帝人 睡眠力向上サービスでソニーと協業を開始

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2019年11月19日

 帝人はこのほど、従業員の睡眠改善をサポートすることで企業の健康経営に貢献する「Sleep Styles睡眠力向上サービス」のさらなる質向上を目指し、ソニーと同社のパーソナルアロマディフューザー「AROMASTIC(アロマスティック)」を通じた協業を開始したと発表した。

 帝人は昨年、ウェアラブルデバイスやウェブアプリ、Eラーニングなど様々なツールを活用した「睡眠力向上プログラム」の提供を開始。また、参加者の睡眠傾向を分析する「スリープチェック」と「睡眠力向上セミナー」の提供を開始し、これら3つのサービスを「Sleep Styles睡眠力向上サービス」として展開している。

 さらなる改良を検討する中で、睡眠やリラックスへの香りの効果に着目し、幅広い知見をもつソニーと「アロマスティック」を通じた協業に至った。

 香りによる感覚入力は、感情やホルモンバランスを司る大脳辺縁系領域に直接伝わることが知られている。ソニーは、香りがもつ多様な効果に注目し、コンパクトサイズながら複数の香りを楽しめる「アロマスティック」を開発して、2016年から販売している。

 帝人は「アロマスティック」を「睡眠力向上サービス」のツールとして活用し、香りがもたらす効果を参加者に学習、体感してもらうことで、継続的にセルフケアを実践できるプログラムの共同開発を進めていく。

 帝人は、今後もソニーとともに、両社が保有するノウハウや技術を融合させることにより、様々なソリューションを開発・提供し、一人でも多くのQOL向上に貢献していく。

帝人 電池交換不要な情報発信シート開発、実証試験を開始

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2019年11月15日

 帝人はこのほど、セルクロス(東京都文京区)・タグキャスト(東京都千代田区)と共同で、世界最高レベルの発電効率を誇る色素増感太陽電池を電源とする平面認証ビーコン「PaperBeacon(ペーパービーコン)」を開発したと発表した。

 色素増感太陽電池とは、色素が光を吸収して電気に変える仕組みの有機系太陽電池のこと。ビーコンは、「Bluetooth LE」という近距離通信を使用し、特定の位置に存在するスマートフォンなどの端末に情報を発信する機器である。帝人が2015年から展開している「ペーパービーコン」は、3次元空間に広く拡散するビーコンの信号を、独自開発した2次元シートにより「面」に制御して、混信を避けることができる。このため、デスクの隣同士に着席した際にも、個人ごとの位置情報を正確に発信できることが特徴だ。

 ビーコンは近距離に存在する端末に対して位置情報を届けることができることから、GPSの届かない屋内でのナビゲーションや、発信機付近の消費者に対する店舗情報の通知など、様々な用途で活用が進んでいる。一方、その普及に向けては、バッテリーの交換が設置上の大きな課題となっており、「ペーパービーコン」でも約1年半ごとの電池交換が必要だった。

 こうした中、帝人はその課題解決に向けて、電池交換が不要で、室内照明でも発電可能なシャープの色素増感太陽電池を電源に採用したビーコンモジュールと、2次元通信シートを独自技術により一体化することに成功し、電池交換が不要な「ペーパービーコン」を実現した。今回、同製品導入の第1弾として、プラスのオフィスでの多様な働き方をサポートする、座席管理システム「Suwary(スワリー)」に対応させ、実証実験を開始した。

 帝人は今回開発した電池交換が不要な「ペーパービーコン」を、フリーアドレス化が進む企業のオフィス向けに拡大展開するとともに、飲食のモバイルオーダーシステム「Putmenu(プットメニュー)」への対応や教育分野など、様々な用途に向けたサービス開発を進めていく。

帝人 オランダの子会社でパラ系アラミド繊維を増強 

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2019年11月14日

 帝人は13日、グループ会社のテイジン・アラミド(オランダ)が、パラ系アラミド繊維「トワロン」の生産能力を、2022年までに25%以上増強すると発表した。

 グローバル市場での需要拡大に対応するため。生産能力増強は原料を製造するデルフザイル工場(オランダ・デルフザイル市)と、紡糸を行うエメン工場(オランダ・エメン市)の2工場で実施する。

 さらに、今回の設備投資にはCO2排出量の削減技術の導入を組み込み、これにより社会と企業の持続的な発展を目指す。

 「トワロン」は高強度、軽量で高い耐久性をもつパラ系アラミド繊維として、自動車や航空用コンテナ、防護、ロープ・ケーブルなどの海洋用途など幅広い分野で使われ、その高い機能性を発揮しており、グローバル市場で確固たる地位を築いている。

