理研など3者 植物の器官再生を制御する酵素を発見

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2023年3月3日

 理化学研究所(理研)、東京大学、東京理科大学の共同グループはこのほど、植物が器官を再生させるときに、遺伝子の働きを制御するヒストン脱アセチル化酵素(HDA19)の同定に成功したと発表した。

 植物は高い器官再生能力をもち、

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理化学研究所 バイオものづくりに向け植物の油脂合成酵素を特定

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2023年2月20日

 理化学研究所(理研)はこのほど、植物の2つの酵素が協調して油脂の合成と植物体の成長に重要な役割を果たすことを解明した。

LPPε1(緑色)が葉緑体(紫色)の特定の部位に局在する細胞内の顕微鏡画像

 油脂は細胞内の

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理化学研究所 CO2を利用したアルケニルエステルの合成に成功

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2023年2月6日

 理化学研究所(理研)はこのほど、アルケン類のホウ素化反応とカルボキシル化反応を進行させるタンデム型銅触媒を開発し、CO2によるアルケニルC‐H結合のカルボキシル化に成功した。

タンデム触媒でCO2を有効利用

 空気中のCO2は、

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理化学研究所 CF複合材接着部の化学結合分布を可視化

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2022年10月26日

 理化学研究所(理研)はこのほど、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の接着接合界面における化学結合の可視化に成功した。大型放射光施設「SPring‐8」の高輝度軟X線を使った「顕微軟X線分光法」によるもので、接着メカニズムの学理構築や社会実装への貢献が期待できる。

研究の概要

 「接着」は日常生活や

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理研 N2とCO2から温和条件でイソシアネートを合成

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2022年5月26日

 理化学研究所(理研)はこのほど、チタンヒドリド化合物によるN2とCO2から温和な反応条件でのイソシアネート(―NCO)の合成に成功した。

 有用な「含窒素有機物」を

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理研 酢酸で免疫機能を制御、新しい分子メカニズム解明

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2021年7月19日

 理化学研究所(理研)はこのほど、生命医科学センター粘膜システム研究チームなどの国際共同研究グループが、腸内細菌の主要な代謝物である「酢酸」が「免疫グロブリンA(lgA)」の細菌反応性を変化させることで腸内細菌の制御に関与することを発見したと発表した。

 同研究成果は、腸内細菌がその代謝物を介してlgAの機能制御に重要な役割を果たしていることを示しており、今後、lgAの機能制御に関する理解を進めることで、腸内細菌の新しい制御法の開発につながることが期待される。

 ヒトの腸管には40兆にも及ぶ細菌が生息しており、それらは腸内細菌と呼ばれている。ヒトに不可欠な栄養素を産生したり、外来の病原菌を排除したりすることで、ヒトの健康維持に貢献している。一方、過剰な細菌を制御できなければ、細菌の体内移行に伴う感染症が引き起こされる可能性もあることから、腸内細菌の制御機構の解明は細菌との共生関係において重要な課題。さらに近年、腸内細菌が中枢神経や肥満・糖尿病などのさまざまな全身疾患に関与することが判明しており、腸内細菌を制御することで疾患の感受性を変化させられる可能性も示されている。

 lgAは腸内細菌を標的とする主要な免疫グロブリンだが、lgAと腸内細菌の相互作用がどのように制御されているかは不明だった。こうした中、国際共同研究グループは、酢酸によって誘導されるlgAが大腸菌などの病原性片利共生細菌に結合し、大腸表面の粘液層への侵入を阻止することを解明。また、その作用機序として、酢酸が菌体成分とともにlgA産生をサポートするCD4陽性T細胞の機能を強化することで、大腸菌反応性のlgAを増加させることも明らかにした。免疫システムは腸内細菌代謝物の刺激によってlgA産生のパターンを変化させることで、腸内細菌を制御しているものと考えられる。

 なお、同研究は、科学雑誌「ネイチャー」オンライン版(7月14日付)に掲載された。

日本ゼオンなど バイオマスからブタジエンを生成、新技術を共同開発

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2021年4月14日

 日本ゼオンはこのほど、横浜ゴム、理化学研究所(理研)と共同で設置している「バイオモノマー生産研究チーム」の研究により、バイオマス(生物資源)から効率的にブタジエン(BD)を生成できる世界初の新技術を開発したと発表した。

バイオマスからブタジエンを生成
バイオマスからブタジエンを生成

 主に自動車タイヤなどの合成ゴムの主原料であるBDは、現在、ナフサ熱分解の副生成物として工業的に生産されている。バイオマス由来BD生成技術を確立すれば、石油依存度の低減に繋がり、地球温暖化の原因とされるCO2の削減に貢献できる。

 日本ゼオンは2013年より、理研(環境資源科学研究センター)、横浜ゴムとの共同研究で、バイオマスから合成ゴム原料のモノマーを生成できる技術を培ってきた。昨年4月には、理研の「産業界との融合的連携研究制度」を利用して、社会実装に向けた研究を加速させるため「バイオモノマー生産研究チーム」を設置。さらなる高生産酵素と効率的な精製技術確立に向けて各々の知見・技術を有機的に融合して研究を進めてきた。

 今回、同チームは新しい人工代謝経路と酵素で、優れたBD生成能をもつ細胞の創製に成功。これにより、微生物によるバイオ合成から生成されるムコン酸を中間体として経ることが可能となり、また、これまで開発してきた酵素の知見を取り入れることでBDの発酵生産でのコストを大幅に削減することが期待できる。

 これらの成果が今回、ロンドンを拠点とし生物学、化学などの分野の研究論文が掲載されているオンライン専用ジャーナル「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載される。

 なお、「バイオモノマー生産研究チーム」は、同じく合成ゴムの主原料であるイソプレンについても、2018年に、世界初となる新しい人工経路の構築と高活性酵素の作成により優れたイソプレン生成能をもつ細胞を創製。この細胞内で出発原料であるバイオマス(糖)からイソプレン生成までを一貫して行うことに成功している。ゼオングループはこれからも産官学の垣根を超えた研究に積極的に取り組み、「持続可能な開発目標(SDGs)」達成に貢献していく考えだ。

住友化学 理研の外部法人と共創契約、事業創出を図る

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2021年3月11日

 住友化学は10日、理化学研究所(理研)の外部法人である理研鼎業と共創契約を締結したと発表した。住友化学の重点分野のうち、特に「ヘルスケア」と「食糧」の両分野について、住友化学の保有する技術と理研の研究成果とを新たな事業の創出につなげ、社会への還元を目指す。

 住友化学は、中期経営計画の中で「次世代事業の創出加速」を基本方針の1つに掲げる。その実現に向けてイノベーション・エコシステムを構築し、これまでに、国内外のスタートアップ企業やアカデミアとの提携や共同研究、出資などを積極的に進めている。

 一方、理研鼎業は、理研の全額出資により設立した外部法人。自然科学の総合研究所である理研の広範な研究分野をターゲットに、基礎から応用までカバーする多彩な研究者による研究成果などをプラットホームとして活用。企業や社会が抱える課題の解決に向け、様々な方策を共に創出することを目指している。

 住友化学と理研鼎業は今後、理研がもつ主に細胞科学についてのライフサイエンス分野、およびデータサイエンス分野の知見と、住友化学の核酸医薬や機能性食品、体調可視化など先進医療・予防・診断に関わる技術、ならびにバイオラショナルなど食糧の品質・収量向上に資する技術とを融合させることで、社会課題を解決する基幹技術の開発を目指していく。

産総研と理研 バイオマスベースの機能性ポリマーを開発

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2020年10月27日

 産業技術総合研究所(産総研)と理化学研究所(理研)はこのほど、共同でバイオマスを原料とする新たな機能性ポリマーを開発した。

 性質の異なる2つのバイオマスベース原料の縮合体をモノマーとして重縮合させた、ヒドロキシ桂皮酸骨格とリシノール酸骨格が規則的に交互配列したコポリマーだ。ヒドロキシ桂皮酸骨格中のメトキシ基数で機械物性や熱物性が変化。ゴムやフィルムなどの透明材料としての応用が期待される。

 2030年の世界のバイオ市場は約200兆円と予測され、欧州は既存石油由来製品の3割をバイオ由来製品で代替する目標を掲げるが、実用化には強度面が課題だ。産総研がバイオマス由来の機能性モノマーの分子配列制御で高物性ポリマーを目指す中、共同事業「理研‐産総研チャレンジ研究」の「新・バイオマスニッポン総合戦略」の支援で実施。米ぬかやリグニンに含まれるヒドロキシ桂皮酸類(クマル酸、フェルラ酸、シナピン酸)とひまし油由来のリシノール酸という性質の異なる2分子の縮合体を重縮合し、2種の機能性分子が規則的に交互配列した純粋な共重合体(コポリマー)を合成した。

 リシノール酸だけの重合体(PRA)は室温で液状だがコポリマーは固体で、加熱プレスで圧縮成形加工したフィルムはいずれも無色透明で繰り返し屈曲が可能だ。クマル酸は引張応力が弱く引きちぎれ、フェルラ酸は応力は最小だが切れずによく伸び(800%以上)、シナピン酸は応力が最大で強靭(15.4M㎩、585%)、破断後にゆっくりと元に戻る形状記憶性を示した。

 ガラス転移温度はポリマー骨格中のメトキシ基数に関係し、0個のPRAがマイナス73℃、1個のクマル酸がマイナス15℃、2個のファルラ酸が4℃、3個のシナピン酸が24℃と分子設計上の重要な指針となる。加熱するといずれも350℃付近で約50%が分解したが、PRAがその後も急速に分解が進んだのに対し、コポリマーはその後の分解は緩やかで完全分解は500℃付近だった。安価で豊富な非可食性バイオマスを原料とする「100%バイオマスベースのポリエステル」として、ゴム材料や包装材料など様々な分野への応用が期待できる。

 今後は生分解性評価などを進める一方、試料提供などで連携を進め、実用化に向けて物性を向上させていく考えだ。

 

産総研など コロナ対策関連のAI情報をウェブで公開

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2020年6月25日

 産業技術総合研究所(産総研)、理化学研究所(理研)、情報通信研究機構(NICT)はこのほど、昨年12月に設立した「人工知能研究開発ネットワーク(AI Japan)」の会員数が100を超えたこともあり、ウェブサイトを開設・公開した。

 同ネットワークは、人工知能(AI)の研究開発に関する統合的・統一的な情報発信やAI研究者間の意見交換の推進などを目的とし、AIに係る研究開発などに積極的に取り組む大学・公的研究機関を対象に会員募集を進めていた。同ウェブサイトでは、日本のAI研究開発に関する情報の集約化を図り、各会員のAI研究開発に係るプレスリリースやイベントなどの最新トピック紹介など、一元的な情報発信を行う。

 第1弾として、会員大学・公的研究機関およびその研究者による「新型コロナウイルス感染症対策関連に係るAIを活用した取り組み」を公開した。AIは治療薬開発、感染シミュレーション、遠隔環境整備など、新型コロナ感染症対策に広範に貢献できる技術。会員に対してAIを活用した取り組みを調査し、登録された23大学・公的研究機関から69件の活動が登録された。

 今後も、ウェブサイトを通してAIの研究開発に係る統合的・統一的な情報発信に取り組んでいく。詳細はウェブサイト(https://www.ai-japan.go.jp/)に掲載。