東洋紡の4-12月期 注力分野が拡大し純利益黒字化

,

2020年2月10日

 東洋紡が7日に発表した2019年度第3四半期の連結決算は、売上高が前年同期比1%減の2480億円、営業利益は4%増の160億円、経常利益は6%増の134億円、純利益は黒字化し59億円だった。

 今期は、成長分野と位置づける「フィルム&コーティング」で、液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」は、生産性を向上し順調に販売を拡大し、セラミックコンデンサ用離型フィルム「コスモピール」は、新加工設備を稼働し増産体制を整えた。さらに、フィルム事業基盤をより強固にするため、昨年10月に帝人の子会社2社を買収し、一体運営を開始した。

 また、2018年9月の火災事故により焼失した、エアバッグ用原糸・機能性クッション材「ブレスエアー」の製造設備を昨年9月に再建し、順調に生産・販売を再開した。一方で、エアバッグ用基布については、原糸の代替品調達による販売を継続している。こうした中、同社のフィフム事業は好調に推移し、増益に大きく貢献した。

 セグメント別に見ると、フィルム・機能樹脂事業は減収増益となり、売上高は4%減の1143億円、営業利益は18%増の120億円。フィルム事業では、包装用フィルムは世の中の環境意識の高まりを受け、環境に配慮した製品の販売が好調で、工業用フィルムは、「コスモピール」が電子関連部品の生産調整の影響を受けたものの、「コスモシャインSRF」が大手偏光板メーカー向けの販売を順調に拡大した。

 機能樹脂事業では、ポリオレフィン用接着性付与剤「ハードレン」が海外向けに販売を伸ばした一方で、エンジニアリングプラスチックは、世界的な自動車減産の影響を受け、加えて中国向けの非自動車用途の樹脂販売が伸びず苦戦した。

 産業マテリアル事業は、火災の影響と需要減により減収減益となり、売上高は前年同期並みの497億円、営業利益は70%減の8億円。ヘルスケア事業は、機能膜・環境事業が好調に推移し増収増益となり、売上高18%増の286億円、営業利益は30%増の40億円だった。

 繊維・商事事業は、アクリル繊維の産業資材用途へのシフトを進める中、原料価格変動の影響を受け需要が低迷し減収減益。売上高は2%減の453億円、営業損失は1億円(前年同期は営業損失0億円)。なお、通期業績予想については、前回予想を(昨年11月7日発表)を据え置いた。

デンカの4-12月期 販売価格差・減販が響き減収減益

,

2020年2月10日

 デンカが7日に発表した2019年度第3四半期の連結決算は、売上高が前年同期比7%減の2887億円、営業利益は3%減の240億円、経常利益は6%減の227億円、純利益は9%減の167億円だった。

 球状アルミナ、アセチレンブラックなど車両電動化関連製品の販売好調が継続し、デンカ生研の検査試薬やインフルエンザワクチンの販売も前年を上回った。その一方で、原材料価格下落に応じたスチレン系製品の販売価格の改定に加え、クロロプレンゴムや半導体関連製品(高機能フィルム・球状溶融シリカフィラーなど)の販売数量が減少したことなどから、減収減益となった。

 セグメント別に見ると、エラストマー・機能樹脂部門の売上高は16%減の1121億円、営業利益は82億円。スチレンモノマープラントの非定修年であったことに加え、デンカシンガポール社のスチレン系樹脂のスプレッドは改善したが、クロロプレンゴムの販売数量が減少し、21億円の減益となった。

 インフラ・ソーシャルソリューション部門の売上高は前年同期並みの413億円、営業利益は4億円。製品価格改定による収支改善が進んだことなどにより黒字化した。

 電子・先端プロダクツ部門の売上高は2%増の499億円、営業利益は85億円。生産体制強化に伴う固定費増加や、高機能フィルムの販売減などのマイナス要因はあったものの、車両電動化関連製品の販売が伸長し増益に貢献した。