 こうした中、帝人グループでアラミド事業を展開するテイジン・アラミドでは、2017年から生産の効率化による生産能力の向上を図りつつ、ほぼフル稼働で生産を続けていたが、国内外でのさらなる市場成長や需要拡大に対する対応力を強化するため、大きな設備投資を伴う生産増強の実施を決定した。

 帝人グループは注力すべき重点領域の1つとして「環境価値ソリューション」を掲げており、今後も軽量化素材による環境性能向上や循環型社会の実現に貢献していく。

【バイオプラ特集・各社の動向】帝人 

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2019年11月8日

植物度70%の「プラネクスト」、自動車部品で採用

 帝人の「PLANEXT(プラネクスト)」は、トウモロコシの実などから製造されるイソソルビドをベースとした樹脂で、その植物度は約70%にもなる。透明性・耐薬品性・耐傷付き性・耐久性に優れることから、自動車・エレクトロニクスや光学用途、医療、食品、化粧品用途など、幅広い市場で用途開発を進めている。

 その1つが昨年2月に発表した、耐ガソリン性と成形性を両立した「プラネクスト」製のフィルム。独自のポリマー改質技術と製膜技術を駆使することで、スマートエントリーシステム用のドアハンドルへの対応を可能にした。

 また、このフィルムに加工メーカーの特殊金属蒸着技術を付加することにより、クロムメッキに代わる金属メッキ代替フィルムの生産も行うことができ、ホンダロック(宮崎市)のスマートエントリーシステム用のドアハンドルに採用された。

 近年、自動車用のドアロックとして、ドアハンドルに触れるだけで施錠・開錠が行える、スマートエントリーシステムの開発が進められている。スマートエントリーシステムは、センサーの誤作動防止のため、ドアハンドル部分を非導電性とする必要があるが、導電性のあるクロムメッキをベース樹脂の表面に使用したドアハンドルでは、実現できなかった。

 一方、金属蒸着したプラスチックフィルムは非導電性で、すでに金属メッキの代替フィルムとして、自動車の外装用途に実用されているものの、ドアハンドルには耐ガソリン性と成形性の両立が求められるため、使われていなかった。これに対し、帝人は「プラネクスト」を独自のポリマー改質技術で改良することにより、耐ガソリン性と成形性を両立した「プラネクストSN4600」を開発し、量産化に成功した。

 また同製品に特殊な製膜技術を加えることにより、ドアハンドルを含む自動車外装用途に使用可能なフィルムの開発も実現した。開発したフィルムは「プラネクスト」の特性である耐薬品性・透明性・高表面硬度に加え、優れた耐ガソリン性と成形性、耐候性を備えている。

 ポリマー改質技術により耐ガソリン性を付加されたことで、セルフ式ガソリンスタンドなど、ドライバーの手にガソリンがつきやすい状況下での使用に適している。

 また、耐熱性と製膜条件を最適化することで成形性を高め、複雑な形状の成形を可能にした。さらに、優れた耐候性基材を保護するためのUVカット機能をフィルムに付与することによって耐候性を高め、紫外線による基材の変色を防止している。帝人はこのフィルムをドアハンドル以外の自動車部品にも積極的に用途展開し、拡販を図っていく方針だ。

植物由来成分30%のPETも

 同社には植物由来の素材として、もう1種類、グループ会社の帝人フロンティアが展開している「PLANTPET(プラントペット)」がある。これは、PET樹脂を構成する成分の一部を、植物由来原料に置き換えたものだ。

 PET樹脂を構成するエチレングリコールを植物由来に切り替えたことで、成分の30%強が植物由来となっており、これは放射性炭素年代測定法(14C年代測定法)により検証することができる。素材の1部を植物由来とすることで、化石資源の消費を抑えることができ、温室効果ガスの削減効果が示されている。

 有限資源を再生可能な資源に転換することは、環境負荷の低減につながり、物性・品質は化石由来のPETと変わらないことから、すでにPETボトル用途では世の中に広く普及し始めている。それ以外では、カーシートやユニフォームが多く、衛生材料や産業資材などでも使われている。

 PETボトルをめぐる環境負荷低減への取り組みということでは、帝人フロンティアは回収したPETボトルを溶かし、マテリアルリサイクル技術により再生したポリエステル繊維「ECOPET(エコペット)」を製品化している。

