マックの廃プラをCR・発電し、EVバイクで活用
昭和電工と日本マクドナルド、川崎市の3者は、今月1日から、川崎市内のマクドナルド店舗から排出される使用済みプラスチックを昭和電工がクリーン水素へ再生し、マクドナルドのデリバリー用EVバイクに利用する「プラスチック資源循環」実証事業を開始した。実証期間は約1カ月間。
先月30日、昭和電工川崎事業所で開催された記者説明会で、同市臨海部国際戦略本部の間島哲也担当課長は
2020年12月3日
2020年12月1日
2020年11月9日
昭和電工は6日、電子材料用高純度ガス事業強化のため、中国の成都科美特特種気体と合弁で「成都科美特昭和電子材料」を四川省成都市に設立すると発表した。出資比率は昭和電工40%、成都科美特特殊気体60%で、来年1月に営業を開始する。
新会社では主に半導体の製造工程で使われる高純度FC-14(テトラフルオロメタン:CF4)の最終製造工程を担う。電子材料用ガスの主力製品の1つであるCF4は、量産使用からすでに40年以上が経過する、電子材料用ガスの中では最も基本・基礎的なエッチング用ガス。取り扱いの容易さに加え、ますます進む微細化加工にも適している。
また半導体向けだけでなく有機EL製造工程などでの使用も拡大していることから、今後も堅調に需要が増加していくと見込まれている。今回の事業強化策により、昭和電工のCF4事業は、稼働中の川崎事業所と合せて2拠点体制となる。
同社グループは、東アジア地区でのCF4の安定供給強化を実現し、今後も戦略事業である半導体プロセス材料事業の一層の拡充を図っていく考えだ。
2020年11月6日
2020年10月29日
昭和電工はこのほど、2021年1月1日を効力発生日として、光半導体事業ならびにレアアース合金事業を、会社分割(吸収分割)により100%子会社の昭和電工光半導体に承継させることを決議したと発表した。分割する部門の事業内容は、可視・赤外系LED、受光用エピウエハー、レアアース合金の製造・販売で、昨年度の売上高は48億円となっている。
昭和電工は中期経営計画〝The TOP 2021〟の中で、収益性と安定性を高レベルで維持する個性派事業の連合体である「個性派企業」の実現を目標に掲げている。同社の中計では光半導体事業を「伸ばす」に位置づけており、成長が見込まれる市場で、顧客ニーズに応える製品や技術を提供して事業を拡大し、個性派事業に成長することを目指している。
この事業目標の達成に向け、同事業を事業会社化して意思決定と最新の市場情報に対する社内の情報共有を加速し、成長する赤外領域の受発光デバイスをターゲットに、業界トップの品質とカスタマイズ力により顧客の要望に応えていく。
なお、事業会社化にあたっては、新たに昭和電工光半導体を設立し、吸収分割により対象事業を同社へ移管する。
2020年10月19日
昭和電工は16日、リチウムイオン電池(LIB)のセパレーターのセラミック耐熱層用バインダー用に最適化したポリ-N-ビニルアセトアミド「PNVA GE191シリーズ」の展開を本格化したと発表した。
同社が世界で唯一工業化に成功したN-ビニルアセトアミドを重合した水溶性高分子である「PNVA」は、水素結合を多く含む設計で、200℃の高温処理でも劣化しない耐熱性や、金属酸化物粒子をより均一に分散・安定させる特長をもつ。「GE191シリーズ」は、セラミック耐熱層の要求特性に応えたグレードとして、耐熱層の高耐熱化と薄膜化に貢献。塗工層の高耐熱化によりLIBの安全性・耐久性を向上させることができるバインダーとして評価され、車載用LIBにも採用されている。
一般的なセパレーターは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの薄膜で構成されており、LIBが異常発熱して温度が高温になると、セパレーターの結晶が融解して膜が収縮し、電極同士が接触、短絡して発火など重大な事故が発生する恐れがある。同シリーズを添加したセラミック耐熱層をセパレーターに塗工すると、「PNVA」自体の高耐熱性に加えて、アルミナやベーマイトなど耐熱層の無機粒子と水素結合により強固に結着。異常発熱時でもセパレーターの形状が保持され、電極同士が接触、短絡する危険性を回避することが可能だ。
また、同シリーズは水との親和性が高く、増粘性(レオロジー特性)も高いため、セラミック粒子が均一に分散して低剪断時でも高粘性を確保し、剪断速度に応じて粘度が下がる性質(チキソ性)に優れている。そのため、同シリーズをバインダーに使用することでセラミック耐熱層の保管性(沈降防止)が向上し、セパレーターや電極への均一な塗工や工程改善に効果があり、ロス削減によるコストダウンに貢献できる。
世界のLIB市場は5GやCASEの進展により今後も高い成長が予想されている。昭和電工は、LIBの高性能化に貢献する製品として、「PNVA」以外にも、水系バインダー樹脂「ポリゾール」、パウチ型LIB用包材の「SPLAF」、正負極材添加剤「VGCF」など多数ラインアップしており、顧客の要望に応える最適なソリューションを提供してさらなる事業拡大を目指していく考えだ。
2020年9月25日
昭和電工は24日、2021年1月1日付で、連結子会社であるShowa Denko Europe(SDE)を、同じく連結子会社であるShowa Denko Carbon Holding(SDCH)に吸収合併させること、およびSDCHの商号をShowa Denko Europe(新SDE)に、変更することを取締役会で決議したと発表した。
