DIC 出荷が落ち込み減収減益、通期予想を下方修正

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2019年11月15日

  DICが14日発表した2019年12月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比4%減の5766億円。電気・電子や自動車向け材料を中心に広範な分野で出荷が落ち込んだ。出荷数量は想定したレベルほど回復しなかった。

 営業利益は同19%減の295億円。高付加価値製品を中心に出荷数量が落ち込んだことに加え、一部品目で製品価格が低下したことにより大幅な減益となった。円高による海外事業の換算目減りも利益を押し下げた。経常利益は同18%減の300億円。四半期純利益は同18%減の183億円。事業の効率化に関わる特別損益が発生したことに加え、災害や買収関連の一時費用が発生した。

 セグメント別では、パッケージング&グラフィックは、売上高が同4%減の3121億円。現地通貨ベースでは2%の増収となったが、ユーロと新興国通貨安の影響により円貨ベースで目減りした。ポリスチレンは出荷数量が増加したが、原料価格の低下に伴う製品値下げの影響により減収となっている。営業利益は同12%減の131億円。価格改定が進んだことに加え、原料価格上昇の影響が緩んできたことで、現地通貨ベースでは微減と、前年同期に近いレベルまで改善した。

 カラー&ディスプレイは、売上高が同6%減の896億円。営業利益は同22%減の88億円。TFT液晶の製品価格低下のほか、一般顔料の出荷低調により減益となった。また、中国での環境規制の強化や、貿易摩擦に伴って顔料の原料価格が上昇したことも利益を圧迫した。

 ファンクショナルプロダクツは、売上高が同4%減の1999億円。PPSコンパウンドは世界的な自動車生産台数の減少影響を受け、出荷が低調に推移。合成樹脂全般では中国を中心として低調に推移したが、サステナブル樹脂は今期にインドの塗料用樹脂メーカーを子会社化したことで、出荷数量増に転じた。営業利益は同16%減の129億円。エポキシ樹脂など高付加価値製品の出荷が落ち込んだほか、物流やユーティリティコストの増加により大幅減益となった。

 第3四半期の業績動向を踏まえ、通期の業績予想を下方修正した。売上高は前期比4%減の7750億円、営業利益は同15%減の410億円、経常利益は同18%減の400億円、当期純利益は同31%減の220億円を見込んでいる。

コベストロの7-9月期 販売価格の下落響き減収減益

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2019年11月14日

 コベストロの2019年12月期第3四半期(7-9月)連結決算は、売上高が前年同期比15%減の32億ユーロ、EBITDAは同51%減の4億ユーロ、純利益は同70%減の1億ユーロとなった。主要製品の販売量は同5%増となったが、販売価格の下落が続いたことで減収減益となった。

 第3四半期までの累計(1-9月)では、売上高が同16%減の95億ユーロ、EBITDAは同54%減の13億ユーロ、純利益は同71%減の5億ユーロとなっている。

 7-9月のセグメント別の業績では、ポリウレタン事業の売上高は競争激化による販売価格の下落の影響を受け、同20%減の15億ユーロ、同様の影響により、EBITDAも同55%減の2億ユーロとなった。主要製品の販売量は同5%増加。家具産業や家電を中心とする電気・電子産業、建築産業で需要の伸びがあったが、自動車産業の需要低下が相殺した。

 ポリカーボネート事業も販売価格の下落により、売上高が同13%減の9億ユーロ、EBITDAは同58%減の1億ユーロ。主要製品の販売量は、主に電気・ 電子産業や建築産業での需要増により同9%増となった。

 塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業の売上高は同3%減の6億ユーロ。EBITDAは販売量と利益率の低下の影響を受け、同12%減の1億ユーロとなった。主要製品の販売量は、自動車産業をはじめとするすべての主要産業で塗料の需要が低下したことで4%減となった。

 第3四半期の業績が予想通りだったことから、通期の業績予想については変更していない。

クラレの1-9月期 販売数量減や市況悪化受け減収減益

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2019年11月13日

 クラレが12日に発表した2019年12月期第3四半期(1-9月期)連結決算は、売上高が前年同期比5%減の4289億円、営業利益は同22%減の423億円、経常利益は同27%減の379億円、純利益は同42%減の194億円となった。営業利益については、数量・操業度で同90億円、交易条件で同5億、経費その他で同25億円のマイナスとなり、全体として同120億円の減益となった。