 その取り組みの一環として、野外音楽フェスでのPETボトルリサイクル活動を支援しており、8月に総合エンタテインメント企業エイベックスグループの夏の野外ライブイベント「a‐nation(エイ・ネーション)2019」、9月には山梨県山中湖村の野外音楽フェス「Mt.FUJIMAKI(マウントフジマキ)2019」に協賛し、リサイクル活動をサポートした。

 「エイ・ネーション2019」は、エイベックスグループが2002年から毎年開催しており、会場内で発生した使用済みPETボトルを回収するリサイクル活動「LOVE.PEACE&CLEAN」を行っている。同社がサポートするのは10回目。「地球に優しいfes.」と「地球に優しい企業」のコラボレーションによって、世の中に環境に優しい活動を発信し、その継続と拡大を目指している。

 今回は「エイ・ネーション2019」の最終公演となる8月17、18日に開催される大阪会場(ヤンマースタジアム長居)で実施した。同社はこのリサイクル活動の啓蒙・推進に貢献するとともに、ペットボトルの回収に協力した来場者に、「エコペット」を使用したボンフィン(ミサンガ)を配布し、地球環境への負荷を低減していきたいという思いを伝えた。

 一方、「マウントフジマキ2019」では、同フェスとして初めての試みとなるPETボトルのリサイクル活動をサポートした。同社は「エコペット」を使用したリストバンド型チケットを提供するとともに、会場内で発生する使用済みペットボトルを回収するエコブースを設置し、社員がエコブースへの誘導や資源ゴミの分別・回収をサポートした。

 回収したペットボトルは「エコペット」へとリサイクルし、資源の循環に協力する。また、リサイクルを身近に感じてもらえるよう、来年「マウントフジマキ」が開催される際には、オフィシャルグッズやリストバンド型チケットに「エコペット」を使用してもらう予定だ。

帝人 グループ会社がJALデジタルエクスペリエンスと提携

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2019年11月5日

 帝人はこのほど、ニュートラシューティカル(人々の日々の健康維持に有用である科学的根拠をもつ食品・飲料の総称)製品の販売を手がけるグループ会社のNOMONが、JALデジタルエクスペリエンスと提携したと発表した。同社が新たに創設する会員組織「CLASS EXPLORER(クラス・エクスプローラー)」向けのサービスを共同で開始する。

 同社は今年2月に日本航空と野村総合研究所が設立した合弁会社。サービスの第1弾として創設した「クラス・エクスプローラー」は「知的好奇心を失わず、未知の体験を求めて旅するエクスプローラー(冒険者)に、人生を豊かにする新しい体験を提案する」ことをコンセプトとして、JALが得意とする旅を基軸に、パートナー企業との連携により、新しい体験型サービスを提供することを目指している。

 一方、NOMONは「加齢に伴う老化の制御」をテーマとして、帝人グループがヘルスケア事業で培った知見を応用して生み出したニュートラシューティカル製品を活用し、多くのパートナーとの協業を通じて、世の中のQOL向上につながる新たな価値を創造することで、「プロダクティブ・エイジング」の実現を図っている。

 「プロダクティブ・エイジング」とは、ロバート・バトラーILC米国センター理事長が提唱した「高齢者を社会の弱者や差別の対象として捉えず、老いてこそ、社会にとってより必要な存在となる」とする概念のこと。

 今回の提携は互いの理念への賛同から、NOMONのニュートラシューティカル製品と、JALデジタルエクスペリエンスのサービスとを掛け合わせることで、より多くの人が自分らしい人生を全うするための様々なつながりや体験を提供できると考え実現した。今後は両社の連携により、「プロダクティブ・エイジング」につながる魅力的なサービスの開発に取り組んでいく。

帝人の4-9月期 ポリカーボネートの市況悪化などで減収減益に

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2019年11月5日

 帝人の2020年3月期第2四半期(4-9月期)連結決算は、売上高が前年同期比1%減の4360億円、営業利益は同7%減の338億円、経常利益は同17%減の331億円、純利益は同40%減の204億円となった。

 1日に開催した決算説明会で、園部芳久取締役専務執行役員は「ポリカーボネートが前期の市況好調に対し、今期は低迷したこと、高尿酸血症『フェブリク』の後発品が欧米で発売されたことなどで営業減益となった。ただ、

