三菱ケミカルグループは24日、バイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO(デュラビオ)」が、資生堂のグローバルラグジュアリーブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」のアイコニックハイパフォーマンスクリーム「ラ・クレーム」の容器に採用されたと発表した。なお、同製品は9月から発売されている。
「デュラビオ」は、
2022年11月25日
2022年11月17日
2022年8月25日
2022年7月7日
2021年10月18日
資生堂はこのほど、光電子増倍管による肌のバイオフォトン測定技術を応用し、紫外線による肌の酸化ストレス研究の結果を、「生体医工学シンポジウム2021」で発表した。
酸化ストレスが高まると、肌本来がもつうるおい、透明感、ハリなどを保つ機能が低下する。バイオフォトンは肌から発生している極めて微弱な光で、酸化ストレスに伴い増加する。同社は2018年に、超高感度冷却CCDカメラによるバイオフォトンの撮影で、肌を傷つけることなく酸化ストレスの高精度での可視化を可能にした。
従来は肌から採取した細胞や角層を試薬を用いて評価していたが、今回の評価法は酸化ストレスを直接評価できるため、従来法では困難なメラニン量が異なる皮膚組織や酸化ストレス状態の経時変化などを、詳細に評価した。その結果、紫外線による酸化ストレスは、皮膚組織のメラニン量に関わらず生じること、紫外線照射直後に急激に発生するが、照射2時間後も完全には消失せず持続することが分った。
この結果は、健やかで美しい肌を維持するためには、日焼け止めを塗るなどして紫外線を防ぎ、肌の酸化ストレスの発生を抑制することや、紫外線を浴びた後に適切にダメージをケアすることが重要であることを科学的に示すものだとしている。
2021年9月10日
資生堂はこのほど、赤外線の影響を正確に評価する実験手法を確立し、赤外線が肌に悪影響を与えるメカニズムの一端を解明したと発表した。同社は、紫外線による肌の酸化ストレスが光老化の原因の1つであることや、太陽光強度のブルーライトが肌にダメージを与えることを見出だしてきたが、今回、赤外線による影響を確認した。
赤外線は可視光より波長が長く、物体を温める作用をもち、天気の良い日に屋外で太陽に当たると、体表温度は数分で約40℃にまで達する。熱作用の影響を排除して光の影響を正しく評価するために、温度上昇をコントロールし光と熱の影響を切り分けて確認できる、独自の実験手法を確立した。
線維芽細胞へ赤外線を照射した結果、赤外線の「光」ではなく赤外線によって生じる「熱」によって、シミや赤み、シワなどへの関与が示唆される血管内皮増殖因子(VEGF-A)が増加した。また、肌トラブルの原因となる皮膚中の過酸化脂質も赤外線による「熱」によって増加したことから、日常的に浴びうる赤外線によって生じる「熱」が、肌に悪影響を与えることが分った。
健やかで美しい肌を保つには、紫外線酸化、ブルーライト酸化、赤外線酸化(熱酸化)の3種類の光酸化へ対応が重要だ。今回併せて、赤外線の熱による肌内部のVEGF-Aと過酸化脂質の産生を抑制する植物由来エキスも特定でき、赤外線の熱による肌ダメージを防ぐ可能性があるとしている。
2021年7月6日
資生堂は、イオンリテールが運営するヘルス&ビューティーケアの専門ショップブランド「グラムビューティーク」で行う容器の回収リサイクル「グラムビューティーク リサイクル プログラム」に参画している。
本州・四国・九州の「イオン」「イオンスタイル」内の化粧品売り場計87店舗内に、回収ボックスを設置。イオンでの購入やメーカーを問わず、全てのブランドのスキンケア、メイクアップ、ヘアケア、ヘアカラー製品の使用済み容器を回収し、リサイクルする。 イオン、コーセー、日本ロレアル、P&Gジャパンと、容器回収やリサイクルを行うテラサイクル・ジャパンが協働し、消費者とともに環境課題を考え、課題の解決に貢献することを目的としている。
