三菱ケミカル 赤色蛍光体特許侵害、中国訴訟で全面勝訴

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2021年3月25日

 三菱ケミカルは24日、物質・材料研究機構(NIMS)と共有する赤色蛍光体の中国特許に関して、米Intematix社とその中国関連会社などとの侵害訴訟第二審(最終審)で、第一審に引き続き勝訴し、全面勝訴が確定したと発表した。

 三菱ケミカルは、Intematix社などに対し、特許を侵害しているとして中国で行う蛍光体製品の生産および販売などの侵害行為の差し止めと損害賠償を求める訴訟を2015年に深圳市中級人民法院に提起。2019年に同法院によりIntematix社製蛍光体製品の中国での製造・販売の差し止めと損害賠償金の支払いを命じる判決を得た。Intematix社などは、この判決を不服とし最高人民法院に三菱ケミカルを上訴したが、今年2月に同法院はIntematix社などの主張を全面的に退け、特許侵害を認める最終判決を下し、三菱ケミカルの勝訴が確定した。

 また、三菱ケミカルは、中国における知的財産権を保護するため、これまで知的財産権を侵害したIntematix社などと、中国Shield社に対して侵害訴訟および行政訴訟を提起して対処してきたが、今回の最終審の判決をもって、約6年間にわたり繰り広げられた中国訴訟は全て終了することになる。

 中国はLEDパッケージの最大の生産国であり、赤色蛍光体の主用途である白色LEDデバイスの最大生産量を誇る。その中国で三菱ケミカルが侵害訴訟および行政訴訟の両方で勝訴できたことは、積極的に投資や事業展開を行い、知的財産権を積極的に活用してきた同社にとって意義深いものとなった。また、同社の中国訴訟での勝訴は蛍光体産業のみならず白色LED産業全体に対しても重要な意味をもち、今後の両産業の健全な発展と秩序維持に繋がることが期待される。

 三菱ケミカルは今後も、自社・他社の知的財産権を尊重し、他社が同社知的財産権を侵害するようなことがあれば、看過することなく適正な対応を図る考えだ。

三菱ケミカル MMAモノマーなどを値上げ、原料高に対応

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2021年3月24日

 三菱ケミカルは23日、MMA(メチルメタクリレート)モノマー、MAA(メタクリル酸)およびメタクリル酸エステルの国内価格について、4月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅はMMAモノマーとMAAが「25円/kg以上」、メタクリル酸エステル類(BMA、HEMAなど)が「20円/kg以上」。

 MMAの主要原料の1つであるナフサ価格は、原油価格の高まりを受け1-3月期の3万8000円/kl程度から、4-6月期には4万8000円/klと大幅な上昇が予想されている。またもう1つの原料であるアセトンについても、米国で主要メーカーのフォースマジュールや供給制限が行われる中、MMA、IPA(イソプロピルアルコール)のおう盛な需要により記録的な高値となっている。こうしたMMA製造コストの大幅な上昇と堅調な需要を背景に、アジア市況価格(三極バルク)は急速に上昇。昨年6月の1300ドルを底値に、2000ドル前後まで上昇してきている。同社は、これら原料価格上昇分を自助努力で吸収することは困難なことから、国内外の価格差を是正して国内顧客に安定供給を図るため、今回の値上げを決定した。

 

三菱ケミカル 4月からエチレングリコール類を値上げ

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2021年3月23日

 三菱ケミカルは22日、エチレングリコール類について4月1日納入分から値上げすると発表した。対象製品は、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリーコールで、改定幅は各製品とも「14円/kg以上」となっている。

 原油価格上昇の影響を受け、2021年度第1四半期(4-6月期)の国産ナフサ価格は概ね5万円/kl程度に上昇する見通し。同社は、こうした原料価格上昇に伴う大幅なコストアップ分を自助努力のみで吸収することは困難であると判断した。

 

三菱ケミカル 高耐熱・高強度の炭素繊維プリプレグ開発

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2021年3月18日

 三菱ケミカルは17日、高耐熱性と高強度を両立したシアネートエステル系の炭素繊維プリプレグを開発したと発表した。

 開発品は、同社の強みである原料・触媒の組み合わせ技術により、新たに開発したシアネートエステル系樹脂がベースレジン。250℃以上の耐熱性を示しながらも、炭素繊維のもつしなやかさや高い靭性との両立を実現した。また、一般的なエポキシ樹脂ベースの炭素繊維複合材料(CFRP)と同じ型を使って硬化できる上、従来のシアネートエステル系樹脂に比べ保存安定性に優れることから、良好な加工特性も併せもつ。すでにレーシングカーのエンジン周辺のCFRP部材に採用されており、今後は自動車用途に加え、高温環境で使用されるロボットなどの産業用途や航空機用途、宇宙用途などへの販売も進めていく考えだ。

