三菱ケミカル 無水マレイン酸を値上げ、採算是正を図る

2021年6月18日

 三菱ケミカルは17日、無水マレイン酸について、7月1日出荷分から値上げすることを決定し、取引先との交渉を開始すると発表した。改定幅は「30円/kg」。

 昨今の無水マレイン酸および誘導品の堅調な需要により、国内の需給バランスがタイト化している。また、製造設備の維持費や物流費なども高騰している。こうした状況の中、同社は、採算是正と安定供給維持のため、同製品を値上げせざるを得ないと判断した。

三菱ケミカル Mura社のCR技術、ライセンス契約を締結

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2021年6月17日

 三菱ケミカルは16日、英・Mura Technology社との間で、廃プラスチックから化学製品や燃料油の原料(リサイクル生成油)を製造する技術「HydroPRS」のライセンス契約を締結したと発表した。

 三菱ケミカルは、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、原燃料の脱化石燃料化やプラスチックケミカルリサイクル(CR)の事業化に向けた詳細な検討を加速する。

 「HydroPRS」は、高温高圧の超臨界水の中でプラスチックを分解し、リサイクル生成油へと再生する革新的な技術。従来の直接熱分解技術と比べ、高い収率で石油由来原料と同等の品質(既存設備へ前処理なしで投入可能)をもつリサイクル生成油を得ることができる。

 この技術により、今までは焼却や埋め立て処理をしていたプラをCRすることで、プラのライフサイクル全体のCO2排出量と化石燃料の消費を大幅に削減することが可能となり、サーキュラーエコノミーの実現に大きく寄与することが期待される。

 なお、Mura社は大規模なプラCRの工業化を目指しており、「HydroPRS」は数あるCR技術の中でも加速度的に工業化が進んでいる技術になる。

 三菱ケミカルは今後も、革新的な技術を導入し、環境・社会課題を解決するソリューションを提供することで、サーキュラーエコノミーの実現に貢献していく。

三菱ケミカル 7月1日から酸化エチレンなどを値上げ

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2021年6月14日

 三菱ケミカルは11日、酸化エチレンおよび同誘導品について、7月1日納入分から値上げすることを決定し、需要家との交渉を開始すると発表した。対象製品と改定幅は、酸化エチレンが「10円/kg以上」、誘導品のモノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレンカーボネートが「20円/kg以上」となっている。

 当該製品に関わる製造設備修繕費などの固定費増加、物流費の上昇に加え、原料であるエチレンのコストも上昇している。同社は、これらのコスト上昇を合理化などの自助努力のみで吸収することは困難なことから、今後の安定供給のために値上げせざるを得ないと判断した。

三菱ケミカル 植物由来のPTMG開発、サンプル提供を開始

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2021年6月8日

 三菱ケミカルは7日、植物由来原料を使用したPTMG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)「BioPTMG」を新たに開発し、サンプルの提供を開始したと発表した。

BioPTMG ロゴ
BioPTMG ロゴ

 PTMGは、反発弾性や耐摩耗性といった特徴から、ポリウレタン弾性繊維(スパンデックス)などに伸縮性を付加する素材として使用されている。同社が植物由来の原料を使用して開発した「BioPTMG」は、石油由来のPTMGの性能と同等の反発弾性、耐摩耗性、耐加水分解性、低温での柔軟性などの優れた特性をもつため、インテリア、ファッションから工業資材に至るまで幅広い分野での活用が可能。スパンデックス以外にも、ポリウレタンエラストマーやポリエステルエラストマーでの使用が想定される。

 同社は、今回開発したグレードにとどまらず、さらに多くのグレードを開発・拡充することで、顧客ニーズに応えていく。また「BioPTMG」をはじめとする植物由来の素材の研究開発を加速させ、持続可能な社会へのソリューションを提供することで、SDGsの達成に貢献する。

【石油化学事業の展望】三菱ケミカル常務執行役員 半田 繁氏

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2021年6月4日

社会変化は素材のニーズを大きく変える、問われる新たな視点    

石化の足元の事業環境と今年度の見通しについて。

  2019年の半ばごろから、徐々に景気後退の傾向が出てきており、昨年初頭にはコロナの影響で、一気に世界中が大打撃を受けた。加えて、原油急落に連動し国産ナフサが4万5000円/klから2万5000円/kl程度まで下落したことから、利益面では在庫評価損が大きく響いた。足元では、コロナ禍にあっても昨年の後半ごろから数量的には世界経済が回復しつつある。

 今期の石化の見通しで言えば、誘導品についてはワールドワイドにフォーミュラでの商売が定着してきているため、状況によってはスプレッド変動による若干の上下はあるかも知れないが、