 セグメント別に見ると、ビニルアセテートは減収減益。ポバール樹脂は景気減速により販売量が減少し、光学用ポバールフィルムは液晶パネルの在庫調整の影響を受け、出荷が減少した。PVBフィルムは、建築用高機能フィルムの需要は拡大したものの、自動車用途は販売量が減少した。

 一方、水溶性ポバールフィルムは個包装洗剤用途の需要が伸長し、販売が拡大した。EVOH樹脂「エバール」は、ガソリンタンク用途で自動車生産台数減少の影響を受け、食品包材用途も販売が低調だった。イソプレンは減収減益。

 イソプレン関連では、ファインケミカル、熱可塑性エラストマー「セプトン」とも景気減速の影響を受け、販売量が減少した。耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は、車載用コネクタ向けの新規採用が進展したが、電気・電子デバイス向けは需要の停滞に伴い、数量が減少した。

 機能材料は減収減益。メタクリルは、樹脂の販売数量の減少と市況悪化が響いた。メディカルは、歯科材料の審美修復関連製品を中心に堅調に推移。カルゴン・カーボンは、北米の飲料水用途の需要が拡大したが、欧州は需要の停滞に伴い、販売が伸び悩んだ。一方、炭素材料は高付加価値品の販売が拡大した。

 繊維は減収減益。人工皮革「クラリーノ」は、ラグジュアリー商品用途が引き続き堅調に推移した反面、靴用途の販売量は減少した。繊維資材は、ビニロンでセメント補強用の輸出が低調だった。またゴム資材向けも自動車生産台数減少の影響を受けた。生活資材は、「クラフレックス」で汎用品の数量が減少した。

 なお、通期業績予想については、主力事業のビニルアセテートとイソプレンで、自動車用途などを中心に需要が低迷していることから、各項目を下方修正した。売上高は5780億円(前回予想比220億円減)、営業利益570億円(同100億円減)、経常利益520億円(同105億円減)、純利益285億円(同95億円減)を見込んでいる。

東海カーボンの1-9月期 増収も販売減などで減益に

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2019年11月7日

 東海カーボンの2019年12月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比28%増の1986億円、営業利益は同2%減の494億円、経常利益は同4%減の490億円、純利益は同47%減の310億円となった。

 売上高は黒鉛電極・カーボンブラック・ファインカーボンの売価改善と、M&A案件の連結売上貢献により増収。営業利益は黒鉛電極の売価上昇はあったが、販売数量減などにより減益。純利益は前年同期に特別利益228億円が発生したため大幅減となった。

 セグメント別では、黒鉛電極事業の売上高は同6%増の730億円、営業利益は同5%減の363億円。販売数量は減少したが、主要原材料の世界的な逼迫などにより、販売価格は上昇した。

 カーボンブラック事業の売上高は同64%増の804億円、営業利益は同4%増の80億円。販売数量が減少したものの、米国の新拠点の連結寄与により増収増益となった。

 ファインカーボン事業の売上高は同33%増の232億円、営業利益は同115%増の49億円。黒鉛素材生産設備が高稼働を維持したことに加え、韓国のTokai Carbon Koreaが連結子会社となり、売上高・営業利益の増加に寄与した。

 精錬ライニング事業は、ドイツの炭素黒鉛製品メーカーとグループ会社を連結子会社化したことから報告セグメントを追加し、今期は8、9月の2カ月分の業績を反映させている。売上高は45億円、営業損益は12億円の損失となった。のれん償却費など約14億円と企業結合に関わる一過性の取得費用などが約14億円発生しているため営業損失を計上している。

 工業炉及び関連製品事業の売上高は同3%増の82億円、営業利益は同5%増の22億円。その他事業の売上高は同20%減の93億円、営業利益は同68%減の3億円。

 通期の業績予想については、黒鉛電極の販売数量が減少していることから、売上高と各利益項目を下方修正した。売上高は前年比14%増の2626億円、営業利益は同21%減の580億円、経常利益は同22%減の573億円、純利益は同51%減の361億円を見込んでいる。

昭和電工の1-9月期 環境悪化で全セグメントが減益に

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2019年11月7日

 昭和電工は6日、2019年度第3四半期(1-9月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比4%減の6956億円、営業利益19%減の1093億円、経常利益20%減の1076億円、純利益18%減の810億円となった。

