三菱ケミカルと宇部興産 LIB用電解液事業、合弁新社を設立

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2020年3月31日

 三菱ケミカルと宇部興産はこのほど、共同新設分割により新設する合弁会社に当事会社それぞれのリチウムイオン二次電池用をはじめとする電解液事業を承継させることを決議し、合弁契約書を締結したと発表した。今年10月1日に合弁新社「MUアイオニックソリューションズ」(出資比率:三菱ケミカル80%、宇部興産20%)を設立する予定。

 電解液の生産能力は、三重県四日市市(三菱ケミカル事業所内)が年産1万6000t、大阪府堺市(宇部興産事業所内)が同1万t、中国江蘇省常熟市が1万tの合計3万6000tとなる。当事会社は、2018年1月より合弁形態で運営している常熟宇菱電池材料を通じて、中国で同事業を共同で行ってきた。

 今回、提携をさらに拡大し、相乗効果による製品開発力の向上と、購買・生産・販売体制の効率化による経営基盤の強化を図るとともに研究開発を統合。両社の持つ知的財産・技術開発力を一体化することで、国内外の競争力をさらに高め、同事業の長期的な発展を図ることで合意した。

 具体的には、日本で合弁新社を設立し、日本の製造拠点をはじめとして両社の同事業に関わる資産を合弁新社に承継し統合運営する。また、常熟宇菱電池材料は、合弁新社の100%子会社となる。

 なお、三菱ケミカルの100%子会社であるMC Ionic Solutions UK社(英国ダラム州)、および100%孫会社であるMC Ionic Solutions US(米国テネシー州)は、同統合の対象外。

 

三菱ケミカル OPS製品を値上げ、採算是正を図る

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2020年3月31日

 三菱ケミカルは30日、二軸延伸ポリスチレンシート(OPS)のフィルム製品を5月1日納入分から値上げすると発表した。値上げ幅は、OPS「サントクリア」「ソフトクリア」ともに「6円/kg以上」となっている。

 原料樹脂価格の上昇に伴い、同製品の製造コストが押し上げられ、事業の採算を圧迫している。こうした中、同社は、継続的なコスト削減に鋭意努力してきたが、コスト上昇分を自助努力で吸収することは極めて困難と判断し、今回の値上げを決定した。

 

トヨタ自動車など10社 中部圏水素利用協議会を発足

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2020年3月24日

 水素利用推進に取り組む民間企業10社(出光興産、岩谷産業、JXTGエネルギー、住友商事、中部電力、東邦ガス、トヨタ自動車、日本エア・リキード、三井住友銀行、三菱ケミカル)はこのほど、中部圏での水素の需要拡大と安定的な利用のためのサプライチェーンの構築を目指し、水素の大規模利用の可能性を検討する「中部圏水素利用協議会」を発足した。産業界全体で横断的に検討を進める日本で初めての取り組みとなる。

 現在、CO2の排出量削減による地球温暖化の抑制が喫緊の課題であり、これを解決するためには、持続可能で低炭素なエネルギー利用の促進が重要となる。そのため日本政府は、水素を将来の重要なエネルギーの1つに位置づけ、「水素社会」の実現に向けた「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定。この中では、当面の目標として、2030年に年間30万tの水素を利用するという大規模な水素供給システムの確立が掲げられている。

 こうした中、水素の製造・供給サイドでは、さまざまな企業により社会実装に向けた新たな技術や方策の実証が進みつつあるが、水素を利用する需要サイドでは、大規模な使い方や水素利用量の拡大についての検討が個社レベルに留まっているのが現状。

 そこで、中部圏で産業界を横断した協議会を立ち上げ、大規模な水素利用の具体的な方策を検討し、供給サイドと連携を図りながら、社会実装に向けた取り組みを進める。

 同協議会では、2020年代半ばからの社会実装開始を目指して、①中部圏での水素受け入れ拠点から需要サイドまでのサプライチェーンの検討②中部圏全体での水素利用量のポテンシャルの試算③各々の需要サイドで受け入れ可能な水素コストの検討④必要な施策と社会実装につながる事業モデルの提案、などに取り組んでいく予定。