 生活・環境プロダクツ部門の売上高は6%減の281億円、営業利益は前年同期比8億円の減益。プラスチック雨どいと工業用テープの販売はおおむね前年同期並みだったが、合繊かつら用原糸「トヨカロン」や、食品包材用シートとその加工品などの販売減が響いた。

 ライフイノベーション部門の売上高は7%増の287億円、営業利益は63億円。デンカ生研の検査試薬やインフルエンザワクチンの販売が好調に推移し、19億円の増益となった。なお、通期業績予想は前回予想を据え置いた。

旭化成の4-12月期 中国成長鈍化などの影響で減益

,

2020年2月10日

 旭化成が7日に発表した2019年度第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比微増の1兆5885億円、営業利益は同11%減の1402億円、経常利益は同12%減の1457億円、純利益は同10%減の1038億円。

 売上高は、住宅セグメント・ヘルスケアセグメントは買収したエリクソンとカーディアック・サイエンスの新規連結に加え、既存事業の拡大で増収となったが、マテリアルセグメントが減収となり、全体として微増に留まった。

 営業利益も住宅セグメント・ヘルスケアセグメントは順調に推移し増益だったが、マテリアルセグメントが中国成長鈍化などの影響を受けて減益となったことで、全体でも2桁減だった。

 マテリアルセグメントは売上高が同6%減の8359億円、営業利益は同26%減の791億円。基盤マテリアル事業はナフサクラッカーの臨時修理と誘導品の定期修理による販売数量減、ナフサ価格下落に伴う在庫総平均差などにより減益となった。

 パフォーマンスプロダクツ事業はセージの連結があったものの、タイヤ向け合成ゴムの不振やエンジニアリング樹脂の販売数量減などで減益。スペシャルティソリューション事業も韓国ESS火災の影響によるLIB用セパレータの販売数量減などで減益となっている。

 住宅セグメントは売上高が同10%増の4897億円、営業利益は同19%増の462億円。建築請負部門の引き渡し棟数の増加、物件の大型化による平均単価上昇により増益となった。

 ヘルスケアセグメントは売上高が同6%増の2511億円、営業利益は同5%増の358億円。医薬事業での固定費減少と、医療機関向け除細動器やAEDなどのリサシテイション事業の販売数量増で増益となった。

 通期の連結業績予想については、マテリアル領域の事業で市場環境の特段の改善が見込まれないことや、1月に発生したナフサクラッカーの一時停止の影響などを織り込み下方修正した。

 売上高は前期比1%増の2兆1900億円(前回予想比310億円減)、営業利益は同15%減の1785億円(同145億円減)、経常利益は同17%減の1835億円(同160億円減)、純利益は同14%減の1275億円(同155億円減)の見通しとなった。

クレハの4-12月期 減収も土地売却益などで増益に

,

2020年2月7日

 クレハが6日に発表した2019年度第3四半期連結決算(IFRS)は、売上収益は前年同期比5%減の1054億円、営業利益は同85%増の258億円、税引前四半期利益は同82%増の259億円、親会社四半期利益は同87%増の207億円となった。減収だったが、本社別館の土地の売却益など、その他の収益の計上により増益となった。

 セグメント別では、機能製品事業は売上収益が同8%減の314円、営業利益は同9%減の33億円。機能樹脂分野は減収減益。リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上が増加したが、PPS樹脂とシェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品などの売上は減少した。炭素製品分野も高温炉用断熱材向けの炭素繊維の売上が減少し減収減益。

 化学製品事業は売上収益が同15%減の173億円、営業利益は同45%減の15億円。医薬・農薬分野は減収減益。慢性腎不全用剤「クレメジン」の医薬品の売上は前年並みだったが、農業・園芸用殺菌剤の売上が減少した。工業薬品分野では、無機・有機薬品類の売上が減少し減収減益。

