信越化学 窒化ガリウム基板と関連製品の開発を本格化

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2020年1月23日

 信越化学工業は22日、Qromis社(米カリフォルニア州)との間で、同社が保有するGaN(窒化ガリウム)基板関連技術についてライセンス契約を締結し、GaN基板と関連製品の開発を本格化すると発表した。

 信越化学は、半導体シリコンウエハーを製造する子会社の信越半導体とともに、パワー半導体と高周波半導体向けに通常のシリコンウエハーに加え、Silicon on Insulator(SOI)ウエハーやGaN on Siliconウエハーなどの基板を開発し販売してきた。これらの製品群をさらに拡充するとともに、Qromis社の技術を用いてGaN基板と関連製品の品揃えを行い、複数の解を提供することで顧客の要望に応えていく。

 GaNを用いた半導体は、電動自動車などのモビリティーの進化、5Gやデジタライゼーションなどで求められる高デバイス特性と省エネルギーという、相反する課題を解決できるデバイスとして、今後需要が大きく拡大することが期待されている。

 信越化学グループは、大口径GaN関連製品を供給することで、時代の要請である、エネルギーを効率的に利用できる持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。

《化学企業トップ年頭所感》信越化学工業 金川千尋会長

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2020年1月7日

 今年、2020年は東京でオリンピックが開催されます。世界各国の代表選手が、より速く、より高く、より強く、それぞれの競技で競う姿から、興奮と感動をいただけることでしょう。

 才能だけでは金メダリストになることはできません。目標に向かって厳しい鍛錬を積み重ねてきた選手だけが、世界の頂点に達することができます。そして、頂点を極めること以上に大変なのが、トップを維持することです。

 これは事業でも同じです。シンテック社は操業開始から45年間、高い志を持ち、正しい経営判断と正しい執行を日々欠かすことなく積み重ねることで、世界一の塩ビメーカーへと成長を遂げることができました。現在もさらなる成長に向けた増設工事を進めています。半導体事業も、需要の伸びを的確にとらえ、技術を磨き、適切な販売戦略と投資を積み重ねることにより、世界一の地位を獲得することができました。

 信越化学にはシリコーンや電子材料をはじめとした、優れた素材がたくさんあります。2020年を、それぞれの事業で世界一をめざすことを改めて決意し、その大きな目標に向けて邁進する年にしましょう。

 会社が成長を続けていくために基盤となりますのが、安全と品質です。安全を最優先することを徹底し、絶対に品質問題を起こさない決意をして、それぞれの職場で仕事に取り組んでください。

 会社の成長は皆さんの成長なくして成し遂げることができません。皆さんの成長は会社の成長の原動力です。信越化学グループに働くすべての皆さんが、毎日、正しい判断と正確な仕事を積み重ねることで、成長を実感できる、充実した1年をめざしてください。

信越化学工業 5G関連製品を市場投入、石英クロスなど

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2019年12月27日

 信越化学工業は26日、活発化している5G時代の需要を取り込むため、新たな製品の市場投入を開始したと発表した。

 5Gの高周波帯域で使用される電子デバイスや回路基板、アンテナ、レーダードーム向けに石英クロスと熱硬化性低誘電樹脂を新たに開発、さらに従来から手掛ける放熱シートの品揃えを拡充した。

 なお、今回の開発にあたり、NOVOSET(米国ニュージャージー州)との間で、同社が開発した熱硬化性低誘電樹脂の製造・販売に関するライセンス契約を締結した。

 石英クロス「SQXシリーズ」は、誘電率3.7以下、誘電正接0.001以下、線膨張係数1ppm/℃以下など、伝送損失(電気信号の劣化の度合い)に関わる特性が極めて優れている。

 5Gのキーワードである超高速通信を支える配線基板のコア材として最適で、アンテナやレーダードームの繊維強化プラスチック部材としてもその特性を発揮する。

 石英クロスは非常に細い石英の糸を素材とし、厚さを20㎛以下とすることも可能で、積層基板の薄膜化に対応できる。また、石英はα線の発生が極めて少ない特長を持ち、放射線によるデバイスの誤動作を防止できる。需要に応じ、逐次生産能力を上げていく計画である。

 熱硬化性低誘電樹脂「SLKシリーズ」は、フッ素樹脂に迫る低誘電特性を持つ高強度・低弾性樹脂で、高周波数帯(10~80G㎐)で誘電率2.5以下、誘電正接0.0025以下と、熱硬化性樹脂としては最低レベルを達成している。