 ロードマップの実現に向けては、産業界での技術開発、コスト低減努力のみならず、金融界との連携による資金供給スキームの構築、政府のリーダーシップによる制度・インセンティブ設計、規制改革などの三位一体の活動が必要であり、同協議会はその一翼を担っていく。そして、同協議会の取り組みが中部圏のみならず日本各地に広がっていくよう、政府とも連携して官民一体となって進めていく考えだ。

三菱ケミカル DXを加速するため高性能計算機HPCを導入

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2020年3月24日

 三菱ケミカルは23日、研究開発分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速するため、今秋に、日本の化学業界でトップクラスの計算処理能力を持つ高性能計算機(HPC:High Performance Computer)を導入すると発表した。

 同社はこれまでも、計算科学技術やマテリアルズ・インフォマティクスを素材・材料開発に用いてきたが、近年の計算機能力やIT環境の発展は目覚ましく、DXの加速のためにはこれを最大限に活用することが不可欠と判断した。

 今回、同社の製品開発に必要な計算に最適化した独自仕様(大規模超並列・大容量メモリ・高並列GPU)のHPCを設計・導入することにより、これまで不可能だった大規模計算や大量バッチ計算、大規模データ解析などを高速に行うことを実現し、研究開発のイノベーションを推進していく。また、HPCの自社運用は、その活用に必要なオープンソースコード利用や自動計算に関するノウハウの蓄積についても大きなメリットをもたらすことが期待される。

 同社は、「常にイノベーションを生み続け、持続的に社会に貢献するワールドクラスの研究開発部門となる」ことをビジョンに掲げ、様々な施策を推進。今後も、最新鋭デジタルインフラや、社内外のパートナーとリアル/バーチャルに繋がる設備の導入などにより研究開発環境の整備を進め、社会課題を解決するイノベーションを追求していく考えだ。

三菱ケミカル 人事②(4月1日)

2020年3月13日

[三菱ケミカル・人事②](4月1日)▽サーキュラーエコノミー推進部長、新事業創出部長金沢大輔▽東日本支社リビングセグメント長乾博行▽同支社コンシューマーセグメント長槻聡士▽鶴見研究所長高橋英樹▽愛知研究所長山田紳月▽三重研究所長西山貴人▽滋賀研究所長根本友幸▽大阪研究所長宗像基浩▽福岡研究所長藤本寿一▽設備技術部長梅澤幸樹▽購買部長横田晶彦▽物流部長大島弘▽広報部長三菱ケミカルホールディングス広報・IR室長清水治▽監査役サポート室岩村和典▽三菱ケミカルホールディングス法務企画室長同社ケミカル法務室長池田理史▽三菱ケミカルホールディングスアメリカ社社長毛利明彦▽三菱ケミカル旭化成エチレン取締役副社長佐藤平吾▽三菱ケミカルインフラテック常務取締役松本和広▽同社取締役新美正▽三菱ケミカル物流取締役執行役員同社陸運事業本部副本部長長野洋三▽同社理事働き方改革推進室長柏木尚。

 

三菱ケミカル 人事①(4月1日)