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帝人など 医療物流管理システム開発、本格運用を開始

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2019年10月24日

 帝人は23日、シップヘルスケアグループの小西医療器と共同で開発した、医療機関向けのRFID物流管理(SPD)システムを北野病院(大阪市北区)が導入したと発表した。帝人と小西医療器は今後、北野病院での運用における業務改善効果を実証しながら、導入施設の拡大を図っていく。

帝人 「レコファインダー」とモニター
「レコファインダー」とモニター

 近年、医療現場では「高生産性・高付加価値」構造への転換が喫緊の課題であり、北野病院では「トレーサビリティの確立・安全性の向上・コスト管理」をキーワードに、院内の状況改善を検討していた。

 一方、帝人はICタグを貼付した管理対象物の入出庫や、ロケーション情報、使用実績を正確かつリアルタイムに読み取るRFIDシステム「レコピック」と「レコファインダー」を展開。また、小西医療器は、多数の病院施設でSPDシステムの運用実績があり、現在も物品運搬・在庫管理に関する安定的なシステムの立ち上げや、精度の高い分析提案に強みを発揮している。

 そこで両社は、技術やノウハウを融合させることで最適なソリューション提供が可能と判断。新システムを共同で開発し、今回の北野病院での導入に至った。

 医療分野では、院内物流の一部にICタグを活用するケースが多かったが、同システムは、医療材料などの管理対象物にICタグを貼付することで、SPD事業者の外部倉庫での入出荷から、病院への入荷、院内での使用に至るまで、物流業務全ての一括管理を可能とする。

 ICタグが貼付された物品カードを「レコファインダー」に投函するだけで、医療材料の使用実績が自動登録され、院外倉庫に情報が流れる仕組みになっており、発注業務の大幅削減が期待できる。

 また、保険償還物品や1000円以上の医療材料についても、ICタグを貼付し、使用時に剥がして患者台紙に貼り換え、読み取りボックスに投函することで、どの患者に何の物品を使用したのかを把握できるため、医療材料のトレーサビリティ確保による安全性の向上や、患者ごとの原価管理が可能になる。

 また、同システム導入後の現場運用への定着状況や安全性などを段階的に確認し、5年以内には、院外倉庫と院内物流を合わせた管理・作業工数を半減させる予定。今後、両社は北野病院での業務改善効果を実証し、さらに最適な運用方法を検討することで、新システム導入の価値の最大化を目指すとともに、他の医療機関への採用拡大に向けて連携強化を図る。

帝人グループ ヘルスケアで新ビジネス確立へ

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2019年10月9日

従来の枠越え、マテリアル・ITとの融合も

 帝人グループはヘルスケア事業の発展戦略として、介護保険や保険外のケアサービスまで展開する「新規ヘルスケア事業」で、新しいビジネスの確立に取り組んでいる。

 新規ヘルスケア事業で注力分野と位置づけているのは「埋め込み型医療機器」「新規医療機器」「機能性食品素材」「再生医療」「デジタルヘルスケア」「スマートセンシング」。このうち、埋め込み型医療器では、帝人ナカシマメディカルを中心に、人工関節や骨接合材料などを展開している。

 一昨年7月に、高品質の生体内分解吸収性骨接合材料の販売拡大に向けて帝人メディカルテクノロジーを設立。昨年1月には帝人ナカシマメディカルが、脊椎インプラントを手掛けるセンチュリーメディカルの脊椎事業を買収した。

 一方、新規医療機器では、これまで下肢麻痺患者の歩行補助・歩行改善を目的とした歩行神経筋電気刺激装置「ウォークエイド」(2013年上市)、脳卒中などによる上肢麻痺のリハビリを目的とする上肢用ロボット型運動訓練装置「ReoGo‐J」(2016年上市)など、リハビリを補助する先進的な医療機器の導入・開発に取り組んできた。

 しかし、一昨年に脳神経疾患領域に進出するため、米国の医療機器メーカーから、うつ病の治療装置の国内独占販売権を取得し、今年6月に「NeuroStarTMS治療装置」を上市。さらに、心臓組織の一部が欠損するなどの先天性の心疾患手術に使われる「心・血管修復パッチ」の開発を、大阪医科大学・福井経編興業と進めるなど、事業領域の拡大を図っている。

 機能性食品素材では、2016年から販売しているスーパー大麦「バーリーマックス」に続き、昨年12月から発酵性食物繊維「イヌリア」の販売を開始。再生医療については、バイオ医薬品メーカーのJCRファーマと共同で、人の歯から取り出した細胞を用いた急性期脳梗塞治療薬の開発を進めている。