 航空機や自動車といったモビリティ用途では、環境規制などから高まる機体や車体の軽量化要求を背景に、軽さと強度を兼ね備えるCFRPの利用が進むと見込まれている。特に、自動車のエンジン周辺などの部材には高い耐熱性と強度が求められるが、一般的なCFRPでは耐熱性と強度・加工特性がトレードオフの関係にあるため、部材メーカーが開発競争を繰り広げている。

 三菱ケミカルは、多様化・高度化する顧客の要望に応える複数の新製品開発を進めており、今後も最適なソリューションをタイムリーに提供することで、積極的に事業を展開していく。

三菱ケミカル PVA製品群を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年3月16日

  三菱ケミカルは15日、ポリビニルアルコール(PVA)製品群を今月22日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は「ゴーセノール」(PVA)、「ゴーセネックス」(PVA特殊銘柄)、「ニチゴーGポリマー」(アモルファスビニルアルコール系樹脂)、「セーフリンク」(ゴーセネックスZ用架橋剤)で、改定幅は国内取引価格が「30円/Kg」、輸出取引価格が「300ドル/t」「250ユーロ/t」となっている。

 同社は今年2月、これら製品について輸出取引価格の値上げを実施したが、その後もPVA系樹脂の需給バランスはタイトな状況にあり、また各種コストの上昇により事業収益は悪化が進んでいる。これらのコスト上昇は、自助努力による吸収の範囲を超えるため安定供給に支障が出始めており、今後もこの傾向が続くと見られる。同社は、安定供給を維持するために、採算是正が必要であると判断した。

三菱ケミカル 人事⑥(4月1日)

2021年3月12日

[三菱ケミカル・人事⑥](4月1日)▽ロンビック代表取締役副社長執行役員同社樹脂事業部長市川直樹▽新菱取締役同社ファインケミカル事業部門長望月秀隆▽テクノUMG取締役副社長毛利正朗▽クオリカプスグローバル環境安全統括責任者大西宏明▽解兼環境・生活ソリューション部門インフラ・アグリマテリアルズ本部アグリソリューション事業部長、三菱ケミカルアグリドリーム取締役社長狩野光博▽三菱ケミカルインフラテック常務取締役事業部門住環境ビジネスユニット長芹澤佳津也▽三菱ケミカルリサーチ取締役社長華房実保▽三菱ケミカルハイテクニカ取締役社長赤井一隆▽三菱ケミカル物流取締役執行役員同社海運事業本部長古村健▽ダイヤリックス取締役社長西川和彦▽解兼広報部長、三菱ケミカルホールディングス広報・IR室長清水治▽生命科学インスティテュート理事同社経理部長八田忠道▽国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構三木崇利▽一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン矢部英貴▽明和産業横尾憲二▽公益社団法人高分子学会佐藤晴基▽退任(高機能ポリマー部門パフォーマンスポリマーズ本部長)マイク・グラッツマン▽同(情報システム部長)板野則弘▽同(技術部平塚工場長)小川克。

 

三菱ケミカル バイオエンプラがBSMレーダーカバーに採用

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2021年3月12日

 三菱ケミカルは11日、バイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO」が、いすゞトラック3車種の交差点警報およびブラインドスポットモニター(BSM)用レーダーカバーに採用されたと発表した。採用された車種は、小型トラック「エルフ」、中型トラック「フォワード」、大型トラック「ギガ」で、「DURABIO」がトラック部品に採用されたのは初となる。

 

 三菱ケミカルでは現在、CASE化により増加が見込まれる車内外のレーダーやセンサーに対応する素材として「DURABIO」の用途展開を加速。「DURABIO」は、再生可能な植物由来原料イソソルバイドを用いたバイオエンプラで、耐衝撃性、・耐候性・耐熱性などの点で一般的なエンプラよりも優れた物性をもつ。また、顔料を配合するだけで艶やかで光沢のある表面を実現。さらに、表面が硬くて擦り傷が付きにくい特長があるため、塗装・コーティング工程が不要となり、塗料工程から発生するVOC(揮発性有機化合物)を低減することができる。これらの特性を生かし、自動車の内外装意匠部品への採用が拡大している。