2020年3月12日

[三菱ケミカル・人事①](4月1日)【カーボンケミカル部門】▽基盤原料本部オレフィン・アロマ事業部長松田秀行▽同本部ユーティリティー事業部長中川誠司▽化学品本部C2ケミカル事業部長川﨑武史▽同本部C3ケミカル・VAM事業部長安藤泰弘▽同本部C4ケミカル事業部長飯島要▽同本部テレフタル酸事業部長梶原広久▽カーボンケミカル企画部長汲川隆佳▽同部企画室長足立聡▽同部技術室長加藤大雄【炭素部門】▽炭素本部コークス炭素材事業部長鈴木健彦▽同本部カーボンゴム事業部長山澤達彦【MMA部門】▽MMA・Asia本部メタクリレート第1事業部長香春光千夫▽同本部同第2事業部長三上裕司▽同本部PMMA事業部長内藤秀樹▽グローバルSCM本部グローバルS&OP部長安藤佳正▽同本部グローバルソーシング部長ジョン・ベイツ▽同本部グローバルロジスティック部長トク・チーミン▽グローバルHR部長タン・クイメイ▽MMA企画部企画・管理室長、同部副部長大山大▽同部技術室長河藤誠一【高機能化学部門】▽機能化学技術部長同部門高機能化学企画部長久保田喜文▽同部QA・RC推進室長原田敏直▽同部生産管理室長樋渡智章▽同部技術開発室長上野信彦▽機能化学事業本部長柏啓太▽同事業本部事業企画室長野殿光史▽同事業本部コーティング材事業部長笠井俊宏▽同事業本部スペシャリティケミカルズ事業部長浅沼努▽同事業本部機能性添加剤事業部長山根義久▽同事業本部ファインケミカルズ事業部長望月秀隆▽食品事業本部長土井康敬▽同事業本部食品事業部長、三菱ケミカルフーズ取締役富田昌暁▽高機能化学企画部グループマネジャー野村智彦【情電・ディスプレイ部門】▽フィルム本部ポリエステル加工フィルム事業部長保田一成▽同本部ポリエステルフィルム開発センター長杉江健志▽半導体本部グローバル戦略室長川名真▽同本部半導体マテリアルズ事業部長若林聡▽ディスプレイ本部ディスプレイマテリアルズ事業部長迫直樹▽▽同本部イメージングマテリアルズ事業部長三森光幸▽同本部ディスプレイフィルム事業部長杉本龍一郎【高機能成形材料部門】▽繊維本部繊維事業部長大坪正博▽機能成形材本部アドバンスドマテリアルズ事業部長伊吹努▽同本部コンポジット事業部長奥野雅哉▽高機能成形材料企画部長木田稔【新エネルギー部門】▽エネルギー変換デバイス部材本部LEDマテリアルズ事業部長中道学。

 

三菱ケミカル 半導体関連事業を強化、MCSSブランドで展開

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2020年3月10日

 三菱ケミカルは9日、半導体関連事業の強化を目的に、今年4月1日付で情電・ディスプレイ部門に半導体本部を設置し、関連する事業を集約すると発表した。

 同時に、グローバルなバーチャル組織として「MC Chemical Solution for Semiconductor」を立ち上げ、「MCSS」の統一ブランドの下、海外の現地法人を含め既存の組織・会社の枠にとらわれないスピーディな事業運営を行う方針だ。

 昨今のAI、IoT導入の広がり、自動車産業のCASEの潮流などに伴い、半導体市場は大きく成長を遂げており、今後も高機能化が進みつつ一層伸長することが見込まれている。

 同社はこれまで、情電・ディスプレイ部門内の各事業部や高機能化学部門で、半導体製造に関連する製品やサービスなどの事業を行ってきたが、これらを新設する半導体本部に移管・集約し、一体的に運営することで、事業基盤の強化とともに業界内での存在感の向上を図る。

 また、同本部内の各事業部や所管する関係会社の枠にとらわれず、グローバルに「MCSS」の統一ブランドを用いて事業を展開することで、世界各国・地域の顧客に対して、半導体関連のソリューションをワンストップで提供する体制を立ち上げる。

 同社は今後も、三菱ケミカルホールディングスグループの中期経営計画「APTSIS 20」に基づき、フォーカスマーケットの1つである「IT・エレクトロニクス・ディスプレイ」について、半導体関連事業の拡大を図っていく考えだ

三菱ケミカル 組織改正②(4月1日)

2020年3月6日

[三菱ケミカル/組織改正②](4月1日)▽高機能成形材料部門①「アドバンスドマテリアルズ本部」、「炭素繊維複合材料本部」、「機能成形複合材本部」を統合・再編し、「機能成形材本部」とする。また、「アドバンスドマテリアルズ本部」の「アドバンスドマテリアルズ室」を「アドバンスドマテリアルズ事業部」に、「炭素繊維複合材料本部」の「コンポジット製品事業部」を「コンポジット事業部」にそれぞれ改称し、「機能成形材本部」に設置する。あわせて、「炭素繊維複合材料本部」の「戦略調整室」、「機能成形複合材本部」の「高機能モールディングシステム事業部」を廃止する②「繊維本部」の「繊維素材事業部」を「繊維事業部」に改称する。また、「炭素繊維複合材料本部」の「炭素繊維複合材料事業部」を「炭素繊維事業部」に改称した上で、「アルミナ繊維・軽金属本部」の「アルミナ繊維・軽金属事業部」と共に「繊維本部」に移管する。なお、「アルミナ繊維・軽金属本部」は廃止する③「機能成形複合材本部」の「アルポリック複合材事業部」、「機能成形材事業部」を廃止する▽研究開発関連①「開発本部」を廃止し、その機能を「研究推進部」に移管する②「分析物性研究所」を設置する▽技術部・事業所関連①「技術部」の「上田工場」を廃止する▽共通部門関連①「サーキュラーエコノミー推進部」を設置する②三菱ケミカルホールディングス社への機能移管に伴い、「法務部」を廃止する▽その他①アジア・パシフィック地域における地域統括機能を「Mitsubishi Chemical(Thailand)Co.,Ltd.」に移管する。