 また、デジタルヘルスケアに関しては、企業向けにオーダーメイドの睡眠サポートを、スマートセンシングでは医療機器管理に効果を発揮する、ICタグを活用したRFID管理システム「レコピック」を提供している。

 こうした製品やサービスなどを展開する帝人のヘルスケア事業の強みは、医薬品事業と在宅事業を持ち、マテリアルやITを組み合わせたシナジーを発揮できる点。埋め込み型医療機器は、ヘルスケアの知見とマテリアルの素材開発力が融合した事例と言える。

 また、睡眠サポートを行っているデジタルヘルスケアは、ヘルスケア事業での睡眠に関するノウハウとITサービスの融合である。同社はこうしたさまざまな融合により、従来の保険医療の枠にとらわれない新規ヘルスケア事業の確立を目指していく。

東洋紡 フィルム製造2社の子会社化を完了、商号も変更へ

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2019年10月8日

 東洋紡は帝人との株式譲渡契約に基づき、帝人が保有する帝人フィルムソリューション(TFS社)とインドネシア帝人フィルムソリューション(インドネシア:ITFS社)両社の株式を、10月1日付で取得し子会社化した。

 両社は共に、ポリエステルフィルム事業を展開してきた。工業用途では、車両の電装化の進展により需要が拡大するセラミックコンデンサ用離型フィルムなどの各種離型フィルム、包装用途では食缶用ラミネーションフィルムと、高品位のフィルム製品を供給。

 PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムでは、主に自動車向けの絶縁フィルム、フレキシブルプリント基板(FPC)用途といった、高機能で特徴のある製品を提供している。

 東洋紡はTFS社のもつ高い開発・生産技術と幅広い製品ラインアップを加えることで、高機能フィルム製品の開発・生産能力を強化し、フィルム事業基盤をさらに強固なものにしていく。また、ITFS社を傘下に置くことで海外生産体制を強化し、フィルム事業のさらなるグローバル化を図っていく。

 同日開催のTFS社とITFS社それぞれの臨時株主総会では、商号変更を決議した。TFS社は同日付で「東洋紡フィルムソリューション」に変更し、ITFS社は今月中旬に「インドネシア東洋紡フィルムソリューション」へと変更される予定。グループ企業であることを対外的に明確化するとともに、グループとしての一体感を醸成していく。

 東洋紡は今年5月22日付で、帝人との「株式の取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結」を開示していた。

 

帝人 リンケージに出資、健康支援事業の提携範囲を拡大

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2019年10月8日

 帝人は7日、オンライン健康支援事業などを行うリンケージ(東京都中央区)に出資し、資本・業務提携を行うことで合意したと発表した。これまでの睡眠分野を中心とした業務提携の範囲を、禁煙やフレイルの重症化予防などにも広げることが目的。

 リンケージは2011年の創業以来、健康保険組合や企業、自治体に対して先鋭的な健康増進施策を提供してきた。2013年からはICTを活用した、日本企業の海外駐在員向け健康支援サービスの提供を始めたことを皮切りに、2015年にオンライン特定保健指導サービスを立ち上げた。

 また、2017年には業界に先駆けてオンライン禁煙プログラムの提供を開始するなど、医師・看護師・保健師・薬剤師・管理栄養士などの社内外の医療従事者や、大学・官公庁の協力者とリンケージ(連動)しながら、オンライン健康支援事業のパイオニアとして事業を創造してきた。その結果、現在は80を超える健康保険組合(加入者数合計約370万人)が、オンライン健康支援サービスを利用している。

 一方、帝人グループはデジタルヘルス技術を活用したヘルスケアサービスにより、誰もが住み慣れた地域で、人生の最後まで自分らしい生活を全うする地域包括ケアシステムの普及に貢献することを目指し、すでに帝人ファーマでは、多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」を展開している。

 日本では今後も少子高齢化が急速に進み、医療資源の不足と地域格差がさらに拡大し、地理的制約を受けないオンライン診療やオンライン健康支援サービスが、より多くの人々に必要となることが予測される。

 こうした中で、両社の保有するサービス、技術、ノウハウを融合させることにより、社会的ニーズに応えるソリューションの提供が可能になると考え、資本・業務提携に合意した。

 今回の提携により、帝人はオンライン診療とオンライン健康支援事業でノウハウを持つリンケージと、共同で新たなサービスの開発に注力する。また、リンケージとの連携を図りながら、将来的に地域包括ケア領域での新規事業の立ち上げを目指していく。