住友商事はこのほど、川崎重工業、電源開発(Jパワー)、岩谷産業、丸紅、豪AGL Energy(AGL)が取り組んでいる、豪ビクトリア州ラトローブバレーの褐炭から製造された水素を液化し、日本へ輸送する国際的なサプライチェーン(Hydrogen Energy Supply Chain Project)構築の実証事業に参画すると発表した。
住友商事を含む6社は、豪州連邦とビクトリア州政府の補助金を受け、水素ガス精製、液化水素製造、陸上輸送および積出のパイロット実証と、水素サプライチェーンの商用化に関する検討を行う。実証設備の建設は、今年から順次開始しており、最初の水素製造と輸送試験は、2020~2021年の間に実施を予定している。
住友商事は同実証を通して、豪州連邦とビクトリア州政府が取り組んでいるCarbonNet Projectとのコミュニケーションを促進する役割を担い、将来のCO2フリー水素サプライチェーンの構築を目指し実証事業の完遂に貢献していく。
川崎重工と岩谷産業は、液化水素積荷基地の建設と運用評価を担当し、Jパワーは、褐炭をガス化し、製造された水素ガスの精製設備を担当している。また、丸紅はそれぞれの実証を基に将来の商用サプライチェーン構築に向けた具体的な道筋の構築を行い、AGLは、褐炭の供給とガス精製設備の建設地を提供している。
住友商事は、昨年5月に事業部門横断の「水素関連ビジネスワーキンググループ」を立ち上げ、水素関連のビジネス機会の可能性を追求している。今後も、水素社会の実現に向けた取り組みを加速させていく考えだ。