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三菱ケミカルなど 日焼け止め外袋に生分解性素材が採用

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2021年6月1日

 三菱ケミカルとフタムラ化学は31日、5月から販売が開始された資生堂のスティック状日焼け止めの外袋に、三菱ケミカルの生分解性樹脂とフタムラ化学のセルロースフィルムが採用されたと発表した。

SHISEIDO「クリア サンケア スティック」
SHISEIDO「クリア サンケア スティック」

 資生堂は、世界88の国と地域で「SHISEIDO」ブランドを展開しており、その1つであるスティック状日焼け止め「クリア サンケア スティック」において、初めて外袋に生分解性フィルムを使用した。

 外袋の内面(シーラント)およびチャック部分に三菱ケミカルの「BioPBS」が、外面にフタムラ化学の「AZ-1」がそれぞれ採用されている。これらはいずれも植物由来かつ自然界の微生物によって水とCO2に分解されるため、世界的に関心が高まっている廃プラスチック問題への解決の糸口になる素材だ。環境配慮に優れた機能に加え、「BioPBS」はその高いシール性、加工性、柔軟性が、「AZ-1」はコシと印刷適性が評価され採用に至った。

日焼け止め 外袋の構造
日焼け止め 外袋の構造

 環境配慮への要求がますます高まる中、三菱ケミカルとフタムラ化学ではこれらの製品の展開を通して、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献していく。

三菱ケミカル フィルムコーティングメーカーを買収

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2021年5月31日

 三菱ケミカルは28日、フィルムコーティングメーカーである中井工業(京都府京都市)の全株式を取得し、連結子会社化したと発表した。

 中井工業は、その長い歴史のなかで培ってきたフィルムのドライ/ウェットコーティング技術、およびその組み合わせであるコンポジット技術を駆使し、実績を積み重ねてきた総合コーティングメーカー。転写箔から産業用特殊フィルムなど幅広い市場向けに事業を展開している同社は、顧客からの多様な要望に対して的確なソリューションを提供することを得意としており、高付加価値な製品を顧客とともに開発することで高い評価を獲得してきた。

 三菱ケミカルは現在、世界5拠点(日本・中国・インドネシア・米国・ドイツ)でポリエステルフィルムを製造・販売するとともに、スマートフォンやディスプレイなどの光学用途を中心としたポリエステルフィルムの加工(コーティング)事業を展開。近年、フィルムに求められる性能はますます高度化していることから、中井工業の持つ技術・ノウハウ・人材・加工設備とのシナジーを通じて、広範な顧客からの高度な要望に素早く対応できる体制が構築できると判断した。

 三菱ケミカルは、光学用途や通信機器向けを中心とする高機能ポリエステルフィルムの旺盛な需要に対応するべく、インドネシアにおける新ラインの増設などの成長戦略を進めており、今回の買収により加工技術を拡充することで、この取り組みを加速させる。今後も、ポリエステルフィルムのリーディングカンパニーとして、積極的な事業展開を図っていく。

 

三菱ケミカル 人事(6月21日定時株主総会予定)

2021年5月31日

[三菱ケミカル・人事](6月21日定時株主総会予定)▽監査役飯田仁▽同北田裕二▽退任(同)三﨑正寛(7月1日)▽解兼基幹システム統合推進室長、常務執行役員デジタル&インフォメーションテクノロジー所管DX推進室長三菱ケミカルシステム取締役社長加藤淳▽基幹システム統合推進室長祖父尼瑞子。

三菱ケミカル 食品包装用ラップフィルムを6月から値上げ

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2021年5月31日

 三菱ケミカルは28日、食品包装用ラップフィルム「ダイアラップ」関連製品について、6月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「現行価格の15%以上」。

 原油・ナフサなどの市況高騰により、原料や添加剤の価格が上昇している。加えて、電力費や包材費、物流費といった諸費用も上昇するなど、事業環境が悪化している。当社は、継続的なコスト削減に鋭意努力してきたが、現在の価格体系では安定的な製品供給が困難と判断し、今回の値上げを決定した。

三菱ケミカル PVA製品群を値上げ、採算是正を図る

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2021年5月31日

 三菱ケミカルは28日、ポリビニルアルコール(PVA)製品群の国内および輸出取引について、6月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品はPVA「ゴーセノール」、PVA特殊銘柄「ゴーセネックス」、アモルファスビニルアルコール系樹脂「ニチゴーGポリマー」、ゴーセネックスZ用架橋剤「セーフリンク」で、改定幅は国内価格が「50円/kg以上」、輸出価格が「500USドル/t以上」「450ユーロ/t以上」となっている。

 現在、PVA系樹脂の需給バランスがタイトな状況にあり、対象製品に関しても供給がひっ迫している。こうした中、各種コストの上昇により事業収益の悪化が進んでいる。同社は、これらコストの上昇が自助努力による吸収の範囲を超えており、安定供給に支障が出始めていることから、採算是正が必要と判断した。