 いすゞは、交通事故を低減するために常に先進的な安全装置を搭載したトラックを開発しており、車両や歩行者などを検知するレーダーのカバーに電気特性にも優れた「DURABIO」が採用された。塗装レスの「DURABIO」をカバーに採用することで塗料による電波遮へいの懸念がなく、検知エリアや感度の質を維持できる。また、外装材に求められる耐衝撃性や耐候性といった物性に加え、環境配慮型の素材である点が、地球環境と社会の持続可能な発展に貢献するといういすゞのCSRの考え方に合致したことも評価された。

 三菱ケミカルは今後も、「DURABIO」の用途展開を通じて、環境にやさしいクルマづくりに貢献していく。

三菱ケミカル 人事⑤(4月1日)

2021年3月11日

[三菱ケミカル・人事⑤](4月1日)▽営業改革推進室長三浦健治▽東日本支社モビリティセグメント長伊藤勝之▽同支社フード、メディカルセグメント長牧野達也▽中部支社モビリティ・エレクトロニクスセグメント長鈴木和弘▽西日本支社モビリティセグメント長川﨑武史▽監査本部長伊藤毅▽三菱ケミカルメタクリレーツ鈴木哲史▽同加峯靖弘▽同三上裕司▽同内藤秀樹▽三菱ケミカルUK社フィル・ベイリー▽同ジョン・ベイツ▽三菱ケミカルアメリカ社ティム・メイ▽三菱ケミカルメタクリレーツシンガポール社トク・チー・ミン▽同タン・クイ・メイ。

三菱ケミカル 人事④(4月1日)

2021年3月10日

[三菱ケミカル・人事④](4月1日)▽業務変革推進室長児山潤▽イノベーション推進本部研究推進部長藤本寿一▽三重研究所長樋渡智章▽同研究所研究所長付西山貴人▽福岡研究所長垣内博行▽経理本部事業経理2部長汲川隆佳▽サプライチェーン所管常務執行役員付藤森義啓▽技術統括本部設備技術部長梅澤幸樹▽技術統括本部生産技術部長杉原昌樹▽同本部ベーシックマテリアルズ技術部長片小田茂樹▽同本部ユーティリティー部長中川誠司▽同本部小名浜工場長大原滋幸▽同本部筑波工場長岡田稔▽同本部鶴見工場長番場啓泰▽同本部平塚工場長伊藤弘二▽同本部大垣工場長松本良弘▽同本部熊本工場長波多野巌▽プロダクトスチュワードシップ・品質保証本部長清川敦郎▽同本部副本部長原田靖之▽購買・物流本部長横田晶彦▽同本部物流部長大島弘。

三菱ケミカル 生分解性CPD採用のカトラリー、国内初生産

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2021年3月10日

 三菱ケミカルは9日、生分解性樹脂コンパウンド「FORZEAS(フォゼアス)」が東商化学(東京都世田谷区)のカトラリーに採用されたと発表した。国内で「フォゼアス」を使用したカトラリーが生産されるのはこれが初となる。

FORZEASを使用したカトラリー製品
FORZEASを使用したカトラリー製品

 「フォゼアス」は、三菱ケミカルが開発した「BioPBS」をベースとし、その耐熱性の高さや他樹脂との相性の良さという特長を生かしながら、他の生分解性樹脂とのコンパウンドにより単体では発揮できない性能をもつ複合材料。また植物由来で、自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、自然環境への負荷が少ないという特長も備える。

 東商化学はスプーン、ナイフ、フォークなどのカトラリーを製造・販売する国内トップシェアのメーカー。コンビニエンスストアをはじめ、ファーストフード店、コーヒーショップなどで幅広い採用実績がある。

 今回「フォゼアス」が採用されたカトラリーは耐熱性に加え、なめらかな触感や丈夫さが必要となる製品だが、三菱ケミカルのコンパウンド技術と東商化学の射出成形技術により、材料・成形の両方向から改良を重ね製品化に至った。

 現在、テイクアウトやデリバリー需要の高まりとともにプラスチックカトラリーのニーズも増加している一方、プラスチックに対する環境配慮への要求はますます高まっている。三菱ケミカルは、今後も「BioPBS」や「フォゼアス」をはじめとする生分解性のある植物由来樹脂の研究開発・用途展開を加速させ、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献していく。