 低吸湿性で低粗度の銅箔に対しても高い接着力があるため、FCCL(フレキブル銅張積層板)や接着剤などへの使用にも適している。高速通信基板のバインダーとして顧客の評価も良好で、RFデバイスやアンテナなどの低誘電封止材や低誘電高熱伝導接着剤の用途での上市も予定している。

 NOVOSETとライセンスした低誘電樹脂は、高耐熱・低誘電特性で吸湿性も極めて低い材料。同製品を品揃えに加え、高耐熱性が要求されるCCL(銅張積層板)、リジット積層基板や通信基地局のアンテナ、レーダードームへの市場展開を図る。

 放熱シート「SAHFシリーズ」は、5Gで高まる放熱特性への要求を実現するため、放熱材を組み合わせた粘着性のあるシートや、熱で溶融・硬化し接着するシートなどを新たに開発して上市する予定だ。熱伝導性が5W/mKから100W/mKの製品を取り揃えることで、高信頼性が要求されるパワー半導体や自動車分野へも展開し、需要拡大を狙う。

 信越化学は今後も、顧客の要望に応え、5Gの展開に資するため新規製品の開発に取り組んでいく。

信越化学の4-9月期 半導体シリコン事業は増収増益

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2019年10月28日

 信越化学工業の2020年3月期第2四半期連結決算は、売上高が前年同期比1%減の7865億円、営業利益は同1%増の2105億円、経常利益は同1%増の2182億円、純利益は同4%増の1650億円となった。

 セグメント別では、塩ビ・化成品事業は売上高が同3%減の2531億円、営業利益は同13%減の517億円。米国のシンテック社で市況の影響があったものの、米国内の有利な原料事情を背景に、塩化ビニル・カセイソーダともに高水準の出荷を継続。欧州拠点は底堅い出荷となった。国内拠点は国内外向けともに販売量を伸ばした。

 シリコーン事業は売上高が同1%増の1147億円、営業利益は同7%増の311億円。汎用製品の価格下落の影響を受けたが、機能製品を中心に拡販を進め、出荷は堅調に推移した。機能性化学品は売上高が同3%減の582億円、営業利益は同3%増の138億円。セルロース誘導体は建材用製品が一部地域で振るわなかったが、医薬用製品は堅調に推移した。フェロモン製品やポバール製品は堅調な出荷となった。

 半導体シリコン事業は売上高が同5%増の1965億円、営業利益は同12%増の745億円。半導体デバイス市場に軟化の動きが見られたものの、出荷水準の維持に努めた。

 電子・機能材料事業は売上高が同3%減の1114億円、営業利益は同2%減の333億円。希土類磁石はハイブリッド車をはじめとする自動車向けで引き続き堅調な出荷となったが、産業機器向けやハードディスクドライブ向けが需要鈍化の影響受けた。フォトレジスト製品はArFレジストが好調に推移した。マスクブランクスは先端品を中心に販売を伸ばし好調。光ファイバー用プリフォームは市況悪化の影響を受けて厳しい状況となった。

 加工・商事・技術サービス事業は売上高が同3%減の523億円、営業利益は同13%増の72億円。信越ポリマーの半導体ウエハー関連容器が、半導体デバイス市場関連投資の減速の影響を受けた。

 通期の連結業績予想については修正がなく、売上高が前期比3%減の1兆5500億円、営業利益は同微増の4050億円、経常利益は同微増の4180億円、純利益は同2%増の3140億円を見込んでいる。

【2019年 夏季特集】 信越化学工業代表取締役会長  金川千尋氏

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2019年8月8日

 さまざまな事態への備えが重要、安定的な収益確保を目指す

 ━2019年の景気動向と事業環境の見通しは。

 金川会長画像 世界情勢は先行き不透明な状況が続いており、見通すのは難しいことです。当社は、変化する事業環境の中で日々の経営に注力し、実績を積み重ねることに取り組んでいます。

 昨年度はシンテックをはじめ全ての事業が好調に推移し、最高益を更新することができました。今年度についても、第1四半期決算では増益を達成しました。

 また年間の業績も増益を見込んでいます。外部発表しました業績予想の達成に向け最大限努力をしています。

 ━廃プラスチック問題が注目される中、サーキュラーエコノミー(循環経済)にどう取り組んでいますか。

 当社ではESGの重要課題の1つとして、省エネルギー、省資源、環境負荷の低減を掲げており、各工場において、熱エネルギーの循環や水のリサイクル利用に積極的に取り組んでいます。

 一方、事業においては、レア・アースマグネットの原料であるレア・アースのリサイクルを武生工場とベトナム工場で行い、原料調達の

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信越化学工業 人事(6月27日)