SDEは昭和電工の欧州の各現地法人に対し、欧州への各種化学品の輸出入管理や化学物質管理、マーケティングなどの事業支援を行っている。一方のSDCHは、黒鉛電極事業の欧州での事業統括会社として、欧州各国にある黒鉛電極事業会社を傘下とした運営体制を構築している。
昭和電工は、SDCHがもつ業務統括機能にSDEのもつ事業支援機能を融合させることで、欧州での事業展開をさらに拡大することを目的として両社を合併することを決定した。なお、SDCHがSDEを吸収合併し、存続会社はSDCHとなるが、欧州の同社事業統括機能を明確に示すことを考慮し、吸収合併すると同時に会社名を新SDEに変更している。
2020年9月10日
昭和電工はこのほど、「The Valuable 500」の考え方と取り組みに賛同し加盟文書に署名した。
「The Valuable 500」とは、2019年1月に開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で発足した、障がい者インクルージョン推進の国際イニシアチブで、「インクルーシブなビジネスはインクルーシブな社会を創る」という考えの下に立ち上げられた。
障がい者がビジネス・社会・経済にもたらす潜在的な価値を発揮できるように、ビジネスリーダーが自社のビジネスをインクルーシブにする改革を起こすことを目的としている。
同社はこの考えと取り組みに賛同。「オンリーワンの個性を、チカラに変える。」を障がい者インクルージョン推進のスローガンに掲げた。また、この署名を機に、同社グループ内に、インクルーシブな職場づくりを目指すことに賛同する社員を500人以上募り活動を行う、「オンリーワンサポーター500」を展開する予定。将来的には障がい者支援グループコミュニティを構築することを目指す。
同社グループは、持続可能な社会に貢献する企業となるために、「多様な人材が互いの個性・価値・アイデアを生かし合い、協働することにより、利益や新たな価値を創造し続ける力をもつ組織・個人になること」を目的に、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に今後とも積極的に取り組んでいく考えだ。
2020年9月1日
昭和電工は31日、産業廃棄物処分業の許可を7月1日付で取得し、破砕成形された状態のプラスチック産業廃棄物の受け入れを開始したと発表した。
川崎事業所(神奈川県川崎市)では、2003年から容器包装リサイクル法に基づく使用済みプラスチック(容リプラ)を化学原料にリサイクルする「プラスチックケミカルリサイクル事業」を行っている。受け入れた容リプラは高温でガス化して分子レベルまで分解し、水素(低炭素水素)とCO2へ転換。低炭素水素は主にアンモニアの原料に、CO2はドライアイスや炭酸飲料向けに使用している。
同社は、ガス化によるケミカルリサイクル(CR)としては世界で唯一、長期にわたる商業運転の実績をもつ。昨今の海洋プラスチック問題など、廃プラの高度リサイクルに対する社会的ニーズが高まる中、今回の許可取得により安定的に廃プラを確保することが可能となり、原料ソースが多様化され、同事業を安定継続する体制が整った。
日本で毎年排出される約900万tの廃プラのうち、再利用されるものは750万t(CR39万t、マテリアルリサイクル208t、エネルギー回収503万t)。未利用のまま焼却処分や埋め立て処分されるものが142万tある。CRは廃プラを原料に戻して再利用できるため、資源循環型社会実現のための重要な技術の1つとして注目されている。
同社は、経済産業省からエコタウンとして認定されている川崎市と、低炭素水素社会の実現に向けた連携・協力に関する協定を2015年に締結。使用済みプラスチック由来の低炭素水素を活用した環境負荷の低い水素社会の実現を目指している。これまで、低炭素水素を川崎市内のホテルに設置した燃料電池や、燃料電池車用の水素ステーションに供給する実証実験を行っている。
なお今回の取り組みは、環境省の「使用済みプラスチック由来低炭素水素を活用した地域循環型水素地産地消モデル実証事業」として受託・実施しているもの。
同社は、事業活動を通じたSDGs課題解決への貢献を目指し、資源循環型社会を支える事業を積極的に推進している。今後も様々な製品・サービスの提供を通じ、豊かさと持続性が調和する社会の創造に貢献していく考えだ。
2020年8月19日
森川社長「環境悪化への抵抗力を自助努力で向上」
昭和電工は上期(1-6月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比31%減の3266億円、営業損失258億円(同1113億円減)となった。また、通期業績予想も、下期から日立化成を組み入れることで、売上高は前年度比6%増9600億円と増収になるが、営業損失300億円(同1508億円減)をはじめ各利益項目は赤字を見込む。
オンラインによる決算説明会で森川宏平社長は、「鉄鋼生産縮小に伴う黒鉛電極事業の大幅減産やコロナ影響、ナフサ価格下落など特別要因に加え、日立化成統合関連の一時的な支出が重なり、上期決算と通期業績予想は厳しい内容だ」とし、