 樹脂製品事業は売上収益が同4%減の340億円、営業利益は同4%減の57億円。コンシューマー・グッズ分野は増収増益。家庭用ラップ「NEWクレラップ」とフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上が増加した。業務用食品包装材分野は減収減益。熱収縮多層フィルムなどの売上が減少し、ブローボトル事業の譲渡を行ったことも響いた。

 建設関連事業は建設工事などの増加により、売上収益が同21%増の95億円、営業利益は同140%増の6億円。その他関連事業は売上収益が同2%増の132億円、営業利益は同44%増の20億円。環境事業は増収増益、運送事業は売上・営業利益ともに前年同期並み、病院事業は売上が増加したが、営業利益は前年同期並みとなった。なお、通期の業績予想は据え置いた。

三菱ケミカルの4-12月期 MMA市況の下落響き大幅減益

,

2020年2月7日

 三菱ケミカルホールディングスは6日、2019年度第3四半期(4-12月期)の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比5%減の2兆7308億円、コア営業利益32%減の1810億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益54%減の763億円。

 決算説明会で、伊達英文取締役執行役常務は「売上収益は、MMAやポリカーボネートなどの石化市況が下落したことや、為替要因などにより減収となった。コア営業利益は、

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

大陽日酸 4-12月期決算(5日)

,

2020年2月6日

[大陽日酸/4―12月期決算](5日)単位100万円、カッコ内は対前年同四半期増減率。▽連結(国際会計基準:IFRS)=売上収益633,435(22.3%)、コア営業利益68,251(55.6%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益41,358(51.9%)。

ダイセルの4-12月期 主力製品の販売数量減で減益に

,

2020年2月6日

 ダイセルは5日2019年度第3四半期(4-12月期)連結決算を発表した。売上高は前年同期比14%減の3128億円、営業利益同50%減の226億円、経常利益50%減の243億円、純利益86%減の46億円。

 セグメント別にみるとセルロース事業は売上高13%減の562億円、営業利益36%減の83億円。酢酸セルロースは、たばこフィルター用途の販売が減少した。たばこフィルター用トウは収容顧客でのシェア拡大や新規顧客開拓に取り組み販売数量が増加したが、為替や販売構成差の影響を受けた。

 有機合成事業は売上高11%減の607億円、営業利益34%減の75億円。酢酸および合成品は市況下落や中国の景気減速の影響により国内外の販売数量が減少した。機能品は脂環式エポキシの販売数量が増加したものの、自動車分野、電子材料分野、化粧品分野での需要が減少した。

 合成樹脂部門は売上高6%減の1266億円、営業利益は9%減の155億円。ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどエンジニアリングプラスチック事業は中国景気減速による自動車生産台数の減少や、スマートフォンの需要低迷の影響を受けた。ABS樹脂、樹脂コンパウンド事業は販売数量が減少した。樹脂加工事業は、高機能フィルムの販売が増加したものの、シートなどの販売が減少した。

 火工品事業は売上高26%減の619億円、営業利益80%減の29億円。自動車エアバッグ用インフレ―タなど自動車安全部品事業は、新車用通常ビジネスにおいて国内や中国市場での拡販により販売数量は増加したが、他社リコール代替品供給が収束に向かっており全体として販売数量が減少した。その他は売上高31%増の74億円、営業利益21%減の3億円。

 なお同日、通期業績予想の修正を発表。売上高4200億円(前回発表比110億円減)、営業利益310億円(同50億円減)、経常利益325億円(同55億円減)、純利益70億円(同145億円)に下方修正した。中国経済悪化の影響などにより、有機合成事業、合成樹脂事業の需要が想定より低調に推移したことや、火工品事業での生産地再編による特別損失(137億円)の計上などが主な要因。

三井化学の4-12月期 基盤素材の海外市況下落で減益

, ,

2020年2月6日

 三井化学は5日、2019年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比10%減の9991億円、営業利益29%減の530億円、経常利益42%減の505億円、純利益53%減の271億円。

 同日開催の決算会見で久保雅晴代表取締役副社長は、「今期は厳しい事業環境の中、当社が強化している成長3領域のモビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングでは、

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について