BASFの1-9月期 売上高2%減、ケミカル事業などの不振響く

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2019年10月31日

 BASFグループの2019年12月期第3四半期の売上高は、前年同期比2%減の152億ユーロとなった。主な減収要因は、マテリアル事業セグメントとケミカル事業セグメントの価格低下によるもの。市場の不確実性や顧客が発注に慎重であることも影響した。

 主要な顧客市場からの需要は回復しなかったが、アグロソリューション事業セグメントとサーフェステクノロジー事業セグメントで販売量が増加したことから、販売量は前年同期と同水準を維持することができた。

 特別項目控除前営業利益は同24%減の11億ユーロ。これは、マテリアル事業セグメントとケミカル事業セグメントの大幅な不振によるもの。イソシアネートの価格は予想通り大幅に下落し、スチームクラッカーの定期修繕や、クラッカー製品の利益率の低下もあった。これらの要素が、両事業セグメントの利益に大きなマイナスの影響を及ぼした。

 ただ、川下分野の事業は好調で、インダストリアル・ソリューション事業セグメントは、固定費が減少したことなどから、特別項目控除前営業利益が大幅に増加。サーフェステクノロジー事業セグメントも、3つの事業本部すべてで特別項目控除前営業利益が大幅増となった。

 ニュートリション&ケア事業セグメントでは、ケア・ケミカルズ事業本部が大幅な増益となったことから、特別項目控除前営業利益が大幅に増加。アグロソリューション事業セグメントでは、売上高の増加により、特別項目控除前営業利益が大幅に増加した。

 営業利益(EBIT)は前年同期とほぼ同水準の14億ユーロ。前年同期には営業利益の特別項目がマイナス7500万ユーロだったが、今期はプラス2億5700万ユーロとなった。スイス・バーゼルにある同社のクリベック拠点の株式を売却したことによる大幅な売却益が、バイエルから買収した事業の再編措置による特別費用を十分に補う形となった。純利益は前年同期の12億ユーロに対し、9億1100万ユーロだった。