三菱ケミカル 組織改正①(4月1日)

2020年3月5日

[三菱ケミカル/組織改正①](4月1日)▽石化部門①「石化部門」、「石化基盤本部」及び同本部の「石化原料事業部」、「基礎化学品本部」、「石化企画部」を、それぞれ「カーボンケミカル部門」、「基盤原料本部」、「オレフィン・アロマ事業部」、「化学品本部」、「カーボンケミカル企画部」に改称する▽MMA部門①「グローバルSCM本部」、「グローバルHR部」を設置する②「MMA・Asia本部」の「化成品事業部」を分割し、「メタクリレート第1事業部」、「メタクリレート第2事業部」とする。また、同本部の「機能樹脂事業部」を「PMMA事業部」に改称する③新たに設置する「グローバルSCM本部」の下に「グローバルS&OP部」、「グローバルソーシング部」、「グローバルロジスティック部」を設置する④「MMA企画部」の下に、「企画・管理室」、「技術室」を設置する▽高機能化学部門①「機能化学品本部」「機能材料本部」を統合・再編し、新たに「機能化学技術部」「機能化学事業本部」とする②「機能化学技術部」に、「QA・RC推進室」、「生産管理室」、「技術開発室」を設置する③「機能化学事業本部」の下に「事業企画室」、「コーティング材事業部」、「スペシャリティケミカルズ事業部」、「機能性添加剤事業部」、「ファインケミカルズ事業部」を設置する④「食品機能材本部」及び同本部の「乳化剤事業部」を、それぞれ「食品事業本部」、「食品事業部」に改称する▽情電・ディスプレイ部門①「光学フィルム本部」、「情報電子本部」を統合・再編し、新たに「フィルム本部」、「半導体本部」、「ディスプレイ本部」とする②「半導体本部」の下に、「グローバル戦略室」を設置する。また、「情報電子本部」の「半導体マテリアルズ事業部」及び「半導体ソリューション事業部」を「半導体本部」に移管する③「光学フィルム本部」の「ディスプレイフィルム事業部」を、「ディスプレイ本部」へ移管する④「情電・ディスプレイ企画部」の「事業推進室」を廃止する。

三菱ケミカル アセテート繊維原糸が「Bluesign」取得

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2020年3月3日

 三菱ケミカルはこのほど、トリアセテート繊維「ソアロン」とジアセテート繊維の「リンダ」原糸が、繊維業界での環境保全、労働者・消費者の観点で持続可能なサプライチェーンを経た製品に付与される認証である「Bluesign」を取得したと発表した。

 「Bluesign」とは、スイスに拠点を置くBluesign Technology社が運営管理している認証。繊維製品の各生産段階で使われる糸や染料・添加剤、織布などの材料から、人の健康や環境に悪影響を与えると考えられる全ての物質の除去を目的としており、テキスタイル業界で最も厳格な認証の1つと言われている。

 今回の認証取得は、「ソアロン」原糸・「リンダ」原糸が、サステナビリティに配慮し、環境保全や労働者・消費者に対する安心・安全性という観点で優れた原糸素材であることが評価された。

 「ソアロン」は、木材パルプを原料とする半合成繊維で、その原料は持続可能な形で適切に管理された森林から調達している。2017年には製造拠点である富山事業所フィラメント工場がFSC‐COC森林認証を取得しており、国内のみならず、海外でもサステナブル素材として注目されている。

 同社は、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI」の実現に向け、引き続き国内外に向けてアセテート繊維のサステナビリティを訴求し、循環型社会の構築に貢献していく考えだ。