2019年6月17日

[信越化学工業・役員人事](6月27日)▽資材関係担当、常務取締役秘書室・広報・法務関係担当秋本俊哉▽業務監査関係担当、常務取締役総務・人事関係担当池上健司▽社長室関係担当、取締役経理部長笠原俊幸(7月1日)▽技術部長辻利博▽武生工場長松本福二。

 

 

信越化学 メチレンクロライドなどを6月1日から値上げ

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2019年5月22日

 信越化学工業は21日、メチレンクロライドとクロロホルムの国内向け販売価格を、6月1日出荷分から値上げすると発表した。値上げ幅は、いずれも20円/kg以上。

 メチレンクロライドとクロロホルムは、塩素系溶剤として国内で底堅い需要があり、同社は長年、需要家に安定供給を続けてきた。

 しかし、今年に入り主原料の工業塩と天然ガスの価格が高騰するとともに、電力価格も高騰し、製造コストが上昇。さらには輸送コストも上昇しており、事業採算が著しく悪化している。

 同社は、継続的にあらゆるコスト低減に努めているが、現在のメチレンクロライドとクロロホルムの価格水準で採算を確保することは困難な状況だ。

 このため同社では、メチレンクロライドとクロロホルム事業の存続と安定供給の維持のため、事業を取り巻く厳しい現状を需要家に理解してもらい、今回の価格改定を了承してもらうよう努めていく。

 

【化学企業 入社式訓示②】信越化学工業 斉藤恭彦社長

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2019年4月3日

 本日皆さんは、職業人として第一歩を踏み出した。皆さんは当社の門戸を叩き、こうして無事この日を迎えた。私は皆さんの知力と熱意、意欲に大いに期待している。

 日本経済新聞の集計によると、日本の化学セクター上場企業127社合計で、今年3月期の決算が減益予想になっている。その中で、当社は昨年10月に上方修正した予想は変えておらず、2桁の増益見込みだ。

 さて、このような収益性が、昔から備わっていたわけではないし、自然にそうなったのでもない。1990年に金川会長が社長になられて、会社経営が変わり、当社は着実に業績を上げるようになった。

 当社の1人当たり利益は高く、生産性の高い会社と言える。そこには、人はより広範囲の、より高度な仕事が出来るとの確信がある。

 皆さんはそれぞれの部署で、価値ある仕事をすることが期待される。それには貪欲に学び、疑問に思い、そして自分で常に考えることが必須だ。

 当社が目的とするところは、素材技術をもって人々と地球の問題に対する解決策を、利益を上げつつ生み出し続けること。顧客が求める価値を生み出す製品をつくり、雇用を生み、株主に報いる。そのために増収・増益を着実に達成して成長していく。

 今日が昨日より良く、今月が先月より良く、今年が去年より良い。そのように仕事をする。このために、配属された部署が何を狙い、自分の仕事が如何に寄与するか、を意識して、日々仕事に取り組んでほしい。

 わからないことは臆せず聞く、調べる、そして考える。担当する職務でまずプロになる。それを積み上げていってほしい。冒頭で職業人という言葉を用いたのは、そのためだ。皆さんが担当職務を全うし、活躍するには何よりも健康が大切だ。

 皆さんも私たちとともに仕事に打ち込むことで「信越化学に入社して良かった」という充実感を味わってほしいと思う。

【化学企業 入社式訓示②】信越化学工業 金川千尋会長

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2019年4月3日

(新入社員との質疑応答)

(質問:私たちは、新入社員として、どのようなことを心掛けて仕事に取り組めばよろしいでしょうか)

 会社にいかに貢献し、いかに発展させるか、皆さん一人一人が心掛けて仕事に取り組んでいただきたいと思います。

 製造や研究部門などに配属される方は、工場の安全を第一に考えていただき、社会に受け入れられる製品の開発、生産に取り組んでください。

 販売や管理部門などに配属される方は、正確な仕事を心掛け、謙虚な気持ちで仕事に臨んでください。お客様あっての会社であることを忘れないでください。

 仕事は頭で覚えるのではなく、体で覚えることが大切です。そうした経験が、将来花開くこととなります。

 (質問:金川会長が当社に関して一番誇りに思っていらっしゃることは何でしょうか)

 私が誇りに思っているのは、それぞれの担当分野でプロとして仕事をしている当社の社員です。皆さんも、先輩社員たちのように、是非それぞれの仕事のプロを目指してください。

 そのためには、会社の方針をよく理解して、疑問に感じたことがあれば遠慮なく質問することです。自分が納得した上で仕事をすることが大切です。そうした積み重ねが皆さんの血となり肉となり、仕事をする上での財産となります。