない素材の提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していく。
2021年4月8日
東ソーはこのほど、「革新技術による微細組織制御ジルコニアの事業化と新展開」で、市村清新技術財団が主催する「第53回市村産業賞」で功績賞を受賞した。
1980年代に開発された高強度ジルコニアは、各社がセラミックスの主役になることを期待して実用化に取り組んだが、当時のジルコニアは経験を基にした粉末製造技術によるものであり、品質の安定化や量産化が困難だった。
こうした中、東ソーは課題解決に取り組み、高強度ジルコニアに代わる微細組織制御ジルコニア(MCZ)を提案するとともに、品質安定性に優れたMCZ粉末の高生産性プロセスを確立した。次に、粒界ナノ構造・ナノ化学制御技術により広範な用途に使用できるように機能を強化した高耐久性および超高耐久性を特長とする次世代MCZを開発し、さらには高強度を維持して靭性を大幅に向上させた次世代MCZの創出にも成功した。
このような長年の研究開発で生まれた革新技術は、ジルコニアの素材としての可能性を大幅に広げ、様々な分野での用途開発を加速。光接続部品、粉砕・分散メディア、審美歯科材料などで実用化され、市場形成を大きく進展させた。日本だけでなく世界の歯科市場をはじめ各産業に大きく貢献するとともに、今後は高度な信頼性が要求される広範な分野での展開が期待されている。
これまでのジルコニアの技術開発および事業化の進展と将来性が高く評価され、今回の受賞に至った。同社では、今回の受賞を励みとし、今後も革新的な研究開発に取り組んでいく。
2021年4月7日
東ソーは6日、卵巣がんの診断の補助に使用される新規マーカー「組織因子経路インヒビター2(TFPI2)」の測定試薬である「Eテスト「TOSOH」Ⅱ(TFPI2)」 を開発したと発表した。 同製品は、昨年6月に体外診断用医薬品として製造販売承認を取得。今年4月1日付で保険適用を受けており、7月下旬から販売を開始する予定だ。
同製品は、文部科学省イノベーションシステム整備事業「翻訳後修飾プロテオミクス医療研究拠点の形成」の中で、横浜市立大学と共同で卵巣がん新規診断マーカー探索研究を実施し、得られた成果をもとに開発された。
特長として、①健常人や子宮内膜症を含む良性腫瘍ではほとんど上昇せず、卵巣腫瘍の良性・悪性の判別に有効、②卵巣がんの中で、他の組織型と比較して卵巣明細胞がんで特に高値を示し、組織型(明細胞がん)の推定に有効、③同社専用装置(全自動エンザイムイムノアッセイ装置「AIA-2000」)により、短時間(約20分)での測定が可能、などが挙げられる。
東ソーは、ライフサイエンス分野の製品やサービスの提供を通じて、人々の健康と福祉に関する社会課題の解決に貢献できるよう、今後も積極的に取り組んでいく考えだ。
2021年4月2日
入社おめでとう。社員・役員を代表して、また先輩の1人として心から歓迎する。
新型コロナウイルスは全世界的に蔓延しており、ワクチンが開発されたとはいえ、いつ終息するのか予想がつかず、業績にも影響すると覚悟しなければいけない。当社はこれまで種々の事業や投資を手掛けてきたが、全て上手くいったわけではなく、幾多の試練を乗り越え今日に至っている。
現在のように将来が不透明な経済環境下でも、会社が持続的に強く成長し続けるためには、経営陣のみならず全社員が過去の苦い経験を忘れずに、今、何をすべきか考え、実行していくことが必要だ。それが私たちに与えられた使命だといえる。ビジネスチャンスを的確に捉え、スピード感をもって果敢にチャレンジするとともに、研究開発にもより一層力を入れていく考えだ。
当社のCSR基本方針は、とりわけ、社風である東ソースピリット「挑戦する意欲」「冷たい状況認識」「熱い対応」「持続する意思」「協力と感謝」を体現することであり、それぞれの重要課題を一緒になって解決していきたいと思っている。それらを踏まえて、入社式にあたり3のことをお願いしたい。
1つ目は、夢を大事にし、10年、20年後の自分像を描くことだ。この先数十年、世の中の変化とともに東ソーも大きく変貌していくことが想像される。皆さんが今抱いている希望やその初心を忘れないのと同時に、数十年後に自分がなりたい姿をイメージし、夢や希望の実現に向けて仕事に励んでほしい。
2つ目は、その道のプロになることだ。入社後まずは職場に慣れて知識・経験を積み、仕事の核心を理解・把握した上でプロアクティブに行動できる人材になってもらいたい。その行動が社会への貢献にもつながると信じている。
3つ目は語学の勉強だ。当社製品の海外売上比率は4割を超え、今後も海外事業の拡充を計画している。海外展開での異文化コミュニケーションのツールとして、語学力の向上を目指してほしい。東ソーの将来を担うのは皆さんだ。力を合わせて、東ソーの新しい時代を築くとともに働き甲斐のある会社にしていこう。
2021年4月1日
東ソーはこのほど、「健康経営優良法人2021(大規模法人部門)」に昨年に引き続き認定された。「健康経営優良法人認定制度」とは経済産業省が優良な健康経営に取り組む法人を「見える化」し、社会的に評価ができる環境を整備することを目的とした顕彰制度。
同社は、健康づくり委員会を中心として、従業員の心身の健康づくりをサポートするため、「体力づくり」「生活習慣の改善」「メンタルヘルス」を3本柱に、ウォーキング活動や食育・禁煙・適正飲酒をテーマとしたイベント、産業医や外部講師によるメンタルヘルス講習会など、様々な健康づくり活動を展開している。
同社は「働きやすい職場づくり」をCSR重要課題として位置づけ、従業員の健康と職場環境の維持・向上は企業としての責務であり、健全な企業経営のためには必要不可欠なものという理念を掲げている。今後も従業員の自発的な健康づくりのために環境を整備し、その活動を積極的にサポートしていく。
2021年3月18日