 決算説明会で竹内元浩執行役員CFOは「売上高は化学品が小幅増収となったが、その他のセグメントは総じて減収となった。営業利益は黒鉛電極の

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東亞合成の1-9月期 主力製品の販売減響き減収減益

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2019年11月1日

 東亞合成が31日に発表した、2019年12月期第3四半期(1-9月期)の連結業績は、工業ガスや高機能情報端末に使用される反応型接着剤、米国市場での瞬間接着剤など、主力事業での販売数量の減少が響き減収となり、海外市場で展開する販売強化への固定費負担の増加や、設備投資に伴う減価償却費の増加が利益を圧迫し減益となった。

 売上高は前年同期比1%減の1083億円、営業利益は6%減の111億円、経常利益は5%減の121億円、純利益は8%減の83億円。

 セグメント別では、基幹化学品事業の売上高は3%減の490億円、営業利益は6%減の43億円。電解製品は、カセイソーダや次亜塩素酸ソーダの販売価格是正が寄与し増収。アクリルモノマー製品は、シンガポール子会社での一部製品の生産停止や販売価格の値下がりが響き減収。工業用ガスも振るわなかった。

 営業利益は、カセイソーダや次亜塩素酸ソーダの販売価格是正は増益要因となったが、工業用ガスの収益悪化などが利益を圧迫し、全体として減益となった。

 ポリマー・オリゴマー事業の売上高は1%増の220億円、営業利益は21%増の29億円。アクリルポリマーは、LIB向け製品やシーリング材用樹脂の増販が寄与し増収。アクリルオリゴマーは、国内での販売が堅調に推移した。高分子凝集剤は、国内販売価格の是正などで増収となった。

 営業利益は、減価償却費などの固定費は増加したものの、アクリルポリマーの増販や高分子凝集剤などの価格是正が寄与し増益となった。

 接着材料事業の売上高は5%減の84億円、営業利益は38%減の12億円。高機能無機材料事業の売上高は1%増の61億円、営業利益は10%減の17億円。樹脂加工製品事業の売上高は同1%増の199億円、営業利益は2%減の9億円。なお、通期の業績見通しについては、前回予想を据え置いた。

BASFの1-9月期 売上高2%減、ケミカル事業などの不振響く

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2019年10月31日

 BASFグループの2019年12月期第3四半期の売上高は、前年同期比2%減の152億ユーロとなった。主な減収要因は、マテリアル事業セグメントとケミカル事業セグメントの価格低下によるもの。市場の不確実性や顧客が発注に慎重であることも影響した。

 主要な顧客市場からの需要は回復しなかったが、アグロソリューション事業セグメントとサーフェステクノロジー事業セグメントで販売量が増加したことから、販売量は前年同期と同水準を維持することができた。

 特別項目控除前営業利益は同24%減の11億ユーロ。これは、マテリアル事業セグメントとケミカル事業セグメントの大幅な不振によるもの。イソシアネートの価格は予想通り大幅に下落し、スチームクラッカーの定期修繕や、クラッカー製品の利益率の低下もあった。これらの要素が、両事業セグメントの利益に大きなマイナスの影響を及ぼした。

 ただ、川下分野の事業は好調で、インダストリアル・ソリューション事業セグメントは、固定費が減少したことなどから、特別項目控除前営業利益が大幅に増加。サーフェステクノロジー事業セグメントも、3つの事業本部すべてで特別項目控除前営業利益が大幅増となった。

 ニュートリション&ケア事業セグメントでは、ケア・ケミカルズ事業本部が大幅な増益となったことから、特別項目控除前営業利益が大幅に増加。アグロソリューション事業セグメントでは、売上高の増加により、特別項目控除前営業利益が大幅に増加した。

 営業利益(EBIT)は前年同期とほぼ同水準の14億ユーロ。前年同期には営業利益の特別項目がマイナス7500万ユーロだったが、今期はプラス2億5700万ユーロとなった。スイス・バーゼルにある同社のクリベック拠点の株式を売却したことによる大幅な売却益が、バイエルから買収した事業の再編措置による特別費用を十分に補う形となった。純利益は前年同期の12億ユーロに対し、9億1100万ユーロだった。

AGC 1‐9月期決算(30日)

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2019年10月31日

[AGC/1‐9月期決算](30日)単位100万円、カッコ内は対前年同四半期増減率。▽連結=売上高1,123,753(▲0.2%)、営業利益73,609(▲15.4%)、親会社の所有者に帰属する四半期純利益28,883(▲55.5%)。