回収は6月4日から始まっており、回収した空き容器は、洗浄・粉砕の後、ペレット(プラスチック素材)にマテリアルリサイクルし、買い物かごやエコバックとして生まれ変わる予定だ。
2021年6月1日
三菱ケミカルとフタムラ化学は31日、5月から販売が開始された資生堂のスティック状日焼け止めの外袋に、三菱ケミカルの生分解性樹脂とフタムラ化学のセルロースフィルムが採用されたと発表した。
資生堂は、世界88の国と地域で「SHISEIDO」ブランドを展開しており、その1つであるスティック状日焼け止め「クリア サンケア スティック」において、初めて外袋に生分解性フィルムを使用した。
外袋の内面(シーラント)およびチャック部分に三菱ケミカルの「BioPBS」が、外面にフタムラ化学の「AZ-1」がそれぞれ採用されている。これらはいずれも植物由来かつ自然界の微生物によって水とCO2に分解されるため、世界的に関心が高まっている廃プラスチック問題への解決の糸口になる素材だ。環境配慮に優れた機能に加え、「BioPBS」はその高いシール性、加工性、柔軟性が、「AZ-1」はコシと印刷適性が評価され採用に至った。
環境配慮への要求がますます高まる中、三菱ケミカルとフタムラ化学ではこれらの製品の展開を通して、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献していく。
2020年9月9日
カネカはこのほど、「カネカ生分解性ポリマーPHBH」が「SHISEIDO」ブランドの新製品「アクアジェル リップパレット」の製品ケース(ボディ、蓋)に採用されたと発表した。今年11月より発売される。
両社は昨年より化粧品容器の開発に共同で取り組み、資生堂の同製品のコンセプト「海を大事に想う」という考え方が「PHBH」の海洋分解性と合致することから採用。化粧品用途では初めての採用になる。
「PHBH」はカネカが開発した100%植物由来の生分解性ポリマー(共重合ポリエステル)で、幅広い環境下で優れた生分解性を示し、海水中での生分解認証「OK Biodegradable MARINE」を取得。海洋汚染低減に貢献する。
昨年末、同社高砂工業所(兵庫県)に従来の5倍にあたる年産5000tのプラントが竣工し、グローバル展開する多くのブランドホルダーとストロー、カトラリー、食品容器包装材など幅広い用途で検討が進んでいる。急拡大する需要にタイムリーに応えるため、本格的量産プラントの建設を早期に決定する見通し。
同社は「カネカは世界を健康にする」という考えの下、今後もソリューションプロバイダーとしてブランドホルダーと共同してグローバルに価値を提供していく考えだ。
2019年5月8日
カネカはこのほど、非常にユニークなプラスチックによる海洋汚染問題への解決提案素材「カネカ生分解性ポリマーPHBH」(PHBH)を用いた化粧品用容器を資生堂と共同開発することで合意したと発表した。
カネカは、健康に加え深刻化する地球環境問題への科学技術による解決策を資生堂と協議し、持続可能で快適な社会を創造する価値の大切さで両社の意見が一致した。
プラスチック素材の製品は、暮らしにとって便利で欠かせないものになっている一方で、適切な処理がなされないことによって、海中に漂うプラスチックが生態系や人々の健康へ影響を与える懸念が高まっている。
こうした中、化粧品用の容器や包装材について環境負荷低減を継続的に行っている資生堂より、海水中で生分解する「PHBH」の利点が評価され、両社共同で「PHBH」を用いた製品の開発に取り組んでいく。
「PHBH」は、カネカが開発した100%植物由来のバイオポリマーであり、幅広い環境下で優れた生分解性を保有。海水中で生分解する認証「OK Biodegradable MARINE」(30℃の海水中で、生分解度が6カ月以内に90%以上になること)を取得しており、海洋汚染低減に貢献する。
カネカは美しい環境を次世代に引き継ぐため、新素材の開発によって環境汚染問題に貢